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*メタルスラッグ3 【めたるすらっぐすりー】 |ジャンル|アクションシューティング|CENTER:&amazon(B00014B1DU)&br()&amazon(B000087JH6)&br()&amazon(B00020PWQ0)| |対応機種|アーケード(MVS)、ネオジオ、プレイステーション2、Xbox|~| |メディア|【AC】ROMカートリッジ&br()【NG】708MbitROMカートリッジ&br()【PS2/Xb】DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|【AC/NG】SNK&br()【PS2/Xb】SNKプレイモア|~| |稼働開始日&br()発売日|【AC】2000年5月25日&br()【NG】2000年6月1日&br()【PS2】2003年6月19日&br()【Xb】2004年6月24日|~| |定価|【NG】33,600円&br()【PS2】7,140円&br()【Xb】5,040円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象&br()※PS2廉価版、Xbox版で付与されたレーティングを記載|~| |廉価版・配信|【PS2】SNK BEST COLLECTION:2004年11月18日発売/2,940円&br()Xbox LIVE ARCADE:2008年1月2日より配信/800マイクロソフトポイント|~| |備考|Wii・PS2・PSP用ソフト『メタルスラッグ コンプリート』内に本作が収録&br()※本概要はソフト単体で発売されているもののみ記載している|~| |>|>|CENTER:''[[メタルスラッグシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1043.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 世界に新秩序を打ち立てんとするモーデン元帥が企てた反乱戦争も過去の出来事となり、ようやく世界に秩序と平穏が戻り始めた。 復活したモーデンは新たなクーデター計画を企てていたが、事前に察知した正規軍の電撃的な奇襲作戦において、第2次クーデターは未発に終わった…。 モーデン反逆軍鎮圧に功のあったペルグリン・ファルコンズ隊のマルコとターマは除隊願いを受け付けてもらえず、ファルコンズのリーダーとして任務を続行することになった。~ モーデン元帥自身は行方不明とされているが、モーデン軍残党は今なお世界各地に潜伏しており、拠点を一つずつ破壊していくために彼らの能力と経験が必要とされていたのである。~ 残党との激しい戦いの中で、マルコとターマはモーデンの影を、3度目の野望を感じずにはいられなかった。 ヤツは生きている。 そして、あきらめてはいない。 一方、正規軍情報部所属の特務機関スパローズは、モーデン元帥の追跡と平行して、頻発する怪事件の調査を行っていた。~ 家畜の誘拐といったささいな事件から、要人の行方不明や生物の異常な巨大化などという何の関連もない複数の出来事が、一つの可能性を形成していく。 モーデン元帥とは違う、別の何かを。 情報部は半ば強引な形で、スパローズとファルコンズの共同作戦を実現させる。~ モーデン軍残党が潜んでいる孤島への強襲上陸作戦に、スパローズのメンバーを参加させて欲しいとの要請を承認させたのである。~ 分析の結果、モーデン軍残党と怪事件の間には何か関連があるはずだ、というのが理由であるが、正規軍上層部はもちろん一笑に付した。~ 異常成長した巨大生物と、モーデン軍との間に関連など、通常では考えられないからだ。~ しかし、情報部の事前工作が功を奏したのか、曖昧な形で要請は承認されてしまう…。 指揮系統の混乱を危惧した隊長マルコは当然猛反対したのだが、いつものように丁重に無視されて、上陸作戦は開始された。 肩をすくめるマルコ。 よぉ、と片手を上げるターマ。 ふん、とそっぽを向くエリ。 おひさしぶりですぅ、と笑顔のフィオ。 誰もが予想しない、新たな戦いの序曲が静かに奏でられ始めたのだが、その調べはあまりにもか細く、聞き取ることは難しかった。 そしてそのクライマックスは、かつてない激しさを伴っていたのである。  ※メタルスラッグ総合公式サイト内の紹介ページより、一部手を加えて転載。 ---- **概要 SNK(現・SNKプレイモア)より発売された、アクションシューティングゲーム『''メタルスラッグ(メタスラ)''』シリーズの第4作目。((本作の前に2のリメイクにあたる『メタルスラッグX』が出ているため、ナンバリングとしては3になるがトータルで4作目となる。))~ 一本道であったステージ構成に手を加え、今作より初めてルート分岐システムが採用され、これによりやり込み度も大幅に上昇。~ 新しい兵器や個性豊かな敵が多く追加され、内容も非常に濃いものとなったことで謳い文句に使っている『''史上最大の激闘''』の名に恥じないものとなった。 緻密なドットグラフィックや優れたアクション面は健在で、今もなおシリーズ最高傑作として挙げる者も少なくないタイトルとなっている。 ---- **評価点 -緻密なドットグラフィック --メタスラシリーズは一部を除いて、その職人技のドットグラフィックがウリであると言えるシリーズで、今作もそのドットグラフィックは健在。 ---キャラクターは2頭身だが、非常に細かい描写がなされており、今作の個性豊かな敵の群れと相まって敵の攻撃を受けてミスになる時の描写も溶かされたり焼死したり等、妙にリアルである。 ---それ故に、ある意味で残虐描写は強烈であるとも言えるので、苦手な人には辛いかも知れない。 ---とあるミッションで出る敵の攻撃を受けると、男性陣は骸骨化して消滅、女性陣は''なぜか服だけピンポイントで溶けてそのまま消滅する''流れになる。~ 勿論その場面のドットも非常に緻密なので、わざと女性キャラクター(エリ or フィオ)でプレイしてその敵の攻撃を喰らって死ぬ、なんてやっているプレイヤーもいたりする。~ もっとも、ハナからそれ目当てというのではなく、大抵はその前でミスして捨てゲーでやるか、あるいは家庭用でやる…と言うものだが。 -シリーズ随一の熱い演出 --2やXでも最終ボスで今まで敵であった反乱軍兵士との共闘等の場面はあったが、今作は更に熱い展開が用意されている。 ---中でも、最終面で敵対する宇宙人にプレイヤーキャラクターが捕縛されてから以降の展開は特筆もの。 -ルート分岐システム --ステージ自体は全5面構成((『1』~『X』までは全6面構成だった。))だが、それまでと比べると倍近いボリュームになっている。~ ルート次第でまったく違う敵やギミックが用意されているので何周してもあまり飽きがこないというのも魅力。 --また、これによりクリアを優先する上でのルートやスコアアタック向けのルートなどを構築する楽しみが出来た。 ---ただし、どのルートを通っても戦うボスは同じである点は僅かばかりだが批判意見もある。 -練られたゲームバランス --ぱっと見は「こんなのどう避けろって言うんだよ!」と言いたくなるようなものが多いが、その実、コツを掴めると実際に無理ゲーだと言わざるを得ないような場面はほとんどない。~ そう言う意味では「''やり込みは裏切らない''」を体現しているゲームであるとも言える。 ---ただし、「''ソル・デ・ロカ''」だけは「運ゲー」と言わざるを得ない事情を孕んでいる。詳しくは後述。 -質の高いBGM --シリーズを通じて評価の高い点であるが、今作もやはり新規作曲の曲も場面に良くあった良質の曲が揃っている。 -装備の互換性 --前作『X』で登場した従来の武装の強化版である「''ビッグ~''」シリーズ((「ヘヴィマシンガン」の強化版である「ビッグヘヴィマシンガン」など。))だが、前作ではそれぞれが別物として扱われていたが、今作では元が一緒であればビッグシリーズとそうでないものに弾の互換性が出来たことで、弾のストックが多少だがやりやすくなった。 -新要素「''ゾンビ化''」 --RPG風に言えばステータス異常の一種で、2面に登場する敵ゾンビの攻撃を受けると死亡ではなくこの状態になる。~ これまでにも存在した「ミイラ化」や「デブ状態」と違い部分的にメリットがあるのが特徴。 ---具体的には通常の火器、ナイフなどで死なない、手榴弾の代わりに通称「''吐血レーザー(吐血ビーム)''」((後に、シリーズのキャラクターである「マルコ・ロッシ」が『ネオジオバトルコロシアム』に登場した際もこの攻撃が超必殺技として採用されたが、その際は「エナジーエミッション」という名前が与えられている…が、そちらの作品ひっくるめて「吐血レーザー」などと言われている方が多い。))と呼ばれる攻撃を使える、といった点。~ 逆にデメリットは移動速度、ジャンプ力、振り向きの早さなどが低下する上、装備がハンドガンで固定されてしまう点が挙げられる。 ---- **問題点 -基本的な難易度の高さ --後続作品に比べればやり込めばどうにかなるだけ理不尽ではないが、それでも過去作に比べると難易度は大きく上昇しているため、シリーズ共通の仕様である生身の人間では1発喰らうとアウト、と言う仕様が余計にきつく感じられる。 ---シリーズ通じてのテクニックである「''鬼避け''」((乗り物(メタルスラッグなど)から飛び降りてから地面に着地するまでと乗り物に乗った直後の短時間の無敵時間を使って敵の攻撃をやり過ごすテクニック。『2』と『X』は飛び降りて地面に着地してからもしばらく無敵時間が続くため永久に無敵時間を継続できたが、本作では『1』同様の仕様…着地した直後に無敵時間が切れるので、乗り降りのタイミングも難しくなっている。))の重要度が非常に高くなっており、ラスボスなどはこれが使いこなせるか否かで難度が相当変わるものになっている。 -ルート間の格差が大きい --上に書いたが、確かにクリア優先のルートや点数優先のルートがあるのだが、大抵はそれらを兼ねているケースが多く、あからさまに難易度だけがいたずらに高いハズレルートがあったり等と、やり込む場合はともかくとしてもクリア目的と点数目的ならほぼ通るべきルートが決まってしまっている点を指摘する声も少なくない。 ---4面地下で直進すると(途中で低難度の「腐海」に逃げそびれると)入れる「旧正規軍アジト」はシリーズ最難関として今でも語り草となっている。 -最終ミッションの異常な長さ --1ミッションは大抵10分弱で行けるのだが、''最終ミッションだけは遅いと1時間近く、どんなに急いでも30分以上かかる''構成になっている。~ ミッションの展開は熱く、敵の配置や能力のおかげで間延び感はそれ程でもないが、流石に長すぎると言わざるを得ない。~ 更に、最終ミッションはルート分岐がないため、時間の短縮を図れるルートも存在しない。 ---- **悪夢のボス、ソル・デ・ロカ 本作を語る上で、ある意味避けては通れないものとして、ミッション4のボス「''ソル・デ・ロカ''」の存在が挙げられる。 このボスの攻撃パターンの中で、額の弱点部分から繰り出す黄色い弾が下手な弾幕シューティング以上に避けるのが難しいのである。~ 大抵のボスの攻撃は安全なパターンや対処法が存在するのだが…この攻撃に関しては所謂安全地帯もなく、弾をどこに飛ばすかは完全にランダムで当たり判定もでかいため、運が悪いと完全に回避不能な形で弾が飛んでくる。~ 更に、ある程度弾を撃ち込むとボスの姿が変色して更に攻撃が苛烈になるが、当然黄色い弾も弾数・スピード共に上がり、飛んでくるのがランダムなのは変わらないため、完全に運ゲー…と言うよりほぼ無理ゲーと化してしまう。~ そのため、この攻撃は「''発狂黄弾''」として多くのシリーズファンにトラウマを植え付けるものとして今も語り草になっている。 また、ソル・デ・ロカ自体が常に空を飛んでいる上に、弱点である額のコアにはショット以外当たらないため、威力の高い手榴弾は一切使えない。~ 加えて、戦闘中時折降ってくる捕虜((ミッション中で至る所に捕まっており、助けることでアイテムをくれる。))が状況的に有り難くない「ヘヴィマシンガン」((弾が散るので的の小さいソル・デ・ロカとの相性はよろしくない。))を出すことも少なくなく、ただでさえソル・デ・ロカの攻撃を凌ぐだけでも一苦労なのに更に捕虜がこちらの妨害をするというダブルパンチなため、難易度が更に跳ね上がっている所もある。 因みに黄色い弾以外は慣れればパターンで十分対処出来るものとなっている。 -赤弾…自キャラを狙いすました赤い弾を撃ってくる。左右に歩けば避けられるが、弾速が猛烈に速い。 -怪光線…口のような部分から地面をなぎ払うように紫色の光線を発する。触れるとプレイヤーが金貨になってミス。足場の端には当たらない。 -狼弾…空中に狼のような影が出現し、しばらく空中をさまよった後プレイヤーめがけて突っ込んでくる。当たり判定は地面にぶつかった後の爆風なのでその場ジャンプで避けることも可能で、ボスに撃ち込むチャンスでもある。 また、攻撃パターンも完全にランダムなようで、運が良ければ黄色い弾が一発も来ないまま倒すことも出来るが、その逆だと避けても避けても黄色い弾での攻撃連発、と言うまさしく悪夢のような状況にもなりかねない。~ そのため、黄色い弾に限らず、ソル・デ・ロカ自体が運ゲーとも言え、スコアラーの頭痛の種ともなっている。((クリアした時に救出していた捕虜の数に応じてボーナスが入るのだが、途中でミスしてしまうとそこまでに救出した捕虜は無効となってしまう。ソル・デ・ロカはボスであるため、ミッションの最後で戦うことになる。つまり、スコア目的のプレイの場合、ここでミスしてしまうとそれまでの努力が水泡に帰してしまうだけでなく、そのプレイ自体を捨てゲーせざるを得なくなる危険がある。)) **ソル・デ・ロカをハメる方法 ''「狼弾」を足場の無い部分へ突っ込ませる。すると、狼弾が炸裂できず地面付近をグルグル回り続け、ソル・デ・ロカは一切攻撃してこなくなる。''~ 卑怯なバグ技であるが、実行は比較的難しい上、運ゲーともいえるソル・デ・ロカへの対抗策と考えれば仕方が無いだろう。 ---- **総評 ソル・デ・ロカの運ゲーぶりは流石に問題な所もあるのだが、全体的には難しいものの、やり込めばやり込んだだけ結果として目に見えるようになっており、面の構成として一部を除いて詰みや無理ゲーと言ったような状況になりにくいので、手応えのあるアクションゲームをプレイしたいというのならば十二分にお薦め出来る作品である。~ 現状ではWii版『メタルスラッグ コンプリート』かXBLAの配信でのプレイが一番無難であろう。 //掲示板によるとメタコンはWii版が一番無難な出来になっているので追加。 ---- **余談 本作がSNK時代最後のメタルスラッグとなり、また、森気楼氏がシリーズのイラストを描いた最後の作品((Xと3を担当していた。))でもある。~ なお、上の概要の表にあるパッケージ画は一番上にあるネオジオ版以外は森気楼氏がカプコンに移籍したあとに発売したものとなるため、別の人間が描いたイラストになっている。 ---- **移植版の追加要素 本作がPS2/Xboxに移植するに当たって以下のモードが追加されている。 -アナザーミッション『ふとりの愛ランド』『UFO母船突入作戦』 --この2つのモードはシリーズのPS版の追加要素だったアナザーミッションを踏襲したモードとなっている。 -ふとりの愛ランド --ひたすら食べ物アイテムを取り太り続け、体重で勝敗を決めるモード。2人対戦がメインで、1人用は対戦の練習という形になっている。 --ちなみにこのミッション名はミッション1のタイトルである「ふたりの愛ランド」をもじったもの。 -UFO母船突入作戦 --最終面のラグネーム内部を部隊にモーデン軍を操るモード。 --ノーマル、バズーカ、シールドの3種の中から一人を選び、ゾロゾロついてくるモーデン兵を率いて最深部を目指す。キャラの性能がマルコ達に比べ低く、コンティニューができないため難易度は高め。 ちなみにPS2/Xbox版の説明書は非常に凝っており、世界観やメカニックの説明が書かれた説明書になっている。
*メタルスラッグ3 【めたるすらっぐすりー】 |ジャンル|アクションシューティング|CENTER:&amazon(B00014B1DU)&br()&amazon(B000087JH6)&br()&amazon(B00020PWQ0)| |対応機種|アーケード(MVS)、ネオジオ、プレイステーション2、Xbox|~| |メディア|【AC】ROMカートリッジ&br()【NG】708MbitROMカートリッジ&br()【PS2/Xb】DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|【AC/NG】SNK&br()【PS2/Xb】SNKプレイモア|~| |稼働開始日&br()発売日|【AC】2000年5月25日&br()【NG】2000年6月1日&br()【PS2】2003年6月19日&br()【Xb】2004年6月24日|~| |定価|【NG】33,600円&br()【PS2】7,140円&br()【Xb】5,040円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象&br()※PS2廉価版、Xbox版で付与されたレーティングを記載|~| |廉価版・配信|【PS2】SNK BEST COLLECTION:2004年11月18日発売/2,940円&br()Xbox LIVE ARCADE:2008年1月2日より配信/800マイクロソフトポイント|~| |備考|Wii・PS2・PSP用ソフト『メタルスラッグ コンプリート』内に本作が収録&br()※本概要はソフト単体で発売されているもののみ記載している|~| |>|>|CENTER:''[[メタルスラッグシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1043.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 世界に新秩序を打ち立てんとするモーデン元帥が企てた反乱戦争も過去の出来事となり、ようやく世界に秩序と平穏が戻り始めた。 復活したモーデンは新たなクーデター計画を企てていたが、事前に察知した正規軍の電撃的な奇襲作戦において、第2次クーデターは未発に終わった…。 モーデン反逆軍鎮圧に功のあったペルグリン・ファルコンズ隊のマルコとターマは除隊願いを受け付けてもらえず、ファルコンズのリーダーとして任務を続行することになった。~ モーデン元帥自身は行方不明とされているが、モーデン軍残党は今なお世界各地に潜伏しており、拠点を一つずつ破壊していくために彼らの能力と経験が必要とされていたのである。~ 残党との激しい戦いの中で、マルコとターマはモーデンの影を、3度目の野望を感じずにはいられなかった。 ヤツは生きている。 そして、あきらめてはいない。 一方、正規軍情報部所属の特務機関スパローズは、モーデン元帥の追跡と平行して、頻発する怪事件の調査を行っていた。~ 家畜の誘拐といったささいな事件から、要人の行方不明や生物の異常な巨大化などという何の関連もない複数の出来事が、一つの可能性を形成していく。 モーデン元帥とは違う、別の何かを。 情報部は半ば強引な形で、スパローズとファルコンズの共同作戦を実現させる。~ モーデン軍残党が潜んでいる孤島への強襲上陸作戦に、スパローズのメンバーを参加させて欲しいとの要請を承認させたのである。~ 分析の結果、モーデン軍残党と怪事件の間には何か関連があるはずだ、というのが理由であるが、正規軍上層部はもちろん一笑に付した。~ 異常成長した巨大生物と、モーデン軍との間に関連など、通常では考えられないからだ。~ しかし、情報部の事前工作が功を奏したのか、曖昧な形で要請は承認されてしまう…。 指揮系統の混乱を危惧した隊長マルコは当然猛反対したのだが、いつものように丁重に無視されて、上陸作戦は開始された。 肩をすくめるマルコ。 よぉ、と片手を上げるターマ。 ふん、とそっぽを向くエリ。 おひさしぶりですぅ、と笑顔のフィオ。 誰もが予想しない、新たな戦いの序曲が静かに奏でられ始めたのだが、その調べはあまりにもか細く、聞き取ることは難しかった。 そしてそのクライマックスは、かつてない激しさを伴っていたのである。 ※メタルスラッグ総合公式サイト内の紹介ページより、一部手を加えて転載。 ---- **概要 SNK(現・SNKプレイモア)より発売された、アクションシューティングゲーム『''メタルスラッグ(メタスラ)''』シリーズの第4作目。((本作の前に2のリメイクにあたる『メタルスラッグX』が出ているため、ナンバリングとしては3になるがトータルで4作目となる。))~ 一本道であったステージ構成に手を加え、今作より初めてルート分岐システムが採用され、これによりやり込み度も大幅に上昇。~ 新しい兵器や個性豊かな敵が多く追加され、内容も非常に濃いものとなったことで謳い文句に使っている「''史上最大の激闘''」の名に恥じないものとなった。 緻密なドットグラフィックや優れたアクション面は健在で、今もなおシリーズ最高傑作として挙げる者も少なくないタイトルとなっている。 ---- **評価点 -緻密なドットグラフィック --メタスラシリーズは一部を除いて、その職人技のドットグラフィックがウリであると言えるシリーズで、今作もそのドットグラフィックは健在。 ---キャラクターは2頭身だが、非常に細かい描写がなされており、今作の個性豊かな敵の群れと相まって敵の攻撃を受けてミスになる時の描写も溶かされたり焼死したり等、妙にリアルである。 ---それ故に、ある意味で残虐描写は強烈であるとも言えるので、苦手な人には辛いかも知れない。 ---とあるミッションで出る敵の攻撃を受けると、男性陣は骸骨化して消滅、女性陣は''なぜか服だけピンポイントで溶けてそのまま消滅する''流れになる。~ 勿論その場面のドットも非常に緻密なので、わざと女性キャラクター(エリ or フィオ)でプレイしてその敵の攻撃を喰らって死ぬ、なんてやっているプレイヤーもいたりする。~ もっとも、ハナからそれ目当てというのではなく、大抵はその前でミスして捨てゲーでやるか、あるいは家庭用でやる…と言うものだが。 -シリーズ随一の熱い演出 --2やXでも最終ボスで今まで敵であった反乱軍兵士との共闘等の場面はあったが、今作は更に熱い展開が用意されている。 ---中でも、最終面で敵対する宇宙人にプレイヤーキャラクターが捕縛されてから以降の展開は特筆もの。 -ルート分岐システム --ステージ自体は全5面構成((『1』~『X』までは全6面構成だった。))だが、それまでと比べると倍近いボリュームになっている。~ ルート次第でまったく違う敵やギミックが用意されているので何周してもあまり飽きがこないというのも魅力。 --また、これによりクリアを優先する上でのルートやスコアアタック向けのルートなどを構築する楽しみが出来た。 ---ただし、どのルートを通っても戦うボスは同じである点は僅かばかりだが批判意見もある。 -練られたゲームバランス --ぱっと見は「こんなのどう避けろって言うんだよ!」と言いたくなるようなものが多いが、その実、コツを掴めると実際に無理ゲーだと言わざるを得ないような場面はほとんどない。~ そう言う意味では「''やり込みは裏切らない''」を体現しているゲームであるとも言える。 ---ただし、「''ソル・デ・ロカ''」だけは「運ゲー」と言わざるを得ない事情を孕んでいる。詳しくは後述。 -質の高いBGM --シリーズを通じて評価の高い点であるが、今作もやはり新規作曲の曲も場面に良くあった良質の曲が揃っている。 -装備の互換性 --前作『X』で登場した従来の武装の強化版である「''ビッグ~''」シリーズ((「ヘヴィマシンガン」の強化版である「ビッグヘヴィマシンガン」など。))だが、前作ではそれぞれが別物として扱われていたが、今作では元が一緒であればビッグシリーズとそうでないものに弾の互換性が出来たことで、弾のストックが多少だがやりやすくなった。 -新要素「''ゾンビ化''」 --RPG風に言えばステータス異常の一種で、2面に登場する敵ゾンビの攻撃を受けると死亡ではなくこの状態になる。~ これまでにも存在した「ミイラ化」や「デブ状態」と違い部分的にメリットがあるのが特徴。 ---具体的には通常の火器、ナイフなどで死なない、手榴弾の代わりに通称「''吐血レーザー(吐血ビーム)''」((後に、シリーズのキャラクターである「マルコ・ロッシ」が『ネオジオバトルコロシアム』に登場した際もこの攻撃が超必殺技として採用されたが、その際は「エナジーエミッション」という名前が与えられている…が、そちらの作品ひっくるめて「吐血レーザー」などと言われている方が多い。))と呼ばれる攻撃を使える、といった点。~ 逆にデメリットは移動速度、ジャンプ力、振り向きの早さなどが低下する上、装備がハンドガンで固定されてしまう点が挙げられる。 ---- **問題点 -基本的な難易度の高さ --後続作品に比べればやり込めばどうにかなるだけ理不尽ではないが、それでも過去作に比べると難易度は大きく上昇しているため、シリーズ共通の仕様である生身の人間では1発喰らうとアウト、と言う仕様が余計にきつく感じられる。 ---シリーズ通じてのテクニックである「''鬼避け''」((乗り物(メタルスラッグなど)から飛び降りてから地面に着地するまでと乗り物に乗った直後の短時間の無敵時間を使って敵の攻撃をやり過ごすテクニック。『2』と『X』は飛び降りて地面に着地してからもしばらく無敵時間が続くため永久に無敵時間を継続できたが、本作では『1』同様の仕様…着地した直後に無敵時間が切れるので、乗り降りのタイミングも難しくなっている。))の重要度が非常に高くなっており、ラスボスなどはこれが使いこなせるか否かで難度が相当変わるものになっている。 -ルート間の格差が大きい --上に書いたが、確かにクリア優先のルートや点数優先のルートがあるのだが、大抵はそれらを兼ねているケースが多く、あからさまに難易度だけがいたずらに高いハズレルートがあったり等と、やり込む場合はともかくとしてもクリア目的と点数目的ならほぼ通るべきルートが決まってしまっている点を指摘する声も少なくない。 ---4面地下で直進すると(途中で低難度の「腐海」に逃げそびれると)入れる「旧正規軍アジト」はシリーズ最難関として今でも語り草となっている。 -最終ミッションの異常な長さ --1ミッションは大抵10分弱で行けるのだが、''最終ミッションだけは遅いと1時間近く、どんなに急いでも30分以上かかる''構成になっている。~ ミッションの展開は熱く、敵の配置や能力のおかげで間延び感はそれ程でもないが、流石に長すぎると言わざるを得ない。~ 更に、最終ミッションはルート分岐がないため、時間の短縮を図れるルートも存在しない。 ---- **悪夢のボス、ソル・デ・ロカ 本作を語る上で、ある意味避けては通れないものとして、ミッション4のボス「''ソル・デ・ロカ''」の存在が挙げられる。 このボスの攻撃パターンの中で、額の弱点部分から繰り出す黄色い弾が下手な弾幕シューティング以上に避けるのが難しいのである。~ 大抵のボスの攻撃は安全なパターンや対処法が存在するのだが…この攻撃に関しては所謂安全地帯もなく、弾をどこに飛ばすかは完全にランダムで当たり判定もでかいため、運が悪いと完全に回避不能な形で弾が飛んでくる。~ 更に、ある程度弾を撃ち込むとボスの姿が変色して更に攻撃が苛烈になるが、当然黄色い弾も弾数・スピード共に上がり、飛んでくるのがランダムなのは変わらないため、完全に運ゲー…と言うよりほぼ無理ゲーと化してしまう。~ そのため、この攻撃は「''発狂黄弾''」として多くのシリーズファンにトラウマを植え付けるものとして今も語り草になっている。 また、ソル・デ・ロカ自体が常に空を飛んでいる上に、弱点である額のコアにはショット以外当たらないため、威力の高い手榴弾は一切使えない。~ 加えて、戦闘中時折降ってくる捕虜((ミッション中で至る所に捕まっており、助けることでアイテムをくれる。))が状況的に有り難くない「ヘヴィマシンガン」((弾が散るので的の小さいソル・デ・ロカとの相性はよろしくない。))を出すことも少なくなく、ただでさえソル・デ・ロカの攻撃を凌ぐだけでも一苦労なのに更に捕虜がこちらの妨害をするというダブルパンチなため、難易度が更に跳ね上がっている所もある。 因みに黄色い弾以外は慣れればパターンで十分対処出来るものとなっている。 -赤弾…自キャラを狙いすました赤い弾を撃ってくる。左右に歩けば避けられるが、弾速が猛烈に速い。 -怪光線…口のような部分から地面をなぎ払うように紫色の光線を発する。触れるとプレイヤーが金貨になってミス。足場の端には当たらない。 -狼弾…空中に狼のような影が出現し、しばらく空中をさまよった後プレイヤーめがけて突っ込んでくる。当たり判定は地面にぶつかった後の爆風なのでその場ジャンプで避けることも可能で、ボスに撃ち込むチャンスでもある。 また、攻撃パターンも完全にランダムなようで、運が良ければ黄色い弾が一発も来ないまま倒すことも出来るが、その逆だと避けても避けても黄色い弾での攻撃連発、と言うまさしく悪夢のような状況にもなりかねない。~ そのため、黄色い弾に限らず、ソル・デ・ロカ自体が運ゲーとも言え、スコアラーの頭痛の種ともなっている((クリアした時に救出していた捕虜の数に応じてボーナスが入るのだが、途中でミスしてしまうとそこまでに救出した捕虜は無効となってしまう。ソル・デ・ロカはボスであるため、ミッションの最後で戦うことになる。つまり、スコア目的のプレイの場合、ここでミスしてしまうとそれまでの努力が水泡に帰してしまうだけでなく、そのプレイ自体を捨てゲーせざるを得なくなる危険がある。))。 **ソル・デ・ロカをハメる方法 ''「狼弾」を足場の無い部分へ突っ込ませる。すると、狼弾が炸裂できず地面付近をグルグル回り続け、ソル・デ・ロカは一切攻撃してこなくなる。''~ 卑怯なバグ技であるが、実行は比較的難しい上、運ゲーともいえるソル・デ・ロカへの対抗策と考えれば仕方が無いだろう。 ---- **総評 ソル・デ・ロカの運ゲーぶりは流石に問題な所もあるのだが、全体的には難しいものの、やり込めばやり込んだだけ結果として目に見えるようになっており、面の構成として一部を除いて詰みや無理ゲーと言ったような状況になりにくいので、手応えのあるアクションゲームをプレイしたいというのならば十二分にお薦め出来る作品である。~ 現状ではWii版『メタルスラッグ コンプリート』かXBLAの配信でのプレイが一番無難であろう。 //掲示板によるとメタコンはWii版が一番無難な出来になっているので追加。 ---- **余談 本作がSNK時代最後のメタルスラッグとなり、また、森気楼氏がシリーズのイラストを描いた最後の作品((Xと3を担当していた。))でもある。~ なお、上の概要の表にあるパッケージ画は一番上にあるネオジオ版以外は森気楼氏がカプコンに移籍したあとに発売したものとなるため、別の人間が描いたイラストになっている。 ---- **移植版の追加要素 本作がPS2/Xboxに移植するに当たって以下のモードが追加されている。 -アナザーミッション「ふとりの愛ランド」「UFO母船突入作戦」 --この2つのモードはシリーズのPS版の追加要素だったアナザーミッションを踏襲したモードとなっている。 -ふとりの愛ランド --ひたすら食べ物アイテムを取り太り続け、体重で勝敗を決めるモード。2人対戦がメインで、1人用は対戦の練習という形になっている。 --ちなみにこのミッション名はミッション1のタイトルである「ふたりの愛ランド」をもじったもの。 -UFO母船突入作戦 --最終面のラグネーム内部を部隊にモーデン軍を操るモード。 --ノーマル、バズーカ、シールドの3種の中から一人を選び、ゾロゾロついてくるモーデン兵を率いて最深部を目指す。 ---キャラの性能がマルコ達に比べ低く、コンティニューができないため難易度は高め。 ちなみにPS2/Xbox版の説明書は非常に凝っており、世界観やメカニックの説明が書かれた説明書になっている。

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