A.…問題ありません。


 高校での地理は受験対策として「知識」が重視されていることがほとんどと
言えるでしょうが、大学での地理は「空間を見る」という行為が重視されます。
山の名前や首都の地名など基礎としての知識は、授業で取り上げることは滅多に
ありませんし、取り上げられる際には地図帳が用意されるなどの配慮がなされて
います。

 大学では「地理学的な視点」が必要であることから、高校時代に地理を選択
していたことは無駄ではありません。しかし地理学は先ほども述べたように、
幅広い視点であらゆる“空間”を見る学問ですから、日本史や世界史を学んで
きた学生にも有利な点はありますので、高校時代に選択した科目によっての
優劣は発生しません。実際に日本史や世界史を選択していた先輩も数多く
いらっしゃいます。

 もちろん、大学に入ってから高校の地理を勉強する必要もありません。
大学に入ったら、大学ですべきことを成していってください。大学に入って
ほぼ全員が同じスタートラインに立って1から勉強ができるという点では、
ある意味魅力的な学問なのかもしれませんね。

 最後に、常識の(地理に縁のない人でも知っているような)レベルで地理の
知識を持っていることは確かに必要かもしれませんが、それ以上にあなたの
出身地についての知識を持っておいた方が、あなた自身のためになります。
それは、卒業論文などの研究材料になるだけでなく、社会人になってから
あなた自身の出身地を紹介できるということが、社会人デビューをする際に
自分を紹介する第一歩となりうるからです。
最終更新:2009年03月26日 13:53