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*街 【まち】 |ジャンル|サウンドノベル|&amazon(B000092P8G)| |対応機種|セガサターン|~| |発売・開発元|チュンソフト|~| |発売日|1998年1月22日|~| |定価|5800円|~| **概要 -『[[弟切草>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/259.html]]』・『[[かまいたちの夜]]』に続く、チュンソフト製サウンドノベルの第3作。 -『弟切草』の生みの親・長坂秀佳が、総監督を務めている。 -グラフィックは実写とCGからなっており、登場人物も役者が顔出しで演じている。この事や後述のシステムから、前2作とは大きくイメージの異なる作品となった。 **特徴・見所 -渋谷の町を舞台に、年齢も職業も異なる8人の主人公が体験する5日間の出来事を追っていく。 -シナリオは主人公ごとに全て別個で用意されており、好きなものから始められる。ジャンルは、刑事もの、コメディ、サスペンス、ハードボイルド、サイコホラーと多彩。 -主人公たちの行動はそれぞれ影響し合っており、「主人公Aが取った行動によって主人公Bがバッドエンドを迎える」といった事が起こる。 --バッドエンドを迎えるとその主人公のシナリオはそこで途切れてしまうため、正しい選択肢を選んでバッドエンドを回避しながらすすめなければならない。 -文章内には「TIP」と呼ばれる青や緑で書かれた単語があり、それを選択するとその単語の解説を読むことができる。 --青色は一般的な熟語や語句の説明・解説、緑色は今作固有の単語や人物の解説となっており、とてもまじめな解説や、ギャクのようなクスリとできる解説もあり、一つ一つが読み応えのある解説である。 -ある程度シナリオを進めると「つづく」と表示され、シナリオ展開が一時中断されるシーンがある。このシステムを「ZAP」といい、他の主人公のシナリオの文章の赤く表示された部分や、TIP内に隠れた赤い単語からザッピングして解除する必要がある。また翌日に進むためには、全員のシナリオをクリアしなければならない。これらのシステムのため、1人のシナリオだけを集中的に読み進めていくことはできない。&br()全員のシナリオを5日目(内2名は3日目)の最後まで終わらせるとエンディングとなる。 --一見もどかしいシステムに思えるが、他の主人公のシナリオに別の主人公のシナリオの伏線が張られているなど、読む順序を限定する事による演出なども用意されている。 --ただし牛尾と馬部の二人の主人公・シナリオ以外はあくまでもお互いに「他人」であり、別のシナリオの主人公とは「すれ違い」程度にしか関わらない。基本的にはシナリオは互いに独立しており、各シナリオの主人公はそれぞれの最終日を迎えることとなる。 -(隠しシナリオ1本を除き)全編に渡って、実在の役者が演じた実写取り込み画像を使用している。&br()有名どころの起用は少ないが、役者の演技自体は「独特の味がある」「演技力が良い」「一枚絵として雰囲気が出ている」と、基本的に好評。 -主人公ではない脇役も数多く登場する。彼らには彼らなりの5日間の物語が存在し、その一部をゲーム中の描写やTIPなどで確認できる。 -BGMのクオリティは非常に高い。 --この高評価の理由は、すべてがそのシーンにマッチしているからである。 -ある条件を満たすと一般公募のプリクラを観賞したり、キャラの顔がプリクラにすげ変わるというお遊び要素がある。 --この公募に漫画家の柴田亜美が応募しており、その事が切欠になっているのかあるキャラのシナリオの登場人物の一人として出演している。 **問題点 -毛色の異なる8本のシナリオを同時進行させなければならないというルールには「好きなシナリオの続きが気になるけど、嫌いなシナリオまで読まねばならない」という批判もあった。 -個々のシナリオを単独で見た場合の完成度は、それほど高いとは言えない。消化不良、強引なオチ、超展開、パロディなど突っ込み所が多く、癖が強い内容である。 --刑事ものの「雨宮桂馬」のシナリオは、一見本格推理もののようだが最後のアナグラムなどの展開が強引だったり、ダイエットをテーマにした「細井美子」のシナリオは後半にはギャグ表現が行き過ぎるあまり、太っている人間をバケモノであるかのように侮辱する表現が少なからず出てくる。 ---むしろ今作は一つ一つの物語の完成度の高さよりも、ザッピングによる他人の運命の交差に見所であるといえる。 -シナリオの特定の時間からプレイするための時計機能がついているが、視認性と使い勝手に難がある。このため、バッドエンド条件を絞り込む事がやや難しい。 -TIPはシリアスな場面でギャグ調の解説文がでてくることもあり、「雰囲気に合わない」という声も少なからずある。 **総評 発売当時は「実写映像のゲーム」の印象が悪かった時期であり、消費者に購入を敬遠させてしまう要因の一つとなってしまった。パッケージ画像の地味さもあってか、当時は売り上げが芳しくなかった。「実写物は出来が良くても売れない」というジンクスを体現してしまった。~ それぞれ毛色の異なるシナリオ同士を同じ時間軸上に置いて相互干渉させるというのは、口で言うほど簡単な話ではない。しかしながら本作はその無謀な試みに正面から堂々と挑戦し、主に「シナリオ間の絡み」を楽しませるよう作られた群像劇の意欲作である。~ ~ 『人は誰でも“自分の人生”というシナリオの主人公であると同時に、見ず知らずの誰かさんのシナリオにおける脇役でもある』~ ~ 文字にすればごく当たり前であるこの概念をテキストアドベンチャーの形式に落とし込み、斬新で完成度の高いエンターテイメントの形に仕立て上げている。絡みの分量と入念な作り込みに度肝を抜かれた者も多い。~ ただし、本作の醍醐味でもある「ごった煮感」からくる統一感の無さ、せっかく興味を引かれたシナリオでも先を読むためには必ずどこかで中断させられる仕様、全体に溢れる少々古風なユーモアセンスなど、チュンソフトのサウンドノベルの中では一際個性が強く、好き嫌いがハッキリと分かれる作品となっている。~ 食わず嫌いを誘発する要素も多いが、実際に一度は触れてみた上で自分に合うか合わないかを確かめてほしい。 **その後の展開 -PS・PSP移植版として『街 運命の交差点』(後述)がある。 -『街』と同様のシステムを使った群像劇サウンドノベルとして、同社から『[[428>[[428 ~封鎖された渋谷で~]]]]』が出ている。続編の位置付けではないが、本作から10年後の渋谷を舞台としている。 ---- *街 ~運命の交差点~ 【まち うんめいのこうさてん】 |対応機種|プレイステーション|&amazon(B0000634MI)| |発売・開発元|チュンソフト|~| |発売日|1999年1月28日|~| |定価|5,800円|~| *街 ~運命の交差点~ 特別篇 【まち うんめいのこうさてん とくべつへん】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|&amazon(B000BNCZUO)| |発売元|セガ|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2006年4月27日|~| |定価|5,040円|~| **概要 前年に発売されたSS用ソフト『街』をリメイクしたもの。 同社のサウンドノベル『弟切草』『[[かまいたちの夜]]』と共に「サウンドノベルエボリューション」シリーズの1つとしてリメイクされたが、「3」というナンバリングとは裏腹に2番目に発売された。その為同シリーズは「2」→「3」→「[[1>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/226.html]]」の順に出た事になる。 **主な変更点 元々のハードがSFCであった前2作ほどの変更点は無いが、SS版と比べてプレイしやすくなるよう様々な機能が追加されている。 -移動マップが追加された。各主人公のタイムテーブルがチャート化され、分岐やZAPの場所も視覚化されている。 -バッドエンドリストが追加された。 -シルエットモードが追加され、人物のグラフィックを2色ベタ塗りのシルエット表示と実写表示の2種類から選べる。なお、シルエットモードでは、ムービーなどの一部演出がカットされたり簡略化されたりする。 --全編アニメ絵のシナリオ「青ムシ抄」だけは例外で、このモードでも映像は変わらない。 -その日付を遊ぶ際、難易度を「EASY / NORMAL / HARD」から選択できる。SS版の難易度はHARDにあたる。 --HARDではすべての分岐フラグのデフォルトがバッドエンド方向にONになっているが、EASYは逆にすべて正しい方向にONになっていて、バッドエンドにたどり着きにくい。 --EASY・NORMALでは、全てのバッドエンド画面にヒントが表示(HARDでは1日目の前半のみ)される。また、EASYのヒントは「主人公○○の何時何分の選択肢を変えろ」といった調子の、とても具体的な内容である。 --バッドエンドの数自体も減っている。すべてのバッドエンドを埋めるにはHARDを選ばなくてはならないが、一度選んだ難易度は変更できないので注意。 -SS版では、ゲーム中の映像の一部が変化したり、一般公募したメッセージ付きプリクラが公開されたりといった事が起こる「プリクラキャンペーン」(金のしおりを出現させると解放される)関連のおまけ要素が収録されていたが、移植版ではカットされている。 -隠しシナリオ2本の出現条件が変わった。 --SS版では隠しコマンドに近い手続きをふまないと出現しなかった最後の隠しシナリオ「花火」は、全員分のシナリオをクリアすると出現する仕様に変わった。 --「青ムシ抄」は、バッドエンドを100個集めると出現する。難易度HARDを選ばないと達成できないため、こちらは少々面倒になった。 **PSP版の追加点 -サウンドテストがついている。移植版はSS版と音程が少し異なっている点と一部収録されていない曲がある点を除けば、BGMも人気がある本作としては嬉しいサービス。 -本編で脇役として登場していた「サギ山」と「パトリック・ダンディ」の5日間のシナリオが、秘蔵シナリオとして追加された。 --この2本のシナリオには、選択肢やTIP・ZAPは無い。また、静止画の背景CGはあるが本編の流用で、音響・文字効果による演出の類も一切ない。 ---原作の発売から何年も経過しており、背景CGの撮り直しは実質的に不可能。またオマケと考えればTIP/ZAPが無いのも許容範囲である。本編と比べシナリオの質はしっかりしており、文量もある程度あるので満足できるもの。 -隠しシナリオの出現方法が簡単になった。 --ただ5日目の開始までに難易度HARDを選択しないと、全てのバッドエンドを見ることができない。他にもテキストを読む上でのシステム周りの不便さがあまり改善されていないなど、二度目の移植にしては残念な箇所がいくつか存在する。 **評判など -バッドエンドの回避の仕方がわかりにくいという欠点は解消されたが、「SS版仕様の方が推理する楽しみがあった」という声もある。もっとも、物語そのものがちゃんと面白いので、利便性が上がるのは単純に良い事だと言えるだろう。 -本作のバッドエンドは全部で121個もあり、内容も『街』のゲームシステムの醍醐味が表れたものなので、コンプリートしやすくなった新仕様は好評。消化したエンディング数によって解放される隠しシナリオもあるため、親切である。 -シルエットモードは「実写の熱演が見られなくなる」といまいち不評であった。実写が敬遠されていたSS版発売当時の評判とは真逆である。~ これはシルエットモード自体に問題があったのではなく、オリジナル版の実写映像のクオリティが大方の第一印象に反して高かった事の表れともとれる。 -SS版では「隠しシナリオ(花火)の存在はわかるのに見つけられない」という声が多かったが、移植版ではそういった人はほぼいなくなった。 **その他 -余談だがパッケージ裏で、「バッドエンド」を「バットエンド」と誤表記している(3回も)。
*街 【まち】 |ジャンル|サウンドノベル|&amazon(B000092P8G)| |対応機種|セガサターン|~| |発売・開発元|チュンソフト|~| |発売日|1998年1月22日|~| |定価|5800円|~| **概要 -『[[弟切草>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/259.html]]』・『[[かまいたちの夜]]』に続く、チュンソフト製サウンドノベルの第3作。 -『弟切草』の生みの親・長坂秀佳が、総監督を務めている。 -グラフィックは実写とCGからなっており、登場人物も役者が顔出しで演じている。この事や後述のシステムから、前2作とは大きくイメージの異なる作品となった。 **特徴・見所 -渋谷の町を舞台に、年齢も職業も異なる8人の主人公が体験する5日間の出来事を追っていく。 -シナリオは主人公ごとに全て別個で用意されており、好きなものから始められる。ジャンルは、刑事もの、コメディ、サスペンス、ハードボイルド、サイコホラーと多彩。 -主人公たちの行動はそれぞれ影響し合っており、「主人公Aが取った行動によって主人公Bがバッドエンドを迎える」といった事が起こる。 --バッドエンドを迎えるとその主人公のシナリオはそこで途切れてしまうため、正しい選択肢を選んでバッドエンドを回避しながらすすめなければならない。 -文章内には「TIP」と呼ばれる青や緑で書かれた単語があり、それを選択するとその単語の解説を読むことができる。 --青色は一般的な熟語や語句の説明・解説、緑色は今作固有の単語や人物の解説となっており、とてもまじめな解説や、ギャクのようなクスリとできる解説もあり、一つ一つが読み応えのある解説である。 -ある程度シナリオを進めると「つづく」と表示され、シナリオ展開が一時中断されるシーンがある。このシステムを「ZAP」といい、他の主人公のシナリオの文章の赤く表示された部分や、TIP内に隠れた赤い単語からザッピングして解除する必要がある。また翌日に進むためには、全員のシナリオをクリアしなければならない。これらのシステムのため、1人のシナリオだけを集中的に読み進めていくことはできない。&br()全員のシナリオを5日目(内2名は3日目)の最後まで終わらせるとエンディングとなる。 --一見もどかしいシステムに思えるが、他の主人公のシナリオに別の主人公のシナリオの伏線が張られているなど、読む順序を限定する事による演出なども用意されている。 --ただし牛尾と馬部の二人の主人公・シナリオ以外はあくまでもお互いに「他人」であり、別のシナリオの主人公とは「すれ違い」程度にしか関わらない。基本的にはシナリオは互いに独立しており、各シナリオの主人公はそれぞれの最終日を迎えることとなる。 -(隠しシナリオ1本を除き)全編に渡って、実在の役者が演じた実写取り込み画像を使用している。&br()有名どころの起用は少ないが、役者の演技自体は「独特の味がある」「演技力が良い」「一枚絵として雰囲気が出ている」と、基本的に好評。 -主人公ではない脇役も数多く登場する。彼らには彼らなりの5日間の物語が存在し、その一部をゲーム中の描写やTIPなどで確認できる。 -BGMのクオリティは非常に高い。 --この高評価の理由は、すべてがそのシーンにマッチしているからである。 -ある条件を満たすと一般公募のプリクラを観賞したり、キャラの顔がプリクラにすげ変わるというお遊び要素がある。 --この公募に漫画家の柴田亜美が応募しており、その事が切欠になっているのかあるキャラのシナリオの登場人物の一人として出演している。 **問題点 -毛色の異なる8本のシナリオを同時進行させなければならないというルールには「好きなシナリオの続きが気になるけど、嫌いなシナリオまで読まねばならない」という批判もあった。 -個々のシナリオを単独で見た場合の完成度は、それほど高いとは言えない。消化不良、強引なオチ、超展開、パロディなど突っ込み所が多く、癖が強い内容である。 --刑事ものの「雨宮桂馬」のシナリオは、一見本格推理もののようだが最後のアナグラムなどの展開が強引だったり、ダイエットをテーマにした「細井美子」のシナリオは後半にはギャグ表現が行き過ぎるあまり、太っている人間をバケモノであるかのように侮辱する表現が少なからず出てくる。 ---むしろ今作は一つ一つの物語の完成度の高さよりも、ザッピングによる他人の運命の交差こそ見所であるといえる。 -シナリオの特定の時間からプレイするための時計機能がついているが、視認性と使い勝手に難がある。このため、バッドエンド条件を絞り込む事がやや難しい。 -TIPはシリアスな場面でギャグ調の解説文がでてくることもあり、「雰囲気に合わない」という声も少なからずある。 **総評 発売当時は「実写映像のゲーム」の印象が悪かった時期であり、消費者に購入を敬遠させてしまう要因の一つとなってしまった。パッケージ画像の地味さもあってか、当時は売り上げが芳しくなかった。「実写物は出来が良くても売れない」というジンクスを体現してしまった。~ しかしそれぞれ毛色の異なるシナリオ同士を同じ時間軸上に置いて相互干渉させるというのは、口で言うほど簡単な話ではない。しかしながら本作はその無謀な試みに正面から堂々と挑戦し、主に「シナリオ間の絡み」を楽しませるよう作られた群像劇の意欲作である。~ ~ 『人は誰でも“自分の人生”というシナリオの主人公であると同時に、見ず知らずの誰かさんのシナリオにおける脇役でもある』~ ~ 文字にすればごく当たり前であるこの概念をテキストアドベンチャーの形式に落とし込み、斬新で完成度の高いエンターテイメントの形に仕立て上げている。絡みの分量と入念な作り込みに度肝を抜かれた者も多い。~ ただし、本作の醍醐味でもある「ごった煮感」からくる統一感の無さ、せっかく興味を引かれたシナリオでも先を読むためには必ずどこかで中断させられる仕様、全体に溢れる少々古風なユーモアセンスなど、チュンソフトのサウンドノベルの中では一際個性が強く、好き嫌いがハッキリと分かれる作品となっている。~ 食わず嫌いを誘発する要素も多いが、実際に一度は触れてみた上で自分に合うか合わないかを確かめてほしい。 **その後の展開 -PS・PSP移植版として『街 運命の交差点』(後述)がある。 -『街』と同様のシステムを使った群像劇サウンドノベルとして、同社から『[[428>[[428 ~封鎖された渋谷で~]]]]』が出ている。続編の位置付けではないが、本作から10年後の渋谷を舞台としている。 ---- *街 ~運命の交差点~ 【まち うんめいのこうさてん】 |対応機種|プレイステーション|&amazon(B0000634MI)| |発売・開発元|チュンソフト|~| |発売日|1999年1月28日|~| |定価|5,800円|~| *街 ~運命の交差点~ 特別篇 【まち うんめいのこうさてん とくべつへん】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|&amazon(B000BNCZUO)| |発売元|セガ|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2006年4月27日|~| |定価|5,040円|~| **概要 前年に発売されたSS用ソフト『街』をリメイクしたもの。 同社のサウンドノベル『弟切草』『[[かまいたちの夜]]』と共に「サウンドノベルエボリューション」シリーズの1つとしてリメイクされたが、「3」というナンバリングとは裏腹に2番目に発売された。その為同シリーズは「2」→「3」→「[[1>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/226.html]]」の順に出た事になる。 **主な変更点 元々のハードがSFCであった前2作ほどの変更点は無いが、SS版と比べてプレイしやすくなるよう様々な機能が追加されている。 -移動マップが追加された。各主人公のタイムテーブルがチャート化され、分岐やZAPの場所も視覚化されている。 -バッドエンドリストが追加された。 -シルエットモードが追加され、人物のグラフィックを2色ベタ塗りのシルエット表示と実写表示の2種類から選べる。なお、シルエットモードでは、ムービーなどの一部演出がカットされたり簡略化されたりする。 --全編アニメ絵のシナリオ「青ムシ抄」だけは例外で、このモードでも映像は変わらない。 -その日付を遊ぶ際、難易度を「EASY / NORMAL / HARD」から選択できる。SS版の難易度はHARDにあたる。 --HARDではすべての分岐フラグのデフォルトがバッドエンド方向にONになっているが、EASYは逆にすべて正しい方向にONになっていて、バッドエンドにたどり着きにくい。 --EASY・NORMALでは、全てのバッドエンド画面にヒントが表示(HARDでは1日目の前半のみ)される。また、EASYのヒントは「主人公○○の何時何分の選択肢を変えろ」といった調子の、とても具体的な内容である。 --バッドエンドの数自体も減っている。すべてのバッドエンドを埋めるにはHARDを選ばなくてはならないが、一度選んだ難易度は変更できないので注意。 -SS版では、ゲーム中の映像の一部が変化したり、一般公募したメッセージ付きプリクラが公開されたりといった事が起こる「プリクラキャンペーン」(金のしおりを出現させると解放される)関連のおまけ要素が収録されていたが、移植版ではカットされている。 -隠しシナリオ2本の出現条件が変わった。 --SS版では隠しコマンドに近い手続きをふまないと出現しなかった最後の隠しシナリオ「花火」は、全員分のシナリオをクリアすると出現する仕様に変わった。 --「青ムシ抄」は、バッドエンドを100個集めると出現する。難易度HARDを選ばないと達成できないため、こちらは少々面倒になった。 **PSP版の追加点 -サウンドテストがついている。移植版はSS版と音程が少し異なっている点と一部収録されていない曲がある点を除けば、BGMも人気がある本作としては嬉しいサービス。 -本編で脇役として登場していた「サギ山」と「パトリック・ダンディ」の5日間のシナリオが、秘蔵シナリオとして追加された。 --この2本のシナリオには、選択肢やTIP・ZAPは無い。また、静止画の背景CGはあるが本編の流用で、音響・文字効果による演出の類も一切ない。 ---原作の発売から何年も経過しており、背景CGの撮り直しは実質的に不可能。またオマケと考えればTIP/ZAPが無いのも許容範囲である。本編と比べシナリオの質はしっかりしており、文量もある程度あるので満足できるもの。 -隠しシナリオの出現方法が簡単になった。 --ただ5日目の開始までに難易度HARDを選択しないと、全てのバッドエンドを見ることができない。他にもテキストを読む上でのシステム周りの不便さがあまり改善されていないなど、二度目の移植にしては残念な箇所がいくつか存在する。 **評判など -バッドエンドの回避の仕方がわかりにくいという欠点は解消されたが、「SS版仕様の方が推理する楽しみがあった」という声もある。もっとも、物語そのものがちゃんと面白いので、利便性が上がるのは単純に良い事だと言えるだろう。 -本作のバッドエンドは全部で121個もあり、内容も『街』のゲームシステムの醍醐味が表れたものなので、コンプリートしやすくなった新仕様は好評。消化したエンディング数によって解放される隠しシナリオもあるため、親切である。 -シルエットモードは「実写の熱演が見られなくなる」といまいち不評であった。実写が敬遠されていたSS版発売当時の評判とは真逆である。~ これはシルエットモード自体に問題があったのではなく、オリジナル版の実写映像のクオリティが大方の第一印象に反して高かった事の表れともとれる。 -SS版では「隠しシナリオ(花火)の存在はわかるのに見つけられない」という声が多かったが、移植版ではそういった人はほぼいなくなった。 **その他 -余談だがパッケージ裏で、「バッドエンド」を「バットエンド」と誤表記している(3回も)。

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