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キングオブキングス - (2012/11/23 (金) 02:23:42) の最新版との変更点

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*キングオブキングス 【きんぐおぶきんぐす】 |ジャンル|シミュレーション|~| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|アトラス|~| |発売日|1988年12月9日|~| |定価||~| **概要 「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第48弾のファンタジーウォーシミュレーション。~ 拠点を制圧して資金を調達し、ユニットを雇って敵軍との戦闘を繰り返しながら、最終的に総大将であるキングを打ち倒す。~ CPUプレイヤーと一対一で戦うキャンペーンモード「ルシファーとの戦い」(全4シナリオ+隠し1)と、自由にマップを選びCPUまたはプレイヤーから最大4人まで参加するフリー対戦の「マルチプレイモード」がある。 **システム ''主なルール'' -マップには2つ以上の城があり、最初は各陣営の大将ユニット「キング」(キャンペーンモードのCPU専用キャラクター「ルシファー」はキング相当の存在)が1人につき1つ守っている。敵キングを全員倒す事が勝利条件である。 --マルチプレイモードでは「同盟」を設定することができる。同盟国同士のユニットは戦闘を行えず、同盟国以外の勢力を全て倒すと勝利となる。 ---地形や町の位置関係により、同じマップでも城ごとにそれぞれ攻略難度が異なる。同盟設定を交える事で、チーム戦やハンデ戦など、幅の広い遊び方ができるようになる。 ---なお、同盟はターンごとに組み直すことが可能。ゲーム外の会話戦での共謀や裏切りに制限など設けようもない話だが、度を越した悪用はしないように。 -キングが城にいる場合は、その城でお金を支払う事でユニットを雇う(召喚する)。 --軍資金は毎ターン一定額の収入がある他、他の城やマップ上に点在する都市を制圧している数だけ増額される。 --キャンペーンモードは、シナリオによって雇えるユニットに制限がかけられている。規模の小さいマップほど、強い制限の中で攻略しなければならない。 -自軍に属する城や町にいるユニットは、ターン開始時にお金を支払って、減った部隊やFOOD(後述)を補給できる。 -戦闘 --戦闘は、縦横斜めを含む周囲8マスに隣接したユニット同士で行う。戦闘を仕掛けた側が先制攻撃し、仕掛けられた側が全滅していなかった場合は反撃をして戦闘終了。 --ユニットは小型キャラの8部隊編成と、大型キャラの4部隊編成の2種類に分かれる。攻撃回数は生存している部隊数に応じる。なお、攻撃力はユニット同士の相性によって大きく変動し、中には意外な相手に高い攻撃力を発揮する組み合わせもある。 --戦闘を行ったユニットは、倒した相手との相性に応じて一定確率でレベルが上がる。レベルの上がったユニットは攻撃力のみに補正がかかる。また、人間に属する一部ユニットは、これによってクラスチェンジして能力が大幅に強化される。 ---相性が悪く高ダメージを被弾しやすい敵ほど戦闘後にレベルが上がりやすい仕様となっている。部隊数が減って弱った苦手ユニットを相手に経験を積むのも有効な戦術である。 -縄張り --2つ以上の自軍ユニットを近くに配置すると、そこにはユニットを倒さないと自陣営以外のユニットが通行不可能になる、俗に言う「縄張り」が発生する。少数のユニットでも、地形と縄張りを活用すれば有効な防衛線を作ることができる。逆にその縄張りを突破するには、防衛線の弱点を的確に突かなければならない。 -ユニットの移動 --一般的なウォーSLG同様、ユニットの移動力から地形に応じたコストを差し引いて移動させる。地形によるロスコストの大小も、ユニットに応じて様々である。 ---地形には、戦闘時に防御力に加算される地形効果が設定されている。飛行ユニットは地形効果を受けられない。 --本作には各ユニットが個別に管理する「FOOD」というパラメータがある。移動するごとにこれを消費し、足りない場合はそれ以上動く事ができなくなる。 ---FOODを回復するには、占領した町で補給するか、ユニット「モンク」の回復魔法を使う。また、行動せずにターンを終えれば次のターンで1回フル移動できる分のFOODを獲得できる。 ''ユニットの種類'' -ユニットにはカテゴリがあり、城で雇用できる人間・妖精・ドラゴンの各種族と、位置づけの特殊なモンスターに分類される。&brお金で雇う基本のユニット13種に、クラスチェンジする一部ユニットの上位ユニットが6種、これにモンスター3種とキングを加えた、全23種類が登場する。 -種族ごとの特徴を以下に示す。 --人間 ---城の占領と部隊の生産ができる総大将「キング」を筆頭に、町の占領を行う低戦闘力かつ最安値の「ファイター」を擁する重要カテゴリ。この他、「ナイト」は機動力を生かした前線向けユニット、「モンク」「ソーサラー」はそれぞれ2つの魔法を使ってサポートを行う。ファイターは実はキングに対して有利に戦えるユニットであり、それ以外の3種はレベルが上がるとクラスチェンジする。成長すれば他では得られない大きなアドバンテージの生じる、将来性の高い種族である。 --妖精 ---山の「ゴブリン」、空の「ハーピー(飛行)」、森の「エルフ」はそれぞれ3すくみの関係にある。いずれも比較的安価であり、またゴブリンは上述のファイターに相性の良いユニットである。これに、そこそこのコスト・そこそこの強さを併せ持つ大型部隊の「ジャイアント」「グリフォン(飛行)」と揃った、派手さは無いものの渋く中堅を固める奥の深いユニット群。 --ドラゴン ---小型はドラゴン族最安値の「リザードマン」のみで、残りはいずれも大型部隊。最長移動距離を誇る飛行ユニット「ワイバーン」、陸ではろくに動けないが水上での戦いに長ける「サーペント」、一騎当千の歩く要塞「ドラゴン」と、長所の顕著なユニットばかりである。その反面、雇用・補給ともコストが高く、安易な運用は命取りとなるだろう。 --モンスター ---モンクとソーサラーがそれぞれ魔法で生み出す「ゴーレム」「スケルトン」と、キャンペーンモードの毒砂漠・毒沼地形でランダムに出現するCPU専用ユニット「コカトライス」。抜きん出た強さを誇るわけではないものの、いずれもノーコストで出現して進軍の邪魔をする面倒な存在と言える。 //#region(ユニット個別紹介) //現時点ではカテゴリ別概要に留めるが、個別に書く必要が出たらこのあたりに。 //#endregion **評価点 -ユニット間のバランスが良い。 --例として第一に挙げられるのは、全てのマップで重用する事になるファイターと、それに対して有利に戦えるゴブリン、そのゴブリンを巻き込んで3すくみの関係にある安価ユニットのハーピー・エルフらの位置づけ。実際、ストーリーモード最初のシナリオで雇えるのはこの4種のみであり、これだけでゲームを構成しうる底力を持っている。 --基本的に先手側圧倒有利な戦闘バランスなので、補給にもお金のかかる高コストユニットはそれだけ慎重に運用しなければならない。取り回しの良い小型部隊、それらに対して適度に強い中コストの大型部隊、中堅ごときなら蹴散らせる高コストの大型部隊、そんな高コスト群を足止めする小型部隊編隊…といった、大局的な意味での3すくみも成立する。 --どの側面から見ても完全無欠のユニットは存在せず、マップによっても活躍の幅に違いがあり、絶妙なバランスの上で様々なユニットを取り混ぜて戦う面白さがある。 -SLGにおけるユニット種23は決して多い数字ではないが、バランスが取れているという前提に立つなら十二分にバリエーション豊かと言える。 -高い戦略性。 --必要に応じてその都度コストを支払いユニットを雇うシステムではあるが、レベル制やクラスチェンジといった成長要素があり、特定のユニットに軸を置き長期的な展望を持って立ち回る必要がある。 ---ファイターは序盤の拠点制圧だけでなく城落としにも使える。運用が確かであれば、高性能・高コストユニットの物量作戦を展開するよりも効率よく勝てるだろう。「弱いユニットを強く育てて勝利」という勝ち筋のもつ達成感はかなりのもの。 ---しかしユニットの育成は一筋縄ではいかない。レベルアップで上昇するのは攻撃力だけで、敵の攻勢を許してしまえばどんなユニットも脆く崩れ去る。レベルの高いユニットを上手に守るのも重要な作戦の内である。 ---更に逆の観点から、生半可な攻撃を加えて討ちもらすような、敵にレベルアップさせてしまう行動は控えなければならない。戦闘相性をよく考慮し、攻めると決めたら徹底的に潰すべし。 --少数で防壁を作れる縄張りシステムによって、マップ上には同時に複数の交戦ポイントが作られる格好になりやすい。なおかつ、ユニットを城で生産して戦線に投入するまでのタイムラグの関係で、防戦側の方が対応はしやすいバランスとなっている。 ---敵の対応力を落とすため、城攻めは領土の囲い込みとの同時進行を心がけたい。また苦労して強力なユニットを戦場に出したなら、本来の性能を十分に発揮するため、派遣先を適切に選ばなければならない。 ---つまり「安易には勝てない」。これもまた、ウォーSLGとしての十分な歯ごたえにつながっている。 -操作性・ユーザーインターフェース --把握しなければならない情報が多くプレイ難度の高いゲームではあるが、ゲーム中にもフォローがあって遊びやすい。 --例えば戦闘の相性については、メニューにアタック表が用意されている他、攻撃時に表示される記号(○や×などで表示)を目安にできる。 -BGM --ゲームで流れるBGMは繊細な音色の短調を中心に構成されている。高山ヒロヒコによる楽曲はアトラス製作ということもあり、どことなく女神転生シリーズを髣髴とさせるもの。 --N106音源チップによるサウンドはファミコン離れした高音質で、耳に残るメロディアスな曲という訳ではないがプレイの邪魔にも一切ならず、加えてファミコンには珍しく1/fゆらぎを採用しており繰り返し長く聞き続けられる心地良さがある。 **欠点 -かなり長丁場の戦いであり、また収束性が無い。 --例えば、広いマップなどで一対一となった後、片方が優位に立って城攻めをしたが落としきれなかった場合。そこに至るまでに大抵は既に長時間が経過している事もあって、その後のゲーム展開がグダグダになりがちである。&br一定ターンでゲーム終了とし、国力を比較して順位付けするようなルールも無い。 --人間が3人以上参加するマルチプレイでは、脱落したプレイヤーは残りの決着がつくまでヒマになる。SLG初心者を交えて気軽に遊ぶのにはあまり向かない。 ---「降伏」コマンドが用意されているので、元々長いゲームが更に長引くと感じた際は、劣勢を認めた側が潔くゲームを終わらせつつも互いの健闘を讃えあおう。 -CPUの頭はさほど賢くない。 --ルシファーは初期領土や地形の関係でプレイヤーよりも有利な条件で戦いが始まるが、その代わりユニットの雇用方針にムラがあり、戦術に安定感が欠けている。そこまでならCPU戦のバランスとしては丁度良いかもしれないが、コストを度外視する用兵により、マップ条件によっては自発的に金欠に陥って一人で困っている事も。 ---またプログラムミスのためか、たまーに敵ユニットが戦場の反対側の画面端目掛けて突進する場合がある。 -スケルトンがウザイ。 --絶妙なバランスの取れている本作のユニットで、唯一煙たがられているのがスケルトン。このユニットはいわゆる「超低火力・超高装甲」で、致命傷を食らうことはないが逆に有効打を与えるのも難しい、というストレスキャラ。ソーサラー系ユニットの召喚魔法でしか生産できないが、スケルトンを街などの要所に置かれると「敵も味方も戦線を一向に拡大できない状態」となり、ただでさえ長期化する戦いが更に間延びしやすい。 --しかもCPUは嫌がらせのようにスケルトンを大量に召喚しまくる思考ルーチンなので、余計に戦いが膠着状態になりやすい。 **総評 ファンタジー世界で一国の主となったプレイヤーが騎士やドラゴンを雇いながら戦うという、硬派ながら魅力的な世界観を持つウォーシミュレーションである。互いに複雑な相性関係を持つユニットが、戦闘における強弱バランスを絶妙に保ちつつも数多く取り揃えられ、国同士の軍事行動を彩り豊かに飾っている。~ ルールがシンプルでありながら奥行きも深く、容易に覇者とはなれない難易度で完成された本作は、SLGファンにとって心に強く残りうる一本だろう。~ プレイ時間が長くなかなか気楽には手を出せないゲームである事以外にSLGとしての目立った欠点が見当たらない事も、地味ながら評価すべき点である。 **その後の展開 -のちにPSの「ナムコアンソロージー2」にて移植。こちらはFC版そのままの移植に加え、PS版としてリメイクされたアレンジ版がある。 --アレンジ版ではファイターが「剣ファイター」「斧ファイター」「槍ファイター」「弓ファイター」の4種類となり、それぞれ3すくみや妖精ユニットとの相性が多少変化している。他にも「バーバリアン」や「ゾンビ」などの新ユニットが登場している。 --他にも新マップが登場し、「ストーリーモード」も一新。CPUも超攻撃的思考になっている。 ---ただ、戦闘前後に使われるビジュアル表現がPS独特の演算技術を用いたものであり、残念ながらPS2以降のハードではアレンジ版のみフリーズが発生してプレイが不可能になってしまっている。
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