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*30人いる!その14 【投稿日 2007/10/14】 **[[・・・いる!シリーズ]] 長き眠りの間に脳内の情報が整理されたせいか、久々の制作会議で恵子は次々と活発にアイディアを提案して行った。 「それとさあこの話、仮にもケロロが主人公なんだろ?にしちゃあケロロの出番少なくねえか?」 ハッとなる一同。 伊藤「言われてみれば、そうですニャー…」 恵子「そこでだ、ケロロにも派手な見せ場作ってやろうと思うんだ」 一同「見せ場?」 ちょっと嫌な予感がする一同。 恵子「ケロロと言えば、やっぱバナナだろ?ベムって錬金術で何でも作れるんだから、ケロロ倒す時にバナナの皮出して、ケロロがコケに走る、それでいいんじゃない?」 一瞬凍結する一同。 恵子「どうよ?」 一同『バナナキター!』 国松「(小声で)良かったですね会長、特訓がムダにならなくて」 荻上「(小声でケロロ風に)我輩、複雑な心境であります(通常の声で恵子に、意を決したように少しためて)そうね、仮にも主役なんだから、それ行きましょ、ねえみんな!」 一同「(多少複雑な心境ながら)はいっ!」 恵子「あとさあ浅田、お前確か高校から予備のカメラ借りて来たって言ってたよな?」 浅田「8ミリの方は岸野のフジカシングル8の後発の型違いで、ビデオの方はDJ-100です。岸野のDVX100ほどじゃないけど名機ですよ」 恵子「その辺の話はよく分からんけど、とりあえず岸野のとフィルムとかは共同で使えるのか?」 浅田「もちろん出来ますよ。予備用に用意したんですから」 恵子「そんじゃあさ、そのカメラ2台も使おうよ」 浅田「えっ?」 恵子「だからさあ、せっかくカメラ2台余分にあるんだから、使わなきゃもったいねえだろ?」 アンジェラ「OH、クロサワ方式あるね!」 荻上「クロサワって、黒澤明監督のこと?」 アンジェラ「そうあるね。クロサワは何台ものカメラで同時に撮影して、それを編集で繋いで効果を上げていたあるね」 沢田「アンジェラ、ハリウッド以外の映画にも詳しいのね」 アンジェラ「何たって世界のクロサワだから、クロサワは例外あるよ」 巴「やっぱ黒澤監督って、海外の方が評価高いのね」 国松「そう言えば、ウルトラマンでも同じ様な話があるわ」 一同「ウルトラマン?」 国松は次の様なエピソードを紹介した。 「ウルトラマン」第3話「科特隊出撃せよ」特撮班撮影時のこと。 準備中に東宝のカメラマンの有川貞昌が遊びに来た。 そこで元々はカメラマンだった、特技監督の的場徹がこんな提案をする。 「せっかくカメラマンが3人居るんだから、3台カメラ回してみないか?」 有川がこの提案に乗ったので、有川と本来のカメラマンの高野宏一、そして的場監督の3人同時に撮影し、迫力ある破壊シーンが撮れた。 それらの話を黙って聞いていた恵子、本題に戻した。 恵子「偶然たあ言え、何かすげえこと提案しちゃったみたいだな、あたし。で、どうよカメラマンのお2人さん?」 岸野「うーん…カメラマンもう2人ってのは賛成なんですが…」 浅田「ただ今からだと、専任のカメラマンが決めれないですね」 恵子「他と兼ね合いや代わりばんこじゃまずいか?」 岸野「出来れば避けたいですね。カメラってやつは1台1台くせがありますから、なるべく同じ人間に持たせたいんです」 浅田「それに使い方を教えるの、8ミリは何とかなりますけど、ビデオはDJ-100が機能充実し過ぎなんで、1人に集中的に教えた方が効率いいと思います」 神田「でももうみんな、何か担当してますね」 恵子「うーん…」 しばし沈黙した後、恵子は立ち上がってこう宣言し、部室を出て行った。 「ちょっと待ってろ。すぐ戻るから、それまで自習してろ」 10分後、恵子が戻って来た。 「お待たせ。カメラマン2人連れて来たぞ」 一同「マジっすか?」 恵子「つーても2人ともカメラいじるのは初めてだそうだから、浅田、岸野、ちゃんと教えてやれよ」 浅田・岸野「はいっ!」 荻上「で、カメラマンの人は?」 部室の入り口に立ったままだった恵子に、荻上会長が尋ねた。 恵子「おうそうそう、(振り返り)まあ入ってよ」 荻上「ヤブ?」 大野「加藤さん?」 そう、恵子が連れて来たカメラマンとは、「やぶへび」の藪崎さんと加藤さんだった。 荻上「何でまた?」 藪崎「まあ、この間の日曜にイベント済んだからヒマやしな…」 大野「漫研の方は学祭の用意は無いんですか?」 加藤「あっちは他のみんなに任せるわ」 荻上「いいんすか?」 加藤「構わないわよ。部室借りたお礼もあるし」 荻上『あれってニャー子さんのレンタル料代わりじゃなかったっけ?』 多少疑問を残しつつも荻上会長も会員一同も何とか納得し、こうして新たにカメラマンを2人増員して、現視研の映画制作は8ミリとビデオ各2台ずつの4台体制となった。 「そうだ千里、さっきケロロたちの着ぐるみ、もう出来てるって言ってたけど、今ここに持ってきてるのか?」 恵子の問いに、国松は目を輝かせて笑顔で答えた。 「有りますよ、監督」 荻上「そう言えば、私たちもまだ見てないわね」 国松「すいません会長、監督が来られるのを待ってお披露目しようと思って」 恵子「そっか。そんじゃ見せてもらおうか」 国松「分かりました。それじゃあ着替えますんで、ケロロ小隊役の5人以外は外に出てて下さーい!」 「おー!」 国松に呼ばれて再び部室に入った会員たちは、思わず感嘆の声を上げた。 部室の中にはケロロ小隊の5人が揃っていた。 若干頭が小さいが、四肢に比べて太く下膨れな胴体の感じは上手く再現されていた。 思わず近付く会員たち。 豪田「(ケロロの頭を触り)うわーやらかい、よく出来てるわね。これ本当に荻様入ってるの?」 荻上「入ってるわよ」 巴「うわっほんとだ」 他の会員たち(主に女子、男子は中身が女の子なので遠慮してる)も、各々手近なケロン人を撫でたり指でツンツンしたりする。 国松「どうですか、監督?」 国松の弾んだ声に対し、何故か恵子は怪訝な顔をしていた。 大野「どうしたんですか、恵子さん?」 恵子「うーん…よく出来てるとは思うんだけど、何か違和感があるんだよな…」 台場「2次元のキャラを3次元で再現したからじゃないですか?」 巴「あと着ぐるみが縫いぐるみ風味なせいかも…」 神田「分かった、2頭身じゃないからじゃないですか?」 恵子「にとうしん?」 神田「つまり身長の半分が頭ってことですよ。ケロロたちは本来2頭身ですけど、今回のは…千里、これ何頭身なの?」 国松「3,5頭身よ」 恵子「えらく中途半端な数字だな。何で2頭身で作らなかったんだ?」 国松「実は2頭身の頭も試作してみたんですが…日垣君、あれ持ってきて」 日垣「うん(部室の外へ出る)」 言いながら国松は、自分のスーツのギロロの頭を脱いだ。 剣道部員のように、頭にタオルを巻いた国松が顔を出した。 次に荻上会長に近付く。 国松「会長すいません、ちょっとだけしゃがんで頂けますか」 荻上「(少し腰を落とし)こう?」 国松「すいません、ちょっと失礼します」 言いながら荻上会長のスーツのケロロの頭を脱がせた。 国松の時と同じように、頭にタオルを巻いた荻上会長が顔を見せた。 荻上「で、どうするの?」 ちょうどその時、日垣が部室に大きな箱を持って戻ってきた。 ブラウン管使用の大型テレビの箱らしい。 国松「試作品の2頭身バージョンの頭、実はケロロ用のしか作ってないんです」 それに合わせるように、日垣は箱から大きなケロロの頭を出した。 一同「でかっ!」 日垣が取り出したケロロの頭は、軽く直径1メートルを超えていた。 恵子「何だ、あるんじゃねえか。被ってるとこ見せてくれよ」 日垣「失礼します、会長」 言うなり日垣は、2頭身バージョンのケロロの頭を荻上会長に被せた。 荻上「(2頭身のケロロの顔を撫で)何か軽いわね、この頭。さっきのやつより軽い気がするんだけど」 国松「3,5頭身の頭は、アメフトのヘルメットにスポンジ貼って作ったんですが、これは針金で組んだ枠に紙貼って作っただけのハリボテなんです」 恵子「ヘルメットなんて、どっから仕入れたんだ?」 日垣「アメフト部に交渉して、古いヘルメットを安く払い下げたんです」 国松「会長、ちょっと直立してみて下さい。あと日垣君も会長の隣で直立して」 言われた通り、2人は並んで直立した。 部室の時間が、しばらく停止した。 一同呆然として、日垣と荻上会長を見つめた。 国松「監督、3,5頭身で作った理由、お分かり頂けましたか?」 恵子「…たいへんよく分かりました」 2頭身版ケロロの身長は、185センチの日垣よりも遥かに高かった。 その差は1メートルは無さそうだが、70~80センチは有りそうに見えた。 恵子「でも何でこんなにでかくなるんだ?」 日垣「今回ケロロ小隊を演じる女の子たちは全員身長150センチ前後なんで、首から下は大体130~140センチといったところです」 国松「だからこの頭、直径130センチで作りました」 台場「て言うことは、130センチに130センチを重ねて…260センチ?!」 有吉「それってアンドレ・ザ・ジャイアントよりでかいじゃん…」 (注)アンドレ・ザ・ジャイアント 「大巨人」の別名で知られる、往年の巨人プロレスラー。 身長223センチ、体重236キロ(最大時)。 スー「1人ノけろん人ト言ウニハアマリニモ大キ過ギ、2人ノけろん人ト言ウニハけろん星ノ人口ノ辻褄ガ合ワナイ」 浅田「だから何でスーちゃん、アンドレの日本でのキャッチコピーなんか知ってるんだ?」 アンドレ・ザ・ジャイアントには古館伊知郎作のキャッチコピーが数多くある。 今スーが言ったのはそのもじりで、オリジナルは「1人の人間と言うにはあまりにも大き過ぎ、2人の人間と言うには世界の人口の辻褄が合わない」というものだった。 荻上「まあそれはともかく、確かにこの頭、何か変な感じね…軽い割に大きいからバランス悪いし」 言いながら荻上会長、歩いてみようとするがふらつく。 とっさにそれを支える国松。 国松「日垣君、会長のマスク取ってあげて」 言われるままに2頭身バージョンのケロロの頭を外す日垣。 荻上「ふう、ありがと」 国松「これも2頭身をNGにした理由のひとつです」 荻上「確かにあれじゃアクションは無理ね」 日垣「それで国松さんといろいろ試してみた結果、3,5頭身に落ち着いたんです」 恵子「よーく分かったよ、3,5頭身にした訳が。ご苦労、お2人さん」 次回予告 さて、今回はまとめて2回分予告。 次回ちょっとした騒動を挟んで、次々回いよいよ撮影初日のロケ地が決まる。 もしかしたら、次回でドドンと1本で決まるかも… (まあ仮にそうだとしても、連投規制回避の為に1回休憩挟むでしょうけど) [[30人いる!その15]]に続く

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