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*魔界塔士Sa・Ga 【まかいとうしさ・が】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|CENTER:&image(sagaa.JPG,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069SX2/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=141&file=sagaa.JPG]] [[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=141&file=sagab.JPG]]| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1989年12月18日|~| |価格|3,500円|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ゲームボーイ初のRPG。後に20年の歴史を誇ることになったサガシリーズの祖となる作品で、斬新なシステムが多い。 -4人編成でパーティを組み、複数の世界をつなぐ「塔」の頂上にあるという楽園を目指すことがストーリーの目的となる。 -開発段階での仮称は『ファイナルファンタジー外伝』((海外版のタイトルは『Final Fantasy Legend』であり、仮称を基にしている。))であり、それがサブタイトルになって発売された『[[聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝]]』とはある意味対照的であると言える。 --「エクスカリバー」「ケアル」など、武器や防具、魔法やアイテム、モンスターの名前などにFFシリーズと共通のものが見られる。   **評価点 ***斬新なシステム -まずは成長システム。このゲームには他のRPGによくある「経験値」や「レベル」の概念がない。キャラクターの種別によって成長方法が異なる。 --人間は店で売っているアイテム「力の素」「素早さの素」「HP○○○」を使うことでのみ成長できる。魔力は基本的に上がらないため魔法はうまく使えない。 ---強くなるのにお金がかかるが、逆に言えばお金があれば比較的楽に強くなれる。 --エスパーは突然変異で能力の成長や特殊能力の習得が発生する。 ---能力の成長、特殊能力の習得共にメッセージが一切無いのが難点。失いたくない特殊能力がある場合はこまめにステータス画面をチェックすることに。 --モンスターは敵を倒したあとに出てくる肉を食べることで別のモンスターに変化する。 ---うまくすればスタート直後に準最強クラスのモンスターまで変化することも可能。 --非レベル制は、本作のディレクターである河津秋敏氏がゲームデザインを務めた『[[ファイナルファンタジーII]]』とも共通する成長システムである。 -回数制の採用。武器やアイテム、エスパーやモンスターの能力には使用回数がある。 --能力は宿に泊まれば使用回数が回復するが、武器やアイテムの使用回数は回復方法が無いので新しいものを買うしか無い。 --終盤になると、武器やアイテムの使用回数を回復する「けんじゃのいし」というアイテムが買えるようになる。高価だが、終盤の武器に比べれば安い。 -死亡した主人公と仲間はお金を払って生き返らせてもらうのだが、「ハート」の残数分(初期数は3個)しか復活できない(ハートは''店で売っていて''補充可能、しかし高価)。ロマサガ2から採用される「LP」の前身とも言える。 -余談になるが、これらのシステムは『2』でも概ね踏襲された一方、『3』ではなんと経験値・レベルが導入される一方で上記のシステムがほとんどなくなるか別物に変わり、遊びやすくなった一方でシリーズファンからはかなり不評であった(もちろん1、2のシステムは複雑で分かりにくいという声もあったが)。 -後述するネタ要素が先行しがちの作品であるが、短時間で遊べるようにするための成長システムやどこででもセーブできるシステム、シナリオの適度なボリュームとテンポの良さ等、携帯ゲーム機ならではのRPGの形を初作ながら完成させていた事は評価すべき点である。 ***殺伐とした世界観・衝撃的なシナリオ -サガシリーズを物語る、殺伐とした要素もこの作品から始まった。また、こうした世界観に合わせシナリオ(イベント)も斬新で印象に残るものが多い。 --たとえば最初の大陸世界での重要なアイテム「キングの鎧」「キングの剣」「キングの盾」のうち、「キングの鎧」は王の悩み事である村の娘を盗賊から救うことで平和的に入手できるが、「キングの剣」は剣の王を倒して、「キングの盾」は盾の王を暗殺した大臣を倒して、文字通り「殺してでもうばいとる」。 -仲間を入れ替えたいときはアドベンチャーズギルドで新しく雇うのだが、生きている仲間は「おれはいやだぜ」と言って、外すことができない。ただし死んでいる場合は死人に口無しなので、そのまま新人と入れ替えられる。 --ハートと復活にかかるお金((厳密に言えば、復活は激安だがハートは高価))を考えると、ハートを切らしてしまったら入れ替える方が安上がりであることが多い。 ---特に、肉で金や時間をかけずに成長できるモンスターについては顕著に使い捨てられやすい。 --また、シナリオが進むとギルドのメンバーも強化されるため、あまり育っていない仲間を意図的に殺して入れ替える場合もある。 --後の『[[ロマンシング サ・ガ2]]』の「謀殺(暗殺、ルドン高原送りとも呼ばれる)」の原点とも言える。 --もちろん、思い入れがあれば多少効率が悪かろうが同じキャラを使い続けることは可能。編成の自由度は高い。 -そして台詞回し「てめえの ようなやつが 1ばん むかつくんだよ!」(前述の大臣を倒した直後)、「なんの ようだ!」(お店の店員)、「しりたがりやは わかじにするぞ」(空中世界で白虎の親衛隊になって、白虎からジャンヌの話を聞いたあと)、「○○は しんだ」(戦闘シーン)などが殺伐とした世界を演出している。 --一方で河津秋敏氏が絡んだ作品特有の珍妙な迷セリフも健在である。 -小世界で発生するサブイベントにはシュールかつ印象的なものが多い。 --19階~21階のイベントは、表現力に乏しいハードだからこそできたイベントとも言われる。 -また、空中世界のミレイユは時々「スクウェア三大(四大)悪女」に数えられる。白虎に捕まっていたと思いきや…。 -極めつきは塔の頂上・楽園で待つ者である。 #region(ネタバレ(動画付き)) -その待ちうける者「かみ(神)」が語る真実とは「平和な世界に飽きたため、世界を乱す者(=アシュラ)を生み出し、さらにそのアシュラにも飽きたため、今度は人間達に楽園の話を広め、彼らを観察していた」のだという。要は「神様が作った壮大なゲームの中で踊らされていただけ」ということである。 --この真相が明かされるやりとりはいまだにネタにされており、ゲーム史に残る伝説となっている。中でも「&bold(){これも いきものの サガ か…}」というセリフからは、「SA・GA」が「サーガ(物語・神話)」と「性(さが)」のダブルミーニングであることが分かる。 -そしていよいよ「かみ」との決戦を迎える。ラスボスだけあって戦闘能力は強大なのだが、なんと店で普通に売っている''「チェーンソー」で一撃必殺が可能''だったりする。本来チェーンソーは「相手の防御が低いほど成功率が上がる」仕様になるはずだったのだが、バグで「相手の防御が高いほど成功率が上がる」ようになってしまった。そのため防御が極端に高い「かみ」は、チェーンソーで簡単にバラバラにできてしまうのである。 --バグのためにこんな有様となったのだが、このことが逆に「かみ」のインパクトを絶大なものにしてしまった。''「かみは バラバラになった」''というメッセージとともにこれまたネタにされている((『半熟英雄』シリーズのWSC移植版以降の作品には、チェーンソーを持ったそのものズバリなエッグモンスター「かみ」が登場している。サガシリーズの生みの親である河津秋敏氏も、これには大笑いしたらしい。))。 -かみのネタばらし動画。 &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=wOkpNsQNFV8) #endregion ***音楽 音楽はFFシリーズの植松伸夫氏が担当した。 -「涙を拭いて」「魔界塔士」「怒闘」が特に名曲としてあげられる。 -BGMの切り替えタイミング等による演出が秀逸で、本作を印象深い作品にした要素の一つ。 -曲数は15曲と多くはないが、当時の基準としては十分以上であり、実際に遊んでいて不足を感じることは少ない。 --携帯機でありながら、FFシリーズよりも先んじて「通常戦闘・中ボス・ラスボス」でそれぞれ1曲ずつ用意しており、そのどれもが名曲である。 **問題点 ***これもバグゲーのサガか… -本作を語る上で外せないものとして「バグ」の存在がある。 #region(一例) -メニューの「のうりょく」の欄でAボタンを一度押してからキャンセルすると、大抵バグが発生する。 --フリーズすることもあるが、人間をモンスターに変えることも可能。また、場合によっては超級のバグも…。 -特定の名前の主人公がいる時に、ある手順でならびかえを行った後に「ちからのもと」などをBボタンを押して使うと、パラメータがハングまたはループして、いきなり最強になれる。 --これの応用で、アイテム変化や使用回数無限化もできたり、エスパーやモンスターに「素」を使って強化したりもできる。 -扉などに入ると同時にメニューを開いてセーブ&リロードすると、全く違う場所に移動出来る所がある。 --このワープ技を解明、利用してタイムアタックをするプレイヤーもいた。 -都市世界に登場する「そうちょう」は壮絶な特攻死を遂げるが、フラグ設定ミスのせいで、このイベントを何度も起こす事ができる。 --この際に有用な防具が手に入ることもあり、そうちょうはプレイヤーの手によって何度も甦らせられては特攻死を遂げていき「不死身のそうちょう」としてネタにされるのであった。 --ネタにされたことに反応したのか、続編の2と3に「自殺特攻したのに死なない不死身キャラ」がお約束的に登場する。 -チェーンソー(のこぎり)の神殺し仕様も上述のとおりバグである。「やっちまったぜ…」 #endregion -これだけバランス崩壊級のバグがあると普通は批判されてもおかしくないところだが、本作の特有の殺伐かつ混沌とした世界観となんでもありのフリーダムなバグがマッチしていたこと、バグ自体も理解すれば有用なものが多いことなどから問題視されることもなく、''バグが本作最大の魅力''とまで言われるようになってしまった。「プレイヤーに有利なバグは容認される」ことの典型的な事例と言えるだろう。 ***それ以外 -ラストダンジョンの最後近くからは徒歩で戻れなくなり、テレポート用の能力かアイテムが無いと二度と戻れなくなる。当然ラスボスを倒せる能力が無いと詰む。 **余談 -[[『半熟英雄』シリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1086.html]]や『[[ライブ・ア・ライブ]]』のディレクターを務めた時田貴司も、この作品に「たかしくん」として登場している。 --「たかしくん」が登場するイベントは湖の穴にゴミが詰まって小世界が水没しかけ、その下の小世界が水不足に陥る、という内容だが、それは当時時田が社内で流しのゴミを詰まらせた実話が元になっている。 -初期版ROMとバグの一部が修正された後期版ROMと、異なるバージョンが存在する。 -本作は、(旧)スクウェア初のミリオン達成作品である。 -実は『[[ポケットモンスター>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]』の生みの親である田尻智氏は、「(当時明らかに性能の低かった)携帯機でもRPGは作れるのか!」と本作に感銘を受け同作の製作を開始したという。 --実際『ポケットモンスター』には、技の使用回数制など本作の影響を感じさせる部分も散見される。
*魔界塔士Sa・Ga 【まかいとうしさ・が】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|CENTER:&image(sagaa.JPG,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069SX2/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=141&file=sagaa.JPG]] [[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=141&file=sagab.JPG]]| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1989年12月18日|~| |価格|3,500円|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ゲームボーイ初のRPG。後に20年の歴史を誇ることになったサガシリーズの祖となる作品で、斬新なシステムが多い。 -4人編成でパーティを組み、複数の世界をつなぐ「塔」の頂上にあるという楽園を目指すことがストーリーの目的となる。 -開発段階での仮称は『ファイナルファンタジー外伝』((海外版のタイトルは『Final Fantasy Legend』であり、仮称を基にしている。))であり、それがサブタイトルになって発売された『[[聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝]]』とはある意味対照的であると言える。 --「エクスカリバー」「ケアル」など、武器や防具、魔法やアイテム、モンスターの名前などにFFシリーズと共通のものが見られる。   **評価点 ***斬新なシステム -まずは成長システム。このゲームには他のRPGによくある「経験値」や「レベル」の概念がない。キャラクターの種別によって成長方法が異なる。 --人間は店で売っているアイテム「力の素」「素早さの素」「HP○○○」を使うことでのみ成長できる。魔力は基本的に上がらないため魔法はうまく使えない。 ---強くなるのにお金がかかるが、逆に言えばお金があれば比較的楽に強くなれる。 --エスパーは突然変異で能力の成長や特殊能力の習得が発生する。 ---能力の成長、特殊能力の習得共にメッセージが一切無いのが難点。失いたくない特殊能力がある場合はこまめにステータス画面をチェックすることに。 --モンスターは敵を倒したあとに出てくる肉を食べることで別のモンスターに変化する。 ---うまくすればスタート直後に準最強クラスのモンスターまで変化することも可能。 --非レベル制は、本作のディレクターである河津秋敏氏がゲームデザインを務めた『[[ファイナルファンタジーII]]』とも共通する成長システムである。 -回数制の採用。武器やアイテム、エスパーやモンスターの能力には使用回数がある。 --能力は宿に泊まれば使用回数が回復するが、武器やアイテムの使用回数は回復方法が無いので新しいものを買うしか無い。 --終盤になると、武器やアイテムの使用回数を回復する「けんじゃのいし」というアイテムが買えるようになる。高価だが、終盤の武器に比べれば安い。 -死亡した主人公と仲間はお金を払って生き返らせてもらうのだが、「ハート」の残数分(初期数は3個)しか復活できない(ハートは''店で売っていて''補充可能、しかし高価)。ロマサガ2から採用される「LP」の前身とも言える。 -余談になるが、これらのシステムは『2』でも概ね踏襲された一方、『3』ではなんと経験値・レベルが導入される一方で上記のシステムがほとんどなくなるか別物に変わり、遊びやすくなった一方でシリーズファンからはかなり不評であった(もちろん1、2のシステムは複雑で分かりにくいという声もあったが)。 -後述するネタ要素が先行しがちの作品であるが、短時間で遊べるようにするための成長システムやどこででもセーブできるシステム、シナリオの適度なボリュームとテンポの良さ等、携帯ゲーム機ならではのRPGの形を初作ながら完成させていた事は評価すべき点である。 ***殺伐とした世界観・衝撃的なシナリオ -サガシリーズを物語る、殺伐とした要素もこの作品から始まった。また、こうした世界観に合わせシナリオ(イベント)も斬新で印象に残るものが多い。 --たとえば最初の大陸世界での重要なアイテム「キングの鎧」「キングの剣」「キングの盾」のうち、「キングの鎧」は王の悩み事である村の娘を盗賊から救うことで平和的に入手できるが、「キングの剣」は剣の王を倒して、「キングの盾」は盾の王を暗殺した大臣を倒して、文字通り「殺してでもうばいとる」。 -仲間を入れ替えたいときはアドベンチャーズギルドで新しく雇うのだが、生きている仲間は「おれはいやだぜ」と言って、外すことができない。ただし死んでいる場合は死人に口無しなので、そのまま新人と入れ替えられる。 --ハートと復活にかかるお金((厳密に言えば、復活は激安だがハートは高価))を考えると、ハートを切らしてしまったら入れ替える方が安上がりであることが多い。 ---特に、肉で金や時間をかけずに成長できるモンスターについては顕著に使い捨てられやすい。 --また、シナリオが進むとギルドのメンバーも強化されるため、あまり育っていない仲間を意図的に殺して入れ替える場合もある。 --後の『[[ロマンシング サ・ガ2]]』の「謀殺(暗殺、ルドン高原送りとも呼ばれる)」の原点とも言える。 --もちろん、思い入れがあれば多少効率が悪かろうが同じキャラを使い続けることは可能。編成の自由度は高い。 -そして台詞回し「てめえの ようなやつが 1ばん むかつくんだよ!」(前述の大臣を倒した直後)、「なんの ようだ!」(お店の店員)、「しりたがりやは わかじにするぞ」(空中世界で白虎の親衛隊になって、白虎からジャンヌの話を聞いたあと)、「○○は しんだ」(戦闘シーン)などが殺伐とした世界を演出している。 --一方で河津秋敏氏が絡んだ作品特有の珍妙な迷セリフも健在である。 -小世界で発生するサブイベントにはシュールかつ印象的なものが多い。 --19階~21階のイベントは、表現力に乏しいハードだからこそできたイベントとも言われる。 -また、空中世界のミレイユは時々「スクウェア三大(四大)悪女」に数えられる。白虎に捕まっていたと思いきや…。 -極めつきは塔の頂上・楽園で待つ者である。 #region(ネタバレ(関連動画もあり。)) -その待ちうける者「かみ(神)」が語る真実とは「平和な世界に飽きたため、世界を乱す者(=アシュラ)を生み出し、さらにそのアシュラにも飽きたため、今度は人間達に楽園の話を広め、彼らを観察していた」のだという。要は「神様が作った壮大なゲームの中で踊らされていただけ」ということである。 --この真相が明かされるやりとりはいまだにネタにされており、ゲーム史に残る伝説となっている。中でも「&bold(){これも いきものの サガ か…}」というセリフからは、「SA・GA」が「サーガ(物語・神話)」と「性(さが)」のダブルミーニングであることが分かる。 -そしていよいよ「かみ」との決戦を迎える。ラスボスだけあって戦闘能力は強大なのだが、なんと店で普通に売っている''「チェーンソー」で一撃必殺が可能''だったりする。本来チェーンソーは「相手の防御が低いほど成功率が上がる」仕様になるはずだったのだが、バグで「相手の防御が高いほど成功率が上がる」ようになってしまった。そのため防御が極端に高い「かみ」は、チェーンソーで簡単にバラバラにできてしまうのである。 --バグのためにこんな有様となったのだが、このことが逆に「かみ」のインパクトを絶大なものにしてしまった。''「かみは バラバラになった」''というメッセージとともにこれまたネタにされている((『半熟英雄』シリーズのWSC移植版以降の作品には、チェーンソーを持ったそのものズバリなエッグモンスター「かみ」が登場している。サガシリーズの生みの親である河津秋敏氏も、これには大笑いしたらしい。))。 -かみのネタばらし動画。 &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=wOkpNsQNFV8) #endregion ***音楽 音楽はFFシリーズの植松伸夫氏が担当した。 -「涙を拭いて」「魔界塔士」「怒闘」が特に名曲としてあげられる。 -BGMの切り替えタイミング等による演出が秀逸で、本作を印象深い作品にした要素の一つ。 -曲数は15曲と多くはないが、当時の基準としては十分以上であり、実際に遊んでいて不足を感じることは少ない。 --携帯機でありながら、FFシリーズよりも先んじて「通常戦闘・中ボス・ラスボス」でそれぞれ1曲ずつ用意しており、そのどれもが名曲である。 **問題点 ***これもバグゲーのサガか… -本作を語る上で外せないものとして「バグ」の存在がある。 #region(一例) -メニューの「のうりょく」の欄でAボタンを一度押してからキャンセルすると、大抵バグが発生する。 --フリーズすることもあるが、人間をモンスターに変えることも可能。また、場合によっては超級のバグも…。 -特定の名前の主人公がいる時に、ある手順でならびかえを行った後に「ちからのもと」などをBボタンを押して使うと、パラメータがハングまたはループして、いきなり最強になれる。 --これの応用で、アイテム変化や使用回数無限化もできたり、エスパーやモンスターに「素」を使って強化したりもできる。 -扉などに入ると同時にメニューを開いてセーブ&リロードすると、全く違う場所に移動出来る所がある。 --このワープ技を解明、利用してタイムアタックをするプレイヤーもいた。 -都市世界に登場する「そうちょう」は壮絶な特攻死を遂げるが、フラグ設定ミスのせいで、このイベントを何度も起こす事ができる。 --この際に有用な防具が手に入ることもあり、そうちょうはプレイヤーの手によって何度も甦らせられては特攻死を遂げていき「不死身のそうちょう」としてネタにされるのであった。 --ネタにされたことに反応したのか、続編の2と3に「自殺特攻したのに死なない不死身キャラ」がお約束的に登場する。 -チェーンソー(のこぎり)の神殺し仕様も上述のとおりバグである。「やっちまったぜ…」 #endregion -これだけバランス崩壊級のバグがあると普通は批判されてもおかしくないところだが、本作の特有の殺伐かつ混沌とした世界観となんでもありのフリーダムなバグがマッチしていたこと、バグ自体も理解すれば有用なものが多いことなどから問題視されることもなく、''バグが本作最大の魅力''とまで言われるようになってしまった。「プレイヤーに有利なバグは容認される」ことの典型的な事例と言えるだろう。 ***それ以外 -ラストダンジョンの最後近くからは徒歩で戻れなくなり、テレポート用の能力かアイテムが無いと二度と戻れなくなる。当然ラスボスを倒せる能力が無いと詰む。 **余談 -[[『半熟英雄』シリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1086.html]]や『[[ライブ・ア・ライブ]]』のディレクターを務めた時田貴司も、この作品に「たかしくん」として登場している。 --「たかしくん」が登場するイベントは湖の穴にゴミが詰まって小世界が水没しかけ、その下の小世界が水不足に陥る、という内容だが、それは当時時田が社内で流しのゴミを詰まらせた実話が元になっている。 -初期版ROMとバグの一部が修正された後期版ROMと、異なるバージョンが存在する。 -本作は、(旧)スクウェア初のミリオン達成作品である。 -実は『[[ポケットモンスター>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]』の生みの親である田尻智氏は、「(当時明らかに性能の低かった)携帯機でもRPGは作れるのか!」と本作に感銘を受け同作の製作を開始したという。 --実際『ポケットモンスター』には、技の使用回数制など本作の影響を感じさせる部分も散見される。

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