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*電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム 【でんのうせんきばーちゃろん おらとりお・たんぐらむ】 |ジャンル|アクション|&image(Virtual_On_Oratorio_Tangram_DC_A.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069T9X/ksgmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=260&file=Virtual_On_Oratorio_Tangram_DC_A.jpg]][[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=260&file=256512_15464_back.jpg]]| |対応機種|アーケード(Ver5.2&5.4:MODEL3、Ver5.66:NAOMI)|~| |販売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|セガ・エンタープライゼス(第三AM研究開発部)|~| |稼働開始日|1998年|~| |>|>|CENTER:''Wiki内バーチャロン作品リンク''| |>|[[電脳戦機バーチャロン>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/125.html]]|''Operation Moon Gate''&br()すべての始まり、電脳歴の原点| |>|電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム|''Oratorio Tangram''&br()新たなる限定戦争の幕開け、システム複雑化の頂点| |>|[[電脳戦機バーチャロン フォース>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/484.html]]|''FORCE''&br()僚機と息を合わせ戦う、新時代のバーチャロン| |>|[[電脳戦機バーチャロン マーズ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/429.html]]|''MARZ''&br()戦争の秩序を守るための、調停者の物語| ※この項目では、MSBS5.2から最新版の360版5.66まで全てを扱う。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1996年の発売以降、セガの思惑とは裏腹に初代[[電脳戦機バーチャロン]]は大ヒットを巻き起こし、多くのロボットファンを虜にした。~ そしてその大ヒットから約二年後…様々なゲームが現れては消えていくゲームセンターに、再びバーチャロンは現れる。~ 二年の歳月を経てチャロナー(バーチャロンを好む人々)の前に帰ってきたそれは、当時最高峰のグラフィックと圧倒的なスピード感を得て、チャロナーたちに新たな熱気を起こさせる。~ 二年越しの新たな限定戦争、新たなる舞台は地球圏全域。その名は''オラトリオ・タングラム''。~ 通称「OT」「オラタン」。 ---- **長所 -前作よりも選択可能な機体は増え、11機に増加。 --カトキハジメ手掛ける機体のデザイン・ディテールはグラフィックの向上によりさらに緻密になり、機体ごとに細かく書き込まれている。 --どの機体も個性豊かな外見をしており、ヒロイックな看板機体に全身火器の歩く弾薬庫、果ては''どっかの女神様を彷彿とさせる女性型機体やドリルと万力を装備した超重量型機体''などバリエーション豊か。 ---後にアップデートで隠し機体一機と新型機3機が追加され、最終的には15機を選択できるようになる。 #region(Select your machine.) -''高汎用性標準機体'' ''MBV-707-G'' ''テムジン'' --剣・ライフル・長距離砲に変形する万能武器『スライプナー』と相手の攻撃をかき消すボムを装備した、初心者から上級者まで広く愛される万能型機体。ヒーロー然とした主人公機的なスタイルも非常に人気が高い。&br()いわゆる死に技が少なく、様々な相手に安定した戦闘力を発揮できる。 --必殺技は『ブルー・スライダー』『ブリッツ・トーネード』。前者は巨大なサーフ・ボード上に変形したスライプナーに乗って相手を追尾しながら突撃する強力な技で、後者はスライプナーで回転斬りを見舞う。 -''高性能光学兵器装備重攻機体'' ''HBV-502-H8''(RVR-75) ''ライデン'' --バズーカとグランドボム、そして一撃必殺の両肩のレーザー発振器が特徴の重量級バーチャロイド。動きの鈍重さや一癖ある武装から中級者向き。こちらも、いかにも『重量級』といったスタイルが人気で、2008年のプラモシリーズにも名誉ある一番手として選ばれたほど。&br()重量級ながら手札が豊富で、相手を篭絡し、足を封じて攻撃を叩き込む器用な戦い方が出来る。 --ジャンプ中にスタートボタンを押すことにより「残存体力の9割&V-アーマーのすべて」と引き換えに機動力が全VR中最速となる「装甲排除(アーマーパージ)」が可能。ロマンあふれる逆転技として人気がある。 -''超格闘対応型機体'' ''RVR-39'' ''アファームド・ザ・バトラー'' --トンファーとサブマシンガンを装備し、近接戦闘に特化した機体。近接可能距離が全機体中最も広く、射撃も『近接への布石』と考えれば優秀な手札が多い。いかに近接まで持ち込むかが鍵の機体だが、近接攻撃の性能自体はあくまで上の中程度。ただし、近接の威力とダウンを奪ってからの選択肢は全機体中屈指のものがある。 --ライダーキックのような飛び蹴り他、オーラーを纏ってハイパー化できるが、若干ロマン技の域にあり実用性は薄い。 -''超火力強化型機体'' ''RVR-33'' ''アファームド・ザ・ストライカー'' --実弾系の武装を多く搭載した、火力に重点をおいた万能機体…のはずだったが、特に秀でた部分がなく、悲しいかな弱機体の位置にある。特にライデンに対してはステージにもよるが「ほぼ詰んでいる」とまで言われる。設置型のミサイルや振りの速いコンバットナイフを使った近接が特徴。 --ライダーパンチのような突進技や、兄弟機のバトラー同様のハイパー化が可能だが、こちらもロマンの域にある。 -''高機動型可憐機体'' ''RVR-14'' ''フェイ-イェン・ザ・ナイト'' --可憐な少女の姿を模した軽量型機体。軽量型のスタンダードというべき性能を持ち、癖がなく扱いやすく、手数に優れる。近接攻撃も優秀で、火力の無さ以外はまとまった性能を持つ。 --HPが50%を切ると『ハイパー化』し、体が金色に輝く。この時は火力が爆発的に強化され、逆転の可能性が大きく広がる。 -''多目的火器装備満載機体'' ''SAV-326-D/9'' ''グリス・ボック'' --「歩く武器庫」と揶揄される、全身火器の重装型機体。相手の武器をかき消すナパームから主力武器のミサイル、バウンドする爆弾やグレネードランチャーにマシンガンと、実弾火器をこれでもかと搭載し、弾幕をこれでもかと展開する姿はまさにアクションシューティング界の[[大往生>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/392.html]]。 --なんと''小型の大陸間弾道弾を搭載。''自身すら巻き込むその爆風はゲーム中トップクラスの威力を誇る。 -''高機動型可変機体'' ''RVR-42'' ''サイファー'' --軽量型機体で、多方向に投げ放つダガーやバルカン、特徴的な軌道のホーミングレーザー(通称[[フォース>レイフォース]]ビーム)など、打撃力には欠けるが手数に優れる。一番の特徴は戦闘機のような形態に変形することであり、これを利用した特攻技は本機体の代名詞となっている。 --その手数の多さと機動力により、「リードを取ったら後はタイムオーバーまでそのリードを守る」という本作のゲーム性と相性が非常に良い機体。しかし、その代償として「紙飛行機」と呼ばれるほど装甲が薄いのが最大の弱点。2005年の全国大会で優勝した全一プレイヤーはサイファーを使用していた。 -''超重装甲突撃型機体'' ''RVR-68'' ''ドルドレイ'' --ドリルと万力を装備し、火炎放射やドリル射出などの奇抜な攻撃手段で戦う機体。全機体中最も厚い装甲を誇り、半端な攻撃は容赦なく弾き返す。 --機動力は低いが、二つの突進技を移動に用いることで機動力をカバーする戦術が確立されてからは愚鈍とも言い切れなくなった。 -''氷雪魔法系神聖機体'' ''SGV-417-I'' ''エンジェラン'' --女神を模した機体。実体装甲は薄いが、Vアーマーが強力で、遠距離からの攻撃は結構な確率で弾いてくれる。ただ装甲の薄さに比べて機動力が低い、Vアーマーを無視する攻撃を受けるともろいなど、一癖ある性能を持ち、扱いは難しい。 --氷の魔術のような攻撃を多数持ち、ドラゴンを召喚したり、背中から天使の翼を生やす(!)など、攻撃内容も個性的。 -''怨恨呪詛的暗殺機体'' ''RVR-87'' ''スペシネフ'' --死神を模した機体で、線の細さや屈んだ姿勢が特徴。線の細さ通りの装甲だが、それを持って余りある地上機動力を持つ。武装はほぼ単発系で、一撃の重みに優れる。 --相手を長時間追尾する霊魂や縦方向への回避が困難で与ダウン性能も高い衝撃波、翼を変形させて投げ放つ、弾消し性能の高いブーメランなど、いやらしい攻撃が多い。 -''難解系多機能型試作機体'' ''XBV-819-tr4(tm2)(ts/b)'' ''バル・バドス(バロス/ケロス)'' --両手を切り離して設置し、そこから攻撃が可能という特異な攻撃方法を持つ機体。さらに両足からも小型の砲台を展開して設置が可能。扱いは難しいが、使いこなすと他の機体には不可能なトリッキーな戦術が可能となる。 --コミカルな動作や数々の小技から『芸人機体』と揶揄される。また、ステージによって下半身などを換装するという変わった特徴も持っている。 -''超指導力強化型機体'' ''RVR-12'' ''アファームド・ザ・コマンダー'' --以下、M.S.B.S.5.66からの追加機体。 --指揮能力に優れた機体で、テムジンのマイナーチェンジ的な性能を持つ…といえば聞こえはいいが、テムジンに比べて劣る部分が多く、テムジンの下位互換に甘んじている典型的弱機体。 --大型のマチェットを近接武器に用いる割に近接能力が低い・火力が低いなど、調整ミスとしか思えない弱さは多くのプレイヤーの涙を誘う。 -''経済性重視型光学兵器装備機体'' ''SBV-328-B'' ''シュタイン・ボック'' --グリス・ボックの兄弟機で、光学系の兵器に身を包んでいる。他の機体の特徴的な光学兵器に似た攻撃を用いる。 --しかし元となった機体に比べて様々な面で弱体化しており、弾幕も張れない。器用貧乏という言葉がぴったりの性能である。 -''旧式改良強化要努力機体'' ''MBV-04-10/80sp'' ''10/80 SP'' --一世代前の機体を改修・強化したという設定で、所謂公式ハンデ機体。一部の動作に制限がかかっており、性能差を埋めるためには並々ならぬ努力が必要。 --ただキレのある操作感や一部の射撃兵装など光る点もあり、弱機体ではあるが愛用するパイロットも多い。 #endregion -動きの自由度が向上。 --ジャンプから空中ダッシュ、ダッシュ中に向きを変えられるバーティカルターン、ダッシュ旋回に各種キャンセル、近接攻撃可能範囲でのみ発動できるクイックステップ…スピード感とあいまって動きの自由度では全シリーズイチであろう。 --様々な動作をダッシュやジャンプなどでキャンセルできるので、他のゲームよりも目立った硬直が少なく、慣れるとほぼノンストップで機体を動かせるようになる。 -Vアーマー・ターボショットをはじめとする、新たなる要素の追加。 --Vアーマーは本体の装甲とは独立したバリアのようなもので、相手の弱い攻撃を弾き返してくれる。 --ターボショットはツインスティックのターボボタンと攻撃を同時に押す事により出る、強力な攻撃。右ターボショットと左ターボショットが存在し、右ターボは威力の高い攻撃を、左ターボは主にVアーマーを削る能力を持つ。 --他にもダッシュスライド攻撃や各種機体ごとに搭載された個性豊かな必殺技など、各機体の攻め手のバリエーションは爆発的に増加、同じ機体でも使い手によりバトルスタイルに差が生まれた。 -近接戦闘の熱い駆け引き。 --前作では近接攻撃は一部の機体を除いてほとんど上級者が用いるロマン技であったのに対し、今作では近接戦闘の自由度も大幅に増加。各機体近接攻撃の発動範囲は前作より長めに設定され、ほとんどの機体が近接を要所要所で狙っていけるようになった。 --また「ダウン追撃」「クイックステップ近接」「ダッシュ近接」など、近接攻撃のバリエーションも大幅に増加。 --ダッシュ近接やターボ近接、ダウン追撃… 一瞬で機体が交差し、近接攻撃が炸裂する。上級者の近接戦は一瞬の隙を差し合う凄まじいもので、白熱した戦いが楽しめる。 -音楽は相変わらず、ロボヲタの心を突いてくる名曲ぞろい。 --ライデンステージの「into the crimson」、サイファーステージの「zodiac empathy」など、ステージに合わせた名曲は熱い戦いを演出する。 -5.66から、家庭用オラタン(後述)で機体色をエディットした機体が使用できるようになった。 --自分の愛機を戦場で使える。腕利きのプレイヤーを示す証にもなった。 ---- **難点 -''複雑すぎる操作やシステム'' --ただでさえ初心者はゲームスピードとシステムに振り回される。そこに前作の比ではない複雑な操作を要求され、新規客の定着を阻む原因となった。 ---プレイヤー格差を生み出した元凶であり、このゲーム最大の特徴でもある。一概に否定することは出来ないが。 --初心者の壁として立ちふさがるのが「クイックステップとダッシュの使い分け」。この二つはコマンドが同じなのだが、かといって「近接可能範囲ではダッシュコマンドが自動的に~」というわけではなく、近接可能範囲でも普通にダッシュが出る。使い分けは慣れるまでかなり難しく、初心者と中級者を分かつ壁となる。 -稼働初期はバランスが悪かった。Vアーマーの効力が強く、射撃主体の機体は苦戦を強いられたのである。 -一般的には最新版の5.66が最高のバランスと言われているが、それでもやはりゲームバランスが練り込まれていない感はある。機体紹介の項を見てもらえればわかると思うが、''すこしやり込むとわかるような弱機体''が多い。また、強機体も強機体でえげつない。 --プレイヤーの腕前がかなり反映されるゲームであり、ゲームバランスはある程度プレイヤーに左右されることになる。それでも''ステージによってはほぼ詰む''組み合わせが存在するなど、やはりゲームバランスの根底の部分にある程度の問題はあると言わざるを得ないだろう。5.6においても大した調整が成されなかったのは残念としか言いようがない。 ---特に5.66追加機体の弱さはプレイヤーの涙を誘った。一応『公式ハンデ』である10/80は弱くて当然なのだが…。 ---ステージ「Space Dock」はその障害物の配置から機体によって有利不利が決まりやすく、プレイヤーからも機体によっては「クソゲー」と揶揄される。 #region(強機体について) -ライデン --相手を絡めとる電磁ワイヤーや相手の武器をかき消すバズーカ、それに加え爆風が身を守る防壁となる電磁ボムなど、機動力の低さという欠点を引いてもおつりが来る手数の多さを誇る。さらに、二発発射される武器の発射数を一発にする代わりに消費エネルギーを半分にする『ハーフキャンセル』と呼ばれるテクニックの恩恵を最大限受けられるために武器の回転数の問題も緩和され、熟練のプレイヤーが使うと攻防ともに強力かつ、嫌らしい攻め方が出来るようになる。 ---それに加え『置きレーザー』と呼ばれる、強力なレーザーをある程度自分の意図した方向に発射できるテクニックで、相手の左右移動も狩れる。ただしこれはある程度プレイヤーの勘と経験に左右されるので、誰でも手軽にできるテクニックというわけではない。 --ちなみに、バージョンアップ前はグランドボムが「回避されても、相手とY軸が合った瞬間に爆発し、連続した火柱を発生させる」という実に嫌らしい仕様となっており、さらに強かった。 -グリス・ボック --お手軽に弾幕を生成でき機動力も中堅クラスで、やろうと思えば(相手にもよるが)延々と弾幕を生成しながら相手を近づけないことも可能。またワンチャンスを物に出来る武器も普通に持っているため、相手の事故を待たずとも相手の隙を潰せば勝ちに行ける。 --上級者のグリス・ボックは本当におぞましい弾幕を展開してくる。壁を抜ける武器もあるので、壁の裏で相手をやり過ごすことも出来ない。 -スペシネフ --地上機動力の高さから相手と距離を取りやすく、相手を長時間追尾する鬼火や弾速と与ダウン性能の高い鎌などでチャンスをものにしやすい。弾幕こそ張れないが、鎌が壁を抜けるので壁がある程度無意味になるという、このゲームにおいて大きなアドバンテージを持つ。 --近接戦闘能力も高く、各種攻撃の威力も高い。リードさえ奪ってしまえばこちらのものである。 --特にターボショットの弾速・誘導が驚異的で、機動力の低い機体だと撃たれるとまず避けられないシチュエーションが存在し、上記されている強機体のライデンが最も苦手とする機体である。 -フェイ-イェン・ザ・ナイト --ダウン性能と機動力に優れ、『相手をダウンさせてちまちまリードを奪って逃げる』という戦術が強力。万が一リードを奪われても、ハイパー化すれば逆転のチャンスはあるし、近接戦なら通常時でも強力。 --ハイパー化時の火力は圧巻。ワンチャンスで戦況がひっくり返るレベル。 -ほか、高性能な前ダッシュ攻撃(通称『前ビ』)を軸に全体的に武器性能の高いテムジン、砲台の設置場所によっては「ほぼ避けられない攻撃」を撃つことができるバルシリーズなどは全国での使用率も安定しており、強力であった。 #endregion #region(弱機体について) -アファームド・ザ・ストライカー(以下ST) --「扱いやすい」という点では優れているが、秀でているとされる射撃性能に穴があり、全体的な機動力も低め。ダメ押しとばかりに重心が高く、攻撃で転びやすい。 --この弱体化は、家庭用ネット対戦で本機が猛威を振るった影響とされる(これは通信対戦のタイムラグに主な原因があり、実は機体の性能から来るものではない)。当時の開発者のコメント「数値は変えてない((当時、あるプレイヤーが「何故ストライカーにあのような調整を?」と質問した際の、開発側の解答。これを聞いた全国のストライカー使いは深い悲しみとやり場のない怒りに包まれた。))」は、プレイヤーの間での流行語になった。 --気軽に振っていける武装がなく、武装も直線的に飛んでいくものが多いため、軸を合わせないと当たらない。低い機動力を精一杯駆使して相手を追い詰めても、攻撃で転倒してリードを奪われたが最後、絶望的な鬼ごっこがスタートし、たいていは相手に逃げ切られてそのまま終わってしまう。一応前ダッシュは速いのだが、''それでもライデンのバックダッシュに追いつけない。''解せぬ。 -アファームド・ザ・コマンダー(以下CT) --''ほとんどテムジンの下位互換。''武装は扱いやすいのだが「打撃力を欠く」「気軽に振れる武装がない」「ゲージ効率が悪い」「近接性能が落ちている」と、''常識があるならありえないパラメータ調整をされている。'' --近接性能は''なんと攻撃範囲以外、モーションを共有するST以下。''射撃も悪くはないのだが、ダッシュ攻撃の回頭性能が低く、なかなか辛いものがある。そのマチェットは飾りか? --唯一、機動性などの基本性能ではテムジンに勝っている。差別化のつもりだったのだろうか…? 格闘ゲームを知るプレイヤーからは「テムジンがリュウなら''CTはダンだ''」と揶揄される。 -エンジェラン --基本戦術が''「事故待ち」''。さすがに大袈裟な言い方だが、こちらから当てられる武装に乏しく、機動力も装甲に見合わない低さなので、リードを取ることが難しい。また、火力もゲーム中1,2を争う低さなので、リードを奪っても不安がつきまとう。 --各種攻撃による連携は強力だが、連携を理解している相手には普通に対策されるレベルで、凶悪というほどのものではない。リードを奪われるととたんに厳しくなる。 --「漕ぎ」という特殊テクニックのおかげで、前以外の機動力はとてつもなく高い。一度リードを奪えば迎撃戦に持ち込んで有利な展開に持っていけるが、遠距離にも隙がない相手に対してはそれも厳しい。 -この他、5.66追加機の一つであるシュタイン・ボックもかなり中途半端なバランスの機体であり、扱いにくい。 #endregion -''削り合いの戦闘'' --前作から受け継いだ欠点だがやはり賛否両論。プレイヤーの回避技術が高くなればなるほど、冗談抜きで攻撃は滅多なことでは当たらなくなる。ワンチャンスを物に出来るかで勝敗が決まる極端な戦闘は今でも意見が分かれる。 --上位プレイヤーともなるとわずか5%未満の体力リードであっても守勢に回り、リードを守りきって勝ちを狙うという戦術も珍しくない。このゲームの最大体力値は『100%』である。 -''ドルカスの後継機がいない'' --ドルドレイは前作のドルカスと全く方向性が違うマシンだったので、ドルカス愛用者は泣く泣く機種転換を迫られる事に…。 -''その他'' --現在でこそ受け入れられ、名作と評されている本作だが、稼働当初はあまりに先鋭化しすぎたシステム、デザインが賛否両論の嵐を呼んだ。 --現在でも初代バーチャロン(OMG)の熟練プレイヤー達からは『''OMGにはあった「3D空間の自由度」からくる「詰将棋感」が、高速すぎるオラタンには無い。機体が常に線で繋がれているようだ''』とも評されている。実際、オラタンに馴染めずOMGに逆戻りしたユーザーも少なくはなく、本作の稼働期間・インカムもOMGに届くことはなかった。 ---- **後の展開 -バージョン5.4稼働中、ドリームキャストに移植された。 --ゲーム自体は良移植の部類に属するもので、機体のカラーエディットや当時導入されたばかりのネット対戦が売りだった。ソフト単独ではプレイバリューは若干薄く、対戦ツールとしての側面が強い。しかし今の通信環境とは比べものにならないラグのひどさ、恐ろしく高額の電話料金から、対戦環境は良好とは言いがたかった。 --後にゲーム誌の付録として「カスタマイズディスク」が登場。これは5.66の機体をエディットすることが出来るツールで、これにより5.66のエディット機がゲーセンで使えるようになった。しかしその頃、5.66の家庭用移植がついに叶う事はなかった。 -その後、三作目「フォース」が発売されるが、オラタンとは全く方向性の異なる作品だったため、フォースを受け入れられなかったパイロットたちは、全国に細々と点在する筐体に通い続ける日々を送った----。 -しかし2008年末、チャロナーたちの間に衝撃が走った。オラタン5.66エディションのXboxLiveArcadeでの移植が決定したのである。新たな限定戦争の火蓋が切って落とされ、10年前より遥かに快適になったネット対戦の場にチャロナーたちが集った。カスタマイズ機能、リプレイ、ハイデフへの対応… あくまで配信ソフトの域を出ない機能拡張ではあったが、5.66のほぼ完全な移植であるということだけで、チャロナーたちには十分だった。 --ただし、5.66の厳密な完全移植でない事が後に有志の手により判明。5.66をベースに微調整を施した「5.66 360仕様」とでも言うべきものらしい。 -このXBLA版は''2009年度ダウンロードランキングで堂々の一位''を記録する快挙を成し遂げた。ただ、それでも採算ラインはかなりぎりぎりだったらしく、360版フォースはパッケージでの販売となっている。 -余談だが、本作発売の頃からバーチャロンのメディアミックス展開が目立つように。 --あまり市場には出回らなかったが、アクションフィギュアが当時発売していた。 --模型誌に外伝ストーリーが載ったり、ドラマCDが出たりと、後の[[アーマードコア>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/244.html]]を連想させるメディアミックスを見せた。外伝ストーリーの機体の模型も当時発売していた。 --現在は新たな模型のシリーズが発売され、スペシネフやフェイ=イェンなどが続々立体化。ついに限定戦争が3次元へと進出。 --また世界設定が深く掘り下げられるようになり、雑誌や設定資料で語られる深い設定は、その辺りに拘るファンを深く引き込んでいった。 ---- **総評 3Dアクションシューティングのある意味頂点に達した作品と言えるだろう。&br()その暴力的なスピード、ステージや武器を生かした駆け引き、一瞬のチャンスを巡っての攻防…… オラタンは、''一種の3Dアクションシューティングの到達点を一部のゲーマーに提示していたと言ってもいいだろう。''その快感は素晴らしいものであるし、他のアクションシューティングではそう味わう事は出来ない。&br()&br()しかしその一方でゲームは過度に複雑化し、新規客を受け入れる土壌は無くなり、前作のファン離れを起こしたことも事実である。そういう意味ではこのゲームは「失敗だった」ともいえる。&br()後に発売されたシリーズ第三作、[[フォース>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/484.html]]はゲームスピードを大幅に落とし、操作形態も簡略化が行われた。チームバトルという環境を考慮しての調整もあろうが、''オラタンはある意味「行き過ぎてしまった」''のだろう。&br()&br()とはいえ、その行き過ぎた部分に惚れ込んだ人間もまた、決して少なくない。あなたもあの戦場を駆けるバーチャロイドに魅せられたのなら、ぜひコントローラーを握って欲しい。今は昔に比べて敷居も低くなった。無論、このゲームを楽しめるようになるまでの道のりは決してやさしくない。だが…… &br()&br() ''貴方がバーチャロイドをモノにした時、タングラムは間違いなく新しい世界への道を開いてくれるはずだ。'' ---- **余談 -開発段階では相手のバーチャロイドを投げる「投げ」というシステムも存在した(稼動前の雑誌にて情報・スクリーンショットなどが掲載されていた)が、没になった。一応ドルドレイのRTCW近接(相手の正面・背面にヒットさせれば二種類の投げ技が発生する)に名残を残している。 -初代バーチャロンのセガサターン移植に際してのゴタゴタや、当時のセガの不安定な経営状況に影響され、開発陣の中でもずれが生じるなど万全の態勢で開発が進んだとは呼べない状況であったらしい。「偉大な前作」を超えるべくスタッフは奮闘するが、それでもやはり前作の壁は大きく、苦労したという。 --ドリームキャストへの移植もやはり見切り発車という部分が大きく、さらにVer.5.66の「あと一歩感」からくるユーザーの批評は厳しかった。この状態は次作フォースの開発に際しても暗い影を落とすことになってしまったと、Xbox360版フォース・限定版付属の冊子内においてプロデューサーの瓦氏は述懐している。 ----
*電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム 【でんのうせんきばーちゃろん おらとりお・たんぐらむ】 |ジャンル|アクション|&image(Virtual_On_Oratorio_Tangram_DC_A.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069T9X/ksgmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=260&file=Virtual_On_Oratorio_Tangram_DC_A.jpg]][[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=260&file=256512_15464_back.jpg]]| |対応機種|アーケード(Ver5.2&5.4:MODEL3、Ver5.66:NAOMI)|~| |販売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|セガ・エンタープライゼス(第三AM研究開発部)|~| |稼働開始日|1998年|~| |>|>|CENTER:''Wiki内バーチャロン作品リンク''| |>|[[電脳戦機バーチャロン>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/125.html]]|''Operation Moon Gate''&br()すべての始まり、電脳歴の原点| |>|電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム|''Oratorio Tangram''&br()新たなる限定戦争の幕開け、システム複雑化の頂点| |>|[[電脳戦機バーチャロン フォース>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/484.html]]|''FORCE''&br()僚機と息を合わせ戦う、新時代のバーチャロン| |>|[[電脳戦機バーチャロン マーズ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/429.html]]|''MARZ''&br()戦争の秩序を守るための、調停者の物語| ※この項目では、MSBS5.2から最新版の360版5.66まで全てを扱う。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1996年の発売以降、セガの思惑とは裏腹に初代[[電脳戦機バーチャロン]]は大ヒットを巻き起こし、多くのロボットファンを虜にした。~ そしてその大ヒットから約二年後…様々なゲームが現れては消えていくゲームセンターに、再びバーチャロンは現れる。~ 二年の歳月を経てチャロナー(バーチャロンを好む人々)の前に帰ってきたそれは、当時最高峰のグラフィックと圧倒的なスピード感を得て、チャロナーたちに新たな熱気を起こさせる。~ 二年越しの新たな限定戦争、新たなる舞台は地球圏全域。その名は''オラトリオ・タングラム''。~ 通称「OT」「オラタン」。 ---- **長所 -前作よりも選択可能な機体は増え、11機に増加。 --カトキハジメ手掛ける機体のデザイン・ディテールはグラフィックの向上によりさらに緻密になり、機体ごとに細かく書き込まれている。 --どの機体も個性豊かな外見をしており、ヒロイックな看板機体に全身火器の歩く弾薬庫、果ては''どっかの女神様を彷彿とさせる女性型機体やドリルと万力を装備した超重量型機体''などバリエーション豊か。 ---後にアップデートで隠し機体一機と新型機3機が追加され、最終的には15機を選択できるようになる。 #region(Select your machine.) -''高汎用性標準機体'' ''MBV-707-G'' ''テムジン'' --剣・ライフル・長距離砲に変形する万能武器『スライプナー』と相手の攻撃をかき消すボムを装備した、初心者から上級者まで広く愛される万能型機体。ヒーロー然とした主人公機的なスタイルも非常に人気が高い。&br()いわゆる死に技が少なく、様々な相手に安定した戦闘力を発揮できる。 --必殺技は『ブルー・スライダー』『ブリッツ・トーネード』。前者は巨大なサーフ・ボード上に変形したスライプナーに乗って相手を追尾しながら突撃する強力な技で、後者はスライプナーで回転斬りを見舞う。 -''高性能光学兵器装備重攻機体'' ''HBV-502-H8''(RVR-75) ''ライデン'' --バズーカとグランドボム、そして一撃必殺の両肩のレーザー発振器が特徴の重量級バーチャロイド。動きの鈍重さや一癖ある武装から中級者向き。こちらも、いかにも『重量級』といったスタイルが人気で、2008年のプラモシリーズにも名誉ある一番手として選ばれたほど。&br()重量級ながら手札が豊富で、相手を篭絡し、足を封じて攻撃を叩き込む器用な戦い方が出来る。 --ジャンプ中にスタートボタンを押すことにより「残存体力の9割&V-アーマーのすべて」と引き換えに機動力が全VR中最速となる「装甲排除(アーマーパージ)」が可能。ロマンあふれる逆転技として人気がある。 -''超格闘対応型機体'' ''RVR-39'' ''アファームド・ザ・バトラー'' --トンファーとサブマシンガンを装備し、近接戦闘に特化した機体。近接可能距離が全機体中最も広く、射撃も『近接への布石』と考えれば優秀な手札が多い。いかに近接まで持ち込むかが鍵の機体だが、近接攻撃の性能自体はあくまで上の中程度。ただし、近接の威力とダウンを奪ってからの選択肢は全機体中屈指のものがある。 --ライダーキックのような飛び蹴り他、オーラーを纏ってハイパー化できるが、若干ロマン技の域にあり実用性は薄い。 -''超火力強化型機体'' ''RVR-33'' ''アファームド・ザ・ストライカー'' --実弾系の武装を多く搭載した、火力に重点をおいた万能機体…のはずだったが、特に秀でた部分がなく、悲しいかな弱機体の位置にある。特にライデンに対してはステージにもよるが「ほぼ詰んでいる」とまで言われる。設置型のミサイルや振りの速いコンバットナイフを使った近接が特徴。 --ライダーパンチのような突進技や、兄弟機のバトラー同様のハイパー化が可能だが、こちらもロマンの域にある。 -''高機動型可憐機体'' ''RVR-14'' ''フェイ-イェン・ザ・ナイト'' --可憐な少女の姿を模した軽量型機体。軽量型のスタンダードというべき性能を持ち、癖がなく扱いやすく、手数に優れる。近接攻撃も優秀で、火力の無さ以外はまとまった性能を持つ。 --HPが50%を切ると『ハイパー化』し、体が金色に輝く。この時は火力が爆発的に強化され、逆転の可能性が大きく広がる。 -''多目的火器装備満載機体'' ''SAV-326-D/9'' ''グリス・ボック'' --「歩く武器庫」と揶揄される、全身火器の重装型機体。相手の武器をかき消すナパームから主力武器のミサイル、バウンドする爆弾やグレネードランチャーにマシンガンと、実弾火器をこれでもかと搭載し、弾幕をこれでもかと展開する姿はまさにアクションシューティング界の[[大往生>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/392.html]]。 --なんと''小型の大陸間弾道弾を搭載。''自身すら巻き込むその爆風はゲーム中トップクラスの威力を誇る。 -''高機動型可変機体'' ''RVR-42'' ''サイファー'' --軽量型機体で、多方向に投げ放つダガーやバルカン、特徴的な軌道のホーミングレーザー(通称[[フォース>レイフォース]]ビーム)など、打撃力には欠けるが手数に優れる。一番の特徴は戦闘機のような形態に変形することであり、これを利用した特攻技は本機体の代名詞となっている。 --その手数の多さと機動力により、「リードを取ったら後はタイムオーバーまでそのリードを守る」という本作のゲーム性と相性が非常に良い機体。しかし、その代償として「紙飛行機」と呼ばれるほど装甲が薄いのが最大の弱点。2005年の全国大会で優勝した全一プレイヤーはサイファーを使用していた。 -''超重装甲突撃型機体'' ''RVR-68'' ''ドルドレイ'' --ドリルと万力を装備し、火炎放射やドリル射出などの奇抜な攻撃手段で戦う機体。全機体中最も厚い装甲を誇り、半端な攻撃は容赦なく弾き返す。 --機動力は低いが、二つの突進技を移動に用いることで機動力をカバーする戦術が確立されてからは愚鈍とも言い切れなくなった。 -''氷雪魔法系神聖機体'' ''SGV-417-I'' ''エンジェラン'' --女神を模した機体。実体装甲は薄いが、Vアーマーが強力で、遠距離からの攻撃は結構な確率で弾いてくれる。ただ装甲の薄さに比べて機動力が低い、Vアーマーを無視する攻撃を受けるともろいなど、一癖ある性能を持ち、扱いは難しい。 --氷の魔術のような攻撃を多数持ち、ドラゴンを召喚したり、背中から天使の翼を生やす(!)など、攻撃内容も個性的。 -''怨恨呪詛的暗殺機体'' ''RVR-87'' ''スペシネフ'' --死神を模した機体で、線の細さや屈んだ姿勢が特徴。線の細さ通りの装甲だが、それを持って余りある地上機動力を持つ。武装はほぼ単発系で、一撃の重みに優れる。 --相手を長時間追尾する霊魂や縦方向への回避が困難で与ダウン性能も高い衝撃波、翼を変形させて投げ放つ、弾消し性能の高いブーメランなど、いやらしい攻撃が多い。 -''難解系多機能型試作機体'' ''XBV-819-tr4(tm2)(ts/b)'' ''バル・バドス(バロス/ケロス)'' --両手を切り離して設置し、そこから攻撃が可能という特異な攻撃方法を持つ機体。さらに両足からも小型の砲台を展開して設置が可能。扱いは難しいが、使いこなすと他の機体には不可能なトリッキーな戦術が可能となる。 --コミカルな動作や数々の小技から『芸人機体』と揶揄される。また、ステージによって下半身などを換装するという変わった特徴も持っている。 -''超指導力強化型機体'' ''RVR-12'' ''アファームド・ザ・コマンダー'' --以下、M.S.B.S.5.66からの追加機体。 --指揮能力に優れた機体で、テムジンのマイナーチェンジ的な性能を持つ…といえば聞こえはいいが、テムジンに比べて劣る部分が多く、テムジンの下位互換に甘んじている典型的弱機体。 --大型のマチェットを近接武器に用いる割に近接能力が低い・火力が低いなど、調整ミスとしか思えない弱さは多くのプレイヤーの涙を誘う。 -''経済性重視型光学兵器装備機体'' ''SBV-328-B'' ''シュタイン・ボック'' --グリス・ボックの兄弟機で、光学系の兵器に身を包んでいる。他の機体の特徴的な光学兵器に似た攻撃を用いる。 --しかし元となった機体に比べて様々な面で弱体化しており、弾幕も張れない。器用貧乏という言葉がぴったりの性能である。 -''旧式改良強化要努力機体'' ''MBV-04-10/80sp'' ''10/80 SP'' --一世代前の機体を改修・強化したという設定で、所謂公式ハンデ機体。一部の動作に制限がかかっており、性能差を埋めるためには並々ならぬ努力が必要。 --ただキレのある操作感や一部の射撃兵装など光る点もあり、弱機体ではあるが愛用するパイロットも多い。 #endregion -動きの自由度が向上。 --ジャンプから空中ダッシュ、ダッシュ中に向きを変えられるバーティカルターン、ダッシュ旋回に各種キャンセル、近接攻撃可能範囲でのみ発動できるクイックステップ…スピード感とあいまって動きの自由度では全シリーズイチであろう。 --様々な動作をダッシュやジャンプなどでキャンセルできるので、他のゲームよりも目立った硬直が少なく、慣れるとほぼノンストップで機体を動かせるようになる。 -Vアーマー・ターボショットをはじめとする、新たなる要素の追加。 --Vアーマーは本体の装甲とは独立したバリアのようなもので、相手の弱い攻撃を弾き返してくれる。 --ターボショットはツインスティックのターボボタンと攻撃を同時に押す事により出る、強力な攻撃。右ターボショットと左ターボショットが存在し、右ターボは威力の高い攻撃を、左ターボは主にVアーマーを削る能力を持つ。 --他にもダッシュスライド攻撃や各種機体ごとに搭載された個性豊かな必殺技など、各機体の攻め手のバリエーションは爆発的に増加、同じ機体でも使い手によりバトルスタイルに差が生まれた。 -近接戦闘の熱い駆け引き。 --前作では近接攻撃は一部の機体を除いてほとんど上級者が用いるロマン技であったのに対し、今作では近接戦闘の自由度も大幅に増加。各機体近接攻撃の発動範囲は前作より長めに設定され、ほとんどの機体が近接を要所要所で狙っていけるようになった。 --また「ダウン追撃」「クイックステップ近接」「ダッシュ近接」など、近接攻撃のバリエーションも大幅に増加。 --ダッシュ近接やターボ近接、ダウン追撃… 一瞬で機体が交差し、近接攻撃が炸裂する。上級者の近接戦は一瞬の隙を差し合う凄まじいもので、白熱した戦いが楽しめる。 -音楽は相変わらず、ロボヲタの心を突いてくる名曲ぞろい。 --ライデンステージの「into the crimson」、サイファーステージの「zodiac empathy」など、ステージに合わせた名曲は熱い戦いを演出する。 -5.66から、家庭用オラタン(後述)で機体色をエディットした機体が使用できるようになった。 --自分の愛機を戦場で使える。腕利きのプレイヤーを示す証にもなった。 ---- **難点 -''複雑すぎる操作やシステム'' --ただでさえ初心者はゲームスピードとシステムに振り回される。そこに前作の比ではない複雑な操作を要求され、新規客の定着を阻む原因となった。 ---プレイヤー格差を生み出した元凶であり、このゲーム最大の特徴でもある。一概に否定することは出来ないが。 --初心者の壁として立ちふさがるのが「クイックステップとダッシュの使い分け」。この二つはコマンドが同じなのだが、かといって「近接可能範囲ではダッシュコマンドが自動的に~」というわけではなく、近接可能範囲でも普通にダッシュが出る。使い分けは慣れるまでかなり難しく、初心者と中級者を分かつ壁となる。 -稼働初期はバランスが悪かった。Vアーマーの効力が強く、射撃主体の機体は苦戦を強いられたのである。 -一般的には最新版の5.66が最高のバランスと言われているが、それでもやはりゲームバランスが練り込まれていない感はある。機体紹介の項を見てもらえればわかると思うが、''すこしやり込むとわかるような弱機体''が多い。また、強機体も強機体でえげつない。 --プレイヤーの腕前がかなり反映されるゲームであり、ゲームバランスはある程度プレイヤーに左右されることになる。それでも''ステージによってはほぼ詰む''組み合わせが存在するなど、やはりゲームバランスの根底の部分にある程度の問題はあると言わざるを得ないだろう。5.6においても大した調整が成されなかったのは残念としか言いようがない。 ---特に5.66追加機体の弱さはプレイヤーの涙を誘った。一応『公式ハンデ』である10/80は弱くて当然なのだが…。 ---ステージ「Space Dock」はその障害物の配置から機体によって有利不利が決まりやすく、プレイヤーからも機体によっては「クソゲー」と揶揄される。 #region(強機体について) -ライデン --相手を絡めとる電磁ワイヤーや相手の武器をかき消すバズーカ、それに加え爆風が身を守る防壁となる電磁ボムなど、機動力の低さという欠点を引いてもおつりが来る手数の多さを誇る。さらに、二発発射される武器の発射数を一発にする代わりに消費エネルギーを半分にする『ハーフキャンセル』と呼ばれるテクニックの恩恵を最大限受けられるために武器の回転数の問題も緩和され、熟練のプレイヤーが使うと攻防ともに強力かつ、嫌らしい攻め方が出来るようになる。 ---それに加え『置きレーザー』と呼ばれる、強力なレーザーをある程度自分の意図した方向に発射できるテクニックで、相手の左右移動も狩れる。ただしこれはある程度プレイヤーの勘と経験に左右されるので、誰でも手軽にできるテクニックというわけではない。 --ちなみに、バージョンアップ前はグランドボムが「回避されても、相手とY軸が合った瞬間に爆発し、連続した火柱を発生させる」という実に嫌らしい仕様となっており、さらに強かった。 -グリス・ボック --お手軽に弾幕を生成でき機動力も中堅クラスで、やろうと思えば(相手にもよるが)延々と弾幕を生成しながら相手を近づけないことも可能。またワンチャンスを物に出来る武器も普通に持っているため、相手の事故を待たずとも相手の隙を潰せば勝ちに行ける。 --上級者のグリス・ボックは本当におぞましい弾幕を展開してくる。壁を抜ける武器もあるので、壁の裏で相手をやり過ごすことも出来ない。 -スペシネフ --地上機動力の高さから相手と距離を取りやすく、相手を長時間追尾する鬼火や弾速と与ダウン性能の高い鎌などでチャンスをものにしやすい。弾幕こそ張れないが、鎌が壁を抜けるので壁がある程度無意味になるという、このゲームにおいて大きなアドバンテージを持つ。 --近接戦闘能力も高く、各種攻撃の威力も高い。リードさえ奪ってしまえばこちらのものである。 --特にターボショットの弾速・誘導が驚異的で、機動力の低い機体だと撃たれるとまず避けられないシチュエーションが存在し、上記されている強機体のライデンが最も苦手とする機体である。 -フェイ-イェン・ザ・ナイト --ダウン性能と機動力に優れ、『相手をダウンさせてちまちまリードを奪って逃げる』という戦術が強力。万が一リードを奪われても、ハイパー化すれば逆転のチャンスはあるし、近接戦なら通常時でも強力。 --ハイパー化時の火力は圧巻。ワンチャンスで戦況がひっくり返るレベル。 -ほか、高性能な前ダッシュ攻撃(通称『前ビ』)を軸に全体的に武器性能の高いテムジン、砲台の設置場所によっては「ほぼ避けられない攻撃」を撃つことができるバルシリーズなどは全国での使用率も安定しており、強力であった。 #endregion #region(弱機体について) -アファームド・ザ・ストライカー(以下ST) --「扱いやすい」という点では優れているが、秀でているとされる射撃性能に穴があり、全体的な機動力も低め。ダメ押しとばかりに重心が高く、攻撃で転びやすい。 --この弱体化は、家庭用ネット対戦で本機が猛威を振るった影響とされる(これは通信対戦のタイムラグに主な原因があり、実は機体の性能から来るものではない)。当時の開発者のコメント「数値は変えてない((当時、あるプレイヤーが「何故ストライカーにあのような調整を?」と質問した際の、開発側の解答。これを聞いた全国のストライカー使いは深い悲しみとやり場のない怒りに包まれた。))」は、プレイヤーの間での流行語になった。 --気軽に振っていける武装がなく、武装も直線的に飛んでいくものが多いため、軸を合わせないと当たらない。低い機動力を精一杯駆使して相手を追い詰めても、攻撃で転倒してリードを奪われたが最後、絶望的な鬼ごっこがスタートし、たいていは相手に逃げ切られてそのまま終わってしまう。一応前ダッシュは速いのだが、''それでもライデンのバックダッシュに追いつけない。''解せぬ。 -アファームド・ザ・コマンダー(以下CT) --''ほとんどテムジンの下位互換。''武装は扱いやすいのだが「打撃力を欠く」「気軽に振れる武装がない」「ゲージ効率が悪い」「近接性能が落ちている」と、''常識があるならありえないパラメータ調整をされている。'' --近接性能は''なんと攻撃範囲以外、モーションを共有するST以下。''射撃も悪くはないのだが、ダッシュ攻撃の回頭性能が低く、なかなか辛いものがある。そのマチェットは飾りか? --唯一、機動性などの基本性能ではテムジンに勝っている。差別化のつもりだったのだろうか…? 格闘ゲームを知るプレイヤーからは「テムジンがリュウなら''CTはダンだ''」と揶揄される。 -エンジェラン --基本戦術が''「事故待ち」''。さすがに大袈裟な言い方だが、こちらから当てられる武装に乏しく、機動力も装甲に見合わない低さなので、リードを取ることが難しい。また、火力もゲーム中1,2を争う低さなので、リードを奪っても不安がつきまとう。 --各種攻撃による連携は強力だが、連携を理解している相手には普通に対策されるレベルで、凶悪というほどのものではない。リードを奪われるととたんに厳しくなる。 --「漕ぎ」という特殊テクニックのおかげで、前以外の機動力はとてつもなく高い。一度リードを奪えば迎撃戦に持ち込んで有利な展開に持っていけるが、遠距離にも隙がない相手に対してはそれも厳しい。 -この他、5.66追加機の一つであるシュタイン・ボックもかなり中途半端なバランスの機体であり、扱いにくい。 #endregion -''削り合いの戦闘'' --前作から受け継いだ欠点だがやはり賛否両論。プレイヤーの回避技術が高くなればなるほど、冗談抜きで攻撃は滅多なことでは当たらなくなる。ワンチャンスを物に出来るかで勝敗が決まる極端な戦闘は今でも意見が分かれる。 --上位プレイヤーともなるとわずか5%未満の体力リードであっても守勢に回り、リードを守りきって勝ちを狙うという戦術も珍しくない。このゲームの最大体力値は『100%』である。 -''ドルカスの後継機がいない'' --ドルドレイは前作のドルカスと全く方向性が違うマシンだったので、ドルカス愛用者は泣く泣く機種転換を迫られる事に…。 -''その他'' --現在でこそ受け入れられ、名作と評されている本作だが、稼働当初はあまりに先鋭化しすぎたシステム、デザインが賛否両論の嵐を呼んだ。 --現在でも初代バーチャロン(OMG)の熟練プレイヤー達からは『''OMGにはあった「3D空間の自由度」からくる「詰将棋感」が、高速すぎるオラタンには無い。機体が常に線で繋がれているようだ''』とも評されている。実際、オラタンに馴染めずOMGに逆戻りしたユーザーも少なくはなく、本作の稼働期間・インカムもOMGに届くことはなかった。 ---- **後の展開 -バージョン5.4稼働中、ドリームキャストに移植された。 --ゲーム自体は良移植の部類に属するもので、機体のカラーエディットや当時導入されたばかりのネット対戦が売りだった。ソフト単独ではプレイバリューは若干薄く、対戦ツールとしての側面が強い。しかし今の通信環境とは比べものにならないラグのひどさ、恐ろしく高額の電話料金から、対戦環境は良好とは言いがたかった。 --後にゲーム誌の付録として「カスタマイズディスク」が登場。これは5.66の機体をエディットすることが出来るツールで、これにより5.66のエディット機がゲーセンで使えるようになった。しかしその頃、5.66の家庭用移植がついに叶う事はなかった。 -その後、三作目「フォース」が発売されるが、オラタンとは全く方向性の異なる作品だったため、フォースを受け入れられなかったパイロットたちは、全国に細々と点在する筐体に通い続ける日々を送った----。 -しかし2008年末、チャロナーたちの間に衝撃が走った。オラタン5.66エディションのXboxLiveArcadeでの移植が決定したのである。新たな限定戦争の火蓋が切って落とされ、10年前より遥かに快適になったネット対戦の場にチャロナーたちが集った。カスタマイズ機能、リプレイ、ハイデフへの対応… あくまで配信ソフトの域を出ない機能拡張ではあったが、5.66のほぼ完全な移植であるということだけで、チャロナーたちには十分だった。 --ただし、5.66の厳密な完全移植でない事が後に有志の手により判明。5.66をベースに微調整を施した「5.66 360仕様」とでも言うべきものらしい。 -このXBLA版は''2009年度ダウンロードランキングで堂々の一位''を記録する快挙を成し遂げた。ただ、それでも採算面はかなりきわどいものだったらしく、360版フォースはパッケージでの販売となっている。 -余談だが、本作発売の頃からバーチャロンのメディアミックス展開が目立つように。 --あまり市場には出回らなかったが、アクションフィギュアが当時発売していた。 --模型誌に外伝ストーリーが載ったり、ドラマCDが出たりと、後の[[アーマードコア>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/244.html]]を連想させるメディアミックスを見せた。外伝ストーリーの機体の模型も当時発売していた。 --現在は新たな模型のシリーズが発売され、スペシネフやフェイ=イェンなどが続々立体化。ついに限定戦争が3次元へと進出。 --また世界設定が深く掘り下げられるようになり、雑誌や設定資料で語られる深い設定は、その辺りに拘るファンを深く引き込んでいった。 ---- **総評 3Dアクションシューティングのある意味頂点に達した作品と言えるだろう。&br()その暴力的なスピード、ステージや武器を生かした駆け引き、一瞬のチャンスを巡っての攻防…… オラタンは、''一種の3Dアクションシューティングの到達点を一部のゲーマーに提示していたと言ってもいいだろう。''その快感は素晴らしいものであるし、他のアクションシューティングではそう味わう事は出来ない。&br()&br()しかしその一方でゲームは過度に複雑化し、新規客を受け入れる土壌は無くなり、前作のファン離れを起こしたことも事実である。そういう意味ではこのゲームは「失敗だった」ともいえる。&br()後に発売されたシリーズ第三作、[[フォース>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/484.html]]はゲームスピードを大幅に落とし、操作形態も簡略化が行われた。チームバトルという環境を考慮しての調整もあろうが、''オラタンはある意味「行き過ぎてしまった」''のだろう。&br()&br()とはいえ、その行き過ぎた部分に惚れ込んだ人間もまた、決して少なくない。あなたもあの戦場を駆けるバーチャロイドに魅せられたのなら、ぜひコントローラーを握って欲しい。今は昔に比べて敷居も低くなった。無論、このゲームを楽しめるようになるまでの道のりは決してやさしくない。だが…… &br()&br() ''貴方がバーチャロイドをモノにした時、タングラムは間違いなく新しい世界への道を開いてくれるはずだ。'' ---- **余談 -開発段階では相手のバーチャロイドを投げる「投げ」というシステムも存在した(稼動前の雑誌にて情報・スクリーンショットなどが掲載されていた)が、没になった。一応ドルドレイのRTCW近接(相手の正面・背面にヒットさせれば二種類の投げ技が発生する)に名残を残している。 -初代バーチャロンのセガサターン移植に際してのゴタゴタや、当時のセガの不安定な経営状況に影響され、開発陣の中でもずれが生じるなど万全の態勢で開発が進んだとは呼べない状況であったらしい。「偉大な前作」を超えるべくスタッフは奮闘するが、それでもやはり前作の壁は大きく、苦労したという。 --ドリームキャストへの移植もやはり見切り発車という部分が大きく、さらにVer.5.66の「あと一歩感」からくるユーザーの批評は厳しかった。この状態は次作フォースの開発に際しても暗い影を落とすことになってしまったと、Xbox360版フォース・限定版付属の冊子内においてプロデューサーの瓦氏は述懐している。 ----

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