世界の終わりにこの場所にたどり着く。
文明の成れの果て(シビルボトム)と呼ばれるこの住居区には、わずかながらの人々が生活している。
今は無き文明がこのような形で再利用されているとは思いもしなかった。
空は蒼く、水は清い。失われた自然も少しは残っているようだ。
歩を止めてしまった人類は、再び歩き出すことが出来るのだろうか。
案内人の少女はこちらを振り返り言う。
「どうして立ち止まっているのか」と。
その言葉に我に帰った俺は、この文明への一歩を踏みしめたのである。
最終更新:2022年08月31日 18:29