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*グラディウスIII(SFC) 【ぐらでぃうすすりー】 |ジャンル|横スクロールシューティング|&image(g3a.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HY7/ksgmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=290&file=g3a.jpg]] [[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=290&file=g3b.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|1990年12月21日|~| |定価|7,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |>|>|CENTER:''[[グラディウスシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/420.html]]''| **概要 -1989年にアーケードに登場した『グラディウスIII 伝説から神話へ』の移植版。コナミ初のSFC用ソフトであると同時に、SFC初の横スクロールSTGゲームであり、新しいハードに移行した直後もあってFC版のグラディウスシリーズに比べてグラフィック・サウンドが進化し、現在でも良STGとして知られる。しかし、同じナンバリングでAC版からの''「移植」''と謳われていた本作の内容はオリジナルとは似ても似つかない''「別物」''となっていた為、AC版のファンからは大きな非難を浴びる結果となった。 -本記事冒頭ではSFC版とAC版を別物とし、SFC版を主眼において記述する。AC版との詳しい差異については後述。 **特徴 -SFC最初期の作品でありながらハードウェアの性能を印象付ける美麗なグラフィックが秀逸で、色数が増えた事でよりメカニカルな質感が向上した他、植物面、細胞面などの演出がより強化されている。タイトル画面や文字フォントなども美麗で、OPデモまでしっかり作られている等、当時としてはスーパーファミコンへのデビューに相応しい品質を持っていた。 --デザインの基調としては青色が前面に出されており、SFで近未来を思わせる世界観は印象深い。 -音源を駆使した美麗なBGM群は本作の人気要素の一つ。ハードウェアの特徴を生かしたデジタルサウンドとオーケストラ調の合成は見事で、コナミサウンドの特徴的な音階はそのままにステージの雰囲気を演出する様々な音楽に人気があり、「シリーズBGMにはずれなし」は健在である。 --代表的な曲に「In The Wind」(3面)「Accident Road」(7面)「Lacky Zone」(ボーナス面)など。挙げればきりがない。 -BGM以上に評価の高い効果音。「タイトル画面のスタート効果音」はファンのみならずSFC草創期の子供たちの度肝を抜いたほど。またボス撃破時の効果音はSFCとは思えぬ迫力あるものに、レーザー発射音がよりSF的な音に……といった具合にAC版から順当に差し替えられており、独特なゲームの雰囲気に一役買っている。中には細胞壁の破壊音を評価するキワモノなファンも存在するほど。 -敵のモーションが秀逸で、前作からさらに進化している。地形を疾走する有脚型砲台、分裂する泡、起き上がる・回転するモアイ……はさておき、各面の特色に基づいた固定砲台や戦闘機ハッチ、外装部がダイナミックに動く数々のボス。そしてオプションハンター。特にボス敵のギミックに虜にされたプレイヤーは数多い。 -キーコンフィグ、パワーアップのオートセレクト等の新システムが実装された。 -装備のバリエーションが前作から更に増加。それぞれの長所を生かした使途が存在し、様々なスタイルが可能に。 --ミサイルに「ホークウィンド」などの使いやすい武器が追加、オプションの種類が4つに増加など、エディットの幅はより広がっている。 -ミス時にチェックポイントまで戻るタイプのSTGでありながら、難易度は抑えられていて遊び易いのも特徴の一つ。 -フル装備コマンド、残機数増加コマンドなどの裏技も搭載。同時に、ポーズを掛け、従来のコナミコマンドを入力してからポーズを解除すると自爆するというちょっとした隠し要素も存在。 -火山、モアイ、高速スクロール、要塞、細胞、ボスオンパレードなど個性的なステージ構成も健在で、ただ敵を倒すだけでなくその構成も作り込まれている。 -ある条件を満たした上で特定の場所に接触すると移動する「ボーナスステージ」が登場。 --ボーナスステージの名とは裏腹に難易度は意外とシビアで、この中でミスをするとそのプレイ中は二度と同じ入り口には入れないが、無事突破できた場合はそのステージのボスとは戦わずに進む事ができる。 -隠しコマンドで出るARCADEモードの難易度は「敵が速い」「弾が速い」という「速さ」にあり、それが出来る地点、ステージではデフォルト設定に比べて難易度が高くなる。 **問題点 -ロンチ付近の作品だったということもあり開発に十分なノウハウがなかったため、SFCの処理速度の遅さを克服できず処理落ちの場面が異常なほど多くなってしまった。 --難易度の低下に繋がっているため一概に短所という訳ではないが・・・。 --ちなみにミス復帰時など装備が少ない時には起こり難いようだ。 ---- **AC版との差異 -冒頭で述べた通り、本作にはアーケード版の『グラディウスIII -伝説から神話へ-』の移植として扱われた経緯がある。しかし、その内容はオリジナルであるAC版とはほぼ別物と言っていい程に大きくかけ離れたアレンジがなされている。それはステージ構成からザコ敵の配置、ギミック、武器の性能、音楽や効果音など非常に多岐に渡る変更であった。にも関わらず、''当時のコナミが「AC版を完全移植」''と発言していた事もあり、一部のACファンが衝突するという事態に陥ってしまった。 -以下はAC版からのリメイクとしての視点で記述する(良し悪しの観点では記述しない)。 -''難易度'' --オリジナルであるAC版は1989年に稼動を開始したが、その難易度は半端なものではなく、同年期のR-TYPEII(国内版の2周目)、鮫!鮫!鮫!(1人プレイ専用の1Pバージョン)と並ぶ高難易度STGとして知られていた。その超高難易度のゲームを「家庭用で存分に遊べる」といった期待を完全に裏切られた上、敵からボスまでステージ構成のほとんどが別物と化した''「自称移植」''に落胆したファンの心中は察するに余りある。 -''サウンド'' --ハードウェアの変更により当然ながらサウンド関係にも大幅な変更が加えられている。こと音楽に関しては大幅にアレンジされたり、新規に書き下ろされたり、移植されなかったりしたものがあり、''これまたオリジナルとは完全に別物''。固定ファンがつくほどのBGMであった事を考えれば、やはりファンが怒るのは道理である。 **主な変更点 -タイトルロゴが変更され、FC版II同様にサブタイトルも消滅。 --「AC版のスタッフが移植度の低さからサブタイトルの付与を許さなかった」「SFC版のスタッフが移植度の低さからサブタイトルの付与を断念した」等諸説有り。 #region(【自機及びゲームシステム】) -画面内の雑魚を一掃する「青カプセル」の復活 -AC版の一部のウェポンの削除、及びSFC版オリジナルウェポンの追加 --ミサイル==コントロールミサイルとアッパーミサイルの削除、及びホークウィンドと2ウェイバックの追加 --ダブル===フリーウェイとスプレッドガンの削除、及びバックダブルの追加 --オプション=フォーメーションオプションとローリングオプションの追加(特定の条件を満たせば特殊な操作が可能) --シールド==フリーシールドがローリングシールドに変更 --!装備===ノーマルショットがフルバリアに変更 -ウェポンの性能の調整 --ノーマルレーザーの当たり判定、及びリップルレーザーの地形に対する当たり判定の大型化 --エナジーレーザー・ツインレーザーの強化 --ミサイルの単発化、及び威力の強化 --フォースフィールドの耐久力の変更・及びリデュースに耐久力の追加 --一部のレーザー・シールド・スプレッドボムの爆風のエフェクトが点滅表示に変更 -その他様々な細かい調整が行われている。 #endregion #region(【ステージ&ボス】) -砂漠ステージ --サンドライオン・2周目の地形変更・ボスの護衛のエフェクトの削除 --ボスとその護衛の形状・サンドドラゴンの形状・ボスの難易度の変更 --背景奥のビジュアル(砂の山)の追加 -泡ステージ --泡の当たり判定・耐久力・量の修正 --バブルアイの泡が再生しない -火山ステージ --AC版に存在した迷路・ジャンパー地帯・特定の条件を満たす事によるBGM変更要素の削除 --ステージ前半におけるハッチの数の減少 --岩盤エリアの岩石が破壊可能(ただし難易度による) --ボス「ビッグコアMk-III」の弱体化 --バグの修正 -モアイステージ --小型モアイを吐き出す巨大モアイの削除。それに伴い前半は普通のモアイ地帯、後半は怒りモアイ地帯というACⅡに近いステージ構成に変更 --イオンリングがフォースフィールドを貫通しない --ボスの外観・数・名前・攻撃パターンの変更、及び難易度の大幅な低下。中ボス「ドガス」は削除 -溶岩ステージ --火山弾が完全に破壊可能になり、攻略が比較的容易に --ボス第1形態「ワイバーン」の削除、及び第2形態「ヴァルチャードドラゴン」(双頭龍)に該当する「ゴルゴーン」に変更 --攻撃方法をAC版の8方向に拡散する小さな火炎弾から、長く連なったビーム状の火炎弾に変更 --ボス撃破後の破片に当たり判定を追加。裏技は削除 -植物ステージ --道中の触手に当たり判定を追加、及びボス戦直前に現れる謎の当たり判定を削除 --ボス「ブロッティングウィード」の口の上下にあった触手を削除し、吸引力を弱体化。根元の触手は破壊不可能に変更 -高速ステージ --AC版の疑似3Dステージから、前作のような高速横スクロールステージに変更。それに伴いSFC版オリジナルのBGMとボスを用意 --このステージはIIからの定番ステージになり、本作→IV→Vと続投する事となる --ボスはSFC版オリジナルの「ビーコン」。沙羅曼蛇にあった反射ボールとビッグコア風の4連レーザーで攻撃。Ⅴの高速面に強化版が登場する。 -ボスラッシュステージ --ステージ突入時&ミス時に出現する「デモス」を従来の赤ザブに、ミスした際の復活ポイントをミスしたボス直前に変更 --デリンジャーコア以外の全てのボスにSFC版オリジナルBGMを追加 --デリンジャーコアのレーザーの当たり判定・カバードコアのコアの当たり判定・及びそのミサイルの速度を修正 --お茶ドゾーでお馴染みの「テトラン」を削除 -要塞ステージ --ボスラッシュとは独立したステージに変更、それに伴い復活時における序盤のハッチ地帯の突破が容易に --上方向のハッチの配置が減少し、ヴァーティカル等の上に攻撃できる装備を選ばなくても攻略が比較的容易に --中ボス「ディスラプト」のダッカー出現ハッチ・ガーメイドの残骸を破壊可能に(ただし後者は難易度による) --剥がれる壁地帯の壁が剥がれる量とそのスピードを増加 --前半の停電地帯・中盤の「キャンサー」地帯・回転レーザー「ディーダ」地帯を削除 --ボスを「シャドーギアMk=II」2体に変更。ちなみにクラブ型ボスとしてはシリーズでは珍しく破壊が可能 -細胞ステージ(最終ステージ) --AC版の細胞ステージと要塞ステージ後半を繋ぎ合わせたかのようなステージ構成に変更 --隠しステージへ進む要素・AC版要塞ステージ後半のデプト地帯・脱出時の高速スクロールエリアを削除 --ラスボスはAC版同様バクテリアンであり、隠し要素の削除以外に特に変更はない ---ちなみに、隠しステージの削除に伴い、本作のバクテリアンはシリーズとしては珍しい「攻撃するラスボス」となった -ボーナスステージ --AC版の隠しステージ要素の削除によりSFC版に実装された要素 ---泡・火山・モアイ・溶岩・高速ステージに存在し、各ステージの特定のポイントからそれぞれ特定の条件を満たす事で行けるようになる --スコアとプレイヤーストックを稼ぐためのステージであり、クリアするとボス戦はカットされて次のステージに移行する --ステージモチーフは初代グラディウスのストーンヘンジステージのもの。これはMSX版グラディウスに存在した隠し要素「エキストラステージ」を受け継いだものであり、黄色カプセル(得点)、緑カプセル(1up)が登場する点も同じである -その他 --オプションハンターの初出現がAC版「モアイステージ」の空中戦終盤からSFC版「泡ステージ」の道中に変わった --火山弾、イオンリングの点数が10点から100点に変更 --ステージ構成の変更により、クリスタルステージとそのボス「リザードコア」・AC版細胞ステージのボス「グレゴール」を削除 --ボス戦終了時に出る、謎の当たり判定でミスするバグを修正 --各ステージのスクロール後方の背景がステージに入った所でフェードインしてくる演出に変化 --AC版との解像度の違いに合わせ背景ビジュアルはグラデーションを多用した柔らかい色調に描き直されている -上記の他にも様々な調整が細かく行われている。 #endregion ---- *総評 -本作はSTGとしては当時のハードウェアの性能を活用した意欲作で、シリーズが醸し出す独特な世界観を堪能できる一つの作品としてお薦めできるゲームである。WiiのバーチャルコンソールでFC版と同様に配信されている為、興味が湧いたならぜひ手にとって遊んでもらいたい。 -本作に通じる論争の火種は、AC版・SFC版問わず「こんなものグラディウスIIIじゃない」、といった互いの存在否定の暴言の応酬に尽きる。もはやAC版とSFC版の好みの差とは''「先に触れたかどうかの差」''''「難易度はどちらに馴染めたか」''だといっても過言では無く、不毛な論争にありがちなAC版が~、SFC版が~、といった比較によって作品の上下関係を図る行為は''愚行極まりない''。FC版グラディウスシリーズ同様、「オリジナルとは別物」という示された通りの評価が物語っているのだから。 -移植のキャッチコピーによって混乱を招いたが、SFC版もまたAC版同様、シリーズに名を連ねる『グラディウスIII』なのである。 --2000年にPS2で『グラディウスIII&IV -復活の神話-』として『グラディウスIV』とのカップリングのうえでAC版の忠実な移植版が改めて発売されたが、こちらには''SFC版の装備を再現したモード''が収録されている。このことから見ても、開発側としては本作を黒歴史として見ていないことが伺える。 --またパロディウスシリーズの『実況おしゃべりパロディウス』の最終面は本作の要塞ステージのパロディである。 -ここに、多くの紳士シューター・シリーズ愛好家諸氏にとってAC版・SFC版共に愛すべき作品である事を明記しておこう。
*グラディウスIII(SFC) 【ぐらでぃうすすりー】 |ジャンル|横スクロールシューティング|&image(g3a.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HY7/ksgmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=290&file=g3a.jpg]] [[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=290&file=g3b.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|1990年12月21日|~| |定価|7,800円(税抜)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |備考|バーチャルコンソール:2007年9月25日配信開始/800Wiiポイント|~| |>|>|CENTER:''[[グラディウスシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/420.html]]''| **概要 -1989年にアーケードに登場した『グラディウスIII 伝説から神話へ』の移植版。コナミ初のSFC用ソフトであると同時に、SFC初の横スクロールSTGゲームであり、新しいハードに移行した直後もあってFC版のグラディウスシリーズに比べてグラフィック・サウンドが進化し、現在でも良STGとして知られる。しかし、同じナンバリングでAC版からの''「移植」''と謳われていた本作の内容はオリジナルとは似ても似つかない''「別物」''となっていた為、AC版のファンからは大きな非難を浴びる結果となった。 -本記事冒頭ではSFC版とAC版を別物とし、SFC版を主眼において記述する。AC版との詳しい差異については後述。 **特徴 -SFC最初期の作品でありながらハードウェアの性能を印象付ける美麗なグラフィックが秀逸で、色数が増えた事でよりメカニカルな質感が向上した他、植物面、細胞面などの演出がより強化されている。タイトル画面や文字フォントなども美麗で、OPデモまでしっかり作られている等、当時としてはスーパーファミコンへのデビューに相応しい品質を持っていた。 --デザインの基調としては青色が前面に出されており、SFで近未来を思わせる世界観は印象深い。 -音源を駆使した美麗なBGM群は本作の人気要素の一つ。ハードウェアの特徴を生かしたデジタルサウンドとオーケストラ調の合成は見事で、コナミサウンドの特徴的な音階はそのままにステージの雰囲気を演出する様々な音楽に人気があり、「シリーズBGMにはずれなし」は健在である。 --代表的な曲に「In The Wind」(3面)「Accident Road」(7面)「Lacky Zone」(ボーナス面)など。挙げればきりがない。 -BGM以上に評価の高い効果音。「タイトル画面のスタート効果音」はファンのみならずSFC草創期の子供たちの度肝を抜いたほど。またボス撃破時の効果音はSFCとは思えぬ迫力あるものに、レーザー発射音がよりSF的な音に……といった具合にAC版から順当に差し替えられており、独特なゲームの雰囲気に一役買っている。中には細胞壁の破壊音を評価するキワモノなファンも存在するほど。 -敵のモーションが秀逸で、前作からさらに進化している。地形を疾走する有脚型砲台、分裂する泡、起き上がる・回転するモアイ……はさておき、各面の特色に基づいた固定砲台や戦闘機ハッチ、外装部がダイナミックに動く数々のボス。そしてオプションハンター。特にボス敵のギミックに虜にされたプレイヤーは数多い。 -キーコンフィグ、パワーアップのオートセレクト等の新システムが実装された。 -装備のバリエーションが前作から更に増加。それぞれの長所を生かした使途が存在し、様々なスタイルが可能に。 --ミサイルに「ホークウィンド」などの使いやすい武器が追加、オプションの種類が4つに増加など、エディットの幅はより広がっている。 -ミス時にチェックポイントまで戻るタイプのSTGでありながら、難易度は抑えられていて遊び易いのも特徴の一つ。 -フル装備コマンド、残機数増加コマンドなどの裏技も搭載。同時に、ポーズを掛け、従来のコナミコマンドを入力してからポーズを解除すると自爆するというちょっとした隠し要素も存在。 -火山、モアイ、高速スクロール、要塞、細胞、ボスオンパレードなど個性的なステージ構成も健在で、ただ敵を倒すだけでなくその構成も作り込まれている。 -ある条件を満たした上で特定の場所に接触すると移動する「ボーナスステージ」が登場。 --ボーナスステージの名とは裏腹に難易度は意外とシビアで、この中でミスをするとそのプレイ中は二度と同じ入り口には入れないが、無事突破できた場合はそのステージのボスとは戦わずに進む事ができる。 -隠しコマンドで出るARCADEモードの難易度は「敵が速い」「弾が速い」という「速さ」にあり、それが出来る地点、ステージではデフォルト設定に比べて難易度が高くなる。 **問題点 -ロンチ付近の作品だったということもあり開発に十分なノウハウがなかったため、SFCの処理速度の遅さを克服できず処理落ちの場面が異常なほど多くなってしまった。 --難易度の低下に繋がっているため一概に短所という訳ではないが・・・。 --ちなみにミス復帰時など装備が少ない時には起こり難いようだ。 ---- **AC版との差異 -冒頭で述べた通り、本作にはアーケード版の『グラディウスIII -伝説から神話へ-』の移植として扱われた経緯がある。しかし、その内容はオリジナルであるAC版とはほぼ別物と言っていい程に大きくかけ離れたアレンジがなされている。それはステージ構成からザコ敵の配置、ギミック、武器の性能、音楽や効果音など非常に多岐に渡る変更であった。にも関わらず、''当時のコナミが「AC版を完全移植」''と発言していた事もあり、一部のACファンが衝突するという事態に陥ってしまった。 -以下はAC版からのリメイクとしての視点で記述する(良し悪しの観点では記述しない)。 -''難易度'' --オリジナルであるAC版は1989年に稼動を開始したが、その難易度は半端なものではなく、同年期のR-TYPEII(国内版の2周目)、鮫!鮫!鮫!(1人プレイ専用の1Pバージョン)と並ぶ高難易度STGとして知られていた。その超高難易度のゲームを「家庭用で存分に遊べる」といった期待を完全に裏切られた上、敵からボスまでステージ構成のほとんどが別物と化した''「自称移植」''に落胆したファンの心中は察するに余りある。 -''サウンド'' --ハードウェアの変更により当然ながらサウンド関係にも大幅な変更が加えられている。こと音楽に関しては大幅にアレンジされたり、新規に書き下ろされたり、移植されなかったりしたものがあり、''これまたオリジナルとは完全に別物''。固定ファンがつくほどのBGMであった事を考えれば、やはりファンが怒るのは道理である。 **主な変更点 -タイトルロゴが変更され、FC版II同様にサブタイトルも消滅。 --「AC版のスタッフが移植度の低さからサブタイトルの付与を許さなかった」「SFC版のスタッフが移植度の低さからサブタイトルの付与を断念した」等諸説有り。 #region(【自機及びゲームシステム】) -画面内の雑魚を一掃する「青カプセル」の復活 -AC版の一部のウェポンの削除、及びSFC版オリジナルウェポンの追加 --ミサイル==コントロールミサイルとアッパーミサイルの削除、及びホークウィンドと2ウェイバックの追加 --ダブル===フリーウェイとスプレッドガンの削除、及びバックダブルの追加 --オプション=フォーメーションオプションとローリングオプションの追加(特定の条件を満たせば特殊な操作が可能) --シールド==フリーシールドがローリングシールドに変更 --!装備===ノーマルショットがフルバリアに変更 -ウェポンの性能の調整 --ノーマルレーザーの当たり判定、及びリップルレーザーの地形に対する当たり判定の大型化 --エナジーレーザー・ツインレーザーの強化 --ミサイルの単発化、及び威力の強化 --フォースフィールドの耐久力の変更・及びリデュースに耐久力の追加 --一部のレーザー・シールド・スプレッドボムの爆風のエフェクトが点滅表示に変更 -その他様々な細かい調整が行われている。 #endregion #region(【ステージ&ボス】) -砂漠ステージ --サンドライオン・2周目の地形変更・ボスの護衛のエフェクトの削除 --ボスとその護衛の形状・サンドドラゴンの形状・ボスの難易度の変更 --背景奥のビジュアル(砂の山)の追加 -泡ステージ --泡の当たり判定・耐久力・量の修正 --バブルアイの泡が再生しない -火山ステージ --AC版に存在した迷路・ジャンパー地帯・特定の条件を満たす事によるBGM変更要素の削除 --ステージ前半におけるハッチの数の減少 --岩盤エリアの岩石が破壊可能(ただし難易度による) --ボス「ビッグコアMk-III」の弱体化 --バグの修正 -モアイステージ --小型モアイを吐き出す巨大モアイの削除。それに伴い前半は普通のモアイ地帯、後半は怒りモアイ地帯というACⅡに近いステージ構成に変更 --イオンリングがフォースフィールドを貫通しない --ボスの外観・数・名前・攻撃パターンの変更、及び難易度の大幅な低下。中ボス「ドガス」は削除 -溶岩ステージ --火山弾が完全に破壊可能になり、攻略が比較的容易に --ボス第1形態「ワイバーン」の削除、及び第2形態「ヴァルチャードドラゴン」(双頭龍)に該当する「ゴルゴーン」に変更 --攻撃方法をAC版の8方向に拡散する小さな火炎弾から、長く連なったビーム状の火炎弾に変更 --ボス撃破後の破片に当たり判定を追加。裏技は削除 -植物ステージ --道中の触手に当たり判定を追加、及びボス戦直前に現れる謎の当たり判定を削除 --ボス「ブロッティングウィード」の口の上下にあった触手を削除し、吸引力を弱体化。根元の触手は破壊不可能に変更 -高速ステージ --AC版の疑似3Dステージから、前作のような高速横スクロールステージに変更。それに伴いSFC版オリジナルのBGMとボスを用意 --このステージはIIからの定番ステージになり、本作→IV→Vと続投する事となる --ボスはSFC版オリジナルの「ビーコン」。沙羅曼蛇にあった反射ボールとビッグコア風の4連レーザーで攻撃。Ⅴの高速面に強化版が登場する。 -ボスラッシュステージ --ステージ突入時&ミス時に出現する「デモス」を従来の赤ザブに、ミスした際の復活ポイントをミスしたボス直前に変更 --デリンジャーコア以外の全てのボスにSFC版オリジナルBGMを追加 --デリンジャーコアのレーザーの当たり判定・カバードコアのコアの当たり判定・及びそのミサイルの速度を修正 --お茶ドゾーでお馴染みの「テトラン」を削除 -要塞ステージ --ボスラッシュとは独立したステージに変更、それに伴い復活時における序盤のハッチ地帯の突破が容易に --上方向のハッチの配置が減少し、ヴァーティカル等の上に攻撃できる装備を選ばなくても攻略が比較的容易に --中ボス「ディスラプト」のダッカー出現ハッチ・ガーメイドの残骸を破壊可能に(ただし後者は難易度による) --剥がれる壁地帯の壁が剥がれる量とそのスピードを増加 --前半の停電地帯・中盤の「キャンサー」地帯・回転レーザー「ディーダ」地帯を削除 --ボスを「シャドーギアMk=II」2体に変更。ちなみにクラブ型ボスとしてはシリーズでは珍しく破壊が可能 -細胞ステージ(最終ステージ) --AC版の細胞ステージと要塞ステージ後半を繋ぎ合わせたかのようなステージ構成に変更 --隠しステージへ進む要素・AC版要塞ステージ後半のデプト地帯・脱出時の高速スクロールエリアを削除 --ラスボスはAC版同様バクテリアンであり、隠し要素の削除以外に特に変更はない ---ちなみに、隠しステージの削除に伴い、本作のバクテリアンはシリーズとしては珍しい「攻撃するラスボス」となった -ボーナスステージ --AC版の隠しステージ要素の削除によりSFC版に実装された要素 ---泡・火山・モアイ・溶岩・高速ステージに存在し、各ステージの特定のポイントからそれぞれ特定の条件を満たす事で行けるようになる --スコアとプレイヤーストックを稼ぐためのステージであり、クリアするとボス戦はカットされて次のステージに移行する --ステージモチーフは初代グラディウスのストーンヘンジステージのもの。これはMSX版グラディウスに存在した隠し要素「エキストラステージ」を受け継いだものであり、黄色カプセル(得点)、緑カプセル(1up)が登場する点も同じである -その他 --オプションハンターの初出現がAC版「モアイステージ」の空中戦終盤からSFC版「泡ステージ」の道中に変わった --火山弾、イオンリングの点数が10点から100点に変更 --ステージ構成の変更により、クリスタルステージとそのボス「リザードコア」・AC版細胞ステージのボス「グレゴール」を削除 --ボス戦終了時に出る、謎の当たり判定でミスするバグを修正 --各ステージのスクロール後方の背景がステージに入った所でフェードインしてくる演出に変化 --AC版との解像度の違いに合わせ背景ビジュアルはグラデーションを多用した柔らかい色調に描き直されている -上記の他にも様々な調整が細かく行われている。 #endregion ---- *総評 -本作はSTGとしては当時のハードウェアの性能を活用した意欲作で、シリーズが醸し出す独特な世界観を堪能できる一つの作品としてお薦めできるゲームである。WiiのバーチャルコンソールでFC版と同様に配信されている為、興味が湧いたならぜひ手にとって遊んでもらいたい。 -本作に通じる論争の火種は、AC版・SFC版問わず「こんなものグラディウスIIIじゃない」、といった互いの存在否定の暴言の応酬に尽きる。もはやAC版とSFC版の好みの差とは''「先に触れたかどうかの差」''''「難易度はどちらに馴染めたか」''だといっても過言では無く、不毛な論争にありがちなAC版が~、SFC版が~、といった比較によって作品の上下関係を図る行為は''愚行極まりない''。FC版グラディウスシリーズ同様、「オリジナルとは別物」という示された通りの評価が物語っているのだから。 -移植のキャッチコピーによって混乱を招いたが、SFC版もまたAC版同様、シリーズに名を連ねる『グラディウスIII』なのである。 --2000年にPS2で『グラディウスIII&IV -復活の神話-』として『グラディウスIV』とのカップリングのうえでAC版の忠実な移植版が改めて発売されたが、こちらには''SFC版の装備を再現したモード''が収録されている。このことから見ても、開発側としては本作を黒歴史として見ていないことが伺える。 --またパロディウスシリーズの『実況おしゃべりパロディウス』の最終面は本作の要塞ステージのパロディである。 -ここに、多くの紳士シューター・シリーズ愛好家諸氏にとってAC版・SFC版共に愛すべき作品である事を明記しておこう。

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