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*X-MEN Children Of The Atom 【えっくすめん ちるどれん・おぶ・じ・あとむ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|~| |対応機種|アーケード(CPシステムII)|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1994年12月|~| |>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1084.html]]''| |>|>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ]]''| *概要 -アメリカのマーベル・コミック社の人気漫画『X-MEN』を原作に作られた対戦格闘ゲーム。 --日本では過去にコナミによりベルトスクロールアクションとしてアーケード化されており(6人用筐体とハイクオリティな音楽が特徴な佳作)、そちらと区別するため「COTA」という略称が使われることも。 -同時期にカプコンがスポンサーとして出資していたテレビアニメ版とのタイアップで製作され、アニメと併せて日本国内でのアメコミの知名度を飛躍的に上げた作品。 --経緯としては「新しい格闘ゲームを企画していた所、都合が良いので『X-MEN』を使った」とのこと。企画段階での仮タイトルは『ストリートファイターIII』だったらしく、その名に恥じない斬新な試みがいくつも行われている。 *システム このゲームの大きな特徴は、それまでの格闘ゲームの常識を吹き飛ばすほどの圧倒的な自由度である。 -スーパージャンプ --このゲームを象徴するアクション。レバーを下に入れてからレバーを上に倒す(またはキックボタン3つ同時押し)と、相手を画面外に押し出すほどの跳躍力でジャンプする。スーパージャンプ中は前後への制御も可能。 --このゲームではほとんどの必殺技を空中で出すことができるし、どのキャラも何らかの空中制御方法を持っている。空中技の回数制限などもなく、一部を除いて技や食らいのけぞりの硬直が解けたら次の技を出せるなど、地上と比べても全く遜色ない動きができる。 --浮いた相手をスーパージャンプで追いかけて空中戦を繰り広げる、地上から空中にいる敵に向かって、またはその逆で必殺技の飛び道具を撃つなどの全画面を使った対戦が展開され、派手極まりない。 -Xパワーゲージ --体力下にあるパワーゲージ。攻撃をすることで溜まっていく。レベル1・レベル2・レベルMAXの三段階あり、レベル2になると各キャラごとに用意されている特殊能力「Xパワー」や近づいての投げに対して防御できる「投げ抜け」を、レベルMAXになるといわゆる超必殺技である「ハイパーX」を発動できる。 --Xパワーは、ウルヴァリンを例に挙げれば、一定時間さらなるスピードを得るものと、体力を回復するものがある。こんな感じの内容Xパワーがほぼ全キャラに異なるものが用意されている。 --投げ抜けは各キャラごとに「受け身」と「投げ返し」のどちらかが設定されている。投げ返しは相手の投げ返しをさらに投げ返しすることまで可能。 ---今作の仕様として、投げられた後のダウンで更に追加ダメージが入る(投げられた瞬間にダメージを受け、更に地面に叩き付けられた所でほぼ同程度のダメージを受ける。勿論このダメージでもKOする)ため、受け身もまた重要なアクションとなっている。~ なお、投げられた後の追加ダメージは次作の『MARVEL SUPER HEROES』でも採用されたが、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降は廃止されている。 -連携・連続技の自由度 --どんな通常技でもヒットしていてもしていなくても、ほぼ任意のタイミングで必殺技でキャンセル可能。キャラによって異なるルートで通常技→通常技という繋ぎもでき、そこから必殺技にキャンセルできる。 --吹き飛び中だろうがダウン中だろうが攻撃を普通に当てられる。 --技ごとに吹き飛ぶ方向や力が設定されている。吹き飛ぶ距離はキャラごとに設定された体重も計算に加えられる。また、ダッシュやジャンプ中に技を振れば、その移動時の慣性を保ったまま攻撃ができる。 ---さらに、通常技はスーパージャンプでキャンセル可能。吹き飛ばした相手をスーパージャンプで追いかけて追撃という連続技もでき、後のシリーズのエリアルレイヴの原型となった。 --現在で言う所のコンボゲーと共通した特徴はあるが、コンボによるダメージ補正のかかり方が激しく、また強攻撃や必殺技・投げを当てるだけでもそれなりのダメージを叩き出せる上にかなり気絶しやすいので、普通に駆け引きする分には連続技にはそれほど偏重していない。 ---もっともあまりにコンボ補正が酷すぎて、連続攻撃能力(いわゆるチェーンコンボ)を駆使して華麗なコンボを決めても、J強K→屈強Kの2ヒット、下手をすれば単発の強攻撃以下のダメージにしかならないというのはさすがに問題と考えたのか、次回作以降は極端すぎるコンボ補正はやわらげられている。 -その他画期的なシステム --体力ゲージ横に表示されているキャラの顔グラフィックは、技を受けると顔が痛々しくなっていき、背景も青→黄→赤と変わる(一定時間攻撃を受けなければ青に戻る)。これは気絶値の溜まり具合を表しており、体感だけでなく視覚的にも気絶値の溜まり具合を認識できる。 --初心者補助のオートモード。キャラを選択した後にマニュアルとオートマチックの選択ができ、オートモードにすると自動でガードするようになる。ただし通常技でも体力を削られる、必殺技の弱中強の撃ち分けが出来ないなどの制限がかかり、対戦で一勝するとマニュアルに戻される。 --ラウンドが始まる前から左右への移動が可能(攻撃は出来ない)。さらに、勝利ポーズ中でもスタートボタンを押せば対戦に勝った後でも敵を攻撃できる(当時の公式ガイドブックの用語辞典によればこれは「WINキャンセル」もしくは「勝利ポーズキャンセルボコボコ」という名で呼ばれる)。 //その本の説明では「攻撃『も』できる」ってより、どっちかと言えば「攻撃『が』できる」といった感じ。 ---本作で出来るのは通常攻撃だけだが、以降の作品では勝利後に出来る行動がどんどん増えていき、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降ではハイパーコンボ(超必殺技)までゲージが残っていれば出せるようになった。 ---初期バージョンでは死体殴りで溜まった気絶値が次のラウンドに持ち越されるという仕様があった。 *キャラクター -キャラはX-MEN(正義側)・ヴィラン(悪側)が各6人と隠しキャラクターが1人の全13人。うちヴィラン2人はCPU専用のボスキャラであり、使用可能キャラは全11人。 --キャラは人気よりも個性重視の選抜をされているようで、主人公格のウルヴァリンとサイクロップス、悪役の代表的存在のマグニートーなど有名どころは抑えているが、X-MEN側はアニメ版でレギュラー登場していたジーン・グレイ、ビースト、ガンビット、ローグ、ジュビリーなどを差し置いてゲスト出演程度だったサイロック、コロッサス、アイスマンが出ている、ヴィランもシルバーサムライやスパイラルなどお世辞にもメジャーとは言えないキャラが登場している。 -駆け引きだけでなくキャラを格好よく動かすのも格ゲーの醍醐味だが、以下の特徴により、特に難しい操作を要さずともゲーム性やキャラの個性を生かしたド派手な動きができる。 --ボタン一つで通常技も必殺技と見紛うような派手なモーションのものが多く、中には通常技で普通に飛び道具を発射するというものも。当然飛び道具を撃ってから必殺技でキャンセル可能。 --当時から格ゲーは進化するにつれ必殺技の数を増やしがちな傾向にあったが、本作では各キャラは必殺技は基本的に2つ。全画面を使った対戦を意識してかどのキャラも飛び道具か突進技を持っているが、使うだけでキャラの個性を発揮できる個性的なものが多い。 --XパワーやハイパーXのコマンドは波動か竜巻コマンドとボタン同時押しと簡単。 -各キャラはシステムに負けじと個性豊か。 --ウルヴァリンは文字通り画面を縦横無尽に動き回れる、このゲームの主人公に相応しいキャラクター。「強いて不満点を挙げれば飛び道具が無い事ぐらいである」とまで言われた。 --サイクロップスは必殺技のビームのほかにも通常技の強Pまで飛び道具のキング・オブ・砲台キャラ。ハイパーX「メガオプティックブラスト」は全画面を覆うほどの極太ビームを発射できる。 ---その飛び抜けた砲台ぶりが遠因となり後年、''「ビーム脳」''と揶揄されるようになり、挙句の果てに某動画投稿サイトで''「スットコ」''が愛称として定着してしまった(サイクロップスの本名、「スコット」をアナグラム的に捩ったもの。ただしスットコという愛称は一部の日本のファンが以前から使ってはいた)。 --ストームは空中の落下の軌跡を変える、飛行能力、空中ダッシュなど、このゲームの中でも随一の移動能力を持つ。 --コロッサスはXパワーにより相手の攻撃を受けてものけぞらずにそのまま攻撃を繰り出せる重量級キャラ。 --サイロックは素早い動きと高い連続技能力によりラッシュを仕掛けられる。が、前述のコンボ補正と連続攻撃能力の相性が悪く、自身の防御力の低さもあって適切なコンボを知らないと「押しているのに体力負け」という事が往々にしてある。 --アイスマンは氷を使った強力な技が特徴で、相手を凍結して身動きをとれなくさせる中P投げの「フリーズ!」からダッシュ大P→大K→アイスアバランチの気絶3段→ハイパーX「アークティックアタック」は必殺フルコース。 --ヴィランはX-MEN側のキャラ以上に個性的。 ---動きこそ鈍重だが「カーボナディウムコイル」で遠くの相手を掴んで任意の方向に投げ飛ばしたり、移動技としても使える「オメガストライク」など、ライバルのウルヴァリンに負けない多彩な動きができるオメガレッド。 ---体力ゲージの位置に及ぶほどの巨体と、そこから繰り出されるビームにミサイルにロケットパンチと多彩な重火器で武装しているセンチネル。 ---多彩な撃ち方のできる飛び道具「ダンシングソード」や多彩な効果を持ったXパワー「ダンス」、全キャラに変身しながら攻撃するハイパーX「メタモルフォーゼ」など、『ストII』でのダルシムに相当するトリッキーキャラのスパイラル。 ---下段技を一切持たず、代わりに削り性能が非常に高いというピーキーな性能で、Xパワー「剣気」により様々なパワーアップも可能なシルバーサムライ。 --CPU専用キャラのジャガーノートは、異常に高い攻撃力と防御力を持ったキャラ。パンチを一発食らっただけで体力ゲージが吹き飛び、何回攻撃しても全くのけぞらない。 --そしてCPU戦最後の敵であるマグニートーは、常時飛行するほどの機動力と繰り出される多彩な飛び道具、攻撃を完全にシャットアウトするフォースフィールド、圧倒的な見た目と破壊力を持つハイパーX「マグネティックショックウェイブ」など、このゲーム性やあのキャラ群の中においても最強の存在として君臨し、ゲームの難易度を高める超性能。 ---現在でこそ『カイザーナックル』のジェネラルや『すっごい!アルカナハート2』のパラセ・ルシアが有名だが、それ以前は彼こそが格ゲー最強のボスキャラであると言われてきたほど。 ---その性能は次作でプレイヤーキャラ化した際、相当な大幅下方修正が入ったほど。それでも最強クラスというのだから手に負えない。 --コマンドを入力して選べる隠しキャラは『スーパーストリートファイターIIX』にも登場した豪鬼。このゲームらしい機動力を持っているが、スパIIXそのままのグラフィックや必殺技の多さなど、あらゆる意味で他のキャラとは一線を画す。その出現コマンドは難解であり、隠しキャラという異端さからか多くのプレイヤーが豪鬼の選択に熱意を上げた。 ---ちなみに豪鬼を選ぶコマンドで失敗すると選ばれるのはシルバーサムライであり(ver.2.00以降。2P側はスパイラル)、彼を変な意味で有名にさせた。 ---余談だが、豪鬼の隠しキャラとして登場はマーベル社に完全に無断で行ったため、カプコンは相当マーベル社から怒られたらしい。後のシリーズ(MSH VS. SF)でも同じような事を繰り返しているのは凝りないというか……。 -グラフィックは全体的にハイレベル。アメコミらしいマッチョなキャラが、ヴァンパイアと同じく滑らかに生き生きと動く。特に女性キャラ3人の肉感的な艶やかさや、センチネルの超巨体とロボットらしい重量感のある動きは必見。 --キャラだけでなく背景やエフェクトも秀逸。ステージ背景はラウンドが終わったり次のラウンドが始まるときなどに様々な演出が入る、ステージによっては床が壊れて別のステージに降下するなど、見てて飽きさせない。 *問題点 -確かに操作の爽快感や見た目の派手さは特筆できるが、その駆け引きにストIIやヴァンパイアのような緻密さはなく、悪く言えば大味。 --また、投げから気絶が確定するコンボを持つキャラがいるなど、対戦バランスはかなり極端。 -バグが非常に多く、バグフィックスやバランス調整を行ったバージョンアップ版が、Ver1.00→Ver2.00→Ver2.01→Ver3.00と多数登場。 //普通にやってるだけでプレイに支障を来たすようなバグは起こらなかったと思いますが --バージョンアップに伴って極端に性能変更されたキャラもいる。アイスマンがそれで、必殺技「アイスビーム」の硬直を見れば一目瞭然。 -「コンボ補正が強すぎる」とは言ったものの、一方でかなりの個数で永久コンボが存在する。大半は画面端限定だが、中にはダッシュ通常技を当て続けるだけという幼稚なものも。 --バージョンアップごとに永久コンボの削除は試みられたものの、それでも数はとても多い。 -ガンビットやセイバートゥースなど原作での人気キャラを登場させていないキャラチョイスには不満の声も上がった。 --その不満を受けてか後にこの2キャラは後に『X-MEN VS. ストリートファイター』で使用キャラとして晴れて参戦を果たした。 *総評 ストIIの登場以降ほとんどの格闘ゲームがそれに準じたシステムを有してきた中、ストIIの制限を全く取っ払うという発想を高い技術とアイデアで完成させた、当時としては全く新しい格闘ゲーム。~ その自由度は後のいわゆる「コンボゲー」のプロトタイプとなったものと思われ、キャラゲーとして傑作である以上に(日本に馴染みの薄い作品なのでキャラゲーとして扱われにくいが)本作の存在価値は非常に大きい。 *その後 -次回作としてスパイダーマンやハルク、アベンジャーズの面々を登場させた『MARVEL SUPER HEROES』、ストリートファイターシリーズのキャラと競演させた『X-MEN VS. ストリートファイター』などがある。 --どちらかと言うと本作の個性は主にその派手さが継承されており、空中戦や個性的なキャラ性能などの独自の個性は薄れた感じのゲームとなっている。この路線はVS.シリーズ以降も受け継がれている。 ---先述のバグの多さから、開発者の負担が大きかったことが伺える。また本作のメイン企画やプログラマーなど主力開発者がカプコンを退社した(アリカを結成)ことも背景にあると思われる。 ---そういう意味もあって以降のVS.シリーズではなく、本作こそが面白いと推す声も多い。 -セガサターンで家庭用移植版が発売されている。キャラのアニメーションは削減されているが、それでも移植度は良好。
*X-MEN Children Of The Atom 【えっくすめん ちるどれん・おぶ・じ・あとむ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|~| |対応機種|アーケード(CPシステムII)|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1994年12月|~| |>|>|CENTER:''[[CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1084.html]]''| |>|>|CENTER:''[[Marvel Comics関連作品シリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1082.html]]''| *概要 -アメリカのマーベル・コミック社の人気漫画『X-MEN』を原作に作られた対戦格闘ゲーム。 --日本では過去にコナミによりベルトスクロールアクションとしてアーケード化されており(6人用筐体とハイクオリティな音楽が特徴な佳作)、そちらと区別するため「COTA」という略称が使われることも。 -同時期にカプコンがスポンサーとして出資していたテレビアニメ版とのタイアップで製作され、アニメと併せて日本国内でのアメコミの知名度を飛躍的に上げた作品。 --経緯としては「新しい格闘ゲームを企画していた所、都合が良いので『X-MEN』を使った」とのこと。企画段階での仮タイトルは『ストリートファイターIII』だったらしく、その名に恥じない斬新な試みがいくつも行われている。 *システム このゲームの大きな特徴は、それまでの格闘ゲームの常識を吹き飛ばすほどの圧倒的な自由度である。 -スーパージャンプ --このゲームを象徴するアクション。レバーを下に入れてからレバーを上に倒す(またはキックボタン3つ同時押し)と、相手を画面外に押し出すほどの跳躍力でジャンプする。スーパージャンプ中は前後への制御も可能。 --このゲームではほとんどの必殺技を空中で出すことができるし、どのキャラも何らかの空中制御方法を持っている。空中技の回数制限などもなく、一部を除いて技や食らいのけぞりの硬直が解けたら次の技を出せるなど、地上と比べても全く遜色ない動きができる。 --浮いた相手をスーパージャンプで追いかけて空中戦を繰り広げる、地上から空中にいる敵に向かって、またはその逆で必殺技の飛び道具を撃つなどの全画面を使った対戦が展開され、派手極まりない。 -Xパワーゲージ --体力下にあるパワーゲージ。攻撃をすることで溜まっていく。レベル1・レベル2・レベルMAXの三段階あり、レベル2になると各キャラごとに用意されている特殊能力「Xパワー」や近づいての投げに対して防御できる「投げ抜け」を、レベルMAXになるといわゆる超必殺技である「ハイパーX」を発動できる。 --Xパワーは、ウルヴァリンを例に挙げれば、一定時間さらなるスピードを得るものと、体力を回復するものがある。こんな感じの内容Xパワーがほぼ全キャラに異なるものが用意されている。 --投げ抜けは各キャラごとに「受け身」と「投げ返し」のどちらかが設定されている。投げ返しは相手の投げ返しをさらに投げ返しすることまで可能。 ---今作の仕様として、投げられた後のダウンで更に追加ダメージが入る(投げられた瞬間にダメージを受け、更に地面に叩き付けられた所でほぼ同程度のダメージを受ける。勿論このダメージでもKOする)ため、受け身もまた重要なアクションとなっている。~ なお、投げられた後の追加ダメージは次作の『MARVEL SUPER HEROES』でも採用されたが、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降は廃止されている。 -連携・連続技の自由度 --どんな通常技でもヒットしていてもしていなくても、ほぼ任意のタイミングで必殺技でキャンセル可能。キャラによって異なるルートで通常技→通常技という繋ぎもでき、そこから必殺技にキャンセルできる。 --吹き飛び中だろうがダウン中だろうが攻撃を普通に当てられる。 --技ごとに吹き飛ぶ方向や力が設定されている。吹き飛ぶ距離はキャラごとに設定された体重も計算に加えられる。また、ダッシュやジャンプ中に技を振れば、その移動時の慣性を保ったまま攻撃ができる。 ---さらに、通常技はスーパージャンプでキャンセル可能。吹き飛ばした相手をスーパージャンプで追いかけて追撃という連続技もでき、後のシリーズのエリアルレイヴの原型となった。 --現在で言う所のコンボゲーと共通した特徴はあるが、コンボによるダメージ補正のかかり方が激しく、また強攻撃や必殺技・投げを当てるだけでもそれなりのダメージを叩き出せる上にかなり気絶しやすいので、普通に駆け引きする分には連続技にはそれほど偏重していない。 ---もっともあまりにコンボ補正が酷すぎて、連続攻撃能力(いわゆるチェーンコンボ)を駆使して華麗なコンボを決めても、J強K→屈強Kの2ヒット、下手をすれば単発の強攻撃以下のダメージにしかならないというのはさすがに問題と考えたのか、次回作以降は極端すぎるコンボ補正はやわらげられている。 -その他画期的なシステム --体力ゲージ横に表示されているキャラの顔グラフィックは、技を受けると顔が痛々しくなっていき、背景も青→黄→赤と変わる(一定時間攻撃を受けなければ青に戻る)。これは気絶値の溜まり具合を表しており、体感だけでなく視覚的にも気絶値の溜まり具合を認識できる。 --初心者補助のオートモード。キャラを選択した後にマニュアルとオートマチックの選択ができ、オートモードにすると自動でガードするようになる。ただし通常技でも体力を削られる、必殺技の弱中強の撃ち分けが出来ないなどの制限がかかり、対戦で一勝するとマニュアルに戻される。 --ラウンドが始まる前から左右への移動が可能(攻撃は出来ない)。さらに、勝利ポーズ中でもスタートボタンを押せば対戦に勝った後でも敵を攻撃できる(当時の公式ガイドブックの用語辞典によればこれは「WINキャンセル」もしくは「勝利ポーズキャンセルボコボコ」という名で呼ばれる)。 //その本の説明では「攻撃『も』できる」ってより、どっちかと言えば「攻撃『が』できる」といった感じ。 ---本作で出来るのは通常攻撃だけだが、以降の作品では勝利後に出来る行動がどんどん増えていき、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』以降ではハイパーコンボ(超必殺技)までゲージが残っていれば出せるようになった。 ---初期バージョンでは死体殴りで溜まった気絶値が次のラウンドに持ち越されるという仕様があった。 *キャラクター -キャラはX-MEN(正義側)・ヴィラン(悪側)が各6人と隠しキャラクターが1人の全13人。うちヴィラン2人はCPU専用のボスキャラであり、使用可能キャラは全11人。 --キャラは人気よりも個性重視の選抜をされているようで、主人公格のウルヴァリンとサイクロップス、悪役の代表的存在のマグニートーなど有名どころは抑えているが、X-MEN側はアニメ版でレギュラー登場していたジーン・グレイ、ビースト、ガンビット、ローグ、ジュビリーなどを差し置いてゲスト出演程度だったサイロック、コロッサス、アイスマンが出ている、ヴィランもシルバーサムライやスパイラルなどお世辞にもメジャーとは言えないキャラが登場している。 -駆け引きだけでなくキャラを格好よく動かすのも格ゲーの醍醐味だが、以下の特徴により、特に難しい操作を要さずともゲーム性やキャラの個性を生かしたド派手な動きができる。 --ボタン一つで通常技も必殺技と見紛うような派手なモーションのものが多く、中には通常技で普通に飛び道具を発射するというものも。当然飛び道具を撃ってから必殺技でキャンセル可能。 --当時から格ゲーは進化するにつれ必殺技の数を増やしがちな傾向にあったが、本作では各キャラは必殺技は基本的に2つ。全画面を使った対戦を意識してかどのキャラも飛び道具か突進技を持っているが、使うだけでキャラの個性を発揮できる個性的なものが多い。 --XパワーやハイパーXのコマンドは波動か竜巻コマンドとボタン同時押しと簡単。 -各キャラはシステムに負けじと個性豊か。 --ウルヴァリンは文字通り画面を縦横無尽に動き回れる、このゲームの主人公に相応しいキャラクター。「強いて不満点を挙げれば飛び道具が無い事ぐらいである」とまで言われた。 --サイクロップスは必殺技のビームのほかにも通常技の強Pまで飛び道具のキング・オブ・砲台キャラ。ハイパーX「メガオプティックブラスト」は全画面を覆うほどの極太ビームを発射できる。 ---その飛び抜けた砲台ぶりが遠因となり後年、''「ビーム脳」''と揶揄されるようになり、挙句の果てに某動画投稿サイトで''「スットコ」''が愛称として定着してしまった(サイクロップスの本名、「スコット」をアナグラム的に捩ったもの。ただしスットコという愛称は一部の日本のファンが以前から使ってはいた)。 --ストームは空中の落下の軌跡を変える、飛行能力、空中ダッシュなど、このゲームの中でも随一の移動能力を持つ。 --コロッサスはXパワーにより相手の攻撃を受けてものけぞらずにそのまま攻撃を繰り出せる重量級キャラ。 --サイロックは素早い動きと高い連続技能力によりラッシュを仕掛けられる。が、前述のコンボ補正と連続攻撃能力の相性が悪く、自身の防御力の低さもあって適切なコンボを知らないと「押しているのに体力負け」という事が往々にしてある。 --アイスマンは氷を使った強力な技が特徴で、相手を凍結して身動きをとれなくさせる中P投げの「フリーズ!」からダッシュ大P→大K→アイスアバランチの気絶3段→ハイパーX「アークティックアタック」は必殺フルコース。 --ヴィランはX-MEN側のキャラ以上に個性的。 ---動きこそ鈍重だが「カーボナディウムコイル」で遠くの相手を掴んで任意の方向に投げ飛ばしたり、移動技としても使える「オメガストライク」など、ライバルのウルヴァリンに負けない多彩な動きができるオメガレッド。 ---体力ゲージの位置に及ぶほどの巨体と、そこから繰り出されるビームにミサイルにロケットパンチと多彩な重火器で武装しているセンチネル。 ---多彩な撃ち方のできる飛び道具「ダンシングソード」や多彩な効果を持ったXパワー「ダンス」、全キャラに変身しながら攻撃するハイパーX「メタモルフォーゼ」など、『ストII』でのダルシムに相当するトリッキーキャラのスパイラル。 ---下段技を一切持たず、代わりに削り性能が非常に高いというピーキーな性能で、Xパワー「剣気」により様々なパワーアップも可能なシルバーサムライ。 --CPU専用キャラのジャガーノートは、異常に高い攻撃力と防御力を持ったキャラ。パンチを一発食らっただけで体力ゲージが吹き飛び、何回攻撃しても全くのけぞらない。 --そしてCPU戦最後の敵であるマグニートーは、常時飛行するほどの機動力と繰り出される多彩な飛び道具、攻撃を完全にシャットアウトするフォースフィールド、圧倒的な見た目と破壊力を持つハイパーX「マグネティックショックウェイブ」など、このゲーム性やあのキャラ群の中においても最強の存在として君臨し、ゲームの難易度を高める超性能。 ---現在でこそ『カイザーナックル』のジェネラルや『すっごい!アルカナハート2』のパラセ・ルシアが有名だが、それ以前は彼こそが格ゲー最強のボスキャラであると言われてきたほど。 ---その性能は次作でプレイヤーキャラ化した際、相当な大幅下方修正が入ったほど。それでも最強クラスというのだから手に負えない。 --コマンドを入力して選べる隠しキャラは『スーパーストリートファイターIIX』にも登場した豪鬼。このゲームらしい機動力を持っているが、スパIIXそのままのグラフィックや必殺技の多さなど、あらゆる意味で他のキャラとは一線を画す。その出現コマンドは難解であり、隠しキャラという異端さからか多くのプレイヤーが豪鬼の選択に熱意を上げた。 ---ちなみに豪鬼を選ぶコマンドで失敗すると選ばれるのはシルバーサムライであり(ver.2.00以降。2P側はスパイラル)、彼を変な意味で有名にさせた。 ---余談だが、豪鬼の隠しキャラとして登場はマーベル社に完全に無断で行ったため、カプコンは相当マーベル社から怒られたらしい。後のシリーズ(MSH VS. SF)でも同じような事を繰り返しているのは凝りないというか……。 -グラフィックは全体的にハイレベル。アメコミらしいマッチョなキャラが、ヴァンパイアと同じく滑らかに生き生きと動く。特に女性キャラ3人の肉感的な艶やかさや、センチネルの超巨体とロボットらしい重量感のある動きは必見。 --キャラだけでなく背景やエフェクトも秀逸。ステージ背景はラウンドが終わったり次のラウンドが始まるときなどに様々な演出が入る、ステージによっては床が壊れて別のステージに降下するなど、見てて飽きさせない。 *問題点 -確かに操作の爽快感や見た目の派手さは特筆できるが、その駆け引きにストIIやヴァンパイアのような緻密さはなく、悪く言えば大味。 --また、投げから気絶が確定するコンボを持つキャラがいるなど、対戦バランスはかなり極端。 -バグが非常に多く、バグフィックスやバランス調整を行ったバージョンアップ版が、Ver1.00→Ver2.00→Ver2.01→Ver3.00と多数登場。 //普通にやってるだけでプレイに支障を来たすようなバグは起こらなかったと思いますが --バージョンアップに伴って極端に性能変更されたキャラもいる。アイスマンがそれで、必殺技「アイスビーム」の硬直を見れば一目瞭然。 -「コンボ補正が強すぎる」とは言ったものの、一方でかなりの個数で永久コンボが存在する。大半は画面端限定だが、中にはダッシュ通常技を当て続けるだけという幼稚なものも。 --バージョンアップごとに永久コンボの削除は試みられたものの、それでも数はとても多い。 -ガンビットやセイバートゥースなど原作での人気キャラを登場させていないキャラチョイスには不満の声も上がった。 --その不満を受けてか後にこの2キャラは後に『X-MEN VS. ストリートファイター』で使用キャラとして晴れて参戦を果たした。 *総評 ストIIの登場以降ほとんどの格闘ゲームがそれに準じたシステムを有してきた中、ストIIの制限を全く取っ払うという発想を高い技術とアイデアで完成させた、当時としては全く新しい格闘ゲーム。~ その自由度は後のいわゆる「コンボゲー」のプロトタイプとなったものと思われ、キャラゲーとして傑作である以上に(日本に馴染みの薄い作品なのでキャラゲーとして扱われにくいが)本作の存在価値は非常に大きい。 *その後 -次回作としてスパイダーマンやハルク、アベンジャーズの面々を登場させた『MARVEL SUPER HEROES』、ストリートファイターシリーズのキャラと競演させた『X-MEN VS. ストリートファイター』などがある。 --どちらかと言うと本作の個性は主にその派手さが継承されており、空中戦や個性的なキャラ性能などの独自の個性は薄れた感じのゲームとなっている。この路線はVS.シリーズ以降も受け継がれている。 ---先述のバグの多さから、開発者の負担が大きかったことが伺える。また本作のメイン企画やプログラマーなど主力開発者がカプコンを退社した(アリカを結成)ことも背景にあると思われる。 ---そういう意味もあって以降のVS.シリーズではなく、本作こそが面白いと推す声も多い。 -セガサターンで家庭用移植版が発売されている。キャラのアニメーションは削減されているが、それでも移植度は良好。

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