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*金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼 【きんだいちしょうねんのじけんぼ ほしみとう かなしみのふくしゅうき】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000069U51)| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|講談社|~| |開発元|ハドソン|~| |発売日|1998年1月15日|~| |定価|5,800円|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| **概要 人気アイドルが「事務所社長の息子との密会」というスキャンダルを起こして失脚し、アイドルのマネージャーであった「立花由布」も、真相を探る途中で謎の転落死を遂げた。~ 警察は由布の死を自殺と断定したが、そのことに不審を抱く者が2人いた。1人はスキャンダルを仕掛けられた張本人で、由布の親友でもあった「桂木なお」。もう1人は由布の婚約者であった「阿佐桐卓也」。スキャンダルが仕組まれたものであることに気づいた2人はそれぞれ由布の復讐を決意、すべての関係者が集まるレジャー施設「星見島」でその機会を伺うのだった…。~ ~ ''殺人犯になって復讐を遂げることが目的''という、推理ゲームの中でも類を見ない異色作。「''このゲームは犯罪を助長するものではありません''」という警告文がCDケース・説明書・ゲーム開始時の3か所にわたって記載されていることからも、その異色さは伝わるだろう(なぜか対象年齢は「全年齢」になっているが)。 **本作の特徴 主人公は「桂木なお」と「阿佐桐卓也」の2人で、どちらを選んだかで主な登場人物と復讐のターゲットが変わる。復讐のきっかけとなる事件から始まって、復讐相手を探り出して殺害し、金田一の追及をかわして復讐を成し遂げることが目的であり、基本的にはサウンドノベルのように選択肢を選びながらシナリオを読む「アドベンチャーモード」でゲームを進めていくが、殺害シーンや逃走シーンでは「リアルタイムサスペンスモード」なるアクション要素が強いミニゲームをすることもある。~ ~ ゲームの難易度は高めである。復讐を遂げるにはターゲットを探すところから始まって、殺害方法やトリック、殺害する順番までを自分で決めていかなければならず、ちょっとでも方法や手順を間違えたり不審な行動を取ったりすれば、たちまち金田一に気づかれてバッドエンドになる。気づかれるポイントも、プレイヤーでも「いくらなんでもそりゃダメだろ」と思うような大失敗から「さすがは金田一」と唸らされるようなさりげないものまでさまざま。反対にうまく欺いていけば、原作ではなかなか見られない推理を外しまくる金田一(と最後にちょっとだけ出てくるあの人)を見ることができる。~ ~ 金田一に気づかれる他にも、「疑心暗鬼になった復讐相手に逆に殺される」「復讐相手を間違える」「''金田一を殺そうとする''」などバッドエンドの種類は豊富で、特にちょいちょい混ざっているネタ選択肢を誘惑に負けて選ぶとほぼ間違いなくバッドエンドに直行する。バッドエンドの中にもネタ要素の強いものがあり、''殺人をすることなく話が終わってしまう''ものもある。 **評価点 -「ちょっとしたことでバッドエンドになる」という難しさが「気づかれずに殺人を犯す緊張感」をうまく表現しており、それだけに復讐を達成できたときのカタルシスには、他のゲームではなかなか味わえないものがある。また、バッドエンドが多いということはそれだけ自由な行動ができるということでもあり、フラグを立てなければ多少のミスはカバーできる。 -バッドエンドや殺害シーンの描写にはどぎついものが多いが、ネタ選択肢やネタバッドエンドの豊富さがそれをある程度中和してくれている。どちらの主人公にもとんでもなく間抜けなバッドエンドがあるのでぜひ見ていただきたい。 -バッドエンドになると「ファントム」「放課後の魔術師」「首狩り武者」など''原作に登場した怪人たちが現れ、プレイヤーにアドバイスをしてくれる''。ある意味氷のプロである「雪夜叉」に氷の使い方をダメ出しされたり、「''そんなことでは金田一を出し抜けんぞ!''」と発破をかけられたりと、実体験に基づいた(?)先輩たちのアドバイスは的確で、妙な説得力がある。彼らの中に混じってなぜか「佐木2号((金田一の後輩のビデオマニアで、事件現場の撮影役を担当する。原作では同じ役割をしていた兄があるエピソードで殺されたため登場するようになったが、アニメ版では彼が生きているので登場しない。))」が登場することもあるが、これはご愛嬌。 **残念な点 -第1作のときと違ってアニメは始まっていたのだが、主要登場人物の声はアニメ版のものとは異なる。もっとも、『金田一少年の事件簿』はアニメ・ゲーム・ドラマCDで主要登場人物のCVがすべて違っているので、そういうものだと分かっていれば気にはならない。 -バッドエンドになるかどうかはフラグで管理されているため、間違った選択をしてもその場でゲームオーバーになることはなく、シナリオは普通に進行する。このため、''フラグが成立したことに気づかないと、その後はどんな行動を取ってもバッドエンドに行き着いて詰む''。この状態でセーブしてしまったら、最悪初めからやり直すことになる。 -どちらを選んでも同じ結果になったり、1つの行動に対して何回も選択肢を選ばせるくどい展開があったりするなど、選択肢に無駄が多い。一応、フラグに関係しているところもあるのだが、行動と結果が一致せず理不尽に見えることも多い。 -ゲームの都合上仕方のないことなのだが、トリックやアリバイ作りをその場で考えていくため、全体的に犯行は行き当たりばったりで、凶器の始末など細かなところの描写がいい加減である。 -たとえ復讐を成功させたとしてもめでたしめでたしとはならず、''殺人犯という業を一生背負っていかなければならない主人公の姿はものすごく後味が悪い''。復讐の空しさを体験できるという意味では評価点かもしれないが…。 **総評 ありそうでなかなかない、犯人視点の推理ゲームである。このような作品はミステリーでは「倒叙もの」と呼ばれ、推理小説やドラマではときどき見かける((推理小説ではF.W.クロフツ、鮎川哲也らの作品、ドラマでは『刑事コロンボ』『古畑任三郎』などが特に有名。))ことがあるが、犯人が探偵を出し抜くというシチュエーションは小説やドラマでもなかなかお目にかかれない。~ ~ また、『金田一少年の事件簿』のキャラゲーとして見ても、もう1人の主役ともいえる犯人に注目し、復讐を遂げるまでの心情や殺害を実行に移すまでの苦労、金田一を欺くための涙ぐましい(?)努力を追体験できるというのは、普段は見られない舞台裏を見ているようで面白い。そして何より、''犯人にとって金田一がどれほど恐ろしい存在なのかがよく分かる''。~ ~ 「殺人犯になって復讐を遂げる」という人には勧めにくい内容や、アドベンチャーゲームとしては不便なところもあるが、ゲームならではのミステリーの楽しみ方ができる良作と言えるだろう。 **余談 前述のとおり、全年齢対象のゲームなのだが''女性の裸が多く出る''など、サービスシーンが非常に多く異色なテーマ性と相まって「本当に全年齢対象でよかったのか?」と思う事もしばしば。今だったら確実に対象年齢が引き上げられるであろう。~ とはいえ、原作の金田一もサービスシーンがかなり多かったりするのだが…。
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