「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS - (2013/06/07 (金) 10:26:52) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS 【すーぱーろぼっとたいせんおーじー おりじなるじぇねれーしょんず】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000FGPHM0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|バンプレソフト&br()トーセ|~| |発売日|2007年6月28日|~| |定価|7,329円(税込)|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2008年8月7日/2,940円(税込)|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/287.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームボーイアドバンスで発売された『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』(以下GBA版「OG1」)とその続編『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2』(以下GBA版「OG2」)を一つにまとめたもの。ベタ移植ではなく機体やキャラ、システムの追加やバランス調整が行われたほか、OVA版のシナリオをベースにしたオマケシナリオ『OG2.5』が追加されている。「OG1」「OG2」はともにバンプレソフトが開発であったため本作もそうだと思われていたが、実際は『MX』組が担当している。そのためグラフィックの雰囲気やインターフェース、操作感は『MX』に準じている。通称は「OGS」や「OGs」など。 **特徴・長所 ***スパロボ史上最大のボリューム -本作は「OG1」が全42話、「OG2」が全50話、「OG2.5」が全12話で構成されており、「OG1」から「OG2.5」まで通しでプレイした場合の合計話数は''全104話''。今までのスパロボ史上最長だった『IMPACT』の全101話を超える、スパロボ史上最大のボリュームとなっている。 --ただし、本作は「OG1」と「OG2」は別々にプレイできるうえに単独での周回プレイや資金、PPの引き継ぎもできる。難易度も『IMPACT』程ではないためプレイもそこまで苦痛ではない。 ***シナリオ、設定の一部変更 -大筋のシナリオはGBA版から変化はないが、「OG1」のアニメ版『ディバイン・ウォーズ』(以下『DW』)の設定やシナリオが一部取り込まれている。((クスハがリュウセイに片思いではない、など。)) -GBA版「OG2」で大顰蹙を買ったアクセルはテキストが一新。ほとんど別人と言えるほどに性格や言動が変化した。いわゆる正統派ライバルキャラに近い言動になっているため、この改変についてはプレイヤーからも概ね好意的に受け止められている。近年でもスパロボに限らず多くの移植作品でシナリオに何らかの改変が行われているが、殆どが原作ファンから反感をかってしまう所謂「改悪」といった事が多い中、本作のそれは珍しい「改良」の例である。 ***機体、キャラクター、シナリオの追加 -GBA版には登場しなかった『R』のエクサランスチームと、『コンパチヒーローシリーズ』からファイター・ロアとコンパチブルカイザーがまさかの参戦を果たし、ファンを大いに沸かせた。なお、どちらもOGシリーズ参戦にあたり、いくつか設定が変更されている。 --さらに「OG2.5」では『COMPACT3』のオリジナル勢「修羅」が参戦した。もともと『COMPACT3』自体がマイナーな作品だったうえに事前告知一切無しのサプライズ参戦だったため、プレイヤーを大いに驚かせた。 --それ以外にも敵、味方ともに新機体が多数追加されている。特にギリアムは「ヒーロー戦記」を彷彿とさせる専用機と専用BGM(タイトルテーマをリメイクしたもの)をひっさげて登場し、古参シリーズファンを号泣させた。 ---敵の新機体はGBA版の敵と置き換える形になっているため、ステージの難易度はGBA版とはやや異なる。 -シナリオ面では、『DW』のキョウスケ編にあたる漫画『Record of ATX』を執筆した八房龍之助氏が新たに参加。氏が執筆した漫画がステージとして再現されたほか、漫画の登場人物も一部設定を変更されて参戦している。 --また、GBA版では冒頭に少しだけしか語られなかった「向こう側」でのエピソードが追加。今まで断片的に語られるだけだったベーオウルフこと「向こう側のキョウスケ」が遂に登場した。ネタバレになるため詳細は伏せるが、「こちら側のキョウスケ」とは似ても似つかぬその言動と表情は多くのプレイヤーを驚愕させた。 ***システム -基本的にGBA版のOGシリーズで導入されたシステムはそのまま搭載し、その上でいくつか新しいシステムが追加されている。また、これらのシステムや新機体の追加によって全体的な難易度はGBA版と比べても低くなり、初心者でも遊び易くなった。 --GBA版OG2から採用されたフル改造ボーナス(+カスタムボーナス)、エースボーナス、EX-HARDモード、スペシャルモードがOG1シナリオにも適用されている。 ''ツインバトルシステム'' -ユニット同士を隣接させると「合流」でき、2機1組のツインユニットになる。逆にツインユニットを単機に戻す「解散」も可能。αシリーズの小隊制に近いもので、後の『K』や『L』に搭載される「パートナーバトルシステム」の原型とも言える。本作ではある程度気力を上げないと合流できず、ステージ開始直後は単機での出撃となる。 --この状態になると能力に機体特性に応じたボーナス修正がかかる、2機で集中攻撃ができるため撤退するボスを倒しやすい等のメリットがある。 --さらに、7つめの精神コマンド「ツイン精神コマンド」が使えるようになる。OGシリーズでは採用されていなかった「魂」や「闘志」といった強力な精神コマンドが使えるのが魅力。 -反面、ユニット数が減ってしまうため手数が減る、中盤以降は敵もツインユニットを組むため殲滅に時間がかかる等のデメリットがある。 -ツインユニットをまとめて攻撃できるALL武器、『MX』以来となる隣接した敵を同時に攻撃できるダブルアタックが実装された。なお、どちらも援護攻撃には組み込めないため、これらの武装を持つ機体の運用がGBA版とは若干変化している。 ''特殊弾'' -本作では「地形適応陸↑」などの素材が入手でき、2種類または3種類の素材を組み合わせて特殊弾を開発できる。これを実弾系の換装武器に装填することで武器の性能を変化させることができる。なお、改造と違い攻撃力の他にも射程や地形適応、弾数なども変化させることができる。特殊弾の効果は原則として素材の効果を反映するが、特定の組み合わせでは独自の追加効果(装甲値の低下など)が得られるものもある。 --武器にもプレイヤーの好みを反映させられるようになり、「これは特殊効果用」「こっちは万能」といった使い分けもできるようになった。 -ただし完全にノーヒント。積極的に検証するか、偶然に頼るか、あるいは攻略サイトなどを見ない限りまず気づかない。 ***戦闘アニメの進化 -プラットフォームがPS2になったことで当然のように戦闘アニメがフルアニメーション化された。 --そのクオリティは現在でもスパロボ最高峰とまで言われるほど。換装武器や通常武器は割とあっさりしているが、必殺技や合体攻撃は見応え抜群。とにかく動きまくる。カットインもキャラ、機体共に豊富で一部の攻撃にはトドメ演出まで用意されている。『第2次α』ではもっさり気味だったビルトビルガーや龍虎王の動きも劇的に改善された。 --機体のグラフィックは3頭身が基本となり、非常に格好良くなっている。 --スパロボ恒例の乳揺れカットインも健在。ただし、『第3次α』などと比べると控えめでさほど目立たない。 -やや古い作品に関しては「オリジナルのアニメーションを踏襲しつつ現在の水準に昇華する」という試みが図られ、これらが上手い具合に機能している。設定画でのみ存在していたギミックも使えそうなものは可能な限りピックアップされており、スタッフの苦心がわかる。 -初登場時にもいろいろ物議を醸したフェアリオンのロイヤルハートブレイカーも''別の意味で''さらに進化。これ本当にスパロボか?と疑いたくなること必至。動画サイトなどにも投稿されているので、気になった方は探してみてほしい。 ***豊富なボイス -戦闘台詞もフルボイスとなった。ほとんどのキャラはオリジナルキャストを起用しているが、一部のキャラはキャストが変更されている。 --変更はおおむね問題なく受け入れられている。特にウェンドロ役の甲斐田ゆきの力の入れ様は凄まじく、怪演と呼べる域にまで達している。 -本作は版権スパロボと比べて乗り換えの制限が少ないうえに換装武器があるため、1人あたりの台詞のバリエーションがスパロボでもトップクラスに多い。通常の台詞以外にも、特定機体搭乗時における回避や被弾時、特定の敵との戦闘、関係のある者への援護など、膨大な量の特殊戦闘台詞が用意されている。すべてを聞いた人が果たしているかどうか…。 --普段戦闘をカットしがちな敵の一般兵すらも例外ではなく、こちらの機体に対し様々なリアクションを取ってくれる。 -フルボイス化した影響かネタ台詞も大幅増。中の人ネタその他諸々を絡めてくるタスク&エクセレン、武器の名前を変えて叫びまくるリュウセイ、''そのリュウセイの影響で武器名を叫ぶようになってしまったラトゥーニ''((叫ぶときにだいたい「リュウセイみたいにやってみる」と前置きすることから、ファンからは「リュウセイ病」と名付けられた。))など、台詞のカオスっぷりもスパロボ史上トップクラス。 --ただし、ラトゥーニに関しては「ギャップがあってかわいい」とする意見が存在する一方で「やりすぎ」「キャラが崩壊している」等の否定的な意見が多いのも事実であり、賛否両論ではある。 -中でも旧シリーズファン感涙ものの必殺技「究極!ゲシュペンストキック」は使う時に''叫ぶのがお約束''とされたため、普段から叫ぶリュウセイやイルムはおろか、クールなライやヴィレッタまでもが熱いシャウトを聞かせてくれる。一方でエクセレンなどは各種ネタを仕込むなど、むしろ声優さんがやりたい放題である。特にマイは普段の物静かなキャラと180°異なる''声が裏返るほどの絶叫''を披露し、ファンから「''キックの女王''」と渾名された。逆に「中の人が絶叫でマイクを破壊した」伝説を持つキョウスケは特に叫ばなかったため、「''ガッカリウルフ''」という不名誉な渾名をつけられてしまった((続編の『OG外伝』では声が裏返るほどの絶叫を披露し「シッカリウルフ」「ヤッタゼウルフ」などと渾名され見事汚名を返上した。))。 ***BGM -『α』シリーズを担当していたサラマンダー・ファクトリーと『IMPACT』や『MX』のコンポーザーが共同で作曲に当たった結果、近年の演出重視の据え置きスパロボの中でも極めて良質のBGMが実現した。カイやジャーダ&ガーネットのBGMなどは脇役とは思えないほどのクオリティ。 --一部のボスクラスのキャラにも新しく専用曲が用意された。中でもウェンドロに追加された新専用曲「裁く者、裁かれし者」((GBA版では旧シリーズの「VIOLENT BATTLE」が使用されていた。))も好評を得ており、敵としては1度しか戦う事がない彼の存在をプレイヤーに強く印象付けた。 --また、「OG2.5」でないと聞けないが『R』に登場するデュミナス配下の3人組にも専用BGM「BE A PERFECT」が追加されており、こちらも好評を得ている。 -据え置き機になったため曲数も大幅に増加。GBA版では収録されていなかった「VANISHING TROOPER」「鋼鉄のコクピット」「WILD FLUG」はもちろんのこと、ほとんどの味方キャラが自分の専用曲を持つことになった。またα主人公などはペアで1曲となる…2人ほど除いて。 --タスクはα主人公であるにも関わらず何故か専用曲が用意されなかった((相方のレオナは専用曲が用意されたが、曲名や曲調から完全に「レオナの専用曲」であり、タスクとの共用曲ではない。))ため、ネタにされることもあった。なお、「OG外伝」ではタスクにも専用曲?が用意された。 --専用曲?な理由は、曲名からすると本人用ではなく機体をイメージして作られたBGMであるため。このような曲は他に「我二敵ナシ」や「ACE ATTACKER」等があるのだが、前者は乗り換え不可機体、後者は乗り換え可だがパイロット側にも専用BGMが存在している。タスクは本人をイメージしたBGMが存在しないにも拘らず、彼用に用意された機体には『誰でも乗れる』のが涙を誘う。 --逆にブリットは「専用機体のBGM」はあるが「キャラの専用BGM」はない。彼の場合、「OG外伝」でも追加されなかったりとある意味タスクより不遇に見えるが、ブリットに用意された機体は乗り換え不可であり、機体BGM=彼のBGM同然なので、前述のタスクの項を見るに不遇っぷりは五十歩百歩であろう。((なおブリットは『第3次α』ではキャラの専用曲が用意されているので、「OGシリーズでは専用曲がない」といった方が正しい。))。 ***オプション関連 -機体およびキャラクター辞典、用語集、BGM試聴、シナリオチャートなどが追加された。 --また、本編の会話中でもわかりにくい単語が出ると用語集の該当項目にジャンプできるようになったため、スパロボ初心者でも割とすんなり物語に入れる。 -ステレオ/モノラルの切り替えが可能。 --PS2以降、ほぼ全ての作品ではステレオ固定となっていたので、モノラルテレビを使っている人には嬉しい機能となった。 **短所 -全体的な難易度はGBA版より下がっているが、「OG2.5」だけはかなり高い。シナリオが短い割にキャラや機体の入れ替わりが激しく思うように強化できない上、敵の強化速度が味方より遙かに速い。さらに精神コマンドコンボまで使ってくることもあるため、配置などを間違えるとあっさり詰んでしまう。 --未完とはいえシナリオもどちらかというと鬱気味で結末もバッドエンドに近いので、それらに耐性がない方はプレイしない方がいいかもしれない。 ---というよりおとなしく『OG外伝』をプレイした方がいいかも((OG外伝はOGsのクリア回数に応じて初期資金にボーナスが入るので、決して無駄という訳ではないが。))。 -PVでも大々的に参戦が告知されていたにも関わらず、新キャラの出番がかなり少ない。 --もともとGBA版で完結していたところに新キャラを入れたためか、あまりストーリーに絡まない。本格的な活躍は外伝からとなる。 ---ファイター・ロア&コンパチブルカイザーに至っては、おまけ要素とも言えるOG2.5にしか登場しない。宣伝詐欺と言えるレベル。 -『DW』準拠と言うことで、多くのキャラが普段は軍服を着ており、カットインでもパイロットスーツを着るようになった(OG2以降で顕著)。特にラトゥーニは代名詞とも言えるゴスロリ服がイベント及び合体攻撃時限定になってしまったため、多くのファンが涙した。また、アイビスやスレイは設定どおりそれらしい宇宙服を着るようになったがこれが非常にむさく、ファンの間から''金魚鉢''と揶揄されている。 --「キャラは素晴らしいが服飾センスに難がある((私服制服問わず、用途不明なハーネス・プロテクター・サスペンダーなどを過剰に盛り込んでしまう悪癖がある。))」河野さち子デザインの問題は古くより言われていたことであり、アイビスだけに問題があるわけではない。彼女たちのデザインの悪さが特に目につくのも事実だが。 --確かに、本作のキャラはほぼ全員が軍人もしくは軍属であるため軍服を着るのは当然であり、戦闘でも生存率を考えればパイロットスーツを着ない方がおかしい。だが、今までのスパロボはグラフィック面でそういったリアリティと無縁であった事もあり、軍服・パイロットスーツへの変化には否定意見も多い。特にパイロットスーツに関しては、似たようなデザインでキャラクターの個性が薄れる上に、パイロットスーツを着ていないキャラも多く、その法則が非常に不明瞭((同じ民間人でも、アイビスやリューネはパイロットスーツだが、ラウルやゼンガー等は私服。ラミアに至っては軍属にも関わらず私服。))。リアリティと言う面でも不徹底である。 ---特に、版権スパロボに主人公等として出ていた私服キャラに対しては、思い入れ、キャラのイメージ等の点から「軍属とかの常識的な設定よりもお祭りゲーなんだし当初のデザインを貫いて欲しい」といった意見も根強い。 ---これは好みが別れる為短所というより賛否両論点だが、パイロットスーツはその頑丈さゆえに所謂「乳揺れ」カットインが少なく、その手の要素を好むプレイヤーからは非常に不評。 -「ラッキー」というレベル制の技能はGBA版と同様、OG1ではきちんとレベルが上昇し、目に見える効果を発揮していくのだが、OG2に入るとなぜかレベル1(発生確率1/64)で固定となる。エースボーナスで強化できるキャラはともかく、そうでないキャラにとってはその効果をほとんど実感できず、死に技能に等しい((他の技能で上書きして潰すこともできず技能枠をひとつ食い潰しているため、その価値はゼロどころかマイナスである。))。 -近年のスパロボ全般に言えるが、SP回復の習得が前提のバランスとなっている。 --本作に限らず、GBA版や昨今の他のスパロボでも常識となっているバランスだが、育成の自由度を狭めてしまっている。そのためか、後のシリーズでは改善されている。 -キャラによってセリフのボキャブラリーの差が激しすぎる。 --専用台詞のない固有技を探すほうが難しいエクセレンと比べてラーダやギリアムなどは汎用台詞ばかりで乗り換えの楽しみがない。 ---また、カットイン自体も似たようなアングルばかりで汎用的なものが多い。これは乗り換えた際一部カットインで機体のコクピットも表示する仕様となった(=アングルの統一が必要だった)ためである。 -龍虎王やダイゼンガーは高威力高消費を売りとしている機体だが、改造効率が非常に悪いため改造によって対応する機体の攻撃力と匹敵及び逆転する。OG外伝で修正された。 -本作の合体攻撃はかなり強力(元々の攻撃力も高いが、パートナー同士でツインを組むとさらに補正が入る)で、バランスブレイカーになり得る。 --例えば、OG1ではSRXの最大攻撃より、合体攻撃のランページゴーストの方が数値上でも攻撃力が高くなる。そこに補正が入るので実際にはそれ以上の差が…。 -前述のツイン精神コマンドだが、強力なものとそうでないものの差が極端でそれぞれの習得人数にも大きな差がある。例えば、大激励は習得者がたった二人(うち一人はOG1のみ)しか存在しない。 --ツインではないが、通常コマンドの中にも脱力(習得者一人のみ)、補給(習得者二人。内一人はOG1限定)など習得者が偏っているものがある。 ---もちろん強力な精神を多くのキャラがほいほい使えたらそちらの方が問題ではあるのだが、本作の「レア精神」は他のスパロボシリーズに比べてもさらに稀少。また、脱力は重ねがけする事で高い効果を発揮する精神コマンドなので、習得者1名ではほぼ死に精神に近い。 -標的を1ターンの間完全に行動不能にする特殊弾「スタンショック」が強すぎる。ボス級の敵は大抵この効果を無効化する能力を備えているのだが、精神コマンド「直撃」で突破できてしまう。ラスボスさえも一方的に集中攻撃することができ、あまりに味気が無い。 --一応、スタンショック自体は隠し要素((正確には換装武器としては入手できず、装備した機体が隠し機体。))であり、何より自重すれば良いだけの話ではある。 -本当に解説が必要な用語に限って解説がない。バッジシステムはググればわかるが、LIEONシステム(大雑把に言うと機体制御OS)はコアなファンでないとわからない。TPLテストやALCといった単語は会話の流れでざっくりとしかわからず詳細不明。 ***バグ -飛行形態のビルトラプターにツインユニットを組ませ、アンダーキャノンを使わせた上でアニメーションをONにするとフリーズすることがある。作中でも欠陥を抱えていたという設定であるため''リアル欠陥機''として恐れられる羽目になった。後のOG外伝では修正された模様。 --型番やロットによるのか全くならない人もおり、明確な条件は不明。 **総評 移植の完成度もさることながら、追加要素やネタの豊富さ、戦闘関連の演出の大幅な向上と、ただの移植ではない良リメイク作としてファンの間では現在でも評価が高い。度重なる延期(後述)にもかかわらず、累計で約45万本(ファミ通調べ)という版権スパロボに迫る売り上げを叩き出してスパロボオリジナルの人気の高さを見せつけ、OGシリーズの地位を不動のものとした。~ もともとスパロボのオリジナルキャラクターのみで構成されている上、(「OG2.5」を除けば)難易度もそこまで高くはなく、キャラクターや機体の説明、用語集などによるサポートもあるため、「スパロボをやってみたいけど版権作品はあまり知らない」というプレイヤーやスパロボ初心者にもお勧め。~ 大張正己氏が監督を務め、「OG2」をアニメ化した『ジ・インスペクター』、スピンオフ作品『無限のフロンティア』シリーズなど、この作品の成功がなければ実現しなかっただろう作品も多い。~ また、キャラクターデザイナーが異なるエクサランスチームや修羅の参戦によってほとんど全てのオリジナルキャラに参戦の可能性が出てきたため、特に携帯機スパロボファンの期待を高めることになった。 **その後の展開 本作の発売からわずか1ヶ月後に「OG2.5」の完全版兼ファンディスク『OG外伝』の発売が発表されるという事態が起こった。~ これは発売延期された本作の発売日がもともと想定されていた『OG外伝』の発表時期に追いついてしまったためと思われる。~ 『OG外伝』『第2次OG』といったOG本編シリーズの他にも「スーパーロボット大戦OGサーガ」として『無限のフロンティア』シリーズや『魔装機神』のリメイクや続編が展開されている。 **余談 もともと本作はスパロボ生誕15周年記念作品として2006年発売予定で発表された。~ だが、発売日は2007年1月25日に変更されることになり、15周年にあたる2006年にリリースすることは出来なくなった。~ その後、諸般の事情から発売をさらに延期とすることが発表され、ファンからは発売中止も危ぶまれた。最終的に2007年6月28日発売と発表され、今度は無事に発売された。~ ちなみに公式サイトでは、''寺田Pが「完成!」と書かれた紙を掲げて早朝の秋葉原を疾走する''というWebCMが期間限定で配信された。
*スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS 【すーぱーろぼっとたいせんおーじー おりじなるじぇねれーしょんず】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000FGPHM0)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|バンプレソフト&br()トーセ|~| |発売日|2007年6月28日|~| |定価|7,329円(税込)|~| |廉価版|PlayStation2 the Best&br()2008年8月7日/2,940円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/287.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームボーイアドバンスで発売された『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』(以下GBA版「OG1」)とその続編『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2』(以下GBA版「OG2」)を一つにまとめたもの。ベタ移植ではなく機体やキャラ、システムの追加やバランス調整が行われたほか、OVA版のシナリオをベースにしたオマケシナリオ『OG2.5』が追加されている。「OG1」「OG2」はともにバンプレソフトが開発であったため本作もそうだと思われていたが、実際は『MX』組が担当している。そのためグラフィックの雰囲気やインターフェース、操作感は『MX』に準じている。通称は「OGS」や「OGs」など。 **特徴・長所 ***スパロボ史上最大のボリューム -本作は「OG1」が全42話、「OG2」が全50話、「OG2.5」が全12話で構成されており、「OG1」から「OG2.5」まで通しでプレイした場合の合計話数は''全104話''。今までのスパロボ史上最長だった『IMPACT』の全101話を超える、スパロボ史上最大のボリュームとなっている。 --ただし、本作は「OG1」と「OG2」は別々にプレイできるうえに単独での周回プレイや資金、PPの引き継ぎもできる。難易度も『IMPACT』程ではないためプレイもそこまで苦痛ではない。 ***シナリオ、設定の一部変更 -大筋のシナリオはGBA版から変化はないが、「OG1」のアニメ版『ディバイン・ウォーズ』(以下『DW』)の設定やシナリオが一部取り込まれている。((クスハがリュウセイに片思いではない、など。)) -GBA版「OG2」で大顰蹙を買ったアクセルはテキストが一新。ほとんど別人と言えるほどに性格や言動が変化した。いわゆる正統派ライバルキャラに近い言動になっているため、この改変についてはプレイヤーからも概ね好意的に受け止められている。近年でもスパロボに限らず多くの移植作品でシナリオに何らかの改変が行われているが、殆どが原作ファンから反感をかってしまう所謂「改悪」といった事が多い中、本作のそれは珍しい「改良」の例である。 ***機体、キャラクター、シナリオの追加 -GBA版には登場しなかった『R』のエクサランスチームと、『コンパチヒーローシリーズ』からファイター・ロアとコンパチブルカイザーがまさかの参戦を果たし、ファンを大いに沸かせた。なお、どちらもOGシリーズ参戦にあたり、いくつか設定が変更されている。 --さらに「OG2.5」では『COMPACT3』のオリジナル勢「修羅」が参戦した。もともと『COMPACT3』自体がマイナーな作品だったうえに事前告知一切無しのサプライズ参戦だったため、プレイヤーを大いに驚かせた。 --それ以外にも敵、味方ともに新機体が多数追加されている。特にギリアムは「ヒーロー戦記」を彷彿とさせる専用機と専用BGM(タイトルテーマをリメイクしたもの)をひっさげて登場し、古参シリーズファンを号泣させた。 ---敵の新機体はGBA版の敵と置き換える形になっているため、ステージの難易度はGBA版とはやや異なる。 -シナリオ面では、『DW』のキョウスケ編にあたる漫画『Record of ATX』を執筆した八房龍之助氏が新たに参加。氏が執筆した漫画がステージとして再現されたほか、漫画の登場人物も一部設定を変更されて参戦している。 --また、GBA版では冒頭に少しだけしか語られなかった「向こう側」でのエピソードが追加。今まで断片的に語られるだけだったベーオウルフこと「向こう側のキョウスケ」が遂に登場した。ネタバレになるため詳細は伏せるが、「こちら側のキョウスケ」とは似ても似つかぬその言動と表情は多くのプレイヤーを驚愕させた。 ***システム -基本的にGBA版のOGシリーズで導入されたシステムはそのまま搭載し、その上でいくつか新しいシステムが追加されている。また、これらのシステムや新機体の追加によって全体的な難易度はGBA版と比べても低くなり、初心者でも遊び易くなった。 --GBA版OG2から採用されたフル改造ボーナス(+カスタムボーナス)、エースボーナス、EX-HARDモード、スペシャルモードがOG1シナリオにも適用されている。 ''ツインバトルシステム'' -ユニット同士を隣接させると「合流」でき、2機1組のツインユニットになる。逆にツインユニットを単機に戻す「解散」も可能。αシリーズの小隊制に近いもので、後の『K』や『L』に搭載される「パートナーバトルシステム」の原型とも言える。本作ではある程度気力を上げないと合流できず、ステージ開始直後は単機での出撃となる。 --この状態になると能力に機体特性に応じたボーナス修正がかかる、2機で集中攻撃ができるため撤退するボスを倒しやすい等のメリットがある。 --さらに、7つめの精神コマンド「ツイン精神コマンド」が使えるようになる。OGシリーズでは採用されていなかった「魂」や「闘志」といった強力な精神コマンドが使えるのが魅力。 -反面、ユニット数が減ってしまうため手数が減る、中盤以降は敵もツインユニットを組むため殲滅に時間がかかる等のデメリットがある。 -ツインユニットをまとめて攻撃できるALL武器、『MX』以来となる隣接した敵を同時に攻撃できるダブルアタックが実装された。なお、どちらも援護攻撃には組み込めないため、これらの武装を持つ機体の運用がGBA版とは若干変化している。 ''特殊弾'' -本作では「地形適応陸↑」などの素材が入手でき、2種類または3種類の素材を組み合わせて特殊弾を開発できる。これを実弾系の換装武器に装填することで武器の性能を変化させることができる。なお、改造と違い攻撃力の他にも射程や地形適応、弾数なども変化させることができる。特殊弾の効果は原則として素材の効果を反映するが、特定の組み合わせでは独自の追加効果(装甲値の低下など)が得られるものもある。 --武器にもプレイヤーの好みを反映させられるようになり、「これは特殊効果用」「こっちは万能」といった使い分けもできるようになった。 -ただし完全にノーヒント。積極的に検証するか、偶然に頼るか、あるいは攻略サイトなどを見ない限りまず気づかない。 ***戦闘アニメの進化 -プラットフォームがPS2になったことで当然のように戦闘アニメがフルアニメーション化された。 --そのクオリティは現在でもスパロボ最高峰とまで言われるほど。換装武器や通常武器は割とあっさりしているが、必殺技や合体攻撃は見応え抜群。とにかく動きまくる。カットインもキャラ、機体共に豊富で一部の攻撃にはトドメ演出まで用意されている。『第2次α』ではもっさり気味だったビルトビルガーや龍虎王の動きも劇的に改善された。 --機体のグラフィックは3頭身が基本となり、非常に格好良くなっている。 --スパロボ恒例の乳揺れカットインも健在。ただし、『第3次α』などと比べると控えめでさほど目立たない。 -やや古い作品に関しては「オリジナルのアニメーションを踏襲しつつ現在の水準に昇華する」という試みが図られ、これらが上手い具合に機能している。設定画でのみ存在していたギミックも使えそうなものは可能な限りピックアップされており、スタッフの苦心がわかる。 -初登場時にもいろいろ物議を醸したフェアリオンのロイヤルハートブレイカーも''別の意味で''さらに進化。これ本当にスパロボか?と疑いたくなること必至。動画サイトなどにも投稿されているので、気になった方は探してみてほしい。 ***豊富なボイス -戦闘台詞もフルボイスとなった。ほとんどのキャラはオリジナルキャストを起用しているが、一部のキャラはキャストが変更されている。 --変更はおおむね問題なく受け入れられている。特にウェンドロ役の甲斐田ゆきの力の入れ様は凄まじく、怪演と呼べる域にまで達している。 -本作は版権スパロボと比べて乗り換えの制限が少ないうえに換装武器があるため、1人あたりの台詞のバリエーションがスパロボでもトップクラスに多い。通常の台詞以外にも、特定機体搭乗時における回避や被弾時、特定の敵との戦闘、関係のある者への援護など、膨大な量の特殊戦闘台詞が用意されている。すべてを聞いた人が果たしているかどうか…。 --普段戦闘をカットしがちな敵の一般兵すらも例外ではなく、こちらの機体に対し様々なリアクションを取ってくれる。 -フルボイス化した影響かネタ台詞も大幅増。中の人ネタその他諸々を絡めてくるタスク&エクセレン、武器の名前を変えて叫びまくるリュウセイ、''そのリュウセイの影響で武器名を叫ぶようになってしまったラトゥーニ''((叫ぶときにだいたい「リュウセイみたいにやってみる」と前置きすることから、ファンからは「リュウセイ病」と名付けられた。))など、台詞のカオスっぷりもスパロボ史上トップクラス。 --ただし、ラトゥーニに関しては「ギャップがあってかわいい」とする意見が存在する一方で「やりすぎ」「キャラが崩壊している」等の否定的な意見が多いのも事実であり、賛否両論ではある。 -中でも旧シリーズファン感涙ものの必殺技「究極!ゲシュペンストキック」は使う時に''叫ぶのがお約束''とされたため、普段から叫ぶリュウセイやイルムはおろか、クールなライやヴィレッタまでもが熱いシャウトを聞かせてくれる。一方でエクセレンなどは各種ネタを仕込むなど、むしろ声優さんがやりたい放題である。特にマイは普段の物静かなキャラと180°異なる''声が裏返るほどの絶叫''を披露し、ファンから「''キックの女王''」と渾名された。逆に「中の人が絶叫でマイクを破壊した」伝説を持つキョウスケは特に叫ばなかったため、「''ガッカリウルフ''」という不名誉な渾名をつけられてしまった((続編の『OG外伝』では声が裏返るほどの絶叫を披露し「シッカリウルフ」「ヤッタゼウルフ」などと渾名され見事汚名を返上した。))。 ***BGM -『α』シリーズを担当していたサラマンダー・ファクトリーと『IMPACT』や『MX』のコンポーザーが共同で作曲に当たった結果、近年の演出重視の据え置きスパロボの中でも極めて良質のBGMが実現した。カイやジャーダ&ガーネットのBGMなどは脇役とは思えないほどのクオリティ。 --一部のボスクラスのキャラにも新しく専用曲が用意された。中でもウェンドロに追加された新専用曲「裁く者、裁かれし者」((GBA版では旧シリーズの「VIOLENT BATTLE」が使用されていた。))も好評を得ており、敵としては1度しか戦う事がない彼の存在をプレイヤーに強く印象付けた。 --また、「OG2.5」でないと聞けないが『R』に登場するデュミナス配下の3人組にも専用BGM「BE A PERFECT」が追加されており、こちらも好評を得ている。 -据え置き機になったため曲数も大幅に増加。GBA版では収録されていなかった「VANISHING TROOPER」「鋼鉄のコクピット」「WILD FLUG」はもちろんのこと、ほとんどの味方キャラが自分の専用曲を持つことになった。またα主人公などはペアで1曲となる…2人ほど除いて。 --タスクはα主人公であるにも関わらず何故か専用曲が用意されなかった((相方のレオナは専用曲が用意されたが、曲名や曲調から完全に「レオナの専用曲」であり、タスクとの共用曲ではない。))ため、ネタにされることもあった。なお、「OG外伝」ではタスクにも専用曲?が用意された。 --専用曲?な理由は、曲名からすると本人用ではなく機体をイメージして作られたBGMであるため。このような曲は他に「我二敵ナシ」や「ACE ATTACKER」等があるのだが、前者は乗り換え不可機体、後者は乗り換え可だがパイロット側にも専用BGMが存在している。タスクは本人をイメージしたBGMが存在しないにも拘らず、彼用に用意された機体には『誰でも乗れる』のが涙を誘う。 --逆にブリットは「専用機体のBGM」はあるが「キャラの専用BGM」はない。彼の場合、「OG外伝」でも追加されなかったりとある意味タスクより不遇に見えるが、ブリットに用意された機体は乗り換え不可であり、機体BGM=彼のBGM同然なので、前述のタスクの項を見るに不遇っぷりは五十歩百歩であろう。((なおブリットは『第3次α』ではキャラの専用曲が用意されているので、「OGシリーズでは専用曲がない」といった方が正しい。))。 ***オプション関連 -機体およびキャラクター辞典、用語集、BGM試聴、シナリオチャートなどが追加された。 --また、本編の会話中でもわかりにくい単語が出ると用語集の該当項目にジャンプできるようになったため、スパロボ初心者でも割とすんなり物語に入れる。 -ステレオ/モノラルの切り替えが可能。 --PS2以降、ほぼ全ての作品ではステレオ固定となっていたので、モノラルテレビを使っている人には嬉しい機能となった。 **短所 -全体的な難易度はGBA版より下がっているが、「OG2.5」だけはかなり高い。シナリオが短い割にキャラや機体の入れ替わりが激しく思うように強化できない上、敵の強化速度が味方より遙かに速い。さらに精神コマンドコンボまで使ってくることもあるため、配置などを間違えるとあっさり詰んでしまう。 --未完とはいえシナリオもどちらかというと鬱気味で結末もバッドエンドに近いので、それらに耐性がない方はプレイしない方がいいかもしれない。 ---というよりおとなしく『OG外伝』をプレイした方がいいかも((OG外伝はOGsのクリア回数に応じて初期資金にボーナスが入るので、決して無駄という訳ではないが。))。 -PVでも大々的に参戦が告知されていたにも関わらず、新キャラの出番がかなり少ない。 --もともとGBA版で完結していたところに新キャラを入れたためか、あまりストーリーに絡まない。本格的な活躍は外伝からとなる。 ---ファイター・ロア&コンパチブルカイザーに至っては、おまけ要素とも言えるOG2.5にしか登場しない。宣伝詐欺と言えるレベル。 -『DW』準拠と言うことで、多くのキャラが普段は軍服を着ており、カットインでもパイロットスーツを着るようになった(OG2以降で顕著)。特にラトゥーニは代名詞とも言えるゴスロリ服がイベント及び合体攻撃時限定になってしまったため、多くのファンが涙した。また、アイビスやスレイは設定どおりそれらしい宇宙服を着るようになったがこれが非常にむさく、ファンの間から''金魚鉢''と揶揄されている。 --「キャラは素晴らしいが服飾センスに難がある((私服制服問わず、用途不明なハーネス・プロテクター・サスペンダーなどを過剰に盛り込んでしまう悪癖がある。))」河野さち子デザインの問題は古くより言われていたことであり、アイビスだけに問題があるわけではない。彼女たちのデザインの悪さが特に目につくのも事実だが。 --確かに、本作のキャラはほぼ全員が軍人もしくは軍属であるため軍服を着るのは当然であり、戦闘でも生存率を考えればパイロットスーツを着ない方がおかしい。だが、今までのスパロボはグラフィック面でそういったリアリティと無縁であった事もあり、軍服・パイロットスーツへの変化には否定意見も多い。特にパイロットスーツに関しては、似たようなデザインでキャラクターの個性が薄れる上に、パイロットスーツを着ていないキャラも多く、その法則が非常に不明瞭((同じ民間人でも、アイビスやリューネはパイロットスーツだが、ラウルやゼンガー等は私服。ラミアに至っては軍属にも関わらず私服。))。リアリティと言う面でも不徹底である。 ---特に、版権スパロボに主人公等として出ていた私服キャラに対しては、思い入れ、キャラのイメージ等の点から「軍属とかの常識的な設定よりもお祭りゲーなんだし当初のデザインを貫いて欲しい」といった意見も根強い。 ---これは好みが別れる為短所というより賛否両論点だが、パイロットスーツはその頑丈さゆえに所謂「乳揺れ」カットインが少なく、その手の要素を好むプレイヤーからは非常に不評。 -「ラッキー」というレベル制の技能はGBA版と同様、OG1ではきちんとレベルが上昇し、目に見える効果を発揮していくのだが、OG2に入るとなぜかレベル1(発生確率1/64)で固定となる。エースボーナスで強化できるキャラはともかく、そうでないキャラにとってはその効果をほとんど実感できず、死に技能に等しい((他の技能で上書きして潰すこともできず技能枠をひとつ食い潰しているため、その価値はゼロどころかマイナスである。))。 -近年のスパロボ全般に言えるが、SP回復の習得が前提のバランスとなっている。 --本作に限らず、GBA版や昨今の他のスパロボでも常識となっているバランスだが、育成の自由度を狭めてしまっている。そのためか、後のシリーズでは改善されている。 -キャラによってセリフのボキャブラリーの差が激しすぎる。 --専用台詞のない固有技を探すほうが難しいエクセレンと比べてラーダやギリアムなどは汎用台詞ばかりで乗り換えの楽しみがない。 ---また、カットイン自体も似たようなアングルばかりで汎用的なものが多い。これは乗り換えた際一部カットインで機体のコクピットも表示する仕様となった(=アングルの統一が必要だった)ためである。 -龍虎王やダイゼンガーは高威力高消費を売りとしている機体だが、改造効率が非常に悪いため改造によって対応する機体の攻撃力と匹敵及び逆転する。OG外伝で修正された。 -本作の合体攻撃はかなり強力(元々の攻撃力も高いが、パートナー同士でツインを組むとさらに補正が入る)で、バランスブレイカーになり得る。 --例えば、OG1ではSRXの最大攻撃より、合体攻撃のランページゴーストの方が数値上でも攻撃力が高くなる。そこに補正が入るので実際にはそれ以上の差が…。 -前述のツイン精神コマンドだが、強力なものとそうでないものの差が極端でそれぞれの習得人数にも大きな差がある。例えば、大激励は習得者がたった二人(うち一人はOG1のみ)しか存在しない。 --ツインではないが、通常コマンドの中にも脱力(習得者一人のみ)、補給(習得者二人。内一人はOG1限定)など習得者が偏っているものがある。 ---もちろん強力な精神を多くのキャラがほいほい使えたらそちらの方が問題ではあるのだが、本作の「レア精神」は他のスパロボシリーズに比べてもさらに稀少。また、脱力は重ねがけする事で高い効果を発揮する精神コマンドなので、習得者1名ではほぼ死に精神に近い。 -標的を1ターンの間完全に行動不能にする特殊弾「スタンショック」が強すぎる。ボス級の敵は大抵この効果を無効化する能力を備えているのだが、精神コマンド「直撃」で突破できてしまう。ラスボスさえも一方的に集中攻撃することができ、あまりに味気が無い。 --一応、スタンショック自体は隠し要素((正確には換装武器としては入手できず、装備した機体が隠し機体。))であり、何より自重すれば良いだけの話ではある。 -本当に解説が必要な用語に限って解説がない。バッジシステムはググればわかるが、LIEONシステム(大雑把に言うと機体制御OS)はコアなファンでないとわからない。TPLテストやALCといった単語は会話の流れでざっくりとしかわからず詳細不明。 ***バグ -飛行形態のビルトラプターにツインユニットを組ませ、アンダーキャノンを使わせた上でアニメーションをONにするとフリーズすることがある。作中でも欠陥を抱えていたという設定であるため''リアル欠陥機''として恐れられる羽目になった。後のOG外伝では修正された模様。 --型番やロットによるのか全くならない人もおり、明確な条件は不明。 **総評 移植の完成度もさることながら、追加要素やネタの豊富さ、戦闘関連の演出の大幅な向上と、ただの移植ではない良リメイク作としてファンの間では現在でも評価が高い。度重なる延期(後述)にもかかわらず、累計で約45万本(ファミ通調べ)という版権スパロボに迫る売り上げを叩き出してスパロボオリジナルの人気の高さを見せつけ、OGシリーズの地位を不動のものとした。~ もともとスパロボのオリジナルキャラクターのみで構成されている上、(「OG2.5」を除けば)難易度もそこまで高くはなく、キャラクターや機体の説明、用語集などによるサポートもあるため、「スパロボをやってみたいけど版権作品はあまり知らない」というプレイヤーやスパロボ初心者にもお勧め。~ 大張正己氏が監督を務め、「OG2」をアニメ化した『ジ・インスペクター』、スピンオフ作品『無限のフロンティア』シリーズなど、この作品の成功がなければ実現しなかっただろう作品も多い。~ また、キャラクターデザイナーが異なるエクサランスチームや修羅の参戦によってほとんど全てのオリジナルキャラに参戦の可能性が出てきたため、特に携帯機スパロボファンの期待を高めることになった。 **その後の展開 本作の発売からわずか1ヶ月後に「OG2.5」の完全版兼ファンディスク『OG外伝』の発売が発表されるという事態が起こった。~ これは発売延期された本作の発売日がもともと想定されていた『OG外伝』の発表時期に追いついてしまったためと思われる。~ 『OG外伝』『第2次OG』といったOG本編シリーズの他にも「スーパーロボット大戦OGサーガ」として『無限のフロンティア』シリーズや『魔装機神』のリメイクや続編が展開されている。 **余談 もともと本作はスパロボ生誕15周年記念作品として2006年発売予定で発表された。~ だが、発売日は2007年1月25日に変更されることになり、15周年にあたる2006年にリリースすることは出来なくなった。~ その後、諸般の事情から発売をさらに延期とすることが発表され、ファンからは発売中止も危ぶまれた。最終的に2007年6月28日発売と発表され、今度は無事に発売された。~ ちなみに公式サイトでは、''寺田Pが「完成!」と書かれた紙を掲げて早朝の秋葉原を疾走する''というWebCMが期間限定で配信された。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: