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*DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー/アバタール・チューナー2 【でじたるでびるさーが あばたーる・ちゅーなー/~つー】 ---- ~ 注意:この記事では『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』及びその続編『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2』の両方を扱います。~ ---- |ジャンル|ロールプレイングゲーム|~| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|アトラス|~| |発売日|1:2004年7月15日&br()2:2005年1月27日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:15歳以上対象|~| |廉価版|ATLUS BEST COLLECTION&br()2006年3月23日/1,980円(1・2共通)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/286.html]]''| ---- *概要 女神転生シリーズの完全新作として製作された作品。シナリオ原案は五代ゆう。 『1』と『2』のストーリーは完全に繋がっており、『2』を続編とするよりは前編・後編といったほうが正しい。 通称『DDSAT』、『アバチュ』。 - 『1』のストーリー 部族同士が激しい抗争を繰り広げる世界、ジャンクヤード。 トライブ「エンブリオン」を率いるサーフは覇者のみが辿り着ける楽園「ニルヴァーナ」を目指して抗争に抗争に明け暮れていた。 ある戦いにおいて謎の物体「ツボミ」から放たれた光球に汚染され、悪魔に変身する能力「アートマ」に覚醒してしまう。 悪魔の力を得たと同時に戦う事しか知らなかったサーフ達に人間らしい感情が芽生えていく。 不思議な力を秘めた黒髪の少女セラを巡り激化していく抗争の中、真の敵の影を追うサーフ達を待ち受ける真実とは…。 - 『2』のストーリー #region(ネタバレ注意) ジャンクヤードの抗争に終止符を打ったサーフ。 しかし、ジャンクヤードは消え去りメンバーも散り散りに。 サーフを待っていたのは楽園とは程遠い、無残な彫像と成り果てた人々が乱立する無人の廃墟であった。 仲間を求め見知らぬ荒野をさまようサーフの前に、謎の兵士達が出現。 彼らはサーフを所属不明のアバタール・チューナーと呼び悪魔に変じて襲いかかる。 彼らもまた悪魔化する力を宿していたのだ。 サーフと兵士の死闘を皮切りに、ニルヴァーナを舞台とした最後の戦いが幕を開ける。 #endregion *主な特徴・新システム -戦闘は『[[真・女神転生III NOCTURNE >http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/80.html]]』同様にプレスターンバトルシステムが採用されている。 --戦闘に参加するパーティは3人まで。それ以外は控えとなる。3人になったことで「次に回す」コマンドがより重要になった。 -悪魔に変身して戦う  --悪魔合体や悪魔会話等の要素は無い。変身する悪魔もキャラごとに固有の悪魔である。ちなみに、各キャラには悪魔の姿やイメージを元にした模様が体のどこかに存在しており、それぞれに名前がついている。 --変身を解除して人間状態で戦うことも可能。スキルが使用できなくなり、被ダメージ量が大きくなる等のデメリットもあるが、銃撃属性の攻撃が可能、悪魔状態に存在する弱点がない、破魔属性のスキルを完全無効化するなどのメリットもあり、戦略の幅を広めている。装備品で攻撃力を挙げられるという利点もある(ただし、強化しても攻撃力が低い)。 ---人型でないと突破できないという事態はないため、銃撃弱点以外には狙って使うことはそう多くない。 ---なお、本作は従来作品のように異世界から出現した悪魔というものが存在せず、敵として出現するのは「管理者」が使役する駒かもしくは''人間が変じた姿である''。人間が敵になるのはよくあることだが・・・(ただし2の終盤は、少し話が違ってくる)。 -怯え状態 --敵悪魔の攻撃を無効化する、または弱点を突くと悪魔が怯えることがある。怯え状態の敵からは必ず逃走できるほか、反撃スキルを使用しなくなり、後述するハントスキルの効果が増すという利点がある。 -マントラシステム --各地に配置されているカルマ端末から''マントラ(曼斗羅)''購入して装備する。マントラを装備した状態で敵を倒してAP(アートマポイント)を一定値貯めてマスターすることでスキルが習得できる。 --普通に戦ってもAPは貯まるが、ハントスキルという敵を喰らう攻撃によって敵を倒すことで大量に獲得できる。ただし、運が悪いと''腹を壊す''。ハントスキルは低確率で即死させるタイプとダメージを与えるタイプの2パターンある。 --このため、通常戦闘においては弱点を突いて怯えさせ、ハントスキルで倒すという戦い方が重要になる((ただし、マントラは結構高いうえにキャラ個別で購入する必要がある。そのため、マントラ費用を稼いでいたらAPが溜まっていたという事態がよくある。そもそも、APが早く溜まっても次のマントラが用意できなければあまり意味はない。))。 ---前述の通り、敵のある程度(具体的な割合は不明)は元人間である。それを喰らうということで、キャラの一部も嫌悪感を示したりしている。単なる戦闘システムの枠に収まらず、「敵を喰らう」という要素はゲームの根幹に根付いている。 -ウェイトスキル --使用することによって一度だけ特定の属性を無効、反射、吸収できるシールドを張ることができる。重ねがけはできない。これを活用することで弱点をカバーすることができ、ボス戦闘においては非常に重要。当然、敵も使用してくる。 -リンケージ --パーティメンバーが持つ複数のスキルを組み合わせて発動する合体攻撃。参加人数分のアイコンを消費するが、相応に強力な特殊スキルが発動できる。敵も使用してくるため、使われないように片方を集中攻撃するといった対策も講じなければならない。 -巨大な敵 --通常エンカウントでもプレスアイコンを複数所持する大型の悪魔が出現する。通常敵の数倍のHPを持つ強敵だが、ハントした際の見返りも大きい。 --仲魔システムが無い故に悪魔のグラフィックを大きくすることが可能になったとのこと。 -人型キーパ --2週目から追加される特殊スキル。装備すると、人間のまま戦闘に突入する。実質''スキル枠を使った上で弱くなるスキル''。用途はいわゆる「メタル」的なカモ悪魔狙いかやり込み用((人型のメリットは状況次第なので、最初から人型でいるメリット自体は少ない。なお、隠しを含めたほぼ全てのボス悪魔を人型のままで撃破するというやり込みが存在する。最強隠しボスはさすがに無理だが。))か普段とは違う戦闘開始時の台詞を聞くためくらい。 -ばら撒き --混乱状態になると所持金をばら撒くことがある。過去作品でも存在した要素だが、今作ではばら撒く頻度及び金額が増加しているため相当な量の所持金を失いやすい。ある意味、『[[真・女神転生 STRANGE JOURNEY]]』のマッカビームの先駆けと言える。 *『2』での新システム -カルマリング --装備することによって様々な効果が付与される装備品。一人につき一つだけ装備可能。 --宝石を使ってステータス上昇効果を更に追加することもできる。 -羅刹モード --特定状況下で発生する特殊な戦闘。リスクは高いがその分大量の経験値とAPを得られる。確実に逃走できるためリスクを避けることも可能。 -人間状態の敵 --敵も悪魔に変身する前の人間の状態でエンカウントすることがある。人間状態では主人公達と同様に銃やアイテムを使用して攻撃してくる。戦闘中に変身されると人間状態に対して与えたダメージが回復されてしまう。なお''人間状態の敵はハントして喰らうことはできない''。色々とマズイのだろう。 -HARDモード --被ダメージが増加し、逃走確率が低くなるモード((被ダメージはかなり大きくなるが、逃走確率に関してはそこまでではなく大抵の場合成功する))。このHARDモード限定で戦えるボスも存在する。2週目以降に選択することができるが『1』のセーブデータを引き継ぐことで1週目からHARDモードにすることも可能。引き継ぎした場合、ステータスアップやアイテムなどの特典もあるため、引き継いだ場合はHARDでのプレイが推奨。 *ミニゲーム -『1』『2』ともにフィールドハントというミニゲームが遊べる。少しアクション要素を含むもので成功すれば大量の経験値とAPが獲得できる。 -『2』ではシエロシューティングというミニゲームが遊べる。こちらは完全な別ゲーの縦シューティングであり、ハイスコアを出せばアイテムがもらえる。 --あくまでもオマケ要素でありスルーしても問題はない。この辺りも『真Ⅲ』のアサクサパズルやワープゾーンから改善されている点である。 ---- *評価点 -徹底して練りこまれた世界観とシナリオ --インド神話や仏教をベースにしたダークな世界観の下で重厚なストーリーが繰り広げられる。『1』で張られた大量の伏線が『2』で次々と回収されていく展開は圧巻。選択肢はあるがストーリーは一本道である。 --ストーリーの他、敵悪魔の弱点やスキル等も高いレベルで神話や伝承を再現している。地名等にも関連した単語が名付けられており、調べていくうちに世界観に引き込まれていくこと請け合い。 --ロウやカオスといったメガテン的な概念も出てくる。今回の思想はあまりに過酷な世界で生きるヒトの生存に関わる問題の解決を提起しあう程度のものなので他のアトラス作品をやったことが無いユーザーでも十分に楽しめる。 --『1』での些細な会話等も『2』をやれば「あれはそういう意味だったのか」と気づくことが出来る。『2』をやった後に『1』をもう一度プレイしたユーザーも多いだろう。 -魅力的なキャラクター --主人公のパーティメンバーは勿論のこと、敵キャラクターにも強い個性があり、個々のイベントが用意されている。生という指定席を争う過酷な世界の中で織りなすドラマはさながら映画のよう。 --特に人気があるキャラクターは参謀のゲイル。『2』では更に、皆の語り部といえる少年フレッドが挙げられる。『1』で出てくるあるキャラクターの意思を受け継いだという共通点からか見せ場が多く、『2』における二人の別離は涙なくして語れない。特にフレッドはRPGでよくある『主人公の後ろについて回るお調子者』に見えるが少年ながらあまりにも重い別れを経験し、多くの者達の生き様を心に刻み、終盤の彼は序盤の頃とは全然違う印象を抱くプレイヤーが続出した。二人共サーフよりも主人公らしいという声もある。後述するが問題点ともなっているが。 -良好な戦闘バランス --『真3』において評価されたプレスターンバトルを受け継いでおり、スピーディかつ緊張感のある戦闘は健在。 --リンケージやウェイトスキルが盛り込まれたことによってより戦略的な戦闘が楽しめる。 ---戦闘システムに関しては非常に丁寧で細かい解説がゲーム内でなされる。ライトユーザーに配慮した仕様と言えよう。『1』では最初のダンジョンの攻略全てがほとんどチュートリアルとなっている。 -バランス調整もなされていて、前線のパーティ全員が戦闘不能にならなければゲームオーバーにならない、パーティメンバー全員がアイテムを使用可能、『2』ではプレスターンアイコンを4個増やす「威圧の魔石」((店で購入可能だが所持できるのは1個限り。50000$と高額で一度使うと街に戻って買い直さなくてはならないため、ここぞという時にしか使えない。))が登場したことによって全滅寸前に追い込まれても立て直しが可能、といったような易しめの調整がされている。 --敵の行動パターンも見直され、アイコンを増やすスキルを連発することによる一方的な連続攻撃、いわゆる「劇場」も見られなくなった。 --その他、破魔属性魔法が即死ではなく割合ダメージに変更された他、戦闘が終了すると戦闘不能のキャラクターがHP1の状態で復帰する、ピンチになると逃走の成功確率が上昇する等の調整もある。 -総合的に難易度は低くなっており、''特に『真3』で指摘された理不尽さ、対処不能さは大きく改善されている。'' --それでも戦闘の難易度は高いか低いかで言ったら高い部類に入るのだが。適当なプレイをすると通常戦闘でもあっさり全滅してしまう。ここも女神転生シリーズの血たるゆえんか。 -ハントの爽快さと奥深さ --戦闘において上手く立ち回れば「弱点を突いて敵悪魔を怯えさせ、ハントスキルを連発して敵を1ターンで一掃してAPを金を大量に獲得」という流れになる。即死ハントで次々と敵悪魔を喰らうのは非常に爽快。 --''毒や呪いの状態異常に侵された敵を喰らうと高確率で腹を壊す''、石化した敵にはハントスキルが無効、凍結した敵にはダメージハントはほとんど通じないが即死ハントが有効などかなり細かい設定がなされている。 ---いわゆる「稼ぎ」においても作業感を軽減させる要素となっている。 -豊富かつ強力な隠しボス --近年のアトラス作品では恒例の強力な隠しボスも存在する。メガテンシリーズお馴染みのゲスト悪魔が多く、ファンサービスとしても好評。かなり早い段階で挑むことができる隠しボスも存在するため、低レベルで挑むのも一興。 --『1』に登場する最後の隠しボスは『ウィザードリィ ~DIMGUIL~』のダイヤモンドドレイクと並んで''RPG史上最強クラス''とも評される別格の強さを持つ。撃破報告に発売後から数ヵ月を要したという逸話がある。レベル99で敵の行動パターンを把握し、そこから必要なスキルを吟味し、多少の運を味方につけなければ勝率は0という、シリーズの中でもここまでの強敵はいないだろうと開発者から言わしめた隠しボスである。マスタキャンセラ装備→地母の晩餐で瞬殺は誰もが通る道。 ---現在ではアトラス作品恒例となった極悪パズルボスの元祖だが、それらと比べても頭二つ分ほど飛びぬけている。なお戦闘前に戦うかどうかの選択肢があるため、間違って戦うハメになることはない。 --『2』に登場するHARDモード限定の最後の隠しボスも『1』の彼には及ばないがが規格外の強さを持っている。 -声優陣、音楽、挿入ムービー --いずれも豪華なキャストでクオリティが高く、ゲームを盛り上げる。声優の演技に関しては『1』の序盤では徹底した棒読みだが、これには理由がある。 ---- *問題点・賛否両論点 -主人公サーフの影が薄い。 --メンバーが話し合うイベントシーンでもサーフは喋らず、参謀のゲイルが中心となって話すため''「エアリーダー」「主人公はゲイル((特に2において顕著で、「ゲーム中最初から最後までパーティインしているのはゲイルのみ」「ニルヴァーナの真実を知ったパーティが支配者層と完全に決別する、序盤屈指の名シーンで啖呵を切るのがゲイル」「敵側の重要人物と深い因縁があり、今まで冷徹だったその人物が感情むき出しでゲイルと会話するムービー」など、何も知らない人がストーリーだけを追ったらゲイルが主人公だと勘違いしても仕方がないレベル。設定的に主人公でもおかしくない上、声優の堀秀行氏の名演、エピローグムービーでトリを飾るのがゲイルと上記の人物などもそれに拍車を掛ける。))」''と度々ネタにされる。それなりに見せ場はあるのだが他のメンバーが印象的なためどうしても目立たなくなってしまう。一応選択肢では喋っているのだが、実際に喋るのではなく文字で表示されるのみ。声に出して喋るのは戦闘時のやられボイスくらい((データを解析すると戦闘時のみだがサーフが喋るボイスが収録されている。「降伏の機会を与えたい」「後は追わない、出来るのなら逃げてくれ」とサーフの性格が垣間見えるものだっただけにボツになったのは惜しまれる。))。 ---元々アトラス作品では主人公が喋らないのはいつものことであるが、今作では仲間内でのやりとりがムービーで度々描かれる。その度に無言のままなため、殊更上記のような言われようになってしまっている。また、『1』での注目イベントと言える「覚醒」が起きているのかいないのかも不明というのも要因かもしれない。 --フォローしておくと『2』中盤での彼を中心としたイベントは今までの空気っぷりを覆すかのように印象的である。だが、やはりゲイルとフレッドのイベントには負けてしまう。『1』の頃から積み立てていなかった弊害が出てしまっている。 -ヒロイン「セラ」のキャラクター --某所では''「RPG史上五指に入る不快なヒロイン」''と言われたキャラ。『2』になるとセラの背景が明かされるため改善されると言っていいが、『1』ではかなり不快に感じるプレイヤーも多いかもしれない。 -スキル名の安直さ --特に攻撃スキルが顕著。HPを奪う攻撃で「体力泥棒」、MPを奪う攻撃で「魔力泥棒」、魔封の付与効果を持つ物理攻撃が「黙殺」「黙示録」、属性魔法にも「竜巻」「岩責め」等々。  -『2』での自由度の低さ、展開の早さ --『1』では中盤以降は自由にパーティメンバーを入れ替えできたが、『2』ではメンバーの離脱と復帰が激しく、長期に渡るため、主力として使っていたメンバーが居なくなり、急に戦力不足になるという事態もありうる。 --ラストダンジョンに入るともうそこから過去のダンジョンに戻ることはできない。アイテムや隠しボスを逃したプレイヤーも多数。ストーリー的にもう後戻りは出来ないことが察することはできるのが救いだが、そのときにはメンバーが固定されている。 --『2』で経過する時間は何と''たったの一日、もしくはそれ以下''である。時間的に見て午後~夜明けまで凄まじい強行軍で最初から最後まで展開していくのだ。 ---このため、街中での会話はこまめに確認しないと見落としてしまいがち。中にはアイテムが貰える会話イベントやキャラクターの背景等に触れている重要な会話などもある -一部の隠しボスに「死にゲー」「運ゲー」「作業ゲー」「戦って面白くない」という声もある。 --初見ではほとんど勝ち目がなく、何度もゲームオーバーになりながら攻略法を見いだしていく、というパズル要素が強いボスも賛否両論。''電卓とペンとメモ帳が必須とされる戦闘''に面白さを感じられないプレイヤーも存在した。 --無論正統派の強さを持ち、初見でも通用する隠しボスも存在する。 -パーティ及び敵の状態を確認できない --この作品においてはカジャ系、ンダ系の補助魔法が重要になるのだが、敵にどれだけかかっているか、自身にどれだけかかっているかが確認できない。状態や回数を確認するコマンドが欲しかったという声は多い。 --攻略サイトではコインやサイコロを使って回数を数えておくことが推奨されている。 -分割商法 --容量等の問題もあったのだろうが、完全に地続きのシナリオにも拘らず二つに分けて販売したことは指摘される。『1』では多くの謎が残されたまま、ほとんど未完でエンディングを迎える。そして、ある程度のフォローはされるがハッキリ言って『1』を未プレイで『2』をやってもあまりストーリーを楽しむことはできない。 --引き継ぎ要素もあり、『1』のデータがなければ習得できないスキル、手に入らないアイテム等の要素も存在し、それらが気になる場合『1』をやり直した上でそのデータを引き継ぎして、『2』を最初から始める、というとてつもない手間がかかる。『1』をやり直すのならば「強くてニューゲーム」が可能なのだが…。 #region(ネタバレ注意) ---挙げ句の果てには''『2』終盤での仲間加入フラグ''まで『1』から引き継ぎ要素に含まれている。引き継がなかった場合やフラグを立てなかった場合は別のキャラが加入する。 #endregion ---- *総評 メガテンシリーズのテイストを引き継ぎつつも独自の世界観が構築されている作品。戦略性の高い良好なバランスの戦闘や魅力的なキャラクター、『1』で張られた伏線を『2』で余すことなく回収されている見事なストーリー等、見所は多い。 全体的にライトユーザー向けとも言える調整がなされているため、メガテンシリーズ未経験者にもお勧めできる作品といえよう。 ---- *余談・ゲーム外での展開 -原案の五代ゆうによる書き下ろし小説『クォンタム・デビル・サーガ』が存在する。実質的にはこの小説をゲーム化したのが『デジタル・デビル・サーガ』という位置づけが正確である。全五巻で、凄まじい密度の世界を体験できる壮大なSF小説。もはやゲームとは別物の密度で、ゲームのストーリーをなぞっているのは一巻だけ。二巻以降は原案どおりらしいストーリーが展開していく。なので同じ名前のキャラクターがいるだけ、という認識で読んだ方がいい。 -アトラスのゲームは品薄で価格高騰する傾向があるが、今作はベスト版が出たこともあってかなり入手しやすい。その点でもライトユーザー向けと言える。 -開発スタッフはこの作品を全年齢対象にしたかったらしい。実際には15歳以上対象になったがこれはグロ・流血表現ではなく全裸で登場するセラが引っ掛かったとのこと。 ----
*DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー/アバタール・チューナー2 【でじたるでびるさーが あばたーる・ちゅーなー/~つー】 ---- ~ 注意:この記事では『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』及びその続編『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2』の両方を扱います。~ ---- |ジャンル|ロールプレイングゲーム|~| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|アトラス|~| |発売日|1:2004年7月15日&br()2:2005年1月27日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|CERO:15歳以上対象|~| |廉価版|ATLUS BEST COLLECTION&br()2006年3月23日/1,980円(1・2共通)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/286.html]]''| ---- *概要 女神転生シリーズの完全新作として製作された作品。シナリオ原案は五代ゆう。 『1』と『2』のストーリーは完全に繋がっており、『2』を続編とするよりは前編・後編といったほうが正しい。 通称『DDSAT』、『アバチュ』。 - 『1』のストーリー 部族同士が激しい抗争を繰り広げる世界、ジャンクヤード。 トライブ「エンブリオン」を率いるサーフは覇者のみが辿り着ける楽園「ニルヴァーナ」を目指して抗争に抗争に明け暮れていた。 ある戦いにおいて謎の物体「ツボミ」から放たれた光球に汚染され、悪魔に変身する能力「アートマ」に覚醒してしまう。 悪魔の力を得たと同時に戦う事しか知らなかったサーフ達に人間らしい感情が芽生えていく。 不思議な力を秘めた黒髪の少女セラを巡り激化していく抗争の中、真の敵の影を追うサーフ達を待ち受ける真実とは…。 - 『2』のストーリー #region(ネタバレ注意) ジャンクヤードの抗争に終止符を打ったサーフ。 しかし、ジャンクヤードは消え去りメンバーも散り散りに。 サーフを待っていたのは楽園とは程遠い、無残な彫像と成り果てた人々が乱立する無人の廃墟であった。 仲間を求め見知らぬ荒野をさまようサーフの前に、謎の兵士達が出現。 彼らはサーフを所属不明のアバタール・チューナーと呼び悪魔に変じて襲いかかる。 彼らもまた悪魔化する力を宿していたのだ。 サーフと兵士の死闘を皮切りに、ニルヴァーナを舞台とした最後の戦いが幕を開ける。 #endregion *主な特徴・新システム -戦闘は『[[真・女神転生III NOCTURNE >http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/80.html]]』同様にプレスターンバトルシステムが採用されている。 --戦闘に参加するパーティは3人まで。それ以外は控えとなる。3人になったことで「次に回す」コマンドがより重要になった。 -悪魔に変身して戦う  --悪魔合体や悪魔会話等の要素は無い。変身する悪魔もキャラごとに固有の悪魔である。ちなみに、各キャラには悪魔の姿やイメージを元にした模様が体のどこかに存在しており、それぞれに名前がついている。 --変身を解除して人間状態で戦うことも可能。スキルが使用できなくなり、被ダメージ量が大きくなる等のデメリットもあるが、銃撃属性の攻撃が可能、悪魔状態に存在する弱点がない、破魔属性のスキルを完全無効化するなどのメリットもあり、戦略の幅を広めている。装備品で攻撃力を挙げられるという利点もある(ただし、強化しても攻撃力が低い)。 ---人型でないと突破できないという事態はないため、銃撃弱点以外には狙って使うことはそう多くない。 ---なお、本作は従来作品のように異世界から出現した悪魔というものが存在せず、敵として出現するのは「管理者」が使役する駒かもしくは''人間が変じた姿である''。人間が敵になるのはよくあることだが・・・(ただし2の終盤は、少し話が違ってくる)。 -怯え状態 --敵悪魔の攻撃を無効化する、または弱点を突くと悪魔が怯えることがある。怯え状態の敵からは必ず逃走できるほか、反撃スキルを使用しなくなり、後述するハントスキルの効果が増すという利点がある。 -マントラシステム --各地に配置されているカルマ端末から''マントラ(曼斗羅)''購入して装備する。マントラを装備した状態で敵を倒してAP(アートマポイント)を一定値貯めてマスターすることでスキルが習得できる。 --普通に戦ってもAPは貯まるが、ハントスキルという敵を喰らう攻撃によって敵を倒すことで大量に獲得できる。ただし、運が悪いと''腹を壊す''。ハントスキルは低確率で即死させるタイプとダメージを与えるタイプの2パターンある。 --このため、通常戦闘においては弱点を突いて怯えさせ、ハントスキルで倒すという戦い方が重要になる((ただし、マントラは結構高いうえにキャラ個別で購入する必要がある。そのため、マントラ費用を稼いでいたらAPが溜まっていたという事態がよくある。そもそも、APが早く溜まっても次のマントラが用意できなければあまり意味はない。))。 ---前述の通り、敵のある程度(具体的な割合は不明)は元人間である。それを喰らうということで、キャラの一部も嫌悪感を示したりしている。単なる戦闘システムの枠に収まらず、「敵を喰らう」という要素はゲームの根幹に根付いている。 -ウェイトスキル --使用することによって一度だけ特定の属性を無効、反射、吸収できるシールドを張ることができる。重ねがけはできない。これを活用することで弱点をカバーすることができ、ボス戦闘においては非常に重要。当然、敵も使用してくる。 -リンケージ --パーティメンバーが持つ複数のスキルを組み合わせて発動する合体攻撃。参加人数分のアイコンを消費するが、相応に強力な特殊スキルが発動できる。敵も使用してくるため、使われないように片方を集中攻撃するといった対策も講じなければならない。 -巨大な敵 --通常エンカウントでもプレスアイコンを複数所持する大型の悪魔が出現する。通常敵の数倍のHPを持つ強敵だが、ハントした際の見返りも大きい。 --仲魔システムが無い故に悪魔のグラフィックを大きくすることが可能になったとのこと。 -人型キーパ --2週目から追加される特殊スキル。装備すると、人間のまま戦闘に突入する。実質''スキル枠を使った上で弱くなるスキル''。用途はいわゆる「メタル」的なカモ悪魔狙いかやり込み用((人型のメリットは状況次第なので、最初から人型でいるメリット自体は少ない。なお、隠しを含めたほぼ全てのボス悪魔を人型のままで撃破するというやり込みが存在する。最強隠しボスはさすがに無理だが。))か普段とは違う戦闘開始時の台詞を聞くためくらい。 -ばら撒き --混乱状態になると所持金をばら撒くことがある。過去作品でも存在した要素だが、今作ではばら撒く頻度及び金額が増加しているため相当な量の所持金を失いやすい。ある意味、『[[真・女神転生 STRANGE JOURNEY]]』のマッカビームの先駆けと言える。 *『2』での新システム -カルマリング --装備することによって様々な効果が付与される装備品。一人につき一つだけ装備可能。 --宝石を使ってステータス上昇効果を更に追加することもできる。 -羅刹モード --特定状況下で発生する特殊な戦闘。リスクは高いがその分大量の経験値とAPを得られる。確実に逃走できるためリスクを避けることも可能。 -人間状態の敵 --敵も悪魔に変身する前の人間の状態でエンカウントすることがある。人間状態では主人公達と同様に銃やアイテムを使用して攻撃してくる。戦闘中に変身されると人間状態に対して与えたダメージが回復されてしまう。なお''人間状態の敵はハントして喰らうことはできない''。色々とマズイのだろう。 -HARDモード --被ダメージが増加し、逃走確率が低くなるモード((被ダメージはかなり大きくなるが、逃走確率に関してはそこまでではなく大抵の場合成功する))。このHARDモード限定で戦えるボスも存在する。2週目以降に選択することができるが『1』のセーブデータを引き継ぐことで1週目からHARDモードにすることも可能。引き継ぎした場合、ステータスアップやアイテムなどの特典もあるため、引き継いだ場合はHARDでのプレイが推奨。 *ミニゲーム -『1』『2』ともにフィールドハントというミニゲームが遊べる。少しアクション要素を含むもので成功すれば大量の経験値とAPが獲得できる。 -『2』ではシエロシューティングというミニゲームが遊べる。こちらは完全な別ゲーの縦シューティングであり、ハイスコアを出せばアイテムがもらえる。 --あくまでもオマケ要素でありスルーしても問題はない。この辺りも『真Ⅲ』のアサクサパズルやワープゾーンから改善されている点である。 ---- *評価点 -徹底して練りこまれた世界観とシナリオ --インド神話や仏教をベースにしたダークな世界観の下で重厚なストーリーが繰り広げられる。『1』で張られた大量の伏線が『2』で次々と回収されていく展開は圧巻。選択肢はあるがストーリーは一本道である。 --ストーリーの他、敵悪魔の弱点やスキル等も高いレベルで神話や伝承を再現している。地名等にも関連した単語が名付けられており、調べていくうちに世界観に引き込まれていくこと請け合い。 --ロウやカオスといったメガテン的な概念も出てくる。今回の思想はあまりに過酷な世界で生きるヒトの生存に関わる問題の解決を提起しあう程度のものなので他のアトラス作品をやったことが無いユーザーでも十分に楽しめる。 --『1』での些細な会話等も『2』をやれば「あれはそういう意味だったのか」と気づくことが出来る。『2』をやった後に『1』をもう一度プレイしたユーザーも多いだろう。 -魅力的なキャラクター --主人公のパーティメンバーは勿論のこと、敵キャラクターにも強い個性があり、個々のイベントが用意されている。生という指定席を争う過酷な世界の中で織りなすドラマはさながら映画のよう。 --特に人気があるキャラクターは参謀のゲイル。『2』では更に、皆の語り部といえる少年フレッドが挙げられる。『1』で出てくるあるキャラクターの意思を受け継いだという共通点からか見せ場が多く、『2』における二人の別離は涙なくして語れない。特にフレッドはRPGでよくある『主人公の後ろについて回るお調子者』に見えるが少年ながらあまりにも重い別れを経験し、多くの者達の生き様を心に刻み、終盤の彼は序盤の頃とは全然違う印象を抱くプレイヤーが続出した。二人共サーフよりも主人公らしいという声もある。後述するが問題点ともなっているが。 -良好な戦闘バランス --『真3』において評価されたプレスターンバトルを受け継いでおり、スピーディかつ緊張感のある戦闘は健在。 --リンケージやウェイトスキルが盛り込まれたことによってより戦略的な戦闘が楽しめる。 ---戦闘システムに関しては非常に丁寧で細かい解説がゲーム内でなされる。ライトユーザーに配慮した仕様と言えよう。『1』では最初のダンジョンの攻略全てがほとんどチュートリアルとなっている。 -バランス調整もなされていて、前線のパーティ全員が戦闘不能にならなければゲームオーバーにならない、パーティメンバー全員がアイテムを使用可能、『2』ではプレスターンアイコンを4個増やす「威圧の魔石」((店で購入可能だが所持できるのは1個限り。50000$と高額で一度使うと街に戻って買い直さなくてはならないため、ここぞという時にしか使えない。))が登場したことによって全滅寸前に追い込まれても立て直しが可能、といったような易しめの調整がされている。 --敵の行動パターンも見直され、アイコンを増やすスキルを連発することによる一方的な連続攻撃、いわゆる「劇場」も見られなくなった。 --その他、破魔属性魔法が即死ではなく割合ダメージに変更された他、戦闘が終了すると戦闘不能のキャラクターがHP1の状態で復帰する、ピンチになると逃走の成功確率が上昇する等の調整もある。 -総合的に難易度は低くなっており、''特に『真3』で指摘された理不尽さ、対処不能さは大きく改善されている。'' --それでも戦闘の難易度は高いか低いかで言ったら高い部類に入るのだが。適当なプレイをすると通常戦闘でもあっさり全滅してしまう。ここも女神転生シリーズの血たるゆえんか。 -ハントの爽快さと奥深さ --戦闘において上手く立ち回れば「弱点を突いて敵悪魔を怯えさせ、ハントスキルを連発して敵を1ターンで一掃してAPを金を大量に獲得」という流れになる。即死ハントで次々と敵悪魔を喰らうのは非常に爽快。 --''毒や呪いの状態異常に侵された敵を喰らうと高確率で腹を壊す''、石化した敵にはハントスキルが無効、凍結した敵にはダメージハントはほとんど通じないが即死ハントが有効などかなり細かい設定がなされている。 ---いわゆる「稼ぎ」においても作業感を軽減させる要素となっている。 -豊富かつ強力な隠しボス --近年のアトラス作品では恒例の強力な隠しボスも存在する。メガテンシリーズお馴染みのゲスト悪魔が多く、ファンサービスとしても好評。かなり早い段階で挑むことができる隠しボスも存在するため、低レベルで挑むのも一興。 --『1』に登場する最後の隠しボスは『ウィザードリィ ~DIMGUIL~』のダイヤモンドドレイクと並んで''RPG史上最強クラス''とも評される別格の強さを持つ。撃破報告に発売後から数ヵ月を要したという逸話がある。レベル99で敵の行動パターンを把握し、そこから必要なスキルを吟味し、多少の運を味方につけなければ勝率は0という、シリーズの中でもここまでの強敵はいないだろうと開発者から言わしめた隠しボスである。マスタキャンセラ装備→地母の晩餐で瞬殺は誰もが通る道。 ---現在ではアトラス作品恒例となった極悪パズルボスの元祖だが、それらと比べても頭二つ分ほど飛びぬけている。なお戦闘前に戦うかどうかの選択肢があるため、間違って戦うハメになることはない。 --『2』に登場するHARDモード限定の最後の隠しボスも『1』の彼には及ばないがが規格外の強さを持っている。 -声優陣、音楽、挿入ムービー --いずれも豪華なキャストでクオリティが高く、ゲームを盛り上げる。声優の演技に関しては『1』の序盤では徹底した棒読みだが、これには理由がある。 ---- *問題点・賛否両論点 -主人公サーフの影が薄い。 --メンバーが話し合うイベントシーンでもサーフは喋らず、参謀のゲイルが中心となって話すため''「エアリーダー」「主人公はゲイル((特に『2』において顕著で、「ゲーム中最初から最後までパーティインしているのはゲイルのみ」「ニルヴァーナの真実を知ったパーティが支配者層と完全に決別する、序盤屈指の名シーンで啖呵を切るのがゲイル」「敵側の重要人物と深い因縁があり、今まで冷徹だったその人物が感情むき出しでゲイルと会話するムービー」など、何も知らない人がストーリーだけを追ったらゲイルが主人公だと勘違いしても仕方がないレベル。設定的に主人公でもおかしくない上、声優の堀秀行氏の名演、エピローグムービーでトリを飾るのがゲイルと上記の人物などもそれに拍車を掛ける。))」''と度々ネタにされる。それなりに見せ場はあるのだが他のメンバーが印象的なためどうしても目立たなくなってしまう。一応選択肢では喋っているのだが、実際に喋るのではなく文字で表示されるのみ。声に出して喋るのは戦闘時のやられボイスくらい((データを解析すると戦闘時のみだがサーフが喋るボイスが収録されている。「降伏の機会を与えたい」「後は追わない、出来るのなら逃げてくれ」とサーフの性格が垣間見えるものだっただけにボツになったのは惜しまれる。))。 ---元々アトラス作品では主人公が喋らないのはいつものことであるが、今作では仲間内でのやりとりがムービーで度々描かれる。その度に無言のままなため、殊更上記のような言われようになってしまっている。また、『1』での注目イベントと言える「覚醒」が起きているのかいないのかも不明というのも要因かもしれない。 --フォローしておくと『2』中盤での彼を中心としたイベントは今までの空気っぷりを覆すかのように印象的である。だが、やはりゲイルとフレッドのイベントには負けてしまう。『1』の頃から積み立てていなかった弊害が出てしまっている。 -ヒロイン「セラ」のキャラクター --某所では''「RPG史上五指に入る不快なヒロイン」''と言われたキャラ。『2』になるとセラの背景が明かされるため改善されると言っていいが、『1』ではかなり不快に感じるプレイヤーも多いかもしれない。 -スキル名の安直さ --特に攻撃スキルが顕著。HPを奪う攻撃で「体力泥棒」、MPを奪う攻撃で「魔力泥棒」、魔封の付与効果を持つ物理攻撃が「黙殺」「黙示録」、属性魔法にも「竜巻」「岩責め」等々。  -『2』での自由度の低さ、展開の早さ --『1』では中盤以降は自由にパーティメンバーを入れ替えできたが、『2』ではメンバーの離脱と復帰が激しく、長期に渡るため、主力として起用していたメンバーが居なくなり、急に戦力不足になるという事態もありうる。 --ラストダンジョンに入るともうそこから過去のダンジョンに戻ることはできない。アイテムや隠しボスを逃したプレイヤーも多数。ストーリー的にもう後戻りは出来ないことが察することはできるのが救いだが、そのときにはメンバーが固定されている。 --『2』で経過する時間は何と''たったの一日、もしくはそれ以下''である。時間的に見て午後~夜明けまで凄まじい強行軍で最初から最後まで展開していくのだ。 ---このため、街中での会話はこまめに確認しないと見落としてしまいがち。中にはアイテムが貰える会話イベントやキャラクターの背景等に触れている重要な会話などもある。建物の入り口にいる名も無きモブキャラがメインキャラの背景について話すのは少しシュール。((膨大な世界観と伏線を解説するための苦肉の策であろう。後述の小説版でも細かな解説がなされている。)) -一部の隠しボスに「死にゲー」「運ゲー」「作業ゲー」「戦って面白くない」という声もある。 --初見ではほとんど勝ち目がなく、何度もゲームオーバーになりながら攻略法を見いだしていく、というパズル要素が強いボスも賛否両論。''電卓とペンとメモ帳が必須とされる戦闘''に面白さを感じられないプレイヤーも存在した。 --無論正統派の強さを持ち、初見でも通用する隠しボスも存在する。 -パーティ及び敵の状態を確認できない --この作品においてはカジャ系、ンダ系の補助魔法が重要になるのだが、敵にどれだけかかっているか、自身にどれだけかかっているかが確認できない。状態や回数を確認するコマンドが欲しかったという声は多い。 --攻略サイトではコインやサイコロを使って回数を数えておくことが推奨されている。 -分割商法 --容量等の問題もあったのだろうが、完全に地続きのシナリオにも拘らず二つに分けて販売したことは指摘される。『1』では多くの謎が残されたまま、ほとんど未完でエンディングを迎える。そして、ある程度のフォローはされるがハッキリ言って『1』を未プレイで『2』をやってもあまりストーリーを楽しむことはできない。 --引き継ぎ要素もあり、『1』のデータがなければ習得できないスキル、手に入らないアイテム等の要素も存在し、それらが気になる場合『1』をやり直した上でそのデータを引き継ぎして、『2』を最初から始める、というとてつもない手間がかかる。『1』をやり直すのならば「強くてニューゲーム」が可能なのだが…。 #region(ネタバレ注意) ---挙げ句の果てには''『2』終盤での仲間加入フラグ''まで『1』から引き継ぎ要素に含まれている。引き継がなかった場合やフラグを立てなかった場合は別のキャラが加入する。 #endregion ---- *総評 メガテンシリーズのテイストを引き継ぎつつも独自の世界観が構築されている作品。戦略性の高い良好なバランスの戦闘や魅力的なキャラクター、『1』で張られた伏線を『2』で余すことなく回収されている見事なストーリー等、見所は多い。 全体的にライトユーザー向けとも言える調整がなされているため、メガテンシリーズ未経験者にもお勧めできる作品といえよう。 ---- *余談・ゲーム外での展開 -原案の五代ゆうによる書き下ろし小説『クォンタム・デビル・サーガ』が存在する。実質的にはこの小説をゲーム化したのが『デジタル・デビル・サーガ』という位置づけが正確である。全五巻で、凄まじい密度の世界を体験できる壮大なSF小説。もはやゲームとは別物の密度で、ゲームのストーリーをなぞっているのは一巻だけ。二巻以降は原案どおりらしいストーリーが展開していく。なので同じ名前のキャラクターがいるだけ、という認識で読んだ方がいい。 -アトラスのゲームは品薄で価格高騰する傾向があるが、今作はベスト版が出たこともあってかなり入手しやすい。その点でもライトユーザー向けと言える。 -開発スタッフはこの作品を全年齢対象にしたかったらしい。実際には15歳以上対象になったがこれはグロ・流血表現ではなく全裸で登場するセラが引っ掛かったとのこと。 ----

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