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*サガフロンティア2 【さがふろんてぃあつー】 |ジャンル|RPG|#image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/41cUHqmY-tL.SL160.jpg)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1999年4月1日|~| |定価|7,140円|~| |廉価版|スクウェアミレニアムコレクション:2000年6月29日/3,990円&br()PS one Books:2002年3月20日/2,625円&br()アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,575円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2008年12月20日/600円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''| ---- #contents(fromhere) ----  **概要 -サガシリーズ8作目にして[[サガフロンティア]]シリーズの第2作目(続編と呼ぶには少々無理がある。理由は後述)。 --舞台はサンダイルという術至上主義がまかり通る中世風の世界。 ---前作がGBサガ系のごった煮世界観だったのに対し、本作はロマサガ系の中世風世界観に戻った。もちろん世界観の繋がりはない。 --戦闘時において全員で戦うパーティーバトルのほかに1対1で戦うデュエルを選択できる。 --従来のフリーシナリオとは違う「ヒストリーチョイス」というシナリオシステムの導入などが図られている。 --従来通りの閃きや連携、熟練度システムなどは継承されているが、見切り技の廃止や敵も連携するなどのマイナーチェンジが為されている。 --世界観変更に伴って作曲家が伊藤賢治氏から浜渦正志氏に変更され、曲調も随分と落ちついたもの・神秘的なものに変わった。 ---- **特徴・評価点 -アルティマニアの発売や時間の経過につれて、秀逸なストーリーや練り込まれたバトルシステムが再評価された。 ***ヒストリーチョイス -本作の最大の特徴であるシナリオシステム。この作品を語る上での最大の魅力である。 -この作品のシナリオは国家間の戦争や政治の流れに大きく関わる表の歴史を描いたギュスターヴ編と、関わるキャラクターのほとんどが平民や冒険者で歴史書には記されない裏の歴史を描いたウィル・ナイツ編の2つに大きく分かれる。 --これだけ聞くと前作は主人公が7人もいたのにたった2人だけか!と憤慨したくなるがそうではない。最初に選択するのが上記の二人というだけで、この作品は数十年の単位で時間軸が動く。 --そのためシナリオが進行し時代が移り変わると彼らの子孫や後継者などがプレイヤーキャラクターに変更される。以前動いていた主人公たちは引退したり死亡したり以後の動きがはっきり語られなくなったりする。 ---子孫・後継者だけでなく前のシナリオの仲間キャラや敵が主人公をする外伝的なシナリオも多数あり、世界観やキャラクターに厚みを与えている。 ---このような主人公交代はロマサガ2の感覚に近いが、この作品のキャラクターは汎用キャラではなく全て固有の人格と設定を持った生々しい人間たちである。生まれも育ちも、該当シナリオに関わる理由も様々。 --つまりサガフロンティアが大勢の主人公たちを一貫して操作することによりシナリオのバラエティの広さを追求したのに対して、この作品は歴史の裏と表という2つのシナリオの軸に複数の主人公を時代時代に交代させることで物語の深さを追求した作品といえる。 -プレイヤーは、世界地図上に示された土地の上に現れる歴史上の事件・出来事を選択することでこのゲームを始められる。 --一つの事件が1つのイベントであると解釈して構わない。これらの事件を解決するたびに次の時代の事件が世界地図に現れる。これらを好きな順番でクリアすることによって歴史=シナリオが進んでいく。 --1つ1つの事件同士は全く別の場所・時代で起こっていたとしても、後の出来事に密接に関わってきたり歴史の表と裏を繋ぐ重要な出来事だったりする。 ---このためプレイを進めていけばいくほど歴史の光と影の深さや物語の壮大なスケール感、人物同士の綿密な群像劇を感じることができる。 --また、表の歴史で戦争が起これば「コンバット」という擬似的な戦争シミュレーションをすることができたり、帝王となった主人公が新しい街を作ったりとイベント内容の幅も大きく、サガフロンティア2の世界で起こる歴史を間近で観る感覚を得られる。 -歴史と血筋をテーマにしただけあって、シナリオは重厚かつどこか物悲しさに満ちている。 --歴史の表、ギュスターヴ編は術が使えないために国を追放された王子ギュスターヴが母親や友人の支えによって成長し、やがて自ら国を興し覇者となる流れこそ華々しく王道的なサクセスストーリー。 ---だが、ギュスターヴ死後の後継者争いやそれに伴う混乱に便乗する敵対者の策謀、後継者たちによる新たな時代の幕開けなど、ただの王道では終わらない。それどころか、この話はCMのキャッチコピー「主人公の死。そこから本当の物語は始まる」の通りギュスターヴが表舞台を降りてから本格的に展開していくのである。彼の死後に訪れた激動の時代から多くの犠牲を経て平和に至るシーンまでの過程はまるで壮大な歴史小説を紐解くようである。 --一方、歴史の裏、ウィル・ナイツ編はディガー(遺跡発掘者)として仕事をしながら父母の死の真相を探り復讐を遂げようとする主人公ウィルの話で、序盤こそこれまたよくある王道の冒険譚なのだが、彼が真相を知り目的を成就するまでには実に70年という長い月日を要する。 ---その間に起きる事件、ディガーとして成功するまでの冒険や父母が死んだ真実を知る過程だけでなく、仲間との出会いや別れ、息子の死、孫の成長といった一生を費やすイベント群は見ごたえ抜群。 ---オープニングでは15歳の少年であったウィルは、主人公が孫のヴァージニアに交代した最終シナリオでも全ての元凶と決着をつけるためなんと85歳という高齢で参戦。その時のセリフ1つ1つが彼の成長や宿命を感じることができる。 --個々のイベントも印象深く、そして熱い。ギュスターヴが国から追放され自暴自棄になっていたところを母の叱咤で立ち直るシーンやその友ケルヴィンの辿る激動は一個のゲームにとどまらない物語を見せている。最終的にはギュスターヴとケルヴィンの後継者であるデーヴィドがギュスターヴを名乗る男を討伐する際、本編中で敵対していた諸侯と大連合を組んで戦いを挑んでいく。そのシナリオがギュスターヴ編のラストである「サウスマウンドトップの戦い」である。戦いの果てに行われるデーヴィドの演説はギュスターヴという男の生涯と散っていった者達の物語を統括する内容であり、これもまた人気が高いことで知られている。 --特にギュスターヴ編の「兄弟再会」というシナリオは、最高のBGMも相まって誰もが涙を流したといわれるほど。 --ハッピーエンドながらどこか切ないエンディングもパッケージの「折れた剣」とつながったシーン演出などで評価が高い。 -このシステムのおかげで自由度が低下した反面、シナリオはサガシリーズ最高とさえいわれる。 ---ただし、このゲームのシナリオは(意図的にだが)不明瞭な部分が多い。主要キャラの生死不明、イベントの真相が不明、年代間の描写が無いといった点が挙げられる。プレイヤーが想像する余地は多いのだが、ストーリーに明確な解釈や描写をプレイヤーが求めているかどうかシナリオの評価も違うであろう(一部、設定資料集で補完はされている。ただし絶版になっているため入手は非常に困難) ***世界観・グラフィック -水彩画調のグラフィックは美しく、その秀逸な世界観を落ち着きあるものに仕上げている。 --砂漠に聳え立つ散水塔、氷と人工物が組み合わさった寒冷地の遺跡、琥珀色の映える虫の住処、うら錆びた古代の巨大橋脚など冒険の舞台のシチュエーションが浪漫に満ちていることもあって終始幻想的な雰囲気を味わえる。 -術至上主義、という世界観が実に秀逸。その世界観はストーリーはもちろんの事、バトルシステム、武具に至るまでしっかりと反映されている。 --ジャケットに描かれている折れた鉄の剣に象徴されるように、「鉄の武具」が本作のストーリーにおいて重要な役割を担っている。 #region(ネタバレ注意) --作中の鉄器は「所持していると術力(=アニマ)を妨げる」ために序盤の内は世間では異端な存在であった。しかし、アニマがなく術不能者であったギュスターヴは、鉄の強靭さに着目し、金属製武具で武装した術不能者の軍隊を編成。その結果ギュスターヴは帝王に上り詰め、物語中盤以降は鉄の素材自体が世間に評価されていき、店頭に金属製武具が並んでいく。このエピソードはキャラクターの設定とシナリオ、世界観がしっかりと噛み合っており見事なものである。 ---実際にゲーム中の数値でも金属製武具は攻撃力・防御力が優秀な反面、装備者の術による与ダメージ・被ダメージを大幅に低下させる。 --パッケージにも描かれている「ギュスターヴの剣」は、ギュスターヴ自身の手によって、この世界で初めて造られた''鉄の武器''であり、物語中では彼の力の象徴として描かれている。人の手で造られたものだが、そのエピソードの生々しさやギュスターヴ自身が亡くなっても後継者にその意志とともに受け継がれていくなど、RPGでよくある伝説の武器の中でも存在感は抜群である。作中でも剣を作るきっかけになった剣と並んで「世界最強の剣」と言われている。ちなみにあるキャラクターに受け継がれるシーンは歴史の表裏が明確な形で繋がるシーンとして知られている。 ---最終ボス「エッグ」にトドメを刺したのもこの剣である。もはや過去の遺物であるアニマの塊に、新しい時代の訪れを告げる鉄の剣でトドメを刺す…というシチュエーションは、多くのユーザーの心に強烈に焼きついた。余談だが、エッグは物語終盤でギュスターヴを名乗って暗躍していた。つまりギュスターヴの名前を継ぐ男の手によって、受け継がれた鉄の剣でトドメを刺されたのである。 ---上記のように最初は批判されていたこの世界観だが、後の再評価によって(当たり前のように)受け入れられていった。 #endregion ***秀逸なBGM --発売当時はキャスト変更に戸惑われていた浜渦氏だが、実際のゲーム中の音楽は非常に質が高く、現在では批判の声は殆どない。 --ゲーム中の曲は主として3種類のメロディーしか使われてない。特定の旋律を複数の曲に渡って多用する事で統一感を生み出している。 --けして手抜きではなく、同じメロディーでも楽器や曲調を工夫して幅広いバリエーションを持たせるという職人技を披露している。例としては町の曲と戦闘曲が同じメロディーなのに違和感が全くないなど。 ---これは氏の「連続するシーンで、全く異なるメロディーを流すことへの違和感」から生まれた産物であり、氏がゲームへの造詣が深いことも作曲の要因となっている。 --ゲーム全体としての音楽の調和もさることながら、単体の曲としても聴き応えがある。特に戦闘曲はイトケンとは方向性は違うものの世界観との調和も相成って評価が高い。 --浜渦氏は次回作の『[[アンリミテッド:サガ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/257.html]]』でも作曲を担当しており、ゲームとしてはあまり評価されなかったものの、BGMはやはり高評価を受けていた。 --なお、この音楽手法は本作が出るまでコンシューマではほとんど採用されなかった珍しい手法である。 ---FFなど複数作に分かれてアレンジといった形ではあったものの一作品内で大胆に行ったのは初めて。 ***バトルシステム -戦闘システムは、閃きや連携といった従来の醍醐味はそのままに、大胆な追加・変更がなされている。 --連携システム ---前作のような大胆なカメラワークと演出はないものの、「繋がるか、繋がらないか」の楽しみは前作以上となった。 ---最大4連携だが、敵が自身に使う特殊能力を利用すると5連携を出せるようになり、それが決まった時の爽快感は格別。 ---味方の素早さと関係なくオプションで任意でキャラごとの行動順を設定できるため、少し計算すれば狙った連携を出しやすくなった。 ---前作にはなかった「繋げば繋ぐほど強力になる」システムを初採用。これは後の作品にも引き継がれたため、連携数を増やすことはそれ自体重要になった。 --デュエルシステム ---敵と1対1のタイマンで戦う戦闘方法。斬る・払う・炎・音といったコマンドを組み合わせて行う。 ---お供モンスターが出てこない、参加せずとも他メンバーのHPが回復する等の多数のメリットがある。 ---同時にゲームオーバーになり易い、参加者しか成長しない等のデメリットも存在。痛し痒しである。 ---何より閃きや学習よりも技・術を習得しやすいのは最大の特徴と言える。デュエルでしか習得できないものもあるが、閃きでしか習得できない・閃きの方が習得しやすいというものも多数存在しており、元々のシステムである閃きの重要性を損なうような事にはなっていない。 ---相抜け・タイムリーアクション・カスタムアーツといった独自のシステムが存在しており、「構える」や「身を守る」等のコマンドにもそれぞれ効果があるため、それらを活用しての戦闘は意外なほど奥深くて面白い。ただ、サガシリーズ固有の問題として理解するまでが少々大変であり、それまでは「基本的に強力な技や術が発動するコマンドを選ぶだけ」と誤解されがちなのが難点か。 --年齢によるリアルさ ---本作ではバトルによる成長とは別に年齢により能力値が変化する。 ---若い時分ではLP(ライフポイント)があり溢れ大人になると力強さが強調されタフになる。 ---逆に老いが始まるとHP、LP、WPといった肉体面は脆くなるが精神面の代表であるJPは強化され続ける。 ---顕著なのが主人公であるウィルナイツ。15歳で初冒険し最終的に85歳の老骨を奮ってラスボスに挑む事になるわけだ。 --世界観に密接に関係した術システム ---あらゆるものにアニマが存在するという世界観を生かし、術を使う際に必要なアニマを武器や防具、地形からも引き出す事ができる。 ---必要なアニマが存在しないと強力な術技や合成術を使えないので、攻撃力や防御力だけではなくアニマも考え装備を整える必要がある。 ---地形によって存在するアニマも違うので、それも利用すれば余計な装備を使わず上手に術を使うこともできる。 ---金属装備は強力だがアニマを阻害する性質があるので、攻撃力を取るか術を取るか考える必要もある。 --本作ではGBサガシリーズのように、大半の武具が一定回数以上の使用で壊れる耐久度制となっている。 ---町に行ける内に補給をしておかないと長丁場の戦闘で苦労する羽目に・・・と勘違いしたプレイヤーが続出した。 ---実際はそうではなく、武器は敵や宝箱などから嫌というほど手に入るので、実は全然困らない。それどころか武器を壊すとチップという一種のお金が手に入るので、むしろ武器はガンガン使って壊した方が得をするし不要なら換金も出来る。 ---金属製武具やクヴェルといった使用回数が無限の武具も存在する他、WP・JPが戦闘中に回復するためそれを踏まえた攻略をすれば問題ない。 ---また、使用回数が減るのは該当武具を直接使用した時だけである。例えば音のアクセサリー「ウインドシェル」を装備している場合、これの使用回数が減るのは固有術の「音」を使用した時のみであり、複数のアニマを組み合わせる合成術を使用した場合だと減る事はない。なので使用回数有りの武具のみで固めたとしても、やり方次第でどうとでもなる(流石に武器はいくつか用意する必要があるが) --ロールシステム ---本作ではキャラに一般的なRPGで言う所のHPとMP、それと各技や術の熟練度以外のパラメータ、つまり力、素早さ、魔力といったそのキャラの個性となるようなステータスがほぼ存在しない。これはパーティが次々と入れ替わっていく展開との兼ね合いと思われる。 ---その代わりとして各キャラにロールという役割を割り振ることで、キャラに個性を付けることができる。 ---「鉄砲玉」はとにかく最速で行動、「スカウト」は戦闘開始時に味方の陣形が崩れにくくなる、「術強化」は術による攻撃効果が上昇する、など。 ---こんな感じのロールが割と豊富にあるため、プレイスタイルは結構幅広い。 --その他 ---戦闘の進行状況・優劣によって「見逃す」「停戦交渉」等を行えるようになった。それぞれに逃走の成功確率が定められている他、中にはアイテムのドロップ確率が上昇するものもある。レアアイテムの収集は歴代サガシリーズで好まれているやり込み要素であり、このシステムはユーザーにとって大変ありがたいものである。 -使いやすいユーザーインターフェイス。 --通常のゲームでは何らかのボタンでメニュー画面を開き、そこから武具装備画面やオプション画面を選ぶ形なのだが、本作ではL1=武具装備画面、R1=技装備画面、R2=ステータス画面と、メニュー仮面を経由せずに任意の画面を「一瞬で」呼び出す事が可能となっている。クイックセーブも一瞬。 --また、他のゲームでは殆ど見られない特徴として、本作では右スティックでもキャラクターやカーソルの移動ができ、このため片手での操作が可能となっている。 -各キャラクターの持つLP(ライフポイント)がバトルの中心となり、大きく意味を持たせている。 --前作までは戦闘後にHPが全回復する代わりに、戦闘不能に陥る度にLPが減少し、ゼロになったキャラは離脱・使用不能という仕組みだった。 --今作では単に戦闘不能となった場合にはLPが減少せず、LPが減少する局面は他に増えている。また戦闘中キャラのLPがゼロになっても、戦闘後1だけ回復するためキャラが使用不能にはならなくなった。 --LPを1消費する事でHPを全回復することができるようになった。 ---HP回復がスムーズに、回復役いらずでパーティー全員で(連携)攻撃が狙える。 ---これはターンの始めに使用可能であり、バトルコマンドの入力とも別になっている。その代わり、戦闘終了後のHPは最大値の4分の1しか自動回復せず、戦闘以外でHP回復術は使用できない。 --技・術を使用するためのポイント(WP・JP)が0になっても、LPを消費することで技が使用できる。 ---これはピンチのようだが、LPを消費して繰り出すと通常よりダメージが増加する(武器を使わない行動=術と体術だけ)。連携やダメージ増加のロールとあわせて大ダメージを狙えるチャンスでもある。 --また、LPを減らす効果を持った攻撃が多い。 ---ラスボスの技では特に全員分ガンガン減らされるので焦る。 --このように、今作はLPを削りながら行われるバトルであり、ボス戦は「パーティーキャラのLPが尽きるまでにボスを倒せるか」がポイントである。LP残量に気を配る緊張感と、連携による爽快感をバトルで楽しむことができる。 **コンバット -諸侯同士の戦争を表現したSRPG式の特殊バトル。ギュウターヴ編で数度挟まれる。 -敵軍と自軍(プレイヤー側)に分かれ、マス目状のフィールドに配置された4人1組の自軍ユニット(1軍隊)を動かして戦う。 -敵軍ユニットに接触すると、ユニット同士でバトルが開始される。 --このバトルは特殊で、1ターンだけ戦い、ターン終了時にユニット内の合計HPが高かった側の勝利となる。敗北したユニットは退却するが、退路を塞がれたり、4人全員が戦闘不能になった場合はそのユニットは全滅する。 -コンバットでは「防衛ラインへの侵入」などの敗北条件を敵軍に満たされぬよう警戒しつつ、「大将ユニットの撃破」などの自軍勝利条件の達成を目指していく。 -ユニットを構成しているのは、基本的に敵味方ともにコンバット専用の汎用(名前無し)兵士キャラ。ステータスは低く固定で、使用できる技も初期レベルのもののみ(プレイヤーは汎用兵士キャラの装備品、技に干渉できない)。 -このコンバット、プレイヤー側が有利なことが多く、まず簡単である(それでもある程度ルールを知らないと負けるが)。 --プレイヤー側の軍は、基本的にプレイヤーキャラがユニットに入っているのが大きい。使えるプレイヤーキャラはほぼ毎回変わるが、汎用兵士キャラよりずっと強く、装備品・技もいじれるので全体技を1つでも持たせればもう楽勝。 --が、そのプレイヤーキャラを使用できず、自軍が不利な状況下で戦うことになる最後のコンバット「サウスマウンドトップの戦い」はぶっちぎりで難しいと評判になった。 **2周目からのゲーム内容と引き継ぎ要素 -エンディング後はクリアデータを作成することができ、クリアデータではいくつかの要素をクリア時から引き継いだままのニューゲームが可能になる。 --いわゆる強くてニューゲームの一種。自由度が増して以前のサガシリーズらしいフリーシナリオ的な遊び方ができるようになる。 -ヒストリーチョイスが変化し、シナリオが最初から自由に選択可能になる。 --一周目は特定のシナリオをクリアすることで、また次のシナリオが出現していく仕組みのため、クリアまでのイベントの攻略順は半ば決まっていて自由度が低めなのだが、クリアデータを引き継いだ二周目からは、前回の周でクリアしていたシナリオが最初から全て選択可能になる。 --ゲーム開始直後からいきなりラストバトルという選択肢もある。 --強力なアイテムやロールを所持しているキャラのいるシナリオだけを選択して、効率よくパーティーを強化していくことができる。 --なお、シナリオ同士の時系列の関係で、シナリオの選択順によってはシナリオの内容が変化することがある。 -おおまかな引き継ぎ要素は以下の通り -習得していた技・術が全て最初から使用可能になっている。 --なお、アイテム類や、キャラクターの能力値は引き継がれない。 -モンスターの学習レベル。 --「学習レベル」を簡単に説明すれば、特定の攻撃を使用すると、一定確率でモンスターの学習レベルが上昇し、モンスターの使用してくる攻撃の種類が増えるというもの。この学習レベルも引き継がれる。 --ちょっと気づきにくいシステムだが、同じモンスターなのにこの前のプレイ時と比べて攻撃が厄介で強力になってると感じるのは、モンスターの学習レベルが上がっているためである。 ---こちらが技・術を引き継いで最初から使用できるぶん、モンスターも学習レベルを引き継いで最初からそれなりに強力になっているわけである。 ---- **賛否両論点 -「自由度」の意味合いが従来作品と異なる。 --従来のサガシリーズと違い、「世界中を好き勝手に動き回れる」ではなく、「用意されたシナリオをある程度好きに選ぶことができる」といった形になっており、今までのサガシリーズと同じ感覚では遊べない。 --時代や場所が違うので1つの事件をこなしている間に別の事件に関われないのは仕方ないが、同じイベント中でも場所を移動してしまうと直前の場所に戻れなかったりする。 ---これにより、回復手段が限られる上にボスラッシュがあるラストダンジョンでは苦戦を強いられる。特にラスボスはとてつもない強敵であるため、事前情報がなければまず最初からやり直す羽目になる。 -先述の通り武器は敵から頻繁に入手できるので、武器の耐久度制は問題点には成りえていない。 --しかしあまりに頻繁に落としまくるため、ゲームを進めるに連れてじわじわとアイテム欄を圧迫していき、終盤に差し掛かる頃にはかなりキツキツになってくる。残念ながら倉庫のような施設はなく、先述のチップに加工するのも一手間掛かるので、結局優先順位の低いものから捨てるのが主となる。 --ちなみに道具欄がいっぱいの状態でとある一度しか入手機会のないアイテムのイベントを進めてしまうと、道具整理の確認などもなく入手できずに進んでしまう。もう一度入手しようとしても不可である。 -歴代サガシリーズの例に漏れず、難しいところは理不尽なまでに難しい。困難の度合いはシリーズ随一である。 --特にギュスターヴ編ラストバトルであるコンバット「サウスマウンドトップの戦い」、ナイツ編のラストダンジョンからラスボス戦までの流れは非常に難易度が高い。双方ともプレイヤーがシステムを理解しきれていないと厳しい。特に前者は味方側の戦力が非常に劣っているため、敵味方の戦力を常に把握しなければならない上に高度な戦略的判断が要求される。一応力押しの攻略法はあるものの、リアルラックが絡んでくる。後者はダンジョンに入れば二度と出られないため、以前から入念な準備をしていなければ状況によっては詰んでしまう。救済策はあるが、ラストシナリオの前の前の自由移動で何とかするしか方法がない。 -雑誌ではギュスターヴが主人公のように大きく取り上げられていたのに、実際はウィル・ナイツの方が活躍の比率が高い。 --そのため、ギュスターヴ編から始めたプレイヤーの多くがギュスターヴ編の展開の早さ、その後プレイするウィル編の展開の遅さに戸惑うことになった。 --実際、『表の歴史』の主人公はギュスターヴとその一族であるため雑誌の取り上げ方は間違っていないし、開発スタッフも最初から「ギュス編はストーリー重視、ナイツ編はバトル重視」と発言しているのだが。 -作曲家が伊藤賢治氏じゃない。 -前作と比べて戦闘テンポが遅く、エフェクトが地味。 --メモリ容量等の都合で、前作のスピーディーな戦闘テンポや派手な演出は無くなっている。しかし、HP回復方法の簡略化等の工夫が行われ、ザコは殲滅しやすく、ボスとの戦闘スタイルも持久戦型へと変化している。テンポも我慢できない遅さではない。 ---シリーズには珍しく、技より術の方がテンポの速いものも少なくない。術のテンポの速さはむしろ他の作品にも取り入れて欲しい。 --前作にも言えることだが、敵味方の配置がわりとバラバラになる仕様。したがって、敵を包囲したり、味方がバラけたり、逆に敵に囲まれたりするいろいろなシチュエーションがある。陣形をきちんと組めない反面、扇型・円型・直線などの範囲攻撃の使い勝手が高く、また局面によって範囲が大きく変わるため、どこでどう使うかが後のシリーズより大切。 ---- **問題点 -ヒストリーチョイス --進め方によっては出てこなくなるシナリオが存在する。 ---数は極めて少ないが、中にはあるキャラの初登場シナリオもあり、そのキャラが本筋に出てきたときに誰なのか全くわからなくなってしまう。 --シナリオを選ぶまでどの街に行けるかわからないのでアイテムの購入、処分がいつできるのか不明瞭。どのキャラが主人公になり、どのキャラが登場するのかもわからない。 ---所持金は主人公ごとに独立している。なのであるキャラが主人公の時にたくさん所持金があっても、そのキャラがそれ以降主人公にならなければ全て無駄となる。 ---チップ・アイテムは全てのキャラで共有なので所持金で買えるだけアイテムを買い、積極的に使用して壊したり店で処分して増やせば得になる。 --実のところ以上のプレイヤー側の利便性の問題とは別に、あまり本システムを生かしたシナリオ展開も多くはなく、悪く言えばおおむね歴史に沿って小エピソードが順繰りに展開されるという程度にとどまっている。 ---例えば「X年のシナリオで昔とは様変わりしたキャラクターを描写してプレイヤーを驚かせておいて、そのあとに出現する、時代としては前となるY年のシナリオでその理由を説明する」など、歴史を飛び飛びに選べるという設計ならではの展開が欲しかったか。 ---あるいは前述したとおりシナリオの選択によっては展開に欠損が生じるが、これをもっと大胆に推し進めて、シナリオ選択しだいで大幅に垣間見える歴史の側面が変わってくる、という風にするなど。 ---歴史のダイナミズムを表現できる稀有なシナリオの語り口であるが、それが雰囲気付けにとどまってしまっていてシナリオ内容にまで発展できなかったのが惜しい。 -戦闘関連 ---全部で28種類あるロールだがこのうち''11個は効果が無い''。 ---主に味方全体、敵全体に効果を及ぼすロールが実装されてないようである。 -キャラクター育成の意義が少ない。 --今作は何十年にも渡るストーリー展開であり、その都合上、使用キャラは次々と代わり、最後には使用できないキャラが多い。 ---しかし技・術は共有であり、更に育成を行う必要性が少ない方向性となっており、初期状態のキャラでも連携を活用すれば大ダメージを与えられる。 ---だが逆にそのせいで育成をほとんど行わず進めた結果、強力なボスで詰まってしまう危険性もある。 ---特にラストダンジョンではLPを温存していないとラストバトルを乗り切れない。2周目以降はハマりやすいポイントが分かるので楽になるのだが、初プレイは苦労しやすい(最終メンバーもまたいつか使用不能になると思って鍛えず、最後に困ったという例など)。 ---- **総評 -「最終パーティ以外のキャラ育成が無駄になる」「基本的に町やダンジョンへは好きなタイミングでは入ることができない」「武器防具は耐久度制」といった点は割りきりが必要。 -クソゲー扱いされるも後に再評価され、良作にまでのし上がった本作は、偶然にも底辺から国を掴むというギュスターヴと同じ道を歩む事となった。 -現在はPSstore(ゲームアーカイブス)でたったの''600円''で購入出来るので、興味のある人は買ってみてはどうだろうか。 //サガフロ1など他にも600円のゲームはあるし、あえて書く事ではないと思う。 //↑旧スクウェア製のゲームは全体的に割高 ----
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