福島第一原子力発電所事故
2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故について、
「1000年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べ、国と東京電力を擁護した。
また、「東電は(大型の地震と津波による)被災者の側面もあり、政府が東電を加害者扱いばかりするのはいかがか」と指摘。
東電への責務を求めず、早々と免責を訴えた。
浜岡原発停止要請に関して
2011年5月9日の記者会見で、菅首相の浜岡原子力発電所の停止要請について
「結論だけがぽろっと出てきて、思考の過程が全くブラックボックスになっている」と述べ、
「民主党政権は透明性というが、どういうことか政治の態度を疑う」と民主党政権を厳しく批判した。
電力会社の発送電分離について
2011年5月23日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の事故を契機としたエネルギー政策の見直しで、
菅直人首相が今月、電力会社の事業形態を発電と送電に分ける「発送電分離」の議論が必要と発言したことについて、
「動機が(原発事故の)賠償問題にからみ不純だと思う」と指摘した。
今後の新規原発建設について
「(福島第一原発の事故の)原因を徹底的に解明して、安全性を確保して、
原子力というものが必要だということを国民に訴え、原発の信頼を回復すべき。」
「(新規原発建設計画を)廃止するという必要はないと思う。」
●The Wall Street Journal, Japan Online Edition
【インタビュー】東電は甘くはなかった=経団連の米倉会長
http://jp.wsj.com/index.php/Japan/Companies/node_217459
2011年 4月 6日 21:27 JST
日本経団連の米倉弘昌会長に、東日本大震災が経済に与える影響、今後のエネルギー政策、福島第1原子力発電所の事業会社である東京電力に対する思いなどを聞いた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の単独インタビューに応じた。
(中略)
WSJ:中長期的な日本のエネルギー政策は見直しが必要か?
米倉氏:見直すことになるのだろう。原発の今の問題がどういうことで生じたのか、徹底的に解明して、再発防止の手を打っていくべきだろう。
日本は化石燃料のエネルギー源がもはや国内にない。このため、原油を輸入し、LNG(液化天然ガス)を輸入して発電をする。それよりもCO2を考えると、原子力が一番いいのではないかというように考えていた。
やはり、国民の信頼を回復するにはかなり時間が必要だ。むしろ、原因を徹底的に解明して、安全性を確保して、原子力というものが必要だということを国民に訴え、経済性とCO2、あるいは安全ということをバランスのとれた形でやっていくべきだと思う。
WSJ:必ずしも今までの計画を全体的に見直すということではないのか?
米倉氏:現在、9つほどの原発計画があると思うが、これについても(今の問題の)原因を解明し、安全性を計画に反映すれば、もっと安全な原発になるのではないか。
WSJ:延期か廃止ということではないのか?
米倉氏:廃止するという必要はないと思う。
WSJ:タイミング的には少し伸ばす必要があるか?
米倉氏:Intentional(故意による)に伸ばすということではない。結果的に国民の信頼を回復するには時間がかかるということだろう。
(中略)
WSJ:当局への不信が国民にみられる。東電の責任問題、情報公開問題はどうか?
米倉氏:一生懸命やっている。考えられていないが、東電自体が被災者だ。従業員が津波に流され、機器も津波に流されているところがある。そういったなかで一生懸命努力をしている。政府としては、東電が最大限努力しやすいような環境を作るべきだと思っている。いろいろ見ていると、政府の内部で考え方が食い違ったりしており、非常に憂慮している。
WSJ:東電は甘かった?
米倉氏:甘かったということは絶対にない。要するにあれは国の安全基準というのがあって、それに基づき設計されているはずだ。恐らく、それよりも何十倍の安全ファクターを入れてやっている。東電は全然、甘くはない。
WSJ:円安傾向にある。為替をどうみている?
米倉氏:震災が起こった後、急激な円高になった。これは聞くところ、われわれには理解できないのだが、要するに日本の保険会社、あるは被災した企業が、資金が必要なために海外資産を売却するだろうと。だから円高、円を買っておけ、というようなことで。非常に不謹慎極まるインベスター、ファンドがいる。
資本主義の発展は、高い倫理観がベースにある。これがなければ資本主義はうまく回転しない。これにもかかわらず、金儲けのためだけにこういった為替のディールをやるということは、私は経済人として許しがたい。こういったことだから、協調介入が合意されたのだろうと思う。
今、ようやくにして元に戻ってきたように思う。リーマンショックの前は(対ドルで)90円とか100円近くにあったのがどんどん上がってきて、それで82~83円でずっと定着していた。これはその当時でさえ、日本企業にとっては非常に大きな打撃だった。85円は歓迎すべき動きだろうと思う。
(中略)
(聞き手はチェスター・ドーソン記者)
最終更新:2011年08月13日 03:38