アップルにおまかせ!

 今回の戦は、新都市同盟軍の辛勝に終わった。
 キバ将軍と軍師クラウスを捕らえ、仲間に引き込めたのはよかったのだが。
 正直、かなりギリギリの戦いだった。
 それもこれも、軍主リオウのかわりに指揮を取った副軍師アップルの指揮が、その、 いろいろと拙かったからだ。
 そして今、アップルは夜中だというのにリオウの部屋に呼び出されている。
 室内にはリオウと、兄弟子のシュウが待っていた。
「失礼します」
 ぱたん。と扉を閉めたアップルに、シュウの冷たい鞭のような言葉が浴びせられる。
「アップル。一体、あの指揮はなんなんだ。それでもシルバーバーグの一門か?」
 アップルの身体がぴくんと硬直する。
「兵力を二分したのは俺の策だ。無論、リドリー殿を伏兵にしていたのは秘密だった
とはいえ、本隊の守りが手薄だったのは理解していたはずだ」
 シュウが机を軽く叩いた。
「本体が苦戦しているにもかかわらず、囮役が動かないのはどういうことだ?」
「それは、その……」
 伝令を出して、直ちに包囲にうつるように連絡するのが遅れてしまったのだ。それに、 森の中に伏せていた囮役が戦場に参じるのに、思ったよりも時間がかかってしまったからだ。
「さらに、敵はリオウ殿のもとへ一気に攻め寄せてきた。軍主であるリオウ殿には、 本陣の奥に構えていただくのが本筋であるのに、そのリオウ殿が最前線にいるのは どういうことか?」
「ええと……」
 軍の中で一番優秀な部隊がリオウの部隊であったので、前線に立ってもらったのだ。
それに、劣勢の中で軍主自ら陣頭に立つというのは、軍の士気を高めるのに好都合だと 思った。
「リオウ殿の奮戦により、王国軍の前進が遅れた隙に、リドリー殿の伏兵が王国軍の 背後を突いた。それにあわせて反撃に出るのはいい。反撃の口火を切るのに火炎槍を 使ったのもいいだろう。だが、よりにもよってリオウ殿の部隊を巻き込む形で火炎槍を 使ったとあっては、俺はもはや言葉も出ない……」
 シュウがため息をもらしながら首を横に振る。
 アップルは何も言えなかった。
 押し寄せる王国軍を食い止めるために、なんとしても反撃の糸口をつかみたかったのだ。
それに、リドリー率いるコボルドたちが伏兵として潜んでいることは知らなかった。
 そして、最前線にリオウがいたことは失念していて。
 まあ、リオウの所在を失念していたのは大失態だ。
 同席しているリオウから見ても、今のアップルはひどく落ち込んでいる。
 でも、最後の話は、アップルの命令に素直に従った黄色いクマさんと糸目の槍使いを まず説教しないと駄目なんじゃないかな。と思いながら。

 シュウが主導する反省会はなおも続く。
「お前は軍師として、もっと能力を磨かねばならん」
 アップルの身体が、もう一度ぴくんと震える。
「これから、忍耐力と状況判断能力を養うための訓練を行う。いいな、アップル」
「はい、シュウ兄さん……」
 アップルはそう答えると、ぎこちない手つきで服を脱ぎだした。
 ベッドに腰掛けていたリオウがため息をつく。
 あーあ、まただよ……。
「さあ、リオウ殿にお付き合いいただけるよう、お願いするんだ」
 一糸まとわぬ姿になったアップルが、リオウの前にひざまずく。むしろ土下座に近い。
「リ、リオウさま。このように貧弱な身体の、私ではございますが、私の修行に、しばしお付き合いくださいませ……」
 アップルは耳まで真っ赤にして、リオウの足にキスでもしそうな勢いで頭を下げている。
 今のアップルの胸のうちは、恥ずかしさであふれているのだろうな。
 リオウはシュウを見上げる。
「ねえ、本当にこれ、必要なの?」
「無論です」
 即座に答えるシュウ。
「まずは忍耐力だ。俺が「よし」と言うまで、これから何をされても声を出してはならん」
 アップルにそう言い渡してから。
「それではリオウ殿。お願い致します」
「大体、なんで僕なの?」
 前回もぶつけた疑問を、再度ぶつけてみる。
「俺が相手では、アップルの修行になりませんから」
 この嘘つきめ。と、リオウは思った。
 僕とアップルが絡んでいるのを見て、大いに興奮しているシュウの姿を、僕は見逃して いないからな。
「ほら、お前に魅力が無いから、リオウ殿は気が進まんようだぞ」
 そう言われたアップルは、リオウに寄り添うと、リオウの手を自分の胸へと誘った。
 潤んだ瞳でリオウを見上げる。
 声を出してはいけないので、言葉でねだることができないのだ。
 胸に手を置いても何もしてこないリオウの反応を受けて、アップルはリオウの手を自分の 秘所へと導く。
 これ以上、アップルに恥ずかしい思いをさせるのもいけないな。
 リオウは決心した。

 この訓練には、一応ルールがある。
 リオウはアップルを絶頂に導いてやらねばならない。その間、アップルは決して声を発してはいけないのだ。
 あと、なぜか唇へのキスは禁止。他はいかなる手段を使ってもいい。
 こんな訓練に付き合っているのもかなり馬鹿馬鹿しいのだが。
 少なくとも、この光景を義姉に見られるのだけは避けたい。
 リオウは、アップルの耳朶を軽く噛んだ。
 服に押さえられて目立たないが、見た目よりは大きめの胸を優しく愛撫する。
 秘所の割れ目を指でそっとなぞると、しっとりと濡れつつあった。
「リオウ殿。少しくらい乱暴に扱ってもかまいませんから、強めにお願いします」
 シュウの叱咤が飛ぶ。
 女の子を乱暴に扱うのは僕の趣味じゃないんだけどな。と思いながら。
 片方の胸の先端を口に含み、たっぷり舌で味わったあと、カリ。と強めに噛む。
 もう片方の胸は、親指と人差し指で挟むと、そのまま引っ張る。
 快感よりは痛みが強いその刺激を受け、アップルは唇を噛んで耐えた。
 その表情をちらりと見て、リオウの心を黒いものがつつむ。
 リオウ。地味に素質十分。
 胸をわしづかみにし、形か崩れるくらい強く圧迫しては揉みしだく。
 一方でリオウの唇はアップルの首筋から鎖骨にかけてキスの雨を降らせる。
 右手のうち二本の指はアップルの秘所へと潜り込み、親指の先で陰核に振動を与える。
 アメとムチ。
 アップルの呼吸はリオウがドキドキするくらい艶を増して荒くなる。言葉を発すまいと口を硬く結んでいるため、鼻から吐き出される息がリオウをくすぐる。
「んんッ!」
 リオウがアップルの奥のある一点を刺激すると、アップルは思わずうめいた。
 リオウはシュウを覗き見る。
 特に反応はない。どうやら、うめき声は大丈夫らしい。
 というか、シュウも呼吸が乱れつつある。
 リオウとアップルの行為を見て、興奮しているらしい。この変態軍師め。
 推薦したのはアップルで。
 迎え入れたのは僕だけど。
 リオウはアップルのそこが弱点とわかったので、アップルのためにも一気に勝負を つけてあげることにした。緩急と強弱をつけながら、アップルの奥にあるその点と、
陰核と胸への愛撫でアップルを攻め立てる。
 口を固く結んでいられなくなったのか、アップルは自分の指を噛んでいた。声を発すまいときつく噛みすぎたのか、指にじわりと血が滲んでいる。

 リオウの刺激を受けるたびに、アップルは不定期に短く息を吐く。
 アップルは一際高いうめき声をもらすと、秘所がリオウの指を締め付けた。
 アップルの身体が小刻みに震え、リオウの指に脈動が伝わる。
 アップルはそのまま、ぐったりとリオウにもたれかかった。
 リオウはそっと、アップルの頭を撫でてやる。
「軽く達したようだな。では次だ。状況判断能力を養ってもらうぞ」
 まだ呆けているアップルが、その言葉に反応してリオウの服を脱がし始める。
 その様子があまりにも痛々しいので、リオウは上着はアップルに脱がせてもらいながら、
自分でズボンと下着を脱ぎ捨てた。
 あらわれたリオウのモノは、すでに元気一杯。
「リオウ殿に跨るんだ。リオウ殿に達していただくが、決して中に出されることの無いようにするんだぞ。リオウ殿の声や表情に注意するんだ。その瞬間を見極めろ」
 絶対、そんなことで状況判断能力はつかないと思う。
 心の中でツッコミを入れたリオウを、アップルはそっと押し倒す。
 両手でリオウの頬を包み、限りなく唇に近い頬に唇を重ねる。
 そして、リオウのモノを自分にあてがうと、一気に腰を落とした。
 ぬるり。と、リオウは自分のモノがアップルに包まれるのを感じた。
 この場合、リオウはあまり動いてはいけないらしい。あと、達する直前に警告を発したり、声を出すのも駄目だとか。
 アップルが主体的に動き、リオウの表情や声の変化によって、リオウが精を吐き出す瞬間を察知し、直前に引き抜かねばならないから。
 うん。これ、間違いなく訓練にはならない。
 だが、アップルは黙々と腰を動かして、リオウに気持ちよくなってもらおうと精一杯の努力をしていた。
 ただ上下に動かすだけではなく、前後や回転といった変化をつけながら、時には奥深くに受け入れた状態で締め付けてみたり。先端だけを自分の中に入れた状態で、濡れた入り口から隠微な音を響かせたり。前回、シュウに教わったやり方を駆使しながら、リオウの上でがんばっている。
 アップルが動くたびにゆれる胸をそっと両手で包み、指を使って愛してみる。
「あ、ん!」
 アップルは思わず声を漏らした。
「アップル。まだ声を出していいとは言ってないぞ」
 シュウにぴしりと言われたアップルは、きゅっと唇を噛んだ。
 目を閉じ、眉間に皺をよせながら。まだ経験の浅い体で、リオウを喜ばせようと必死になっているアップルがいた。
 その姿を見ているうちに、リオウは発射まで秒読み態勢にあること悟った。
 背筋に走るものがあり、長くは持ちそうにない。
 アップルは目を閉じたまま、一心不乱に腰を動かしている。
 ちょっと待て。
 目を閉じてて、表情の変化に気づくのか?
 これは警告を発してあげないと駄目だろう。いくらなんでも。
「うあッ!」
 わざと声をあげて、自分の限界が近いこと警告する。
 アップルの動きが急に速くなる。
 それ、逆効果。
 しかも、目はまだ閉じたままだし。
「ちょっと、待って!」
 思わず腕をつかみ、腰の動きではなく自分の表情を見てもらおうとした瞬間。
 アップルは、すとんと腰を落とした。
 根元に近いところまで、一気に包まれる。
 そして、限界がきた。
 リオウのモノはアップルの一番奥で、びくん、びくん、と精を吐き出してしまう。
 アップルにもそれはわかったようで。
 崩れるようにしてリオウの胸に身体を預けた。
 アップルの口から荒い息が漏れ。
 アップルの細い指が、リオウの肩をきゅっと抱きしめた。
 リオウも、アップルを抱きしめる。
「まったく……」
 余韻にひたる間もなく、シュウがあきれたという声で。
「あれほど直前に引き抜けと言ったのに、中で出されてしまうとは。リオウ殿の状況を
把握できていないからそうなるのだ」
 それ、かなり難しいと思うけど。
 怒りの声とは裏腹に、やたらとすっきりした表情のシュウがアップルに言い渡したのは。
「まだまだ訓練が必要だな。今夜はリオウ殿につきあっていただいて、忍耐と状況判断を学べ」
 リオウの胸に顔を埋めるアップルが、小さくうなずく。
 ちょっと待て。まだ続けるのか?
「それでは、リオウ殿。あとはよろしくお願いします」
 そういい残し、声をかける間もなく、シュウはリオウの部屋から立ち去ってしまう。
 残された二人。
「リオウさま。お願いします」
「待て、アップル。落ち着け」
 抗議の声もむなしく、アップルは再びリオウのモノを刺激し。リオウのモノはその刺激に素直に反応してしまって。
 そのまま、二回戦へと突入していった。


 結局、リオウは夜通しアップルの訓練に付き合わされることになった。
 全部で五回も発射させられた後で、リオウは思った。
 これは、アップルの訓練ではなく、自分で軍を指揮しようとしない僕に対する罰ゲームなのではないだろうか。と。

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最終更新:2009年02月08日 01:09
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