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*ドラゴンクエストV 天空の花嫁 【どらごんくえすとふぁいぶ てんくうのはなよめ】  |ジャンル|RPG|&amazon(B00011D1V8)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|アルテピアッツァ、マトリックス|~| |発売日|2004年3月25日|~| |定価|8,190円|~| |廉価版|アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,940円|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SFC版『[[ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』のリメイク。グラフィックやサウンドの向上は勿論、一部システムの追加・変更等が行われている。 **評価点 -BGMはNHK交響楽団によるオーケストラを採用しているので、とても聴き応えがある。 --現在では廃盤となってしまっているN響のものも、今作発売と共に別の形で再販しており評価は非常に高い。 -キャラの移動速度があがった。原作ではかなりもっさりした速度だった。 -モンスターのグラフィックが3Dになり、モーションがつくようになった。 --また会心の一撃(もしくは呪文)で倒されたときは雑魚のやられモーションが変わるなど、細かい部分もよく出来ている。 -''戦闘テンポが劇的に良くなった''。3Dにも関わらず、そのテンポの良さは歴代でも群を抜いている。 -味方の戦闘人数が4人になった一方で、敵の出現数及び能力値も上方修正。結果的に言えば難易度は上がっており、とり分けボスキャラは全体的に強化されている。特に目につくのが攻撃力で、守備力を上げる呪文スカラ、スクルトの弱体化と合わせて大きなダメージを受けるようになった。SFC版で全滅しなかった思わぬところで全滅することも。 --特に変更が分かりやすいのは「火炎の息」というブレス攻撃で、SFC版に比べダメージが10~20ポイント程上昇している。偽太后戦でヘンリーなどがあっさり死んで驚いたプレイヤーも多かっただろう。死の火山では炎の戦士×5などが平気で出る(SFCでは3匹までだった)上に前記の火炎の息を連発される恐れがある。またここのボスの溶岩原人×3も同様であり中盤の全滅ポイントとして名があげられるほど。 --偽太后やカンダタは何と攻撃力の数値自体が2倍になった。これほど極端ではないにしてもボスの基本ステータスは全般的に大きく引き上げられている。 --スカラ、スクルト弱体化の影響はPS2版ではルカナンを唱えてくる様になったブオーン戦で顕著に現れる。(ちなみにブオーン登場の演出もド派手になった) --SFC版のボスの多くが同じパターンの行動を繰り返す完全ローテーションだったのが、ランダム性も持たせたり不必要な行動を飛ばすなりして賢くなったのも一因(これはイブールとラスボスで顕著)。 --しかし決して理不尽な難易度になっているわけではなく歯ごたえの面では評価すべきである。むしろ元のSFC版の難易度自体が低過ぎたということもあり(歴代でも『[[DQIX>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/433.html]]』に次いで低いと言われている)、これでもまだ簡単な部類である。 -キャラごとに作戦を指示できるようになった。 -袋システムの追加。道具をたくさん持ち運べるようになった。 -ルーラの行ける場所、使える場所が増えた。 --SFC版経験者からは特に評判で、とにかくわずらわしい移動時間を短縮できるようになっただけでも本当に嬉しい変更である。 -ベホマラーが移動中に使えるようになった。 -SFC版のバグが修正された。代わりに新しいバグが生まれてしまったのだが、プレイには支障がないためあまり問題にはなっていない。 -モンスターボックス(いわゆるモンスター図鑑)の追加。 --獲得経験値やゴールド、落とすアイテムはもちろん、モンスター達のモーションも見られる。 --『VII』やPS版『IV』と異なり同じモンスターを999匹倒しても、すべてのモンスターをコンプリートしても、報酬はない。また、アクションを閲覧する際に効果音がついていない。R1ボタンでモンスターの後ろ姿を見ることができるが、3Dである割りに、あらゆる角度から見ることができないが、冒険の思い出になることは確かである。 -サンチョの特技にくちぶえ、しのびあし、とうぞくのはな等が追加された。 --これにより原作であまり活躍できなかったサンチョの株が一気に上昇した。 --後に出たDS版に比べマップが広く、エンカウント率は低めであるため、くちぶえはかなり有用な特技である。 -一部の例外を除き仲間にしたモンスターの名前の変更が可能になった(何故か「ふくろ」も変更できる)。 --「ああああ」のようなふざけた名前や下品な言葉をつけると呪われてしまい、再度変更するには多額のゴールドが必要になるのもSFC版『III』『VI』『VII』と同様。 -名産品が追加。手に入れた名産品は名産博物館に飾ることができる。 --単なるコレクション要素かと思いきや、実際に装備できる上に神秘の鎧のような効果を持つ「オラクル屋ののれん」など意外と実用性のある名産品もあったりする。 --『VII』やPS版『IV』の「移民の町」と似た要素だが、名産品を全部集めても500Gしか手に入らない。純粋にVの世界観を楽しむための要素といえる。 -仲間と会話できるシステムが追加された。これによりSFC版では影が薄かったサンチョ、ピピンの個性がより深く出るようになった。 --特にピピンは普通の生真面目そうな会話や顔グラから想像できないほど内容があまりにも現実的、俗物的であり、多くのプレイヤーの笑いを誘い、''「会話のためだけにピピンを入れた」''という人も出たほど。 -パパスの死の場面の演出が大幅に変化。よりリアルで、3Dであることをうまく使った感動的なシーンになっている。 -パパスとマーサの過去話が追加された。こちらはファンの多くが涙した感動シーン。 **問題点 -AIがとにかく酷い。「いのちだいじに」ではHPが8割も切っていないのにベホマを使うほど過剰、「ガンガンいこうぜ」でMP満タンの状態でイオナズンも使えるのにマグマの杖(使うとイオの効果)を使う、変なケチり方をする、防御力の高い敵にいてつく波動を使いまくるなど。 --そのため、ミニデーモンなどの敵が使う「主人公の声真似で作戦変更」がかなり嫌らしい攻撃と化した。 --「めいれいさせろ」だと当然AIは関係ないので、自分で命令するのが好きな人はあまり気にはしなかった。というかそうしないことで縛りプレイの一種と認められるようになっている。 --残念ながら命令できないキャラ(ベラなど)はどうしようもない。 -SFC版『III』にあったすごろくが追加されたが、難易度が極めて高い。 --特に隠しである謎のすごろく場はとにかく落とし穴や振り出しに戻るが多い、旅の扉に何度も入らないといけない、ゴール手前で落とし穴ラッシュと難易度が高いというよりもはや嫌がらせのレベルであり、いい加減に作成された厨二すごろくと批判されている。 ---そして苦労して手に入れる賞品は隠し仲間モンスター。しかも呪文やブレスの耐性がない上にレベルが上がるのが非常に遅く(経験値テーブルは最も経験値が必要な仲間モンスターのヘルバトラーと同じ)、成長も典型的な大器晩成型であるため、苦労にまったく見合わない。 ---このような難易度になった要因としては、直前に何回でもすごろくが出来るパスが景品となっているすごろくがあるからだと思われる。しかしそれでもちょっと…。 ---またこの隠しモンスターを仲間にしていないと、もう1匹の隠しモンスターも仲間に出来ないようになっている。そちらだけ欲しい、ということもできない。そしてこの隠しモンスターも、前述のモンスターと同じくレベルが上がりづらい、耐性が全くない、どころか''初期ステータスはスライムと同じ''。前述のモンスターはヘルバトラーと同じステータスなのでかろうじて使えるが、こちらはレベル60を超えないと足手まといもいいところ。99まで上げれば両者ともステータスは全キャラ最強なのだが…。 ---最強のステータスを持つ両者だが隠しボスなどの追加は無く、結局戦う相手がエスタークしかいない。 --隠しばかり問題にされるが、2番目のカジノ船のすごろく場もかなり嫌がらせな配置。 ---最初の階層の階段の手前に落とし穴、振り出しに戻る、回数-3が''連続で''配置されており、次の階層は旅の扉に止まらないといけない。大体が最初の連続配置を抜けるためにサイコロの回数が減らされて回数が尽きる。 ---そして苦労してゴールして手に入るアイテムは''市販品''。 --DS版では1~6の好きな数字を出せるマスが追加され、ある程度は修正されている。 -これまでのDQリメイクは追加ダンジョン・追加ボスがついていたのが恒例だったので、それらが存在しないのを残念がるプレイヤーは多かった。 //-一部のモンスターを仲間にできる確率がオリジナル版と同じくかなり低い(修正されていない、ということ)。&br()ちなみに例えば「64分の1の確率で仲間にできる」とは、そのモンスターを64匹倒せば1匹は仲間にできる、という意味ではなく、「そのモンスターを含む敵パーティを64回倒せば1匹は仲間にできる」という意味である。&br()よって256分の1の確率で仲間にできるモンスターを仲間にするのは非常に面倒。 //--ただしこの方式は同じく仲間モンスターがいるVIやDQMでも同じことである。 -オリジナル版に比べ仲間にできるモンスターが増えたが、使えないモンスターが増えている面が多い。 --ほとんどの新仲間モンスターは既存の仲間モンスターの成長率、経験値テーブルを流用し適当に組み合わせた物。それだけならまだしも、上限レベルや特技・耐性も適当に決められているので、ろくに使いどころのないモンスターが何体も。 --''加入時期が遅すぎてまったく使い道がない''モンスターもいる。特におおねずみ、おばけキャンドル、ガップリン、ゴーストの4匹は「今更四天王」として名前が挙げられる。 ---ステータスから推測すると、層の薄い序盤の即戦力として追加された様子だが、序盤どころか中盤でも出会えず、終盤呆れるようなタイミングでようやく登場する。 ---これらはまだモンスターを仲間にできない幼年時代で初登場するモンスター。モンスターを仲間にできるようになる頃を境にそれまでと出現する敵が一部変更されるのだが、その変更によって上記のモンスターは序盤~中盤のフィールドからきれいさっぱり消えてしまう。つまり、このことを忘れて新仲間モンスターを決めていたとしか考えられない、なんともお粗末な話である。ちなみにこれはDS版でも修正されていなかった。 ---一応ゴースト(最大LV99)など、終盤加入でもしっかりと育てれば結構強いモンスターがいないわけではないのだが…。序盤に仲間になればもっと役に立てていただろう。 --PS版『IV』と同様、『VII』からモンスターが輸入され、それらを仲間にできるが、強力な呪文を覚える割にMPが非常に上がりにくくすぐガス欠になるなどの理由で使いづらい仲間となっている。 --念のため言っておくと使えない仲間しか増えなかったわけではなく、ちゃんと序盤の即戦力として活躍できるエビルアップルやおばけキノコ、なかなか起き上がらないが耐性もステータスも仲間になる時期に反して強い炎の戦士、序盤運よく仲間に出来れば最後まで活躍できるメタルスライム((ただし仲間になる確率は1/256、全モンスター最低。その上すぐ逃げるためそもそも倒しにくい))など、強い仲間モンスターもちゃんといる。 -「かしこさ」の能力値にほとんど意味がない。仲間モンスターは「かしこさ」が20以上になれば命令を聞いてくれるのだが、20を越えているかどうかでしか判定されない。人間キャラに至っては、完全に無意味な能力値。 --ただし、これはSFC版の時点から存在していた要素である。また「フレーバーでしかない能力値」が存在していること自体は、さほど致命的な問題点とも言い難い。 **賛否両論点 -ゲマの設定改編に対する賛否 --SFC版ではイブールに忠誠を誓っているという設定だったが、今作ではミルドラースに忠誠を誓っている設定に変更されている。 ---青年時代前半の終盤、部下のジャミが主人公と妻を石化させるイベントがあるが、PS2版ではゲマ本人が行うようになっている。しかしそのせいで大きい矛盾が生じてしまっている。([[参考>http://www5.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/4061.html]]) ---イブール戦後、唐突に現れてイブールを始末する。 ---エビルマウンテンでバトルをすることに。またマーサ殺害シーンをゲマが行うことになったため、ミルドラースの貴重な見せ場が奪われてしまった。 ---SFC版では塔のダンジョンの途中で待ち構えてそのまま倒されて終わり、と父親の仇という重要なポジションにも関わらず中ボスのようなあっけない死に様であった。 --「主人公の因縁の敵役としてキャラが立った」という意見もあれば、「登場の際の台詞が稚拙である」「無理に登場させたせいで物語に矛盾が生じてる」という意見もあるなど、様々である。 -『嫁論争』を煽るような追加要素 --SFC版では、フローラは青年期前半((結婚後から離脱までの短い間だが))の間、レベル制限(10まで)と戦闘中命令不可の制限がかかっていたが、これが無くなった。 --その一方、フローラはビアンカが覚えられないベホイミとイオナズンを覚えられる、と言う性能差についてはそのまま。一応ビアンカにもいくつか優っている点が存在するが、ベホイミとイオナズンに比べれば些細な物。 --さらに、フローラとの結婚時、ルドマンから貰えるアイテムに、神秘の鎧、5000Gが追加された((なお、「娘を心配する父親からの贈り物としては過剰ではないか」という批判意見もあるが、大富豪であり、自分の娘以外と結婚した時でさえ天空の盾をポンとくれる彼には今更のことだろう。))。 ---これにより、ゲームデータ的にはビアンカに比べて、フローラが大幅に優遇される事となった。 --一方でシナリオ的には、SFCの頃はビアンカの方が優遇されており、ビアンカに比べて会話イベントが大幅に少なく、堀井雄二が「『DQV』発売当時はほとんどの人はビアンカを選ぶと思っていた」と語っているほど。 ---これに関して、「フローラに関する新規イベントが追加されこれまで以上に嫁選びに苦労するかも」との触れ込みだったが、肝心の新規イベントは、オープニングの船での僅かな交流のみであり、ビアンカに用意されたイベントとは比べるべくもない。また、強制的にフローラの結婚イベントに参加してしまうというストーリーの強引さも修正されていない。 --こうした変更点は、SFC時代から続いている嫁論争を余計に(ネガティブに)煽る結果となってしまった。 -「やまびこのぼうし」と「ときのすな」が入手不可能になってしまった。 --いずれもSFC版ではかなり便利であった道具であり、これらを削られたことに不満を持つプレイヤーは多い。山彦の帽子に関しては強力すぎたから削除されて当然じゃないかという声もあるが、山彦の帽子以上に壊れた性能を引き出す「たたかいのドラム」という全員にバイキルト(一時的に攻撃力を上げてくれる呪文)の効果を発揮するアイテムは続投している。 ---また、3人パーティから4人パーティに変更されているため、相対的に「たたかいのドラム」が強化されている。SFC版で既に打撃・特技偏重のバランスは批判されていたにも関わらず、それを加速させるような調整には疑問が残る。 ---嫁と娘が魔法系のため、せっかくストーリーで盛り上げても、「家族でパーティを組む」とゲーム的にキツいのも難点。 -グラフィックは今までのドラクエとは違って完全3Dとなった。しかしその質に関しては「綺麗になった」と感じる人もいれば「安っぽいグラフィックになってしまった」と感じる人もおり、プレイヤーの感性によって評価は分かれる。 **バグ SFC版にあった数々のバグは修正されたが、新たなPS2版独自のバグが存在している。~ 中にはバグを利用して遊びの幅を広げられる有用なものもあり、SFC版共々バグ技を含めてドラクエ5と評されることも。 -本作で有名なバグはやはり、発売から程なくして見つかったオープントレイの裏技(通称:OT技)だろう。 --原理としては、PS2の蓋を途中で開けてそのままフィールドを移動すると、先のマップが読み込まれないため地形を無視して暗黒空間を移動し、本来ならその段階で行けない場所に行けてしまう、というものである。蓋を閉めると再びマップが読み込まれゲームに復帰できる。 --明らかにプレイヤーが意図的に行わないと発生しない現象なので、そこまで問題視はされなかった。というか、むしろそのようなバグのおかげで''重婚が出来たり、パパス・ベラ・ヘンリーを最後まで使用できる、種を増殖して弱いモンスターをドーピングして最後まで連れ回せる''など新しい遊び方が出来てしまったため、現在では殆んど問題視はされていないどころかひとつの遊び方として定着している。 ---ただし当然ながら''本来想定されていないプレイ方法''であるため、場合によっては変な場所でハマって動けなくなったり、イベントフラグの異常でゲームがフリーズしてしまうことも多々ある。だが発見直後からこの技に魅せられたプレイヤー達によって地道に研究が重ねられ、現在はフリーズしないためのイベント進行手順やキャラ増殖など、OT技に合わせた各種攻略ルートまで確立されている。勿論本来のストーリーの流れはぶち壊しになるが。 --このオープントレイ技を使用することで幼年期にもモンスターを仲間にすることが可能になるのだが、これにより本来のプレイでは加入時期が遅すぎて役立たずであるおおねずみやおばけキャンドルなどの追加モンスターが、このプレイに限っては一転''強力な仲間モンスターとして大活躍する事態''となる。特におおねずみは序盤のエースとなりうる性能。 ---この奇遇にも噛みあってしまった幼年期新仲間モンスターの配置から、OT技が意図的に仕込まれたものではないかと言われることもあるが、真相としては、前述のように幼年期と青年期のモンスター出現テーブルが異なる事に起因するものであろう。幼年期にモンスターが仲間に出来れば、この問題点が解決する訳である。 --このOT技を応用し、スティックバグ(地形すり抜けショートカット)や、内部データに残されたデバッグモードに行く方法なども発見されている。ついには幼年期のままエンディングに向かうルートまで発見された((ただし現時点ではスタッフロールの途中で止まってしまうためクリアは不可能))。 -ふくろのカーソルずれを利用したアイテム増殖技やアイテム空売り(金増殖)が存在する。 --こちらも意図的に実行するとゲームバランスを激しく損ねるが、操作が簡単なため意図しなくても事故で起こることがある。頻発はしないが。 --ゲームが有利になるものの、本来1つしか取れないはずの重要アイテムを増やすとやはり進行不能に陥る場合もある。 -オラクルベリーで「セーブデータ再開からカジノの台にたどり着くまで最短距離で移動する」ことで、スロットの出目を固定し(いわゆる電源パターン)、カジノの大当たりを意図的に狙うことができる。 -ダンジョンでトヘロスを唱えても「こうかがなかった」と出るが、実際には効いている。 --ただし効果があるのかどうかはレベルによるので、レベルが足りていない場合は本当に「こうかがなかった」。 -毒の沼地対策等の移動中に使うトラマナが、戦闘に入ると効果が消えてしまう。その為、使用直後にモンスターに遭遇した場合など、完全に意味がなくなってしまう。 -ある毒の沼地で、沼地から移動すると、フィールド、海の移動中にも毒のダメージ音が鳴る。 **総評 ゲームとしては普通以上に遊べる出来だが、前述の問題点が、SFC版への思い入れが強い人に抵抗を与えるなどの賛否を招いてしまっている。~ とはいえ、それもほんの一部だけであり、実際のところは他のファン達にも受け入れられているのが事実。~ またやりこみ要素はかなり増えており、肝心の戦闘テンポも良いため、やりこみプレイヤーや新規ユーザーからも好評である。~ 結果としては原作の粗の多さをほどよく無くし、より名作として成長した良リメイクと言える。また現在ではリメイク作では脅威の161万本を記録している。~ その弊害か現在では値崩れを起こし、中古があふれている。 **その後の展開 -2008年、DSで[[2回目のリメイク>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DS)]]が行われた。 --AIの改善や時の砂の復活、一部難易度調整や嫁の追加等が行われたが、基本的にはPS2版と変わらない。 --ただし、旧作のバグはほぼ全て修正され新たなバグもほぼ無いため、SFC版やPS2版のようなバグを利用した奇怪なプレイはできなくなっている。 --SFC以来のプレイヤーは追加要素に驚いたものの、PS2版をプレイしていたり山彦の帽子復活を期待していたプレイヤー等は肩透かしを喰らう事に。上記の謎の塔のダンジョンも結局追加されなかった。 --だがこのPS2版自体が中々の出来なため実際のところ評価はかなり高い。 --すごろくは好きな目が出るマスの追加、落とし穴や振り出しに戻るの減少など難易度が下がったが、「元々が極悪すぎた」と批判があったため、むしろ当然と言われた。 --また新しい嫁キャラであるデボラは、その容姿と発売前情報での言動などから、「堀井がついに狂った!」と騒ぎになったほどで、購入当初も拒否反応を起こすプレイヤーが多かった。しかし現在では会話の中でその魅力がいかんなく発揮されていること判明し、名キャラクターとして知られている。 -続編のIXでV主人公の姿になることが出来る装備品が登場している。 **余談 -本作品と無関係の浅野智也氏はこれに感銘を受け、[[『FFIII』のリメイク>ファイナルファンタジーIII (DS)]]を製作することとなった。そちらも本作と同じくマトリックスが担当している。こちらも良リメイクと評判である。 --しかし2010年にDSでリメイク発売された『[[ドラゴンクエストVI>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/698.html]]』では「やまびこのぼうし」は消去されなかったが、別件でのユーザー不満を生み出した。 -このゲームには熱心な固定信者が『[[星のカービィ スーパーデラックス]]』『[[テイルズ オブ ジ アビス>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/473.html]]』並に多い。 --断じて駄作ではないが、DQとしてはSFCの『DQI~III』やPSの『DQIV』と比べてかなりの異質なリメイクであり、ファン同士の議論になりやすい。
*ドラゴンクエストV 天空の花嫁 【どらごんくえすとふぁいぶ てんくうのはなよめ】  |ジャンル|RPG|&amazon(B00011D1V8)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|アルテピアッツァ、マトリックス|~| |発売日|2004年3月25日|~| |定価|8,190円|~| |廉価版|アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,940円|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 SFC版『[[ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』のリメイク。グラフィックやサウンドの向上は勿論、一部システムの追加・変更等が行われている。 **評価点 -BGMはNHK交響楽団によるオーケストラを採用しているので、とても聴き応えがある。 --現在では廃盤となってしまっているN響のものも、今作発売と共に別の形で再販しており評価は非常に高い。 -キャラの移動速度があがった。原作ではかなりもっさりした速度だった。 -モンスターのグラフィックが3Dになり、モーションがつくようになった。 --また会心の一撃(もしくは呪文)で倒されたときは雑魚のやられモーションが変わるなど、細かい部分もよく出来ている。 -''戦闘テンポが劇的に良くなった''。3Dにも関わらず、そのテンポの良さは歴代でも群を抜いている。 -味方の戦闘人数が4人になった一方で、敵の出現数及び能力値も上方修正。結果的に言えば難易度は上がっており、とり分けボスキャラは全体的に強化されている。特に目につくのが攻撃力で、守備力を上げる呪文スカラ、スクルトの弱体化と合わせて大きなダメージを受けるようになった。SFC版で全滅しなかった思わぬところで全滅することも。 --特に変更が分かりやすいのは「火炎の息」というブレス攻撃で、SFC版に比べダメージが10~20ポイント程上昇している。偽太后戦でヘンリーなどがあっさり死んで驚いたプレイヤーも多かっただろう。死の火山では炎の戦士×5などが平気で出る(SFCでは3匹までだった)上に前記の火炎の息を連発される恐れがある。またここのボスの溶岩原人×3も同様であり中盤の全滅ポイントとして名があげられるほど。 --偽太后やカンダタは何と攻撃力の数値自体が2倍になった。これほど極端ではないにしてもボスの基本ステータスは全般的に大きく引き上げられている。 --スカラ、スクルト弱体化の影響はPS2版ではルカナンを唱えてくる様になったブオーン戦で顕著に現れる。(ちなみにブオーン登場の演出もド派手になった) --SFC版のボスの多くが同じパターンの行動を繰り返す完全ローテーションだったのが、ランダム性も持たせたり不必要な行動を飛ばすなりして賢くなったのも一因(これはイブールとラスボスで顕著)。 --しかし決して理不尽な難易度になっているわけではなく歯ごたえの面では評価すべきである。むしろ元のSFC版の難易度自体が低過ぎたということもあり(歴代でも『[[DQIX>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/433.html]]』に次いで低いと言われている)、これでもまだ簡単な部類である。 -キャラごとに作戦を指示できるようになった。 -袋システムの追加。道具をたくさん持ち運べるようになった。 -ルーラの行ける場所、使える場所が増えた。 --SFC版経験者からは特に評判で、とにかくわずらわしい移動時間を短縮できるようになっただけでも本当に嬉しい変更である。 -ベホマラーが移動中に使えるようになった。 -SFC版のバグが修正された。代わりに新しいバグが生まれてしまったのだが、プレイには支障がないためあまり問題にはなっていない。 -モンスターボックス(いわゆるモンスター図鑑)の追加。 --獲得経験値やゴールド、落とすアイテムはもちろん、モンスター達のモーションも見られる。 --『VII』やPS版『IV』と異なり同じモンスターを999匹倒しても、すべてのモンスターをコンプリートしても、報酬はない。また、アクションを閲覧する際に効果音がついていない。R1ボタンでモンスターの後ろ姿を見ることができるが、3Dである割りに、あらゆる角度から見ることができないが、冒険の思い出になることは確かである。 -サンチョの特技にくちぶえ、しのびあし、とうぞくのはな等が追加された。 --これにより原作であまり活躍できなかったサンチョの株が一気に上昇した。 --後に出たDS版に比べマップが広く、エンカウント率は低めであるため、くちぶえはかなり有用な特技である。 -一部の例外を除き仲間にしたモンスターの名前の変更が可能になった(何故か「ふくろ」も変更できる)。 --「ああああ」のようなふざけた名前や下品な言葉をつけると呪われてしまい、再度変更するには多額のゴールドが必要になるのもSFC版『III』『VI』『VII』と同様。 -名産品が追加。手に入れた名産品は名産博物館に飾ることができる。 --単なるコレクション要素かと思いきや、実際に装備できる上に神秘の鎧のような効果を持つ「オラクル屋ののれん」など意外と実用性のある名産品もあったりする。 --『VII』やPS版『IV』の「移民の町」と似た要素だが、名産品を全部集めても500Gしか手に入らない。純粋にVの世界観を楽しむための要素といえる。 -仲間と会話できるシステムが追加された。これによりSFC版では影が薄かったサンチョ、ピピンの個性がより深く出るようになった。 --特にピピンは普通の生真面目そうな会話や顔グラから想像できないほど内容があまりにも現実的、俗物的であり、多くのプレイヤーの笑いを誘い、''「会話のためだけにピピンを入れた」''という人も出たほど。 -パパスの死の場面の演出が大幅に変化。よりリアルで、3Dであることをうまく使った感動的なシーンになっている。 -パパスとマーサの過去話が追加された。こちらはファンの多くが涙した感動シーン。 **問題点 -AIがとにかく酷い。「いのちだいじに」ではHPが8割も切っていないのにベホマを使うほど過剰、「ガンガンいこうぜ」でMP満タンの状態でイオナズンも使えるのにマグマの杖(使うとイオの効果)を使う、変なケチり方をする、防御力の高い敵にいてつく波動を使いまくるなど。 --そのため、ミニデーモンなどの敵が使う「主人公の声真似で作戦変更」がかなり嫌らしい攻撃と化した。 --「めいれいさせろ」だと当然AIは関係ないので、自分で命令するのが好きな人はあまり気にはしなかった。というかそうしないことで縛りプレイの一種と認められるようになっている。 --残念ながら命令できないキャラ(ベラなど)はどうしようもない。 -SFC版『III』にあったすごろくが追加されたが、難易度が極めて高い。 --特に隠しである謎のすごろく場はとにかく落とし穴や振り出しに戻るが多い、旅の扉に何度も入らないといけない、ゴール手前で落とし穴ラッシュと難易度が高いというよりもはや嫌がらせのレベルであり、いい加減に作成された厨二すごろくと批判されている。 ---そして苦労して手に入れる賞品は隠し仲間モンスター。しかも呪文やブレスの耐性がない上にレベルが上がるのが非常に遅く(経験値テーブルは最も経験値が必要な仲間モンスターのヘルバトラーと同じ)、成長も典型的な大器晩成型であるため、苦労にまったく見合わない。 ---このような難易度になった要因としては、直前に何回でもすごろくが出来るパスが景品となっているすごろくがあるからだと思われる。しかしそれでもちょっと…。 ---またこの隠しモンスターを仲間にしていないと、もう1匹の隠しモンスターも仲間に出来ないようになっている。そちらだけ欲しい、ということもできない。そしてこの隠しモンスターも、前述のモンスターと同じくレベルが上がりづらい、耐性が全くない、どころか''初期ステータスはスライムと同じ''。前述のモンスターはヘルバトラーと同じステータスなのでかろうじて使えるが、こちらはレベル60を超えないと足手まといもいいところ。99まで上げれば両者ともステータスは全キャラ最強なのだが…。 ---最強のステータスを持つ両者だが隠しボスなどの追加は無く、結局戦う相手がエスタークしかいない。 --隠しばかり問題にされるが、2番目のカジノ船のすごろく場もかなり嫌がらせな配置。 ---最初の階層の階段の手前に落とし穴、振り出しに戻る、回数-3が''連続で''配置されており、次の階層は旅の扉に止まらないといけない。大体が最初の連続配置を抜けるためにサイコロの回数が減らされて回数が尽きる。 ---そして苦労してゴールして手に入るアイテムは''市販品''。 --DS版では1~6の好きな数字を出せるマスが追加され、ある程度は修正されている。 -これまでのDQリメイクは追加ダンジョン・追加ボスがついていたのが恒例だったので、それらが存在しないのを残念がるプレイヤーは多かった。 //-一部のモンスターを仲間にできる確率がオリジナル版と同じくかなり低い(修正されていない、ということ)。&br()ちなみに例えば「64分の1の確率で仲間にできる」とは、そのモンスターを64匹倒せば1匹は仲間にできる、という意味ではなく、「そのモンスターを含む敵パーティを64回倒せば1匹は仲間にできる」という意味である。&br()よって256分の1の確率で仲間にできるモンスターを仲間にするのは非常に面倒。 //--ただしこの方式は同じく仲間モンスターがいるVIやDQMでも同じことである。 -オリジナル版に比べ仲間にできるモンスターが増えたが、使えないモンスターが増えている面が多い。 --ほとんどの新仲間モンスターは既存の仲間モンスターの成長率、経験値テーブルを流用し適当に組み合わせた物。それだけならまだしも、上限レベルや特技・耐性も適当に決められているので、ろくに使いどころのないモンスターが何体も。 --''加入時期が遅すぎてまったく使い道がない''モンスターもいる。特におおねずみ、おばけキャンドル、ガップリン、ゴーストの4匹は「今更四天王」として名前が挙げられる。 ---ステータスから推測すると、層の薄い序盤の即戦力として追加された様子だが、序盤どころか中盤でも出会えず、終盤呆れるようなタイミングでようやく登場する。 ---これらはまだモンスターを仲間にできない幼年時代で初登場するモンスター。モンスターを仲間にできるようになる頃を境にそれまでと出現する敵が一部変更されるのだが、その変更によって上記のモンスターは序盤~中盤のフィールドからきれいさっぱり消えてしまう。つまり、このことを忘れて新仲間モンスターを決めていたとしか考えられない、なんともお粗末な話である。ちなみにこれはDS版でも修正されていなかった。 ---一応ゴースト(最大LV99)など、終盤加入でもしっかりと育てれば結構強いモンスターがいないわけではないのだが…。序盤に仲間になればもっと役に立てていただろう。 --PS版『IV』と同様、『VII』からモンスターが輸入され、それらを仲間にできるが、強力な呪文を覚える割にMPが非常に上がりにくくすぐガス欠になるなどの理由で使いづらい仲間となっている。 --念のため言っておくと使えない仲間しか増えなかったわけではなく、ちゃんと序盤の即戦力として活躍できるエビルアップルやおばけキノコ、なかなか起き上がらないが耐性もステータスも仲間になる時期に反して強い炎の戦士、序盤運よく仲間に出来れば最後まで活躍できるメタルスライム((ただし仲間になる確率は1/256、全モンスター最低。その上すぐ逃げるためそもそも倒しにくい))など、強い仲間モンスターもちゃんといる。 -「かしこさ」の能力値にほとんど意味がない。仲間モンスターは「かしこさ」が20以上になれば命令を聞いてくれるのだが、20を越えているかどうかでしか判定されない。人間キャラに至っては、完全に無意味な能力値。 --ただし、これはSFC版の時点から存在していた要素である。また「フレーバーでしかない能力値」が存在していること自体は、さほど致命的な問題点とも言い難い。 **賛否両論点 -ゲマの設定改編に対する賛否 --SFC版ではイブールに忠誠を誓っているという設定だったが、今作ではミルドラースに忠誠を誓っている設定に変更されている。 ---青年時代前半の終盤、部下のジャミが主人公と妻を石化させるイベントがあるが、PS2版ではゲマ本人が行うようになっている。しかしそのせいで大きい矛盾が生じてしまっている。([[参考>http://www5.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/4061.html]]) ---イブール戦後、唐突に現れてイブールを始末する。 ---エビルマウンテンでバトルをすることに。またマーサ殺害シーンをゲマが行うことになったため、ミルドラースの貴重な見せ場が奪われてしまった。 ---SFC版では塔のダンジョンの途中で待ち構えてそのまま倒されて終わり、と父親の仇という重要なポジションにも関わらず中ボスのようなあっけない死に様であった。 --「主人公の因縁の敵役としてキャラが立った」という意見もあれば、「登場の際の台詞が稚拙である」「無理に登場させたせいで物語に矛盾が生じてる」という意見もあるなど、様々である。 -『嫁論争』を煽るような追加要素 --SFC版では、フローラは青年期前半((結婚後から離脱までの短い間だが))の間、レベル制限(10まで)と戦闘中命令不可の制限がかかっていたが、これが無くなった。 --その一方、フローラはビアンカが覚えられないベホイミとイオナズンを覚えられる、と言う性能差についてはそのまま。一応ビアンカにもいくつか優っている点が存在するが、ベホイミとイオナズンに比べれば些細な物。 --さらに、フローラとの結婚時、ルドマンから貰えるアイテムに、神秘の鎧、5000Gが追加された((なお、「娘を心配する父親からの贈り物としては過剰ではないか」という批判意見もあるが、大富豪であり、自分の娘以外と結婚した時でさえ天空の盾をポンとくれる彼には今更のことだろう。))。 ---これにより、ゲームデータ的にはビアンカに比べて、フローラが大幅に優遇される事となった。 --一方でシナリオ的には、SFCの頃はビアンカの方が優遇されており、ビアンカに比べて会話イベントが大幅に少なく、堀井雄二が「『DQV』発売当時はほとんどの人はビアンカを選ぶと思っていた」と語っているほど。 ---これに関して、「フローラに関する新規イベントが追加されこれまで以上に嫁選びに苦労するかも」との触れ込みだったが、肝心の新規イベントは、オープニングの船での僅かな交流のみであり、ビアンカに用意されたイベントとは比べるべくもない。また、強制的にフローラの結婚イベントに参加してしまうというストーリーの強引さも修正されていない。 --こうした変更点は、SFC時代から続いている嫁論争を余計に(ネガティブに)煽る結果となってしまった。 -「やまびこのぼうし」と「ときのすな」が入手不可能になってしまった。 --いずれもSFC版ではかなり便利であった道具であり、これらを削られたことに不満を持つプレイヤーは多い。山彦の帽子に関しては強力すぎたから削除されて当然じゃないかという声もあるが、山彦の帽子以上に壊れた性能を引き出す「たたかいのドラム」という全員にバイキルト(一時的に攻撃力を上げてくれる呪文)の効果を発揮するアイテムは続投している。 ---また、3人パーティから4人パーティに変更されているため、相対的に「たたかいのドラム」が強化されている。SFC版で既に打撃・特技偏重のバランスは批判されていたにも関わらず、それを加速させるような調整には疑問が残る。 ---嫁と娘が魔法系のため、せっかくストーリーで盛り上げても、「家族でパーティを組む」とゲーム的にキツいのも難点。 -グラフィックは今までのドラクエとは違って完全3Dとなった。しかしその質に関しては「綺麗になった」と感じる人もいれば「安っぽいグラフィックになってしまった」と感じる人もおり、プレイヤーの感性によって評価は分かれる。 **バグ SFC版にあった数々のバグは修正されたが、新たなPS2版独自のバグが存在している。~ 中にはバグを利用して遊びの幅を広げられる有用なものもあり、SFC版共々バグ技を含めてドラクエ5と評されることも。 -本作で有名なバグはやはり、発売から程なくして見つかったオープントレイの裏技(通称:OT技)だろう。 --原理としては、PS2の蓋を途中で開けてそのままフィールドを移動すると、先のマップが読み込まれないため地形を無視して暗黒空間を移動し、本来ならその段階で行けない場所に行けてしまう、というものである。蓋を閉めると再びマップが読み込まれゲームに復帰できる。 --明らかにプレイヤーが意図的に行わないと発生しない現象なので、そこまで問題視はされなかった。というか、むしろそのようなバグのおかげで''重婚が出来たり、パパス・ベラ・ヘンリーを最後まで使用できる、種を増殖して弱いモンスターをドーピングして最後まで連れ回せる''など新しい遊び方が出来てしまったため、現在ではひとつの遊び方として定着している。 ---ただし当然ながら''本来想定されていないプレイ方法''であるため、場合によっては変な場所でハマって動けなくなったり、イベントフラグの異常でゲームがフリーズしてしまうことも多々ある。だが発見直後からこの技に魅せられたプレイヤー達によって地道に研究が重ねられ、現在はフリーズしないためのイベント進行手順やキャラ増殖など、OT技に合わせた各種攻略ルートまで確立されている(勿論本来のストーリーの流れはぶち壊しに)。 --このオープントレイ技を使用することで幼年期にもモンスターを仲間にすることが可能になるのだが、これにより本来のプレイでは加入時期が遅すぎて役立たずであるおおねずみやおばけキャンドルなどの追加モンスターが、このプレイに限っては一転''強力な仲間モンスターとして大活躍する事態''となる。特におおねずみは序盤のエースとなりうる性能。 ---この奇遇にも噛みあってしまった幼年期新仲間モンスターの配置から、OT技が意図的に仕込まれたものではないかと言われることもあるが、真相としては、前述のように幼年期と青年期のモンスター出現テーブルが異なる事に起因するものであろう。幼年期にモンスターが仲間に出来れば、この問題点が解決する訳である。 --このOT技を応用し、スティックバグ(地形すり抜けショートカット)や、内部データに残されたデバッグモードに行く方法なども発見されている。ついには幼年期のままエンディングに向かうルートまで発見された((ただし現時点ではスタッフロールの途中で止まってしまうためクリアは不可能))。 -ふくろのカーソルずれを利用したアイテム増殖技やアイテム空売り(金増殖)が存在する。 --こちらも意図的に実行するとゲームバランスを激しく損ねるが、操作が簡単なため意図しなくても事故で起こることがある。頻発はしないが。 --ゲームが有利になるものの、本来1つしか取れないはずの重要アイテムを増やすとやはり進行不能に陥る場合もある。 -オラクルベリーで「セーブデータ再開からカジノの台にたどり着くまで最短距離で移動する」ことで、スロットの出目を固定し(いわゆる電源パターン)、カジノの大当たりを意図的に狙うことができる。 -ダンジョンでトヘロスを唱えても「こうかがなかった」と出るが、実際には効いている。 --ただし効果があるのかどうかはレベルによるので、レベルが足りていない場合は本当に「こうかがなかった」。 -毒の沼地対策等の移動中に使うトラマナが、戦闘に入ると効果が消えてしまう。その為、使用直後にモンスターに遭遇した場合など、完全に意味がなくなってしまう。 -ある毒の沼地で、沼地から移動すると、フィールド、海の移動中にも毒のダメージ音が鳴る。 **総評 ゲームとしては普通以上に遊べる出来だが、前述の問題点が、SFC版への思い入れが強い人に抵抗を与えるなどの賛否を招いてしまっている。~ とはいえ、それもほんの一部だけであり、実際のところは他のファン達にも受け入れられているのが事実。~ またやりこみ要素はかなり増えており、肝心の戦闘テンポも良いため、やりこみプレイヤーや新規ユーザーからも好評である。~ 結果としては原作の粗の多さをほどよく無くし、より名作として成長した良リメイクと言える。また現在ではリメイク作では脅威の161万本を記録している。~ その弊害か現在では値崩れを起こし、中古があふれている。 **その後の展開 -2008年、DSで[[2回目のリメイク>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DS)]]が行われた。 --AIの改善や時の砂の復活、一部難易度調整や嫁の追加等が行われたが、基本的にはPS2版と変わらない。 --ただし、旧作のバグはほぼ全て修正され新たなバグもほぼ無いため、SFC版やPS2版のようなバグを利用した奇怪なプレイはできなくなっている。 --SFC以来のプレイヤーは追加要素に驚いたものの、PS2版をプレイしていたり山彦の帽子復活を期待していたプレイヤー等は肩透かしを喰らう事に。上記の謎の塔のダンジョンも結局追加されなかった。 --だがこのPS2版自体が中々の出来なため実際のところ評価はかなり高い。 --すごろくは好きな目が出るマスの追加、落とし穴や振り出しに戻るの減少など難易度が下がったが、「元々が極悪すぎた」と批判があったため、むしろ当然と言われた。 --また新しい嫁キャラであるデボラは、その容姿と発売前情報での言動などから、「堀井がついに狂った!」と騒ぎになったほどで、購入当初も拒否反応を起こすプレイヤーが多かった。しかし現在では会話の中でその魅力がいかんなく発揮されていること判明し、名キャラクターとして知られている。 -続編のIXでV主人公の姿になることが出来る装備品が登場している。 **余談 -本作品と無関係の浅野智也氏はこれに感銘を受け、[[『FFIII』のリメイク>ファイナルファンタジーIII (DS)]]を製作することとなった。そちらも本作と同じくマトリックスが担当している。こちらも良リメイクと評判である。 --しかし2010年にDSでリメイク発売された『[[ドラゴンクエストVI>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/698.html]]』では「やまびこのぼうし」は消去されなかったが、別件でのユーザー不満を生み出した。 -このゲームには熱心な固定信者が『[[星のカービィ スーパーデラックス]]』『[[テイルズ オブ ジ アビス>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/473.html]]』並に多い。 --断じて駄作ではないが、DQとしてはSFCの『DQI~III』やPSの『DQIV』と比べてかなりの異質なリメイクであり、ファン同士の議論になりやすい。

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