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スプラッターハウス - (2012/12/26 (水) 18:01:18) の1つ前との変更点

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*スプラッターハウス 【すぷらったーはうす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0000C85LA)| |対応機種|アーケード(SYSTEM I)|~| |販売・開発元|ナムコ|~| |稼働開始日|1988年11月|~| **概要 これまでパックマンやゼビウス・ドルアーガの塔など明るいイメージがあったナムコが、ホラー映画ブームの最中に世に放ったホラーACT。今となっては版権的にやばそうなジェ○ソン似のマスクを被った主人公が、パンチやキックで館に蔓延る異形の怪物をなぎ倒しながら突き進む横スクロールアクション。~ ステージ構成は全7ステージで、各ステージの最後に待ち構えるボスを倒すことで進んでいく。 **ストーリー 超心理学((超常的な力や事象の存在を明らかにする学問。主に超能力の研究が主眼であるが、心霊現象などのオカルト的領域も含むので『心理学者なのになぜにオカルト研究?』という疑問は無用である。))の権威ウエスト博士。しかし彼は奇怪な研究に没頭し続けた末に、禁断の研究の副産物である異形の怪物に襲われて自ら命を落とし、彼の住んでいた館は怪物が徘徊する恐怖の館と化してしまった。人々はその館を「スプラッターハウス」と呼び習わし、決して近づこうとはしなかった。 大学で超心理学を専攻していた主人公のリックとその恋人ジェニファーは、その話に興味を持ってウェスト館の近くへとやってきた。そして、折悪しく降り始めた豪雨に追われるようにして、館に足を踏み入れてしまうのであった。たちまち怪物たちの魔の手が伸び、リックはなす術もなく打ちのめされ、ジェニファーは館の奥へと連れ去られてしまった。 絶望と共に薄れ行く意識の中、何者かがリックに呼びかける。その声の主は「ヘルマスク」。古来より覇者と共にありし伝説の仮面の精霊であり、身に付けし者に強大な力を授けてきた、人智を超えた存在である。呼びかけに応じてヘルマスクを身につけ、リックは超人的な身体能力を手に異形の怪物蔓延るスプラッターハウスの奥底へ足を踏み入れる。 ジェニファーを救うべく、長い長い、悪夢の道へと……。 **特徴 -ストーリーやタイトルから分かる通り、一貫してホラー映画ならではの不気味でおどろおどろしい世界観の演出に徹している。 --生理的嫌悪感を抱くほどの練りこまれたドットグラフィックや、不気味さのみでなく一瞬の安堵・焦燥感・悲哀まで~ 雰囲気に合わせて盛り上げるBGMも好評。特にステージ4から5終盤・エンディングはBGMやよく動くドット絵が相まって屈指の名シーンとなっている。 --怪物のうめき声、地下水路に反響する音や攻撃時の効果音など、音響による演出もかなり効果的で、ホラー的な雰囲気をより引き立てるスパイスとなっている。 ---鉈による攻撃時の「スコーン!」というSEは思わず笑ってしまうほど軽く、敵の首が吹っ飛ぶ演出と共に暴力的な手段で敵をぶち倒す爽快感に一役買っている -ゲーム性の面では、ホラーな外見とは裏腹に何度も繰り返せば自然と上達する程よいバランスを保っている。ボスもパターンがわかれば安定して倒すことが出来る。 --制限時間はないが、永久パターン防止のせりあがる霧(触れるとダメージ)もバランス作りに一役買っている。メタルストームのステージ4にも似たような罠がある。 --HP回復アイテムは存在しないが、ステージクリアごとにライフが1回復し、エクステンド(得点による残機増加)もある。何回もやり直してパターンを見つけよう。 -ホラー世界に相応しい小道具(鉈・角材・ライフル・斧など)も充実。リーチの長さと隙の大きさなどと一長一短となっており、適材適所に使うこととなる。なぜかステージ5後半以降で全くでないのは問題点であるが。 --ステージ5後半以降出ないのは「リック自身の力で戦うことを強調している」からだとか。 **絶望のなんたるかを思い知らされるストーリー内容 しかし本作はACTとして名作であると同時に、''世代によっては代名詞とも言える欝ゲー''でもある。~ 特にプレイヤーに衝撃を与えたのが、ステージ5のボス戦となっている。 #region(ネタバレにつき、隠し表示) 群がる怪物を叩き潰し、ようやくジェニファーと再会したリック。~ しかし時すでに遅く、彼女は異形の怪物に作り変えられ''ステージ5のボスとしてリックに襲い掛かる。''~ 時折、人間の姿に戻ってリックに助けを求め、時には自らを殺してくれと懇願するジェニファー、そして困惑するリック……。~ 人外の肉体に支配された彼女を救う術がリックにあるはずもなく、最終的に彼を待ち受けていた結末は、最愛の人を救うべく振るってきたその拳を彼女自身に叩き込み、葬り去らなければならないという筆舌し難いまでの悲劇だった。~ リックの腕に抱かれながら別れの言葉を遺し、ジェニファーは塵となって消え去ってしまう。~ 悲しみに暮れるリックを挑発するかのような怪物たちの態度に、リックの怒りは頂点に達する。 復讐の念に駆られたリックは館の最深部へと突き進み、ウェスト館に蔓延る怪物を生み出す魔性の源「マザー」、そして全ての元凶「ヘルカオス」を、怒りと憎悪と共に叩き潰すのであった。 最終的にリックは全ての怪物を館と共に滅ぼし、ヘルマスクも砕け散り呪いから開放される。しかしジェニファーを救うことは出来なかった。~ 今までの戦いはいったい何だったのか……。~ そんな状況で炎上し崩壊する館を背に呆然と立ち尽くすリックの姿に物悲しいBGMがシンクロされ、悲壮感溢れるエンディングとなる。 そして、スタッフロールが終わったかと思いきや、画面がゆっくりと下方へスクロールし、暗転したバックに砕け散ったヘルマスクが散らばる画像が映し出される……~ と突如、コナゴナになったはずのヘルマスクが元通りに復活。リック(と、それまでキャラに感情移入しつつプレイしてきたプレイヤー)を嘲り笑うかのような高笑いを響き渡らせる。 そしてENDマークと共にブラックアウト…。 先に進むほど絶望感に押しつぶされる道のりとその果てに待っている結末は、前述の通りの巧みな演出と相まって、リックを実際に操作してきたプレイヤーの手と心に深く刻み込まれる。 **演出の妙 往年のホラー映画的エッセンスを取り込んだ恐怖演出が前面に出ていた前半戦に対し、ステージ5以降は恋人を奪われたリックの怒りと憎悪の復讐劇へと転換し、暴力を持って敵を叩きのめしてゆくというバイオレンス面が強調されてそれまでの雰囲気がガラリと一変する。ステージBGMのドスの効いた曲調にも良くそれが現れている。 ステージ6のザコキャラは赤子の姿をした怪物の幼生体(公式名「エッグオバ」)であり、心臓の形状をした館を支える魔力の源であるボスの名称は「マザー」、更にステージの名称が「胎内洞」。 &bold(){胎内洞}を進みながら群がる怪物の&bold(){赤子}を叩きつぶし、更に&bold(){マザー}をも拳の突きを振るって完膚なきまでに叩きのめすという、その演出と流れがなんとも背徳的な趣を醸しており、これがエンディングの悲壮感と寂寥感をより一層引き立てる効果的なスパイスとなっている。本作の演出の特に優れた点としてファンから賞賛されている部分である。 #endregion &br **総評 ゲームとしてはバランスがよく上達も目に見えて分かる。また個性的な敵やワナの配置やかいくぐる楽しさもあり、プレイヤーの心理をくすぐる演出もあっていろんな意味で飽きさせない。台詞やムービーに頼らずゲームならではの手法で物語を演出しきったスタッフの手腕もあり、名作としての素質は十分にある。現にゲームそのものは当時のユーザーからも概ね好評を得ている。 ただ、ストーリーに関しては「あの展開さえなければ…」と「むしろあそこまで印象深くさせるための演出は見事」という極端な路線に分かれる。ただ''「どうしょうもなく救いがない」という意見はほとんど一致する''のだが。本作は海外でも高い評価を得ており、20年以上経った今でも多くのファンに愛されている。 **移植・続編 -FC版(1989年7月31日発売、ナムコ) --『[[スプラッターハウス わんぱくグラフィティ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1033.html]]』と改題された。 --キャラクターがコミカルタッチになり残酷描写も一切ないなど、一見子供向けになっているが、エンディングが本作のOPに繋がるという衝撃の結末に。原作とかけ離れているだけであり、ゲームとしては普通に楽しめる出来である。 --こちらは様々なホラー映画をパロディ化した演出が特徴で、ボスキャラの大部分が有名なホラー映画の怪物をパロったもの。ホラー映画ファンならニヤリとすることだろう。 --ちなみにカセットのケース裏に書かれたキャッチフレーズは、映画「エイリアン」シリーズ第1作のキャッチフレーズのパロディだったりする。 -FM TOWNS版(1989年、ビング) --本体の性能の高さもあり、アーケード版に迫る再現度の作品である。 -PCE版(1990年4月3日発売、ナムコ) --家庭用ゲーム機向けということで残虐表現のマイルド化などある程度のアレンジはされているが、比較的アーケード版に近い良移植である。 -Windows版(2003年、メディアカイト) --ほぼ完全移植。なつかしのゲーム移植「ULTRAシリーズ」の1作としてリリースされ廉価版も発売された。 --ただし、初期版ではBGMに不具合があるため修正パッチの適用が必要だが、現在は公式サポートは終了している。 --またいずれの版もBGMにややノイズが入っている。 -現在WiiのVCでPCE及びAC版が配信されている。ちなみに特に修正や書き換えがないにも拘らずCERO:Bである。 --任天堂が残虐表現に関して厳しいことを考えると、驚かざるを得ないだろう。 -家庭用オリジナルの続編が存在する。ジェネシス(海外版MD)で二作品が作られた((国内メガドライブでも発売されているが、3はゲーム中のメッセージがすべて英語のまま。))。 --2では冥界に行きジェニファーを生きた状態で救い出したり、3では二人の間に子供が生まれヘルマスクとの因縁に終止符を得てハッピーエンドで完結する。(ただしベストエンディングで。バッドだと死人が出る。) --なぜACでなくジェネシスで続編が作られたかと言うと、当時ナムコはアーケード分野を縮小していたため。実は日本国内よりも圧倒的に人気の高かった海外市場を捉えるために、当時シェアをSNES(海外版SFC)と二分していたジェネシスに続編を導入したのであった。 --クトゥルフ神話やらダークファンタジー要素を取り込んだ強引な展開や「実は生きてました・生き返られます」という落ちは海外ホラー映画続編の典型的テンプレであり、また「続編が出るほど微妙な出来になる」というありがたくないホラー映画のジンクスまでも受け継がれる羽目になった、という評価を下すファンは国内外問わず多い。 ---出来そのものは決して悪いわけではないのだが、続編を出すごとにゲーム性がオリジナルからかけ離れていくことがシリーズの評判を落とした要因の一つなのだろう。 --余談だが、''2・3とでヘルマスクの外見が大きく変化している''。流石にまずいと思ったのだろうか。 -また2010年10月にPS3・Xbox360にてフル3D化されたリメイク版が発売された(北米・ヨーロッパのみ)が、あまりにもオリジナルからかけ離れた内容であった上に出来が悪かったため酷評されてしまった((海外スタジオに作らせるも完成に至らず、已むを得ず国内の下請けに丸投げして何とか完成させたという話である。))。日本での発売予定はない。
*スプラッターハウス 【すぷらったーはうす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B0000C85LA)| |対応機種|アーケード(SYSTEM I)|~| |販売・開発元|ナムコ|~| |稼働開始日|1988年11月|~| **概要 これまでパックマンやゼビウス・ドルアーガの塔など明るいイメージがあったナムコが、ホラー映画ブームの最中に世に放ったホラーACT。今となっては版権的にやばそうなジェ○ソン似のマスクを被った主人公が、パンチやキックで館に蔓延る異形の怪物をなぎ倒しながら突き進む横スクロールアクション。~ ステージ構成は全7ステージで、各ステージの最後に待ち構えるボスを倒すことで進んでいく。 **ストーリー 超心理学((超常的な力や事象の存在を明らかにする学問。主に超能力の研究が主眼であるが、心霊現象などのオカルト的領域も含むので『心理学者なのになぜにオカルト研究?』という疑問は無用である。))の権威ウエスト博士。しかし彼は奇怪な研究に没頭し続けた末に、禁断の研究の副産物である異形の怪物に襲われて自ら命を落とし、彼の住んでいた館は怪物が徘徊する恐怖の館と化してしまった。人々はその館を「スプラッターハウス」と呼び習わし、決して近づこうとはしなかった。 大学で超心理学を専攻していた主人公のリックとその恋人ジェニファーは、その話に興味を持ってウェスト館の近くへとやってきた。そして、折悪しく降り始めた豪雨に追われるようにして、館に足を踏み入れてしまうのであった。たちまち怪物たちの魔の手が伸び、リックはなす術もなく打ちのめされ、ジェニファーは館の奥へと連れ去られてしまった。 絶望と共に薄れ行く意識の中、何者かがリックに呼びかける。その声の主は「ヘルマスク」。古来より覇者と共にありし伝説の仮面の精霊であり、身に付けし者に強大な力を授けてきた、人智を超えた存在である。呼びかけに応じてヘルマスクを身につけ、リックは超人的な身体能力を手に異形の怪物蔓延るスプラッターハウスの奥底へ足を踏み入れる。 ジェニファーを救うべく、長い長い、悪夢の道へと……。 **特徴 -ストーリーやタイトルから分かる通り、一貫してホラー映画ならではの不気味でおどろおどろしい世界観の演出に徹している。 --生理的嫌悪感を抱くほどの練りこまれたドットグラフィックや、不気味さのみでなく一瞬の安堵・焦燥感・悲哀まで~ 雰囲気に合わせて盛り上げるBGMも好評。特にステージ4から5終盤・エンディングはBGMやよく動くドット絵が相まって屈指の名シーンとなっている。 --怪物のうめき声、地下水路に反響する音や攻撃時の効果音など、音響による演出もかなり効果的で、ホラー的な雰囲気をより引き立てるスパイスとなっている。 ---鉈による攻撃時の「スコーン!」というSEは思わず笑ってしまうほど軽く、敵の首が吹っ飛ぶ演出と共に暴力的な手段で敵をぶち倒す爽快感に一役買っている -ゲーム性の面では、ホラーな外見とは裏腹に何度も繰り返せば自然と上達する程よいバランスを保っている。ボスもパターンがわかれば安定して倒すことが出来る。 --制限時間はないが、永久パターン防止のせりあがる霧(触れるとダメージ)もバランス作りに一役買っている。メタルストームのステージ4にも似たような罠がある。 --HP回復アイテムは存在しないが、ステージクリアごとにライフが1回復し、エクステンド(得点による残機増加)もある。何回もやり直してパターンを見つけよう。 -ホラー世界に相応しい小道具(鉈・角材・ライフル・斧など)も充実。リーチの長さと隙の大きさなどと一長一短となっており、適材適所に使うこととなる。なぜかステージ5後半以降で全くでないのは問題点であるが。 --ステージ5後半以降出ないのは「リック自身の力で戦うことを強調している」からだとか。 **絶望のなんたるかを思い知らされるストーリー内容 しかし本作はACTとして名作であると同時に、''世代によっては「欝ゲーの代名詞」とも言える作品''でもある。~ 特にプレイヤーに衝撃を与えたのが、ステージ5のボス戦となっている。 #region(ネタバレにつき、隠し表示) 群がる怪物を叩き潰し、ようやくジェニファーと再会したリック。~ しかし時すでに遅く、彼女は異形の怪物に作り変えられ''ステージ5のボスとしてリックに襲い掛かる。''~ 時折、人間の姿に戻ってリックに助けを求め、時には自らを殺してくれと懇願するジェニファー、そして困惑するリック……。~ 人外の肉体に支配された彼女を救う術がリックにあるはずもなく、最終的に彼を待ち受けていた結末は、最愛の人を救うべく振るってきたその拳を彼女自身に叩き込み、葬り去らなければならないという筆舌し難いまでの悲劇だった。~ リックの腕に抱かれながら別れの言葉を遺し、ジェニファーは塵となって消え去ってしまう。~ 悲しみに暮れるリックを挑発するかのような怪物たちの態度に、リックの怒りは頂点に達する。 復讐の念に駆られたリックは館の最深部へと突き進み、ウェスト館に蔓延る怪物を生み出す魔性の源「マザー」、そして全ての元凶「ヘルカオス」を、怒りと憎悪と共に叩き潰すのであった。 最終的にリックは全ての怪物を館と共に滅ぼし、ヘルマスクも砕け散り呪いから開放される。しかしジェニファーを救うことは出来なかった。~ 今までの戦いはいったい何だったのか……。~ そんな状況で炎上し崩壊する館を背に呆然と立ち尽くすリックの姿に物悲しいBGMがシンクロされ、悲壮感溢れるエンディングとなる。 そして、スタッフロールが終わったかと思いきや、画面がゆっくりと下方へスクロールし、暗転したバックに砕け散ったヘルマスクが散らばる画像が映し出される……~ と突如、コナゴナになったはずのヘルマスクが元通りに復活。リック(と、それまでキャラに感情移入しつつプレイしてきたプレイヤー)を嘲り笑うかのような高笑いを響き渡らせる。 そしてENDマークと共にブラックアウト…。 先に進むほど絶望感に押しつぶされる道のりとその果てに待っている結末は、前述の通りの巧みな演出と相まって、リックを実際に操作してきたプレイヤーの手と心に深く刻み込まれる。 **演出の妙 往年のホラー映画的エッセンスを取り込んだ恐怖演出が前面に出ていた前半戦に対し、ステージ5以降は恋人を奪われたリックの怒りと憎悪の復讐劇へと転換し、暴力を持って敵を叩きのめしてゆくというバイオレンス面が強調されてそれまでの雰囲気がガラリと一変する。ステージBGMのドスの効いた曲調にも良くそれが現れている。 ステージ6のザコキャラは赤子の姿をした怪物の幼生体(公式名「エッグオバ」)であり、心臓の形状をした館を支える魔力の源であるボスの名称は「マザー」、更にステージの名称が「胎内洞」。 &bold(){胎内洞}を進みながら群がる怪物の&bold(){赤子}を叩きつぶし、更に&bold(){マザー}をも拳の突きを振るって完膚なきまでに叩きのめすという、その演出と流れがなんとも背徳的な趣を醸しており、これがエンディングの悲壮感と寂寥感をより一層引き立てる効果的なスパイスとなっている。本作の演出の特に優れた点としてファンから賞賛されている部分である。 #endregion &br **総評 ゲームとしてはバランスがよく上達も目に見えて分かる。また個性的な敵やワナの配置やかいくぐる楽しさもあり、プレイヤーの心理をくすぐる演出もあっていろんな意味で飽きさせない。台詞やムービーに頼らずゲームならではの手法で物語を演出しきったスタッフの手腕もあり、名作としての素質は十分にある。現にゲームそのものは当時のユーザーからも概ね好評を得ている。 ただ、ストーリーに関しては「あの展開さえなければ…」と「むしろあそこまで印象深くさせるための演出は見事」という極端な路線に分かれる。ただ''「どうしょうもなく救いがない」という意見はほとんど一致する''のだが。本作は海外でも高い評価を得ており、20年以上経った今でも多くのファンに愛されている。 **移植・続編 -FC版(1989年7月31日発売、ナムコ/ナウプロダクション) --『[[スプラッターハウス わんぱくグラフィティ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1033.html]]』と改題された。 --キャラクターがコミカルタッチになり、基本的には残酷描写が無いなど「AC版と全く無関係な子供向け作品」になっているように見えるが''「真のエンディングが本作のオープニングに繋がってしまう」という衝撃的すぎる結末''がファンの間で語り草になっている。 --原作とかけ離れてはいるが、単体のゲームとしては全く問題無く楽しめる出来である。 --こちらは様々なホラー映画をパロディした演出が特徴で、ボスキャラの大部分が有名なホラー映画の怪物をパロったもの。ホラー映画ファンならニヤリとすることだろう。 --ちなみにカセットのケース裏に書かれたキャッチフレーズは、映画「エイリアン」シリーズ第1作のキャッチフレーズのパロディだったりする。 -FM TOWNS版(1989年、ビング) --本体の性能の高さもあり、アーケード版に迫る再現度の作品である。 -PCE版(1990年4月3日発売、ナムコ) --家庭用ゲーム機向けということで残虐表現のマイルド化などある程度のアレンジはされているが、比較的アーケード版に近い良移植である。 -Windows版(2003年、メディアカイト) --ほぼ完全移植。なつかしのゲーム移植「ULTRAシリーズ」の1作としてリリースされ廉価版も発売された。 --ただし、初期版ではBGMに不具合があるため修正パッチの適用が必要だが、現在は公式サポートは終了している。 --またいずれの版もBGMにややノイズが入っている。 -現在WiiのVCでPCE及びAC版が配信されている。ちなみに特に修正や書き換えがないにも拘らずCERO:Bである。 --任天堂が残虐表現に関して厳しいことを考えると、驚かざるを得ないだろう。 -家庭用オリジナルの続編が存在する。ジェネシス(海外版MD)で二作品が作られた((国内メガドライブでも発売されているが、3はゲーム中のメッセージがすべて英語のまま。))。 --「パート2」ではリックが再び仮面の力を借りて冥界へ突入するという、非常にオーバーな展開の応酬が繰り広げられる。 ---最終的にはジェニファーを生きた状態で無事救い出す結末となっている。 --ナンバリング最終作となる「パート3」ではリックとジェニファーは結ばれており、二人の間に子供が生まれている。しかし妻子がさらわれてしまったリックは最後の戦いへ赴く。なお、3はマルチエンディングである。 ---ベストエンディングの場合は「妻子を救出し、リック自身もヘルマスクとの長き因縁に終止符を打つ」というハッピーエンドでシリーズが完結する。(それ以外の場合は妻子のいずれかもしくは両方が死亡する悲惨な結末を迎える) --なぜACでなくジェネシスで続編が作られたかと言うと、当時ナムコはアーケード分野を縮小していたため。実は日本国内よりも圧倒的に人気の高かった海外市場を捉えるために、当時シェアをSNES(海外版SFC)と二分していたジェネシスに続編を導入したのであった。 --クトゥルフ神話やダークファンタジーの要素を多く取り込んだ強引な展開や「実は生きてました・生き返られます」というオチは海外ホラー映画続編の典型的テンプレであり、また「続編が出るほど微妙な出来になる」というありがたくないホラー映画のジンクスまでも受け継がれる羽目になった…という評価を下すファンは国内外問わず多い。 ---出来そのものは決して悪いわけではないのだが、続編を出すごとにゲーム性がオリジナルからかけ離れていくことがシリーズの評判を落とした要因の一つなのだろう。 --余談だが、''2・3とでヘルマスクの外見が大きく変化している''。流石にまずいと思ったのだろうか。 -また2010年10月にPS3・Xbox360にてフル3D化されたリメイク版が発売された(北米・ヨーロッパのみ)が、あまりにもオリジナルからかけ離れた内容であった上に出来が悪かったため酷評されてしまった((海外スタジオに作らせるも完成に至らず、已むを得ず国内の下請けに丸投げして何とか完成させたという話である。))。日本での発売予定はない。

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