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大神 - (2012/08/04 (土) 16:03:05) の1つ前との変更点

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*大神 【おおかみ】 |ジャンル|ネイチャーアドベンチャー|&amazon(B000A85PIY)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|クローバースタジオ|~| |発売日|2006年4月20日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |備考|PlayStation2 the Best:2006年12月14日発売/3,129円(税込)|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー >100年前、英雄イザナギによって封印された怪物ヤマタノオロチ。~ その戦いの際に、イザナギをさまざまな神秘の力で手助けをした白狼・白野威(しらぬい)は、神木村にある神木の袂に像が作られ、村の守り神として祀られていた。 > >しかしそれから百年が経ち、オロチを封じていた宝剣「月呼」が何者かに引き抜かれ、オロチは復活する。~ だが、木精サクヤ姫の力で大神(狼)アマテラスも神木村にある白野威像に宿り復活。~ ヤマタノオロチを倒し、ナカツクニの安寧を取り戻すために、絵師のイッスンと共に旅に出る。 ---- **概要 -日本画のような和風のグラフィックが特徴。 -ジャンルのネイチャーアドベンチャーとは、分かり易く言えばゼルダの伝説に代表されるアクションアドベンチャー。&br()広大なフィールドを舞台とし、探索・謎解き・寄り道などの要素が豊富。 -ディレクターは『デビルメイクライ』や『バイオハザード2』を手がけた神谷英樹。そのため、彼の出身地である信州の地名を元とした地名や人名が多い。 -タイトルの「大神」には、主人公が「天照大神」であること、主人公の姿が「狼」であること、「筆調べ」(後述)によって自然を操ることに世界を筆調べを実行するための「大きな紙」になぞらえて「大紙」の三つの意味がある。 -キャッチコピーは&bold(){この世の命が、蘇る。} -武器は三種の神器になぞらえており、鏡、勾玉、剣の三種類がある。 **筆しらべ 大神の大きな特徴の一つに筆調べがある。これは、墨瓢箪(RPGでいう自然回復するMP)を使い、特定の模様を描くことによってさまざまな奇跡が起こせる、というもの。~ アマテラスは元々一三の筆しらべの全てを使えたが、ヤマタノオロチに肉体を破壊されたため筆しらべを司る分神が現世(うつしよ)に散り、復活した時には全ての筆しらべを失っていた。~ この分神をすべて取り戻すことも旅の目的である。~ 最初こそ筆しらべの種類は少ないが、物語が進み分神に会い、その力を取り戻すことで筆しらべの種類を増やすことができる。 ''筆調べの例'' -一閃 ありとあらゆるものを切り裂く力。断神を取り戻すことで使える。 -水郷 水を自由に操る力。濡神を取り戻すことによって使える。 -花咲 花や枯れた木を咲かせる力。咲之花神を取り戻すことにより使える。 -光明 太陽を出現させる事が出来る。アマテラス本来の力。 また、同じ筆しらべでも進めようによっては失っていた元の力を取り戻し、強化することが可能。 -一閃 切れるものがただの岩から鉄やダイアモンドを切ることが可能に。 -水郷 雨を降らせることができたり、特定の場所からワープすることが可能になる。 **幸玉 このゲームでは経験値の代わりに「幸玉」というものが存在する。これは敵を倒して得るものではなく、アマテラスが人々の信仰心や感謝の気持ちによって得るものである。~ たとえば、困っているひとを助けたり、枯れている木を咲かせることによって幸玉がもらえ、その幸玉の数に応じてアマテラスを強化することができる。 ---- **長所 -グラフィックが綺麗。水墨画の中を走っているような独特の感じで、極端にいえばフィールドを走り回っているだけでも飽きが来ない。 -BGMの完成度が高い。場面ごとの雰囲気を盛り上げ、世界観を際立たせる秀逸なBGMが揃っている。特にラスボス戦の曲は非常に人気が高い。 --平原綾香の歌うEDテーマ「RESET」も世界観にマッチしている。 -最終盤のクライマックスの展開は多くのプレイヤーを感動させた。詳しくは後述。 -戦闘も難易度自体は低いものの、筆しらべ・アマテラスの攻撃の描写・鋭い効果音と相まって、華麗かつ爽快な戦闘を堪能することができる。 --特定の武器によるカウンター技や溜め・浮かせコンボなど、比較的玄人仕様の派手な要素も存在する。 -主人公のアマテラスが可愛い。一応、狼ということなのだが、&bold(){どう見てもわんこ。かわいい。} --アマテラスの元ネタである天照大神は太陽の女神なので、今作のアマテラスはメス……と言いたいところだが、性別は不明。 ---筆神達が使う「慈母」、とある人物(その人物は目が見えない)が話す美しい女性という表現も、あくまでアマテラスの母性を表現したものである。 -終盤の舞台は日本のとある地方の神話が元となっているが、元来この地方の神話は現代の日本人には馴染みの薄いものである。~ そういったものをゲームに取り入れ、この地方の神話の存在・奥深さを紹介した点も評価されよう。 -ラスボス戦前後の展開終盤のストーリーに関してはやや賛否あるものの、ラスボス戦の展開はベタながらかなり熱い演出で、その時のBGMも合わせて評価が高い。「泣いた」という声も多い。 ---- **短所・賛否両論 -難易度。ゲームとしての難易度は極めて低い。もともとそういうコンセプトではないのだが、それにしてもあまりにもヌルゲーすぎて張り合いがないという意見が多い。 --その原因の一つに、主人公の相棒が勝手に謎解きのヒントを喋るというものがある。ヒントさえなければ謎解きも手ごたえがあるレベルではあるが、強制的にヒントを聞かされるので結果的に難易度がかなり低下している。 --さらにもう一つは、敵が弱いこと。体力がなくなると自動で復活する道具が主人公の強さによって増加するため、実質的に死亡回数は減らない。強い敵もいるが、ひたすら固くてだれるのが難点。 ---そのせいかゲームクリア後に表示される評価では、初プレイでも余裕で全項目満点の最高評価が得られてしまう。 --武器や体力の最大値などを強化しないといった制限(縛り)も可能だが、それでもヌルい。 --比較的高難度な戦闘として、強力な敵と戦い続けるサバイバル的な要素は一応存在する。 -とあるボスとは3回も戦うことになる。しかも、その戦闘自体が作業気味なものなので、少々退屈。 -BEST版の説明書は通常版と比べ、誇張抜きでペラペラでとても損した気分になる。パッケージの美麗な「野生の胎動」もBEST版のグレー枠で小さくなりなんだか損。 #region(以下はネタバレを多少含むもの。クリックで開く) -シナリオ。もともと日本神話や民話をモチーフとした和風世界観が売りだったのだが、終盤で急にSF要素が強まってくる。特に機械的・近未来的な設定が登場し、世界観の和風離れが強まってくる。ディレクターの趣味を前面に押し出したとあるキャラクターと共に、世界観が壊されていると感じるユーザーも少なくない。また、終盤の急展開自体、ややプレイヤーを置いてきぼり気味で、張りっぱなしで終わった伏線も多い。 --古典の竹取物語は日本最古のSFという捉え方もあり、大神にSF要素を入れるなら妥当な題材ではある。 --終盤以前も全くの純和風な世界観というわけではなく、ウシワカに代表されるように現代的な部分も一部には見られた。 --黒幕のSF的な外観や設定は、(和の)世界を乱す存在という立場を体現しているものともいえる。&br()もっともそれ故に、世界を壊す要素であるSF=悪 という見方もあながち間違いではないのかもしれない。 //--詳細は後述するが、最後の戦いにおけるクライマックスの展開を考慮すると、世界観の和風離れなどは必ずしも活かされていないわけではない。ストーリー展開的にもそれなりに意味のあるものという見方もできる。 -ストーリーに関わる宿敵「ヤマタノオロチ」だが、実は単なる序盤の大ボスに過ぎない。その後に登場するボスはいずれもヤマタノオロチほどの存在感や強大さは無く、ゲームを進めるにつれてストーリーの熱が下がっていく。そのため、ストーリー中盤は少々中だるみしてしまう。 --一応ヤマタノオロチは終盤にも関わってくるが、何故再登場させた、と言いたくなるほどの急展開。 --ヤマタノオロチ撃破以降も、ストーリーの所々で盛り上がりを見せる場面はある。後々登場する各ボスも、決して小者というわけではない。 --終盤は序々に熱い展開を見せる。 -終盤までゲームを進めると、各地のフィールドの天気や空気、景観などが非常に悪くなってしまう。 --全体的に暗くなり、天気も常に曇天のような暗さ・重さになる。 --そのため最終的には、このゲームの大きな魅力であるフィールドの美しさなどはあまり感じられなくなってしまう。 --やり込み要素が豊富に用意されているゲームではあるが、終盤でサブイベントやアイテム収集などをやり込もうとすれば、暗いフィールドを駆け回ることになる。 --ストーリー上の設定を強く反映させた形なので、仕方のない部分ではある。 #endregion ---- **総評 独特の世界観やグラフィック、BGMなどの点で非常にオリジナリティのあるゲームである。セールス的には振るわなかったが、未だに熱心なファンは多い。~ ただ、ゲームとしての詰めの甘さを指摘されることも多い。そのため、雰囲気を楽しむゲームだと言われ、ハードなアクションや謎解きを期待すると肩透かしを食らうことになる。 ---- **余談 -格闘ゲーム『タツノコ VS. CAPCOM』に、本作のとあるキャラがゲスト出演している。 --また同じくVSシリーズの『MARVEL VS. CAPCOM 3』では主人公であるアマテラスが参戦している。 -2010年9月30日、外伝である『大神伝 ~小さき太陽』がニンテンドーDSで発売された。この作品は本作のファンからの評価が大きく分かれている。 ---- **Wii版 |ジャンル|ネイチャーアドベンチャー|&amazon(B002KKC0BU)| |対応機種|Wii|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|レディアットドーン|~| |発売日|2009年10月15日|~| |定価|3,990円(税込)|~| |備考|Best Price!:2010年9月9日発売/2,100円(税込)|~| ***変更点 -基本はベタ移植だが、Wiiの特性に合わせ変更が加わった。 --Wiiリモコン&ヌンチャクに対応し、PS2版よりも直観的な操作が可能になった。 --16:9のワイド画面出力に対応。 --PS2版よりもロードが短くなったことから、ロード中にできたミニゲームが廃止された。 ***問題点 -ハードが変わったせいなのか画面の雰囲気が変わった上に全体的に滲んでいて文字も読みにくい。 --一応4:3の画面で出力すれば、滲みは幾分改善し文字も読みやすくはなる。 --よく見るとPS2版よりもジャギーが減っているなど改善している部分もあることはあるが、PS2版のほうが画面が奇麗なのは間違いない。 ---そもそもこれでは16:9のワイド画面出力に対応した意味がない。 -Wiiリモコンでの操作系があまり洗練されていない。 --慣れないうちは筆調べ時の誤認識が多いことと、人に話しかけるときに押すボタンが本作ではCボタンになっている((メニューや選択肢の決定はAボタンである。))など他となんか違うボタン配置となっている。 ---リモコン操作の誤認識はリモコンの感度調整である程度は改善する。後は慣れ。 -なぜか、オープニングムービーの曲の頭が切れている。 -Wii本体の個体差にも依るが、イベントムービーにおいて映像と音声・BGM・効果音が一致しない所謂音ズレが発生する場合がある。 --発生しない人は全く発生しないが、発生した場合は映像に遅れて2~3秒後に音が入る為、イベントシーンが台無しになる事が多い。 ---この音ズレの問題は移植元となった北米版時代から存在していたようで、音ズレに関する問い合わせへのカプコンの返答は「北米版の頃からあった音ズレもそのまま移植されてる」との事。 ***まとめ -いろいろと劣化点の目立つ移植ではあるが、プレイに重大な支障をきたすほどではなく、作品そのものの面白さは何とか確保されている。 -しかしプレイする上で支障ないとは言え、PS2版の売りの一つであったグラフィック面を劣化させてしまったことは情けないと言わざるをえない。 ***その他 -クローバースタジオは一切移植作業に関わっていない。そもそも海外スタジオ(レディアットドーン)の強い希望に対しカプコンが移植の許可を出したものなので、元々日本での発売予定はなかった。 -ちなみに北米版から日本版への移植はカプコンが行っている。その際北米版ではカットされたスタッフロールが復活するなど手直しがなされているが、もう少し何とかならなかったのだろうか。 -新品の値段が安いこともあって、中古が割と高値で安定しているPS2版よりも幾分安い金額で購入できる。 //※どなたかWii版についての記載をお願いします※ //↑どうも世間ではWii版は劣化移植との声が強いようですが、自分はプレイしたことが無いので書けません。できたらクソゲーまとめ@ウィキの劣化移植項目に書いた方がいいかと。 //↑姉妹Wikiに載せるほど悪くない模様なので、こちらに注意書き程度に載せておく程度でいいんじゃない?自分もWii版はやってないのでかけないけど。 //↑映像美が売りなのに画面がぼやけたり、Wiiリモコンの感度が意外に悪くて筆調べが難しくなっているらしいが……。 //↑ボケと筆感度は尼レビューなんかでも指摘されていますね。ボケについては動画サイトなんかのを引用してみてもいいかも知れません。http://www.youtube.com/watch?v=eqBGgCGYFKs これとか //とりあえずマブカプと大神伝のこと載せてみる。 //一応基本情報だけ書いておきました。 ----
*大神 【おおかみ】 |ジャンル|ネイチャーアドベンチャー|&amazon(B000A85PIY)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|クローバースタジオ|~| |発売日|2006年4月20日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |備考|PlayStation2 the Best:2006年12月14日/3,129円(税込)|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー >100年前、英雄イザナギによって封印された怪物ヤマタノオロチ。~ その戦いの際に、イザナギをさまざまな神秘の力で手助けをした白狼・白野威(しらぬい)は、神木村にある神木の袂に像が作られ、村の守り神として祀られていた。 > >しかしそれから百年が経ち、オロチを封じていた宝剣「月呼」が何者かに引き抜かれ、オロチは復活する。~ だが、木精サクヤ姫の力で大神(狼)アマテラスも神木村にある白野威像に宿り復活。~ ヤマタノオロチを倒し、ナカツクニの安寧を取り戻すために、絵師のイッスンと共に旅に出る。 ---- **概要 -日本画のような和風のグラフィックが特徴。 -ジャンルのネイチャーアドベンチャーとは、分かり易く言えばゼルダの伝説に代表されるアクションアドベンチャー。&br()広大なフィールドを舞台とし、探索・謎解き・寄り道などの要素が豊富。 -ディレクターは『[[デビルメイクライ]]』や『[[BIOHAZARD 2]]』を手がけた神谷英樹。そのため、彼の出身地である信州の地名を元とした地名や人名が多い。 -タイトルの「大神」には、主人公が「天照大神」であること、主人公の姿が「狼」であること、「筆調べ」(後述)によって自然を操ることに世界を筆調べを実行するための「大きな紙」になぞらえて「大紙」の三つの意味がある。 -キャッチコピーは&bold(){この世の命が、蘇る。} -武器は三種の神器になぞらえており、鏡、勾玉、剣の三種類がある。 **筆しらべ 大神の大きな特徴の一つに筆調べがある。これは、墨瓢箪(RPGでいう自然回復するMP)を使い、特定の模様を描くことによってさまざまな奇跡が起こせる、というもの。~ アマテラスは元々一三の筆しらべの全てを使えたが、ヤマタノオロチに肉体を破壊されたため筆しらべを司る分神が現世(うつしよ)に散り、復活した時には全ての筆しらべを失っていた。~ この分神をすべて取り戻すことも旅の目的である。~ 最初こそ筆しらべの種類は少ないが、物語が進み分神に会い、その力を取り戻すことで筆しらべの種類を増やすことができる。 ''筆調べの例'' -一閃 ありとあらゆるものを切り裂く力。断神を取り戻すことで使える。 -水郷 水を自由に操る力。濡神を取り戻すことによって使える。 -花咲 花や枯れた木を咲かせる力。咲之花神を取り戻すことにより使える。 -光明 太陽を出現させる事が出来る。アマテラス本来の力。 また、同じ筆しらべでも進めようによっては失っていた元の力を取り戻し、強化することが可能。 -一閃 切れるものがただの岩から鉄やダイアモンドを切ることが可能に。 -水郷 雨を降らせることができたり、特定の場所からワープすることが可能になる。 **幸玉 このゲームでは経験値の代わりに「幸玉」というものが存在する。これは敵を倒して得るものではなく、アマテラスが人々の信仰心や感謝の気持ちによって得るものである。~ たとえば、困っているひとを助けたり、枯れている木を咲かせることによって幸玉がもらえ、その幸玉の数に応じてアマテラスを強化することができる。 ---- **長所 -グラフィックが綺麗。水墨画の中を走っているような独特の感じで、極端にいえばフィールドを走り回っているだけでも飽きが来ない。 -BGMの完成度が高い。場面ごとの雰囲気を盛り上げ、世界観を際立たせる秀逸なBGMが揃っている。特にラスボス戦の曲は非常に人気が高い。 --平原綾香の歌うEDテーマ「RESET」も世界観にマッチしている。 -最終盤のクライマックスの展開は多くのプレイヤーを感動させた。詳しくは後述。 -戦闘も難易度自体は低いものの、筆しらべ・アマテラスの攻撃の描写・鋭い効果音と相まって、華麗かつ爽快な戦闘を堪能することができる。 --特定の武器によるカウンター技や溜め・浮かせコンボなど、比較的玄人仕様の派手な要素も存在する。 -主人公のアマテラスが可愛い。一応、狼ということなのだが、&bold(){どう見てもわんこ。かわいい。} --アマテラスの元ネタである天照大神は太陽の女神なので、今作のアマテラスはメス……と言いたいところだが、性別は不明。 ---筆神達が使う「慈母」、とある人物(その人物は目が見えない)が話す美しい女性という表現も、あくまでアマテラスの母性を表現したものである。 -終盤の舞台は日本のとある地方の神話が元となっているが、元来この地方の神話は現代の日本人には馴染みの薄いものである。~ そういったものをゲームに取り入れ、この地方の神話の存在・奥深さを紹介した点も評価されよう。 -ラスボス戦前後の展開終盤のストーリーに関してはやや賛否あるものの、ラスボス戦の展開はベタながらかなり熱い演出で、その時のBGMも合わせて評価が高い。「泣いた」という声も多い。 ---- **短所・賛否両論 -難易度。ゲームとしての難易度は極めて低い。もともとそういうコンセプトではないのだが、それにしてもあまりにもヌルゲーすぎて張り合いがないという意見が多い。 --その原因の一つに、主人公の相棒が勝手に謎解きのヒントを喋るというものがある。ヒントさえなければ謎解きも手ごたえがあるレベルではあるが、強制的にヒントを聞かされるので結果的に難易度がかなり低下している。 --さらにもう一つは、敵が弱いこと。体力がなくなると自動で復活する道具が主人公の強さによって増加するため、実質的に死亡回数は減らない。強い敵もいるが、ひたすら固くてだれるのが難点。 ---そのせいかゲームクリア後に表示される評価では、初プレイでも余裕で全項目満点の最高評価が得られてしまう。 --武器や体力の最大値などを強化しないといった制限(縛り)も可能だが、それでもヌルい。 --比較的高難度な戦闘として、強力な敵と戦い続けるサバイバル的な要素は一応存在する。 -とあるボスとは3回も戦うことになる。しかも、その戦闘自体が作業気味なものなので、少々退屈。 -BEST版の説明書は通常版と比べ、誇張抜きでペラペラでとても損した気分になる。パッケージの美麗な「野生の胎動」もBEST版のグレー枠で小さくなりなんだか損。 #region(以下はネタバレを多少含むもの。クリックで開く) -シナリオ。もともと日本神話や民話をモチーフとした和風世界観が売りだったのだが、終盤で急にSF要素が強まってくる。特に機械的・近未来的な設定が登場し、世界観の和風離れが強まってくる。ディレクターの趣味を前面に押し出したとあるキャラクターと共に、世界観が壊されていると感じるユーザーも少なくない。また、終盤の急展開自体、ややプレイヤーを置いてきぼり気味で、張りっぱなしで終わった伏線も多い。 --古典の竹取物語は日本最古のSFという捉え方もあり、大神にSF要素を入れるなら妥当な題材ではある。 --終盤以前も全くの純和風な世界観というわけではなく、ウシワカに代表されるように現代的な部分も一部には見られた。 --黒幕のSF的な外観や設定は、(和の)世界を乱す存在という立場を体現しているものともいえる。&br()もっともそれ故に、世界を壊す要素であるSF=悪 という見方もあながち間違いではないのかもしれない。 //--詳細は後述するが、最後の戦いにおけるクライマックスの展開を考慮すると、世界観の和風離れなどは必ずしも活かされていないわけではない。ストーリー展開的にもそれなりに意味のあるものという見方もできる。 -ストーリーに関わる宿敵「ヤマタノオロチ」だが、実は単なる序盤の大ボスに過ぎない。その後に登場するボスはいずれもヤマタノオロチほどの存在感や強大さは無く、ゲームを進めるにつれてストーリーの熱が下がっていく。そのため、ストーリー中盤は少々中だるみしてしまう。 --一応ヤマタノオロチは終盤にも関わってくるが、何故再登場させた、と言いたくなるほどの急展開。 --ヤマタノオロチ撃破以降も、ストーリーの所々で盛り上がりを見せる場面はある。後々登場する各ボスも、決して小者というわけではない。 --終盤は序々に熱い展開を見せる。 -終盤までゲームを進めると、各地のフィールドの天気や空気、景観などが非常に悪くなってしまう。 --全体的に暗くなり、天気も常に曇天のような暗さ・重さになる。 --そのため最終的には、このゲームの大きな魅力であるフィールドの美しさなどはあまり感じられなくなってしまう。 --やり込み要素が豊富に用意されているゲームではあるが、終盤でサブイベントやアイテム収集などをやり込もうとすれば、暗いフィールドを駆け回ることになる。 --ストーリー上の設定を強く反映させた形なので、仕方のない部分ではある。 #endregion ---- **総評 独特の世界観やグラフィック、BGMなどの点で非常にオリジナリティのあるゲームである。セールス的には振るわなかったが、未だに熱心なファンは多い。~ ただ、ゲームとしての詰めの甘さを指摘されることも多い。そのため、雰囲気を楽しむゲームだと言われ、ハードなアクションや謎解きを期待すると肩透かしを食らうことになる。 ---- **余談 -格闘ゲーム『タツノコ VS. CAPCOM』に、本作のとあるキャラがゲスト出演している。 --また同じくVSシリーズの『MARVEL VS. CAPCOM 3』では主人公であるアマテラスが参戦している。 -2010年9月30日、外伝である『大神伝 ~小さき太陽』がニンテンドーDSで発売された。この作品は本作のファンからの評価が大きく分かれている。 ---- **Wii版 |ジャンル|ネイチャーアドベンチャー|&amazon(B002KKC0BU)| |対応機種|Wii|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|レディアットドーン|~| |発売日|2009年10月15日|~| |定価|3,990円(税込)|~| |備考|Best Price!:2010年9月9日/2,100円(税込)|~| ***変更点 -基本はベタ移植だが、Wiiの特性に合わせ変更が加わった。 --Wiiリモコン&ヌンチャクに対応し、PS2版よりも直観的な操作が可能になった。 --16:9のワイド画面出力に対応。 --PS2版よりもロードが短くなったことから、ロード中にできたミニゲームが廃止された。 ***問題点 -ハードが変わったせいなのか画面の雰囲気が変わった上に全体的に滲んでいて文字も読みにくい。 --一応4:3の画面で出力すれば、滲みは幾分改善し文字も読みやすくはなる。 --よく見るとPS2版よりもジャギーが減っているなど改善している部分もあることはあるが、PS2版のほうが画面が奇麗なのは間違いない。 ---そもそもこれでは16:9のワイド画面出力に対応した意味がない。 -Wiiリモコンでの操作系があまり洗練されていない。 --慣れないうちは筆調べ時の誤認識が多いことと、人に話しかけるときに押すボタンが本作ではCボタンになっている((メニューや選択肢の決定はAボタンである。))など他となんか違うボタン配置となっている。 ---リモコン操作の誤認識はリモコンの感度調整である程度は改善する。後は慣れ。 -なぜか、オープニングムービーの曲の頭が切れている。 -Wii本体の個体差にも依るが、イベントムービーにおいて映像と音声・BGM・効果音が一致しない所謂音ズレが発生する場合がある。 --発生しない人は全く発生しないが、発生した場合は映像に遅れて2~3秒後に音が入る為、イベントシーンが台無しになる事が多い。 ---この音ズレの問題は移植元となった北米版時代から存在していたようで、音ズレに関する問い合わせへのカプコンの返答は「北米版の頃からあった音ズレもそのまま移植されてる」との事。 ***まとめ -いろいろと劣化点の目立つ移植ではあるが、プレイに重大な支障をきたすほどではなく、作品そのものの面白さは何とか確保されている。 -しかしプレイする上で支障ないとは言え、PS2版の売りの一つであったグラフィック面を劣化させてしまったことは情けないと言わざるをえない。 ***その他 -クローバースタジオは一切移植作業に関わっていない。そもそも海外スタジオ(レディアットドーン)の強い希望に対しカプコンが移植の許可を出したものなので、元々日本での発売予定はなかった。 -ちなみに北米版から日本版への移植はカプコンが行っている。その際北米版ではカットされたスタッフロールが復活するなど手直しがなされているが、もう少し何とかならなかったのだろうか。 -新品の値段が安いこともあって、中古が割と高値で安定しているPS2版よりも幾分安い金額で購入できる。 //※どなたかWii版についての記載をお願いします※ //↑どうも世間ではWii版は劣化移植との声が強いようですが、自分はプレイしたことが無いので書けません。できたらクソゲーまとめ@ウィキの劣化移植項目に書いた方がいいかと。 //↑姉妹Wikiに載せるほど悪くない模様なので、こちらに注意書き程度に載せておく程度でいいんじゃない?自分もWii版はやってないのでかけないけど。 //↑映像美が売りなのに画面がぼやけたり、Wiiリモコンの感度が意外に悪くて筆調べが難しくなっているらしいが……。 //↑ボケと筆感度は尼レビューなんかでも指摘されていますね。ボケについては動画サイトなんかのを引用してみてもいいかも知れません。http://www.youtube.com/watch?v=eqBGgCGYFKs これとか //とりあえずマブカプと大神伝のこと載せてみる。 //一応基本情報だけ書いておきました。 ----

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