【フェアリオン・ヴァーチェ】
とある辺境の地にこんな伝説がある。
『結ばれた夫婦の間に5年経っても子供が一人も授からなかったなら、それはヴァーチェが子供をさらっているのだ』
ヴァーチェとは、かつてはこの地に舞い降りた天使のことであった。
だが、ヴァーチェは天界の掟に背いて人間と恋に落ち、愛を育んで子供を産んだ。
しかし、天界でそれを見ていた彼女の父が子供を呪い殺してしまった。
嘆き悲しんだヴァーチェを励ます為、夫は彼女の為に好物を作ろうと狩に出る。
だが、その森でヴァーチェの父が熊に化けて夫を八つ裂きにして殺してしまった。
夫を深く愛していたヴァーチェは、『子供さえ生まれなければ』と思い込んでしまう。
それ以来、この地に生まれる子供は不幸な死を遂げる者が多いのだという。
最終更新:2022年08月29日 19:14