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スーパーマリオギャラクシー - (2011/01/23 (日) 20:22:14) の最新版との変更点
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**スーパーマリオギャラクシー
【すーぱーまりおぎゃらくしー】
|ジャンル|3Dアクション|&amazon(B000IUCWFI)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|任天堂|~|
|発売日|2007年11月1日|~|
|定価|5,800円|~|
**プロローグ
#blockquote(){
その年のキノコ王国の空には、空をおおうほどの大きな「ほうき星」がありました。&br()
百年に一度訪れるその「ほうき星」からは、たくさんの星くずが降りそそぎました。大地に落ちた星くずは、キノピオたちによって集められ、&br()
とても大きなパワースターに、生まれ変わったといいます。それは、王国にとって幸せなことのはずでした。&br()
百年に一度、星くずの恵みをお祝いする「星くず祭」の夜のこと。
「マリオへ&br()
星くず祭の夜にお城で待ってます&br()
わたしたい物があるの……
ピーチより」
ピーチ姫からの招待状をにぎりしめ、マリオがお城に到着するとそこは、きらびやかに輝く星くず祭の真っ最中でした。&br()
楽しげに踊るキノピオたちに迎えられ、幸せなひとときを感じるマリオでしたが……
}
([[公式サイト>http://www.nintendo.co.jp/wii/rmgj/index.html]]より)
**概要
「[[スーパーマリオブラザーズ]]」の流れを汲む、「スーパーマリオ」シリーズの正統な続編である。今回はテーマを「&bold(){重力}」とし、今まで以上に個性的なステージの数々が展開される。それに加えて、Wiiの容量を活かした幻想的かつ現実的な質感の表現、横田真人氏と近藤浩治氏による高品質なオーケストラサウンドなど、様々な面で「任天堂の本気」が伺える。まさに任天堂渾身の一作である。
**特徴
今までにない発想豊かなステージ。
-本作では宇宙を舞台とした大冒険が展開される。丸い星や四角い星、ドーナツ型の星や星形の星(?)など、様々な星を駆け巡る。もちろん[[スーパーマリオ64]]のような箱庭ステージも健在。
-世界観も実に豊富。海の星やマグマの星、要塞の星にオバケの星などなど。
--スタッフによると、色々なステージ案が出た際、「宇宙なんだから別の星って事にすればいいよね」ということで豊富なアイデアを盛り込めたという。「宇宙の冒険」という発想の勝利と言える。
-ゲームデザイン担当である宮本茂氏が徹底的にこだわった「球状地形」は、本作で遺憾なく発揮されている。
--自由に走り回っても壁にぶつからず、それでいて有限の大きさに収まるという本質的な利点は、本作における様々な点で活用される。キャラクターを追っかけ回したりとか、クッパを吹っ飛ばして反対側で待ち構えたりとか。
--平たい星なのに裏側にアイテムが隠されていた、なんてことも。
-それに加え、本作を大きく特徴づけているのが、メインテーマでもある「重力システム」である。
--変な形の星に張り付いて歩き回ることもあれば、場所によって重力の向きが変わったり、さらに重力の向きを変える仕掛けもあったりする。そりゃーもう色んなステージが待ち構えている。
--一部のステージは縦横のみに動ける2Dになる。これもこれで独特な楽しみがある。
-集めるべきスターは120個と非常に多いが、最後まで飽きさせないバランス調整が絶妙である。
--エンティングを迎えるだけなら初心者でも楽ではあるが、スターを全て集めようとするとだんだん難しくなってくる。
--難易度調整こそないものの、初心者には優しく、極めたい人にはとことん歯ごたえのあるゲームバランスである。開発にとっては、難易度の調節をプレイヤーに任せるのは「逃げ」に該当するのかもしれない。
そのステージを快適に駆け回れるように工夫された、シンプルな操作体系。
-64では豊富に存在したジャンプアクションや攻撃アクションだが、今作ではかなり簡素化され、その代わりWiiリモコンの機能を生かした操作になっている。
--リモコンを振ってマリオの周囲全体にスピン攻撃。大体の敵や仕掛けはこれでカタがつく。とは言っても一筋縄では行かず、物によって使い方を考えたりヒントを集めたりしながら進むことになる。
--ポインターでアイテムを集める。アイテムを取った時にリモコンから音がするのもまた楽しい。
--これを導入した理由として、「球状地形だと遠近感がつかみ辛く、踏みつけアクションは難しいから」とのこと。そのため、快適かつヌルすぎない操作が出来る。
--否定意見もあるが、それについては後述。
-また、アイテムによる変身アクションも多い。それぞれ操作方法が少しずつ異なっており、良く工夫されている。[[スーパーマリオワールド]]などと違い、単純に有利になるだけではない変身もある。
-特殊な操作でマリオを動かすミニゲーム的なステージもある。タイムアタック制だったりするので、クリアするだけでなくタイム更新を目指すだけでも熱い。
-2人協力プレイに対応。リモコンが2つあれば、片方のプレイヤーはステージ内の敵や仕掛けの動きを止めたり、アイテムを集めたりしてもう片方を補助することが出来る。
--任天堂が永年の課題としてきた、「アクションゲームを2人同時に」という要望への一つの回答である。
その他、システム面での様々な工夫。
-今までにない地形のステージのため、カメラワークは非常に工夫されている。プレイヤーがカメラを操作できる場所もあるがむしろ少数で、特定の場所に行けば自動でカメラも見やすい位置に移動してくれる。たまに意に介さない動きもあったりするが…。
-ものすごく親切なチュートリアル。操作方法はステージにいるキャラが教えてくれる。初めての人でも説明書を読まなくていいくらいである。
-宮本氏による「簡単でも緊張感のあるゲームを」という考えの元、最大ダメージが従来までの8から3へと大きく減らされた(アイテムで一時的に倍の6になることもある)。その代わり、1UPがしやすくなっている。
--中間ポイントも数多く設置されている。ミスしやすいけど復活もしやすいという仕様によりバランスを取っている。
--これまでと違い、トラップや敵の攻撃によるダメージは全て1である。ドッスンなどに潰されたり、毒の沼やブラックホールに吸い込まれるとミスとなる。
--慣れてくると「復活もしやすい」の部分だけ残って、残機50を超えることも。
-ロードやバグは全くといっていいほど気にならない。時間を短くする工夫と、うまい事ごまかす演出による結果であろう。任天堂の昔からの教訓「3秒で起動させろ」が、このゲームでも活きている。
そして演出面。
-音楽は「天文台のロゼッタ」と「エッグプラネット」の2曲(アレンジも含めると4曲)のみ近藤浩治氏による作曲、あとは横田真人氏による作曲もしくは編曲である。横田氏はこのゲームだけで50曲以上を担当したことになる。
--近藤浩治はかの「スーパーマリオブラザーズ」以来、任天堂のビッグタイトルに数多く携わってきた名作曲家である。本人曰く「もっとやりたかった」らしい。
-宇宙というテーマを表現するため、マリオシリーズとしては初めてオーケストラによる楽曲を使用。その他にも様々なステージに合わせた様々な楽曲が用意されている。以下の4曲は特に評価が高い。
--&bold(){エッグプラネット}: 近藤浩治氏作曲。チュートリアルを除いて一番初めのステージで流れる曲である。金管楽器による華やかなファンファーレと、フルートから弦楽器へと渡されていく美しい旋律は、壮大な宇宙を巡る大冒険へと出発したことをプレイヤーに感じさせてくれる。&bold(){Welcome to the Galaxy!}
--&bold(){フローターランド}: 電子音による印象的な導入から始まり、オーケストラとテルミンによる勇ましい旋律が展開された後、金管楽器により一気にクライマックスへと突入する。管弦楽に電子音をうまく融合させた傑作。一つ不満点があるとすれば、これだけの曲なのに聞く機会が少ないことか。
--&bold(){ウィンドガーデン}: 名前通り「風」をテーマとしたステージで流れる曲のため、木管楽器と弦楽器を中心とした爽やかで流れるような旋律で構成される。金管楽器も加わると雰囲気は一気に盛り上がる。ギターとハープも効果的に用いられている。この曲はゲーム内の随所でアレンジされて流れる。
--&bold(){パープルコメット}: 明るい中に緊迫感のある印象的な導入の後、テクノドラムに乗った弦楽器の旋律が展開される。曲が良いばかりか、これが流れるステージは決まって難易度が非常に高いので、プレイヤーの記憶に(時にはトラウマとなって)強く残ることになる。
-ちなみに、時々「全てがオーケストラ」という表記を見かけるが、そうでもない。エスニックな雰囲気の曲やサンバのリズム、静かなアンビエントにノリのいいテクノポップまで、曲調は様々。そして過去のマリオシリーズのアレンジも入っている。
--これだけ音楽に関して充実しているのに、サウンドテストにあたる機能は本作中にはない。サウンドトラックはクラブニンテンドー会員を対象に限定で販売された。ニコニコ動画では異様に充実しているのでネットで検索をかければすぐ出てくる。
-ゲーム内に登場する物体の質感の表現にもこだわっている。金属や水面、芝生やチョコレートに至るまで、まるでそこにあるかのようなリアリティな表現。
--それまでのWiiに対する「グラフィックでは他の次世代機に遠く及ばない」という評価への、一つの反論とも言える。
--キャラクターの毛並みの表現までリアルである。
-ストーリーの本体は、まあ「いつものマリオ」であるが、今回はとあるキャラのバックグラウンドが非常に作り込まれている。それはさながら一つのおとぎ話。というか、実際そんな感じで紹介される。
-ゲームを終えた後には感動のエンディングが待っている。ネタバレをするつもりはないが、マリオシリーズを知っている方なら大体想像がつくだろう。
--本当の完全クリアを達成した後のエンディングは一見の価値あり。今までの仲間が…ごにょごにょ
//制限時間付きパープルコメットの正式名称は「パープルコメット」なので変更しました。
//なんかこの記事、言っちゃ悪いけど著者の気合が入りすぎって感じだな。もうちょっと客観的な書き方にしてもいいような気がする。
//ごめんね ちょっとは削除しといたから
と、ここまで任天堂が気合いを入れ、多くの消費者にも受け入れられた本作であるが、否定的な意見もそれなりに存在する。
**批判される点
-64以降、スターはステージから「探し出すもの」であったが、今回は各ステージのゴールに置かれている「辿り着くもの」である。
--箱庭を探索する要素は、皆無ではないにせよ大幅に減らされた。このことが一部の人には「自由度がない」として拒否されている。
--スターまでは基本的に一本道であるため、これを2Dマリオへの「原点回帰」と評する人もいる。
-球状地形をぐるんぐるん走り回るアクションは、合わない人には本当に合わない。カメラワークに関しても同様。
--チュートリアルと最初のステージがそれであり、2面からは箱庭っぽいステージも登場する。「最初がこれでなければ…」と評する人も。
-操作が簡略化されたこと、そして残されたジャンプアクションもあまり活用できないステージ設計を嫌う人もいる。
--特に、前述の「スピン」の存在が槍玉に挙げられる。当然ながら敵への向きを考えて攻撃を当てるといったことは省略されるため、64の熱心なファンにこれを否定する人がいる。
-アイテムによる変身がやや不評。特にファイアマリオなど便利な変身は時間制限がついているため、あまり快適にならない。
--今までのシリーズとは「変身」の存在意義が違う。今回は「武器」ではなくあくまで「道具」であり、前述したが単純に便利にはならないのである。ステージをクリアすると元に戻るし。
-サウンドトラックはクラブニンテンドーに加入しないと入手できない(中古購入を除く)。しかもポイントで交換できるのはスタッフが曲を選んだ限定バージョンで、フルバージョンは2007年度のプラチナ会員でないと入手不可(これも中古購入を除くが)。音楽が素晴らしいためもったいない感じがする。
-水中の操作性が悪い、あるいは難しい。
-上述の通り、カメラシステムがプレイヤーに任せる方式からオート重視に変わっており、オートの想定に合うかによって極めてカメラに対する評価が変わる。
**総評
システム、ステージ、演出と、全てが非常に高いレベルでまとまっている、まさに任天堂の傑作である。最近の任天堂は「Wii Sports」や「Wii Fit」などの、いわゆるライトユーザー向けソフトの印象が強い。しかし、そういった商品でゲームを始めた人には親しみやすく、かつ昔からのゲーム好きにも満足してもらえるようなゲームを、という2つの相反する要求に見事に応えた任天堂のノウハウには、もはや流石としか言いようがない。「マリオ」という重い看板を背負い、彼の誕生から25年目にして「マリオとは何か」を改めて問うにまで「マリオ」にこだわった開発スタッフの本気が詰め込まれた充実の一作である。
**その後
-売上は、当初マリオシリーズにしては伸び悩んでいた(初週販売は約25万本)が、長期にわたるジワ売れを見せ、発売から2年ほど経った2010年1月には遂に100万本を突破した(ソースは[[こちら>http://n-wii.net/news/eid2570.html]])。
//ここを一番編集したかったんだけど、他の部分が自分で読んでて痛かった。
--奇しくも、[[同じ日に発売されたソフト>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/75.html]]もまた名作であり、大きな話題を呼んだ。11月1日は色々と記念すべき日であるのかもしれない。&br()件の作品はよりにもよってこのソフトと発売日がブッキングしてしまったため売り上げ的には爆死してしまったが…&br()''もう一度言うが、件の作品もこのゲームもWii屈指の名作である''。
-2009年6月にアメリカで行われたE3にて、続編「[[スーパーマリオギャラクシー2]]」を発表。2010年5月27日に発売された。
--北米で先行販売、絶賛された。IGN、GAMESPOTなどの大手ゲームサイトで満点評価を受け、その他多くのレビューサイトでも満点、またはそれに近い評価を受けた。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3774.html]]に移転しました。''