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*EVE burst error 【いぶ ばーすと えらー】 |ジャンル|AVG|&amazon(B00008HWIU)''写真はWindows版''| |対応機種|PC-9801VM/UM以降|~| |発売・開発元|シーズウェア(姫屋ソフト)|~| |発売日|1995年11月22日|~| |定価|8,800円|~| |レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~| ---- #contents(fromhere) ---- #center(){&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}} ---- **概要 -マルチサイトシステムによるサスペンスAVG。ストーリー重視のアダルトゲームの初期の作品。そしてコマンド選択式AVGとしては後期の作品。 -「泣き」の先駆け、剣乃ゆきひろ(現:管野ひろゆき)の代表作の一つ。 -剣乃作品にしては、珍しく時空の概念が出てこない作品。 **ストーリー 港のはずれにある古びた倉庫。天城小次郎はそこで「あまぎ探偵事務所」を開いていた。だが事務所は開いたばかり、しかもライセンス停止中。さらに場所が倉庫街では、客が来るはずもなかった。もっともこんな状況になったのも、自ら決めた事だ。彼は元々、有名事務所に勤めていた敏腕探偵だった。それがある事件を解決したせいで、そこを辞職する事になる。そして新たに個人探偵事務所を開き、再出発したのだ。 顧客が全く来ない状態で厳しい生活を強いられていた小次郎に、知り合いのカメラマンの紹介で仕事が入る。それは紛失した絵画を探して欲しいという内容だった。小次郎に選択の余地などある訳もなく、その仕事を引き受ける。そして依頼者の下に向うのだった。 オフィス街の一角にある、なんの変哲もないビル。だがそこにはとある公的機関が入っていた。内閣情報調査室。そこに鷹揚な態度の女性が入ってくる。法条まりな1級捜査官。スーパーエージェントと称される捜査官だ。彼女はアメリカから帰国したばかりだった。本部長と呼んでいる上司とは、お互い気の知れた仲。着飾らない会話の終わりに、さっそく次の任務が告げられる。 それは海外の要人護衛。対象はエルディア共和国という大使の娘。中東にあるその国は、政情不安テロが頻発してるとの事だった。その影響は遠く離れた日本にもあるようで、大使自らが外交筋に手を回し護衛任務を手配したのだ。護衛方法としては、大使の娘の専任講師という形を取る。ただ何故かその任務の経過報告は、口頭のみになっていた。引っかかりはあるものの、気を引き締めさっそく任務に向うまりなだった。 **特徴 -マルチサイトシステム --本作の大きな特徴の一つ。ゲームでは一般的にザッピングシステムと呼ばれる方式。このシステムのおかげで、秀逸なストーリーがさらに感慨深いものとなる。本作では「天城小次郎」と「法条まりな」の二人の主人公の視点からストーリーを進めていく。 --どちらのストーリーを、どのタイミングでやるかは自由。ただし、一方だけ進めるという事はできず、他方のストーリーが十分進んでない状態だと、やがて行き詰る。双方を進めながら謎を解明していく。 -キャラクター性の強い登場人物達。90年代の雰囲気はするものの、出てくるキャラクターは皆魅力的。このシリーズが長く続く事になったのも、彼等の存在が多分にある。 -ストーリー展開はシリーズ屈指の出来。双方の視点の要素が少しづつ絡み合いながら、二転三転するストーリー。そして剣乃ゆきひろならではの、深い余韻を残す意外な結末。本作の評価を高めている大きな要素。 -システム自体はオーソドックスなコマンド選択式。 -アダルトゲームだが、アダルト要素は少なく、なくてもいい程度。そうは言っても、なんの手も加えずにアダルトパートだけ除いても不自然にはなる。一般向けとして出したSS版は、この問題が一部発生している。 **難点 -コマンド選択式にありがちな無駄な選択が多い。 --遊びの選択枝があちこちにあるのだが、頻繁にあるためプレイをなごますよりコマンド選択の手間を増やすだけとなってしまっている。 --フラグのコマンドが分かりづらいものがあり、文字通り総当りを強いられる。同一コマンドを何度も選択しないとフラグが立たなかったり、あえて行く必要はなさそうな台詞が事前にあるのに、行くとそこがフラグだったりする等。 --ザッピングシステムのため、一方の話が十分進んでないと行き詰るのだが、行き詰ってるのか探索が不十分なのかが解り難い。上記のフラグの分かりにくさと合わせ、これまた無駄なコマンド選択をしてしまう理由の一つ。 -純粋な推理ものという点からは、今一歩な面も。特に最後の犯人当ては初回で当てることはほぼ不可能。説明を受けてもかなり納得の出来かねる話になってしまっている。 -アダルトゲームのためか、下ネタ的軽口がよく出てくる。 **総評 ザッピングシステムを生かし、一見無関係な二人の主人公達の話が少しずつ絡み合い、やがて一つへ収束盛り上がる様は見事と言う他ない。さらになんともいえないラストの後のせつなさ漂う余韻。そしてそれらを魅力的なキャラクター達が、色濃いものへと高めていく。 コマンド選択式AVGにありがちな、無駄なコマンド選択がやや気になるものの、そのストーリーは味わう価値が十分にある。 **余談 -本作は様々な機種に移植された。SS版、Windows版、PS2版、PSP版がある。~ その中でも異色なのが[[PSP版>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1549.html]]で、システムをノベル式に変更しキャラクターを新規にデザインした上、設定・シナリオの一部まで変更されている。~ もはや同一のゲームとは思えないイメージとなり、旧来のファンからは不評だった。 -又本作はシリーズ化され、続編がコンシューマー展開される。しかし、その時点で剣乃ゆきひろはシーズウェア(姫屋ソフト)を退社しており続編には関わっていない。~ さらに作品毎に脚本家が変わり、シリーズものながらも作風の安定感が今一歩。評価もばらつきがあり、本作がシリーズ最高傑作との呼び声が高い。 -本作の一部キャラは本作以前に発売された「悦楽の学園」というアダルトゲームにも登場している。製作は同じく剣乃ひろゆき。ただしこちらは単なるエロゲーで、そもそも本作自体がこの「悦楽の学園」の続編という形でスタートしたものである。出来上がったものは全く違ったものとなったようだ。 ----
*EVE burst error 【いぶ ばーすと えらー】 |ジャンル|AVG|&amazon(B00008HWIU)''写真はWindows版''| |対応機種|PC-9801VM/UM以降|~| |発売・開発元|シーズウェア(姫屋ソフト)|~| |発売日|1995年11月22日|~| |定価|8,800円|~| |レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~| ---- #contents(fromhere) ---- #center(){&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}} ---- **概要 -マルチサイトシステムによるサスペンスAVG。ストーリー重視のアダルトゲームの初期の作品。そしてコマンド選択式AVGとしては後期の作品。 -「泣き」の先駆け、剣乃ゆきひろ(現:管野ひろゆき)の代表作の一つ。 -剣乃作品にしては、珍しく時空の概念が出てこない作品。 **ストーリー 港のはずれにある古びた倉庫。天城小次郎はそこで「あまぎ探偵事務所」を開いていた。だが事務所は開いたばかり、しかもライセンス停止中。さらに場所が倉庫街では、客が来るはずもなかった。もっともこんな状況になったのも、自ら決めた事だ。彼は元々、有名事務所に勤めていた敏腕探偵だった。それがある事件を解決したせいで、そこを辞職する事になる。そして新たに個人探偵事務所を開き、再出発したのだ。 顧客が全く来ない状態で厳しい生活を強いられていた小次郎に、知り合いのカメラマンの紹介で仕事が入る。それは紛失した絵画を探して欲しいという内容だった。小次郎に選択の余地などある訳もなく、その仕事を引き受ける。そして依頼者の下に向うのだった。 オフィス街の一角にある、なんの変哲もないビル。だがそこにはとある公的機関が入っていた。内閣情報調査室。そこに鷹揚な態度の女性が入ってくる。法条まりな1級捜査官。スーパーエージェントと称される捜査官だ。彼女はアメリカから帰国したばかりだった。本部長と呼んでいる上司とは、お互い気の知れた仲。着飾らない会話の終わりに、さっそく次の任務が告げられる。 それは海外の要人護衛。対象はエルディア共和国という大使の娘。中東にあるその国は、政情不安テロが頻発してるとの事だった。その影響は遠く離れた日本にもあるようで、大使自らが外交筋に手を回し護衛任務を手配したのだ。護衛方法としては、大使の娘の専任講師という形を取る。ただ何故かその任務の経過報告は、口頭のみになっていた。引っかかりはあるものの、気を引き締めさっそく任務に向うまりなだった。 **特徴 -マルチサイトシステム --本作の大きな特徴の一つ。ゲームでは一般的にザッピングシステムと呼ばれる方式。このシステムのおかげで、秀逸なストーリーがさらに感慨深いものとなる。本作では「天城小次郎」と「法条まりな」の二人の主人公の視点からストーリーを進めていく。 --どちらのストーリーを、どのタイミングでやるかは自由。ただし、一方だけ進めるという事はできず、他方のストーリーが十分進んでない状態だと、やがて行き詰る。双方を進めながら謎を解明していく。 -キャラクター性の強い登場人物達。90年代の雰囲気はするものの、出てくるキャラクターは皆魅力的。このシリーズが長く続く事になったのも、彼等の存在が多分にある。 -ストーリー展開はシリーズ屈指の出来。双方の視点の要素が少しづつ絡み合いながら、二転三転するストーリー。そして剣乃ゆきひろならではの、深い余韻を残す意外な結末。本作の評価を高めている大きな要素。 -システム自体はオーソドックスなコマンド選択式。 --ストーリーを進めるのに必要なコマンド以外にも様々な行動が可能。主人公に空気椅子をさせたり、話している相手の髭を引っ張れたりなどお遊び要素も満載。 -アダルトゲームだが、アダルト要素は少なく、なくてもいい程度。そうは言っても、なんの手も加えずにアダルトパートだけ除いても不自然にはなる。一般向けとして出したSS版は、この問題が一部発生している。 **難点 -コマンド選択式にありがちな無駄な選択が多い。 --上記の通り遊びの選択枝があちこちにあるのだが、頻繁にあるためプレイをなごますよりコマンド選択の手間を増やすだけとなってしまっている。 --フラグのコマンドが分かりづらいものがあり、文字通り総当りを強いられる。同一コマンドを何度も選択しないとフラグが立たなかったり、あえて行く必要はなさそうな台詞が事前にあるのに、行くとそこがフラグだったりする等。 --ザッピングシステムのため、一方の話が十分進んでないと行き詰るのだが、行き詰ってるのか探索が不十分なのかが解り難い。上記のフラグの分かりにくさと合わせ、これまた無駄なコマンド選択をしてしまう理由の一つ。 -純粋な推理ものという点からは、今一歩な面も。特に最後の犯人当ては初回で当てることはほぼ不可能。説明を受けてもかなり納得の出来かねる話になってしまっている。 -アダルトゲームのためか、下ネタ的軽口がよく出てくる。 **総評 ザッピングシステムを生かし、一見無関係な二人の主人公達の話が少しずつ絡み合い、やがて一つへ収束盛り上がる様は見事と言う他ない。さらになんともいえないラストの後のせつなさ漂う余韻。そしてそれらを魅力的なキャラクター達が、色濃いものへと高めていく。 コマンド選択式AVGにありがちな、無駄なコマンド選択がやや気になるものの、そのストーリーは味わう価値が十分にある。 **余談 -本作は様々な機種に移植された。SS版、Windows版、PS2版、PSP版がある。 --アダルト要素を排除し、声優によるボイスを追加したのがSS版であり、特に人気がある。一般的に『EVE burst error』と言えばこちらが有名。そのSS版をPCに逆移植したのがWindows版である。 --PS2版『EVE burst error PLUS』はストーリーこそ同じだが、キャラクターデザインや画面のレイアウトを大胆に変更してある。その為、原作ファンからは不満の声が上がったが、グラフィックやシステム周りの快適さは向上しており、入手も容易である為、今からプレイするなら「原作の絵じゃなきゃ嫌だ!」という人でなければこちらがオススメ。 ---尚、このPS2版はアダルト要素を追加して『EVE』のタイトルでPCに移植されている。声優はPS2版と異なる。 --これらの中でも異色なのがPSP版『[[バーストエラー イブ・ザ・ファースト>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1549.html]]』で、システムをノベル式に変更しキャラクターを新規にデザインした上、設定・シナリオの一部まで変更されている。~ もはや同一のゲームとは思えないイメージとなり、旧来のファンからは不評だった。詳しくは当該記事を参照。 -又本作はシリーズ化され、続編がコンシューマー展開される。しかし、その時点で剣乃ゆきひろはシーズウェア(姫屋ソフト)を退社しており続編には関わっていない。~ さらに作品毎に脚本家が変わり、シリーズものながらも作風の安定感が今一歩。評価もばらつきがあり、本作がシリーズ最高傑作との呼び声が高い。 -本作の一部キャラは本作以前に発売された「悦楽の学園」というアダルトゲームにも登場している。製作は同じく剣乃ひろゆき。ただしこちらは単なるエロゲーで、そもそも本作自体がこの「悦楽の学園」の続編という形でスタートしたものである。出来上がったものは全く違ったものとなったようだ。 ----

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