浄土真宗一の会 教学テキスト 真宗学3号 問6


問
 仏教徒の基本的心構えを説いた聖徳太子の御言葉とその出典を書きな
 さい。
答
 「篤く三宝を敬え、三宝とは仏法僧なり、則ち四生の終帰、万国の
 極宗なり」                  (十七条憲法)

平成16年4月11日(日) 万世橋区民館 3階
教学講義 講師:中根繁会長
「四生」とは、胎生・卵生・湿生・化生の4つの生まれ方を言う。

「胎生」は、母の胎内で子供が育って、しばらくしてから生まれるような
生まれ方を言う。
人間や牛などの生まれ方を胎生と言う。

「卵生」は、卵から生まれるような生まれ方を言う。蛇や鳥やワニなどの
生まれ方を卵生と言う。

ちなみに、マムシは母体を破って生まれてくる(*1)というので、卵生か胎
生か分からない。

「湿生」は、ジメジメした所から沸き出ずるが如くに生まれてくるような
生まれ方を言う。
蛆虫(*2)や蛞蝓(なめくじ)(*3)などの生まれ方を言う。

現代科学から言えば、蛆虫や蛞蝓(なめくじ)も卵から生まれるので、卵
生の中に湿生を入れて考えることもできる。

仏教では、薄暗いジメジメとした所から沸き出ずる生まれ方をするものを
湿生と言う。

「化生」は、夢のような生まれ方をする生まれ方を言う。
夢の中では、胎生のように赤ん坊の姿で生まれるのではなく、突然、大人
の姿のままで生まれる。

パッと生まれて、パッと消えてしまう。このような生まれ方をするのは、
地獄への生まれ方や極楽への生まれ方である。

地獄へ生まれるのは、地獄化生と言い、極楽へ生まれるのは、蓮華化生と
言う。

信心決定した人は、臨終に一念で極楽の蓮の台に化生するので、蓮華化生
と言う。

「終帰」とは、帰り着く所という意味。

「万国の極宗」とは、万の国の究極の宗教ということ。 
日本一国だけでも1万以上の宗教がある。それが万の国となれば数限りな
い宗教がある。その数限りのない宗教の中で、仏教だけが唯一の究極の宗
教であるということ。

更に、親鸞聖人の教えは、仏教の中の究極なので、浄土真宗の教えは極
(ごく)の極(ごく)である。

我々は、その究極の中の究極の教えに巡り会わせて頂いている大変恵まれ
た立場にある。誰でも聞けるような教えではない教えを今聞かせて頂いて
いる身の幸を喜ばせて頂かねばならない。

親鸞聖人は、聖徳太子(*4)を「和国の教主聖徳皇」(*5)と仰しゃって、大
変尊敬されていた。

その為、親鸞聖人は、聖徳太子に関する御和讃を沢山作っていらっしゃ
る。

聖徳太子は、日本に仏教を定着させた人なので、親鸞聖人は聖徳太子のこ
とを「日本の仏教の教主」と仰しゃっている。

聖徳太子以前には、仏教を弘める人は居なかった。

聖徳太子の時代には、仏教擁護派の蘇我氏と廃仏派の物部守屋ら物部氏の
対立があった。

そして、蘇我氏が物部氏を滅ぼしたので、仏教が定着するようになった。

聖徳太子は、蘇我氏側についていたので、蘇我氏の天下となった時に天皇
を補う摂政の地位に就いた。

実質上は、天皇の権力と等しい権力を持っていた。

蘇我氏が物部氏を滅ぼすまでは、日本には土着の日本神道が弘まってい
た。

聖徳太子は、今までの体制を変える時に、人民の心を一つに束ねる目的と
して仏教を弘めたという一面もある。

「聖徳太子は、仏教のことを随分詳しかった」と世間では言われている
が、阿弥陀仏の本願まで辿り着けなかった。

仏教が真実だということは分かったので、仏教精神を根本として十七条憲
法を作ったが、阿弥陀仏の本願を真実とはしなかった。

[get5out考察]

「聖徳太子は、仏教のことを随分詳しかった」と世間では言われている
が、阿弥陀仏の本願まで辿り着けなかった。
仏教が真実だということは分かったので、仏教精神を根本として十七条憲
法を作ったが、阿弥陀仏の本願を真実とはしなかった。
これによると、篤く敬えの対象となる「仏法僧」は、阿弥陀仏の本願のことを指して言ったものではないということになる。
では、十七条憲法は、浄土真宗一の会会員(浄土真宗一の会 教学テキスト 真宗学3号 問5参照)に対しては適応外ということになる。
この説明は、設問の存在意義が否定されていると思う。



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問
仏教だけが、唯一絶対の宗教だといわれた聖徳太子のお言葉と、
その根拠を示せ。
答
・篤く三宝を敬へ、三宝とは仏法僧なり。則ち四生の終帰、万国の
極宗なり、いづれの世、いづれの人か、この法を貴ばざる。それ三
宝に帰せずしては、何を以ってか、まがれるを直らせん。(十七条憲法)
解説
・親鸞聖人は聖徳太子を「和国の教主」と仰有っている。
・篤く――心から、真剣に。
・三宝
┌仏宝――釈迦牟尼仏
│法宝――釈迦の説かれた教え。
└僧宝――釈迦の御教えを正しく伝える人、善知識。形だけの僧は
     入らない。
・四生――生きとし生けるものの生まれ方を四通りで教えられた。
┌胎生――人間とか、牛馬のように胎内で育って生まれる。
│卵生――卵から生まれる(鳥、蛇)
│湿生――湿ったところから湧いて出る(ウジ虫)
└化生――こつねんと生まれる(天上界、幽霊 地獄、餓鬼のよう
     な生まれ方、極楽は蓮華化生という)

・終帰――最後のよりどころ。
・極宗――唯一真実の宗教。
・いづれの世――いつの時代になっても。
・いづれの人――どこの国の人も。
 いづれの世、いづれの人で、三世十方を貫いている。
・貴ばざる――貴ばざるにはいられない。
・帰せずしては――信ぜずしては。
・何を以ってか、まがれるを直らせん――何によって、人生の目的
 を知ることができるだろうか、できない。
 (何によって絶対の幸福になることができるだろうか)

問
仏教は唯一絶対の宗教だと断言されている聖徳太子のお言葉と、
その根拠を示せ。
答
○篤く三宝を敬え。三宝は仏・法・僧なり、すな
 わち四生の終帰・万国の極宗なり。何の世・何
 の人かこの法を貴ばざる。それ三宝に帰せずし
 ては、何を以てかまがれるを直らせん。
                (十七条憲法)

問
 仏教徒の基本的心構えを説いた聖徳太子の御言葉とその出典
 を示しなさい。
答
 「篤く三宝を敬へ、三宝とは仏法僧なり則ち四生の終帰万国の極
 宗なり」                  (十七条憲法)

問
 仏教徒の基本的心構えを説いた聖徳太子の御言葉と、その出典を
 書きなさい。
答
 ○篤く三宝を敬え、三宝とは仏法僧なり。則ち四生の終帰、万国の極宗な
 り。                        (十七条憲法)

参照資料

和国の教主聖徳皇 広大恩徳謝しがたし
一心に帰命したてまつり 奉讃不退ならしめよ

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最終更新:2010年10月23日 11:31