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*悠久幻想曲 2nd Album
【ゆうきゅうげんそうきょくせかんどあるばむ】
|ジャンル|アドベンチャー|#amazon(B000069SKJ)|#amazon(B00006LJMJ)|
|対応機種|セガサターン、プレイステーション|~|~|
|発売元|メディアワークス|~|~|
|開発元|スターライトマリー|~|~|
|発売日|【SS】1998年2月26日/【PS】1998年3月26日|~|~|
|価格|5,800円|~|~|
**概要
悠久幻想曲シリーズの第二弾。~
さらに遊びやすくなっており、シリーズとしてどころか一個の作品としてかなりの完成度をほこっていたと自信をもって言える。ストレスなく遊べる簡易で直感的なシステムとやりこみ要素が同居しておりロードもほとんどなくスキップも非常に高速である。
**ストーリー
自警団の第三部隊は住民の苦情処理を請け負う部隊である。しかし人望のある前隊長の死や任務の有料化により住民からの感情は悪化し、さらに無料で同じ仕事を引き受ける公安維持局ができてしまい依頼は激減。やる気をなくした仲間は辞めたり他の部隊に移っていく。その中でもただ一人残り奮闘していた主人公は部隊の継続を団長に直訴する。有料になったからこそ、無料の公安維持局の評判が良くないからこそ自分達にできることがあるはずだと。その結果存続の必要があるか一年間様子を見て決めることが認められた。主人公は第三部隊を立ち直らせためにも自分が仮の隊長となり仲間を集め仕事で成果を残さなくてはならない。
-舞台となるのは同じくエンフィールド。
-今作は自警団という半民間組織の一部隊で苦情処理を担当する第三部隊が中心となる。
--実質的には前作と同じ何でも屋である。
-前作のメインキャラ10人はサブキャラとなって登場する。ただしシーラは留学している為オープニングととあるエンディングにしか出てこない。
--ちなみに声は無い。
-時系列は曖昧である。前作の事件が完全に解決した後であり前作主人公が旅に出ていることから前作終了からおよそ一年が経過していると考えるのが自然であるが、直後のように思えることもある。
全編に渡って友情と熱意が基本路線である。しかしメインストーリーでは何者かが禁忌の実験に手を染めていた形跡やエンフィールドに隠れていた裏の組織の存在といった血なまぐさい話も絡んでくる。
**システム
基本は仲間を選んで仕事に就かせその成果を見ていき日時によって発生するイベントを見ることになる。
-まず仲の良い友人10人から3人を選び第三部隊の仕事を手伝ってもらうよう頼みに行く。
--友人の半分は司書や保母といった何らかの社会的役割を担っていたり学生だったりするためその場合は掛け持ちをしてもらうことになる。
---ちなみに他半分は&bold(){社会的地位がないか12~13歳の少年少女}である。
-選択できる依頼がいくつか提示されているので一人ないし複数をその仕事に割り振る(仕事に就かせず休ませることも可能)と各キャラは一週間その仕事に就くことになる。一日ごとの仕事の成果(=達成度)が累積されていき週末になってその合計値で仕事に対する評価が決まり報酬も増減する。この歳報酬の数割は自警団に納めることになる。
--成果は能力による得手不得手により左右されるがランダム要素もある為ロードしてやり直してもよい。
--苦手な仕事に就かせたり仲が悪いキャラだけで組ませた場合は失敗しやすく能力も伸びず仲も悪化しやすい。そこで自信をつけさせたり能力を伸ばせるよう適切な仕事に就かせ成長させる必要が出てくる。
--体力や感情といった仲間のパラメータがひどく悪化したら休日にフォローしてやる必要も出てくる。
--祝祭日による休日は存在しない。
--月末には給与の支払いが発生する。デフォルトでは成果により自動で算出される額が表示されているが、これに色を付けることで仲間のやる気がアップする。逆に減らすことも可能だがその場合は仲間の感情が悪くなる。また、資金繰りを誤った場合は当然払える額も妥当な額より減るため仲間は怒る。
--仕事の中には双六も存在し、公安維持局と、場合によっては金に汚い行商人も交えて競争になりこれに勝利することが任務の成功になる。このイベントでは双六の勝敗のみが成果を左右する。
---ルーレットは直前の盤を引き継いでパワーメーターを加減して回す。明確な基準点はないが慣れれば感覚に頼った目押しが可能になる。
---チームが重なると戦闘になる。負けた方は一回休みになり手持ちのゴールドもいくらか盗られる。
-決まった日になるとメインシナリオが発生する。仲間キャラのイベントは決まった日時に発生するもの、決まった月の休日に遊びにいくと発生するもの、決まった日に仕事に就かせると発生するものがある。重複により発生しないということはない。
-休日は休んだり仲間の所に遊びに行ったり有料で訓練をして能力を伸ばしたりできる。ただし仲間の感情パラメータの悪化が大きくなりすぎるとそちらを解決するための会話が最優先となりイベントも発生しなくなる。
**評価点
-多様に変化しながらも安定した結末を迎えるストーリー。
--メインキャラを攻略するだけならひたすら好感度を上げるだけで事足りる。仲間キャラのメインシナリオではどんな選択をしようがキャラを理解し救うことに終始しバッドEDは存在しない。それが不自然にならないストーリーの作り込みは珍しい。
-豊富なテキスト量。
--選択肢による変化はよくある似たり寄ったりの流れになることもあればかなり違う流れになることもまるごと違う流れになることもある。
--仲間にしたキャラ次第で頻繁に台詞が追加されるためいるだけの空気にならないし変化もつけられている。
-ほぼシームレスな読み込みとスキップ。
--テキストに限らず仕事、移動、戦闘時の音声やアニメといったあらゆる演出がスキップできる。
--セーブデータのロードもセーブも速い。
--多くのテキストゲームではスキップする際にもそこに挿入されるべきキャラの絵が逐一表示されるが、このゲームでスキップするとテキストだけが流れていくため非常に速い。
---このシステムを持っているゲームは今でも少ない。他にもMemoriesOffが似たようなスキップ機能を持っている。
-やり込み要素を持ったキャラメイキング。
--普通に進めていけば仲間は戦闘では主人公をサポートする二軍にしかなれない。有料の訓練で補ってやっても基礎能力に欠けるためたいして伸びない。しかし成長に係わるシステムを理解し適切な属性に導いてやることで強みを持った万能選手という一級品に育てることができる。
-容量を食わないセーブデータ
--PS版では1ブロックに3つセーブできる。1ブロックを食うシステムデータの空きにも1つセーブできるという点も見逃せない。
-音楽。
--各キャラごとにテーマ曲が作られており、熱いものから優しく耳触りのよいものまで揃っている。
-ギャラリーモード
--CGやイベントのコンプリート履歴、BGMの鑑賞はもちろん、ボイスメッセージまである。
**賛否・難点
-前作のテキストパートはかなり"はっちゃけている"場面が多かったのだが、今作では全くない。優等生的と言ってもいい。
-moo氏の絵。この頃はもう氏の絵も落ち着いて安定しているが、それでもやはりクセの強い絵であることに変わりはない。初見で戸惑った人間も多かっただろう。
-絵の落差がひどい。前作と今作のメインキャラや重要なキャラはしっかりしているが、それ以外はモブと言わんばかりに適当感あふれる作りである。
-CG(1枚絵)の枚数が少なめ。各キャラ終盤にならないと1枚絵のあるイベントがない。
-メインシナリオのベストエンドが難しい。かなりの数の選択肢を間違えずに選ばないといけない。
--実はメディアワークス発行の公式攻略本の記載も間違っている。それでもキャラEDも見れるしほとんどの謎も推測できゲーム中の多くの問題も団円な解決を見せる為ほとんどのユーザーはこういう終わり方なのだと思い込んでいたことだろう。
---ベストEDはたくさんあるEDのうちの一つであり見なかったことそれ自体は大きな問題ではない。見た方がよいのは確かだが。
-クレアの攻略が難しい。攻略可能であることやその条件は攻略本でも雑誌でも普通に明かされていたのだが、その条件というのがアルベルトとの絆が一定値以上だが攻略に必要な値以下というものであった。このゲームでは絆の累積やそれによるフラグ成立を目で確認できない。それでいて目安がどこにも載っていなかったため、多くのユーザーがクレア攻略に挑戦してアルベルトかヘキサとのED(=メインキャラ非攻略ED)を見たことだろう。
-オープニングの絵の動きがカクカクしている。意図的表現とは思われるが独特なものであり初見ではハードの不調を疑った人間も多い事だろう。走るシーンで特に目立つ。ちなみに動画サイトにアップされているものではエンコードの関係かそれがあまり目立たない。
**その他
-SS版とPS版ではOPとEDと一部シナリオがまるごと異なっている。
**総評
ユーザーライクなシステム、それと融和したやり込み要素もあるアドベンチャーパート、萌えに傾倒しすぎない友情寄りでコミカルなテキストを併せ持っているゲームである。~
**余談
-CDドラマでは前作メインキャラにも声がついている。
-排水溝のつまりをどうにかしようとするシナリオはかなり"喘いでいる"。多分狙っている。
-ギャルゲーとして分類されることも多いが、実際にはそこまで露骨でもない。
-男性キャラとの友情も育めるため女性人気も非常に高かった。
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