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*ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物 【へらくれすのえいこうふぉー かみがみからのおくりもの】  |ジャンル|RPG|&amazon(B000068HED)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|データイースト|~| |発売日|1994年10月21日|~| |定価|9,900円|~| |配信|バーチャルコンソール:2008年4月22日/800Wiiポイント|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ギリシャ神話を題材にしたデコのRPGシリーズの4作目。 -初期は典型的な劣化ドラクエと見られていたシリーズであったが、野島一成氏がシナリオを手掛けた前作IIIが好評を博し本作はその期待を背負って発売された。 -前作は衝撃的で奥深いシナリオが高い評価を受けていたがシステムやゲームバランスはそれほど良いものではなかった。しかし本作はそれを反省してかシナリオ、グラフィック、音楽、システム、インターフェースなどあらゆる点が高いレベルでまとまって作られている。 ---- **ストーリー ~ 人間の運命を司る神―モイライ。~ 運命の糸を、ある時は紡ぎ、またある時は交え、そして…断ち切ることを生業としていた。~ だが、彼女は考えあぐねていた。そう遠くない未来、人間の運命の糸が全て断ち切れてしまうことに気づいてしまったからなのだ…。~ 人間の未来がない!?運命を操る対象が亡くなることへの辛さ以上に。人間へのゆるぎない愛情に対し。モイライはある決断を下した。~ 「彼ならば、事態を好転させられるかもしれない。」~ 彼とはアトランティスの青年であった。彼はとある事件に巻き込まれ、その結果生きてもいない、死んでもいない特殊な状況に置かれていた。~ それは普通の人間ならば決してありえない状況であったがため、その扱いに困ったモイライによって、彼は9000年もの長い間、壺に封印されていたのだ。~ (神が人間に頼みごとをするなんて、前代未聞だよ。)~ モイライはひどく悪態を尽きながらも、人間の運命の糸が断ち切れてしまう原因探求の旅に彼を向かわせようとする。だが、彼には体がなかった。~ このままでは何も行動することができない!~ そのことに気づいたモイライは、旅の途中に出会う人間に、自由に乗り移れる「トランスファー」の能力を彼に与え、下界に向かわせるのであった。~ ~ 人間の運命と、自らの肉体を求め、彼の冒険は始まる!!~ 果たして彼を待ち受けているものは希望、あるいは…?~ (説明書より引用)~ ---- **特徴 -シナリオや世界観の面ではギリシャ神話のエピソードや神々、地名、用語などをふんだんに駆使し、システム面が基本的にドラクエもどきなのは従来シリーズ通り。 -その中でも異彩を放つのはやはり「トランスファー」のシステム。主に主人公とその相棒であるプラトンが恩恵を受けられるシステムである。 --主人公たちは旅先で出会う様々な人に乗り移り、彼らをキャラクターとして動かすことができる。 ---ただし誰にでも乗り移れるわけではなく、波長が合った特定人物しか乗り移れない。だが乗り移れる人の数は100人に及び、それぞれに特徴と設定がつけられている。 --数が数だけあって犬、子供、精霊、木こり、奴隷、王様、暗殺者、と多様な人物に乗り移ることができる。 ---また乗り移ったまま戦闘を繰り返すと新しい特技を覚えたり乗り移ったからだが強くなったりする。 --乗り移った人間によって得意な武器や所有する特技、ステータスなどが変わり、それぞれ違った性能が与えられている。 --また、王様に乗り移れば街の人が畏れ敬ってくれたり、奴隷に乗り移れば街の人から頼まれごとを押し付けられたりと反応が変わる。 ---犬に乗り移れば他の犬と会話できたり、見張りの兵士に乗り移って通せんぼされていた部屋へ侵入したりと役に立つ場面もある。 -魔法を覚えるにはレベルを高めるだけでなく、対応した魔法が覚えられる神殿の泉に入っておかなくてはならない。 -街によっては研磨屋や鍛冶屋などアイテムを作成したり変化させられる店もある。 ---- **評価点 -前作に引き続き、野島一成氏が手掛けるシナリオ --前作ほど衝撃的などんでん返しこそないものの丁寧に作られた演出、先が気になる展開、散りばめられた伏線、しっかりした舞台設定など完成度は高い。 --パンドラの箱やアルゴー号、天を支える巨人アトラス、失われたアトランティス、冥府の川レーテーと渡し守カロンなどギリシャ神話の各エピソードを生かすだけでなく独自性のあるアレンジがなされており、それらが絡められたストーリーは世界観を見事に生かしている。 --「永遠の命」をテーマにして動くそれぞれのイベントは各キャラクターの心情や神々の思惑が簡明な演出で上手く表現されており、魅力的な物語が繰り広げられている。 -ボリュームこそ少ないが、スケールの大きい冒険 --冒険は辺境から始まり、幾つもの国をまたにかけて世界中をめぐり、冥界や海底、天上までも経由する。9000年前の因果が関わる背景設定など物語の舞台は壮大。 -SFC成熟期に発売されたゲームだけあって、グラフィックや音楽の見栄え、聞きごたえもよい。 -滑らかに進むレスポンス・インターフェース --快適な移動速度にコマンド切り替え、戦闘中のメッセージはボタン押しっぱなしで飛ばすことができ、移動魔法やダンジョン脱出魔法もしっかり用意。とてもスムーズに進行する。 -快適なゲームバランス。 --大味なバランスだった前作と比べると難易度がかなり低くなったが、たたかう連打では厳しい丁度いいゲームバランス。魔法や特技を使わずともクリアできなくはないが、使った方が確実に便利で楽しいという具合。 --トランスファーシステムも特に使わずともクリアできるが、使った方がNPCの細かな反応の違いを楽しめたり、便利な特技を覚えて敵を翻弄したりと様々な遊び方ができる。 ---- **問題点 -圧倒的なボリューム不足 --今作の唯一にして最大の欠点。これさえ解消されていたら前作を凌いでシリーズ最高傑作と言われていただろう。 --寄り道をしてもだいたい15時間程度で全クリアが可能。クリア後の要素も40体のボスを延々と倒すだけなど物足りなさは拭えない。 --発売当時はSFCソフトの値段が暴騰しており、今作も1万円近い価格で販売されていたため「遊べる時間に対して値段が見合わない」という欠点は致命的であった。 --もっともこの問題点の原因の一つは評価点にもあるレスポンスのよさもあるため全てが問題点というわけでもない。 ---- **総評 -それまでのヘラクレスの栄光シリーズの集大成と言っていいほど完成度の高い作品。シリーズ最高傑作といわれる前作よりも手軽に遊べることもあり人によってはこちらのほうが好きというプレイヤーもいる。 -最大の欠点であるボリューム不足も現在遊ぶならばバーチャルコンソールなどで安価で入手できることと、他のシリーズ作品と物語が独立していることもあって「手軽にヘラクレスの栄光シリーズに触れられる」という評価点にもなりうるだろう。
*ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物 【へらくれすのえいこうふぉー かみがみからのおくりもの】  |ジャンル|RPG|&amazon(B000068HED)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|データイースト|~| |発売日|1994年10月21日|~| |定価|9,900円|~| |配信|バーチャルコンソール:2008年4月22日/800Wiiポイント|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ギリシャ神話を題材にしたデコのRPGシリーズの4作目。 -初期は典型的な劣化ドラクエと見られていたシリーズであったが、野島一成氏がシナリオを手掛けた前作IIIが好評を博し本作はその期待を背負って発売された。 -前作は衝撃的で奥深いシナリオが高い評価を受けていたがシステムやゲームバランスはそれほど良いものではなかった。しかし本作はそれを反省してかシナリオ、グラフィック、音楽、システム、インターフェースなどあらゆる点が高いレベルでまとまって作られている。 ---- **ストーリー ~ 人間の運命を司る神―モイライ。~ 運命の糸を、ある時は紡ぎ、またある時は交え、そして…断ち切ることを生業としていた。~ だが、彼女は考えあぐねていた。そう遠くない未来、人間の運命の糸が全て断ち切れてしまうことに気づいてしまったからなのだ…。~ 人間の未来がない!?運命を操る対象が亡くなることへの辛さ以上に。人間へのゆるぎない愛情に対し。モイライはある決断を下した。~ 「彼ならば、事態を好転させられるかもしれない。」~ 彼とはアトランティスの青年であった。彼はとある事件に巻き込まれ、その結果生きてもいない、死んでもいない特殊な状況に置かれていた。~ それは普通の人間ならば決してありえない状況であったがため、その扱いに困ったモイライによって、彼は9000年もの長い間、壺に封印されていたのだ。~ (神が人間に頼みごとをするなんて、前代未聞だよ。)~ モイライはひどく悪態を尽きながらも、人間の運命の糸が断ち切れてしまう原因探求の旅に彼を向かわせようとする。だが、彼には体がなかった。~ このままでは何も行動することができない!~ そのことに気づいたモイライは、旅の途中に出会う人間に、自由に乗り移れる「トランスファー」の能力を彼に与え、下界に向かわせるのであった。~ ~ 人間の運命と、自らの肉体を求め、彼の冒険は始まる!!~ 果たして彼を待ち受けているものは希望、あるいは…?~ (説明書より引用)~ ---- **特徴 -シナリオや世界観の面ではギリシャ神話のエピソードや神々、地名、用語などをふんだんに駆使し、システム面が基本的にドラクエもどきなのは従来シリーズ通り。 -その中でも異彩を放つのはやはり「トランスファー」のシステム。主に主人公とその相棒であるプラトンが恩恵を受けられるシステムである。 --主人公たちは旅先で出会う様々な人に乗り移り、彼らをキャラクターとして動かすことができる。 ---ただし誰にでも乗り移れるわけではなく、波長が合った特定人物しか乗り移れない。だが乗り移れる人の数は100人に及び、それぞれに特徴と設定がつけられている。 --数が数だけあって犬、子供、精霊、木こり、奴隷、王様、暗殺者、と多様な人物に乗り移ることができる。 ---また乗り移ったまま戦闘を繰り返すと新しい特技を覚えたり乗り移ったからだが強くなったりする。 --乗り移った人間によって得意な武器や所有する特技、ステータスなどが変わり、それぞれ違った性能が与えられている。 --また、王様に乗り移れば街の人が畏れ敬ってくれたり、奴隷に乗り移れば街の人から頼まれごとを押し付けられたりと反応が変わる。 ---犬に乗り移れば他の犬と会話できたり、見張りの兵士に乗り移って通せんぼされていた部屋へ侵入したりと役に立つ場面もある。 -魔法を覚えるにはレベルを高めるだけでなく、対応した魔法が覚えられる神殿の泉に入っておかなくてはならない。 -街によっては研磨屋や鍛冶屋などアイテムを作成したり変化させられる店もある。 ---- **評価点 -前作に引き続き、野島一成氏が手掛けるシナリオ --前作ほど衝撃的などんでん返しこそないものの丁寧に作られた演出、先が気になる展開、散りばめられた伏線、しっかりした舞台設定など完成度は高い。 --パンドラの箱やアルゴー号、天を支える巨人アトラス、失われたアトランティス、冥府の川レーテーと渡し守カロンなどギリシャ神話の各エピソードを生かすだけでなく独自性のあるアレンジがなされており、それらが絡められたストーリーは世界観を見事に生かしている。 --「永遠の命」をテーマにして動くそれぞれのイベントは各キャラクターの心情や神々の思惑が簡明な演出で上手く表現されており、魅力的な物語が繰り広げられている。 -ボリュームこそ少ないが、スケールの大きい冒険 --冒険は辺境から始まり、幾つもの国をまたにかけて世界中をめぐり、冥界や海底、天上までも経由する。9000年前の因果が関わる背景設定など物語の舞台は壮大。 -SFC成熟期に発売されたゲームだけあって、グラフィックや音楽の見栄え、聞きごたえもよい。 -滑らかに進むレスポンス・インターフェース --快適な移動速度にコマンド切り替え、戦闘中のメッセージはボタン押しっぱなしで飛ばすことができ、移動魔法やダンジョン脱出魔法もしっかり用意。とてもスムーズに進行する。 -快適なゲームバランス。 --大味なバランスだった前作と比べると難易度がかなり低くなったが、たたかう連打では厳しい丁度いいゲームバランス。魔法や特技を使わずともクリアできなくはないが、使った方が確実に便利で楽しいという具合。 --トランスファーシステムも特に使わずともクリアできるが、使った方がNPCの細かな反応の違いを楽しめたり、便利な特技を覚えて敵を翻弄したりと様々な遊び方ができる。 ---- **問題点 -圧倒的なボリューム不足 --今作の唯一にして最大の欠点。これさえ解消されていたら前作を凌いでシリーズ最高傑作と言われていただろう。 --寄り道をしてもだいたい15時間程度で全クリアが可能。クリア後の要素も40体のボスを延々と倒すだけなど物足りなさは拭えない。 --発売当時はSFCソフトの値段が暴騰しており、今作も1万円近い価格で販売されていたため「遊べる時間に対して値段が見合わない」という欠点は致命的であった。 --もっともこの問題点の原因の一つは評価点にもあるレスポンスのよさもあるため全てが問題点というわけでもない。 ---- **総評 それまでのヘラクレスの栄光シリーズの集大成と言っていいほど完成度の高い作品。シリーズ最高傑作といわれる前作よりも手軽に遊べることもあり人によってはこちらのほうが好きというプレイヤーもいる。~ 最大の欠点であるボリューム不足も現在遊ぶならばバーチャルコンソールなどで安価で入手できることと、他のシリーズ作品と物語が独立していることもあって「手軽にヘラクレスの栄光シリーズに触れられる」という評価点にもなりうるだろう。

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