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斑鳩 - (2011/06/16 (木) 03:07:18) の最新版との変更点
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*斑鳩
【いかるが】
|ジャンル|縦スクロールシューティングゲーム|&amazon(B00006B5NS)|
|対応機種|アーケード(NAOMI)|~|
|発売元|トレジャー|~|
|開発元|トレジャー、グレフ|~|
|稼動開始日|2001年12月20日|~|
//クソゲーまとめwiki「賛否両論ゲーム」の同ゲームの記事と統合
*概要
&big(){我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔とともに死すこと無し。}
一部のシューターに絶大な支持を受けた[[レイディアントシルバーガン]]を製作したトレジャーによる第二のシューティングゲーム。「Project RS-2」と銘打たれており続編にあたるが、時間軸等は異なる。
タイトルの「斑鳩」は実在する野鳥の名前。その名の通り白と黒のまだら模様を持つ鳥で、本作のタイトルとしてはこれ以上無い象徴的なもの。
*演出面「理想」
&big(){嗚呼、斑鳩が行く・・・・・・}
//「評価が高い」ばっかでごめんなさい。
-本作で特に評価されているのがグラフィック・BGM・デザインや演出面といった視覚と聴覚に訴える部分である。アーケード版の稼動から10年以上経ってもなお、斑鳩の世界に魅了される人は未だ数多い。
-グラフィックは非常に精巧に作られている。背景や地形はいかにもSFでソリッドな建造物で大部分が構成されており、鮮やかさの無い色調となっているが、それにより画面上の、精密なデザインながら記号的に作られた白と黒の機体や弾が、整然とした配置もあいまってより一層映えてくる。
-加えて、自機である「斑鳩」がどう動くかまで全て緻密に計算された配置により、極まったプレイは芸術の域へ昇華される程。
--各種オブジェクトや演出には梵字が描かれているものもあり、これらが機械的でありながら東洋的な雰囲気を感じさせる独自の世界観を作り出している。ちなみに設定としては舞台は未来の日本。
-BGMも非常に評価が高い。STGらしく迫力のある曲調もさることながら、それらの曲につけられた緩急がステージの展開や配置と完全に調和し、プレイヤーや見る者を引き込んで行く。
--中でも1面BGMは、これ一曲で本作の全てを表現しているといっても過言ではない名BGM。この1面のBGMは随所で一部のメロディが使われており、またリプライズ(アレンジ)が流れる場面がある。ここが本作の演出面での最高の山場である。ぜひ自分の目と耳で確かめて欲しい。
--これらのBGMを作曲したのが本作のディレクター(本職は背景デザイナー)であることも驚きをもって受け入れられた。
-また、面の途中に明朝体による漢字二文字のステージタイトルとメッセージのテロップが入るが、この文章もハイセンスかつとても印象的。
--ニコニコ動画などではハイレベルなプレイ動画などに画質で見辛いテキストをコメントとして付けるのがお決まりになっている。
--このとき画面上では自機がクローズアップされ敵陣に突っ込んでいく、と文字にすればあっさりとした演出が入るが、上記のテロップ、画面の動き、BGMの変調などが相まって非常にカッコいい。
-ストーリーはゲーム中ではテキストに抽象的に示されているだけだが、実はきちんと設定されている。詳細は[[こちら>http://www2.incl.ne.jp/~mo2/ikaruga.html]]に譲る。
--単純ながら硬派で熱いストーリーや、ゲーム中の最後の悲壮な演出と、その背景にあった掛け合いも、多くを語らないSTGらしい演出ながら、様々な想像を起こさせるものとなっている。
--「シルバーガン」のようなメタフィクション的な要素は本作では薄くなっているが、主人公=プレイヤー、「斑鳩」を作った老人達=このゲームの製作者、「斑鳩」=このゲーム自身という解釈も一応可能。
-また、自機「斑鳩」のパイロットなどのキャラクターイラストも描かれており、「シルバーガン」とは違い影が濃く硬派なもの。
--渋いタッチで描かれたキャラクターや機体のビジュアルから魅了されたという人も多いだろう。
--飛鉄塊(本作における戦闘飛行機の総称)や仏鉄塊(本作におけるボスの総称)のデザインはメカ好きに密かに人気。
*システム「試練」
&big(){無論、試練を目前に避ける事も出来れば、逃げる事も出来る。だが、試練の真意は—————}
-操作は1レバー+2ボタン(設定によっては3ボタン)で、画面にも縦画面モニターを採用しており、前作に比べてかなりアーケードゲームっぽくなったすっきりとしたものとなっている。
-本作で最も特徴的なのが白と黒の属性。敵機、自機、ショット、敵弾どれにも属性が存在し、自機はボタン一つで属性を瞬時に切り替えられる。
--言葉で説明すると複雑なので詳細な説明は省略するが、実際にプレイしてみるとかなり直感的なもの。
--中でも特徴的な性質が「同じ色の敵弾に当たってもミスにならず吸収する」というもの。弾を避ける能力が要求される場面がかなり少なくなっている。
---さらに、吸収した敵弾は自機のエネルギーとしてストックされ、「力の解放」という攻撃力の高いホーミングレーザーを放つのに使用できる。攻防一体というわけである。
--このゲームは全5ステージと短いが、その殆どが属性変更を生かし、使用を必須とした密度の濃いステージが構成されている。とはいえ、1・2面は本作の基礎を学ぶためのステージで、段階的な習熟ができるようになっている。
---特に4面の「ラフレシア」と呼ばれる前半エリアと5面ボスの最終形態の攻撃方法とその攻略法は、属性システムを遺憾なく生かした本作屈指の名場面である。
--ちなみにこの属性システムも弾を吸収できる性質を含めて本作の全く新しいアイデアではなかったりする。
-同じ色の敵を連続で3機倒すとチェーンボーナスとして高得点が入る。
--本作では3機ごとに区切っていれば違う色の敵を倒してもチェーンが継続されるため、出てくる敵をほぼ全て倒すことができるようになった。
--スコア稼ぎによる自機の強化は無いので、スコア稼ぎはクリアに必須ではない。しかし、1UPが2回までだった前作と違って本作はエブリエクステンド(一定の得点を稼ぐごとに1UP)なので、そういった意味では稼いだほうがクリアには近づく。目安としては4回目の1UPが出来るとクリアがかなり楽になる。
---また、クリア後には残機ボーナスとして清算されるため、スコア稼ぎの面でもミスしないことがより重要になった。
--得点稼ぎでやることはショットで敵を的確に撃つだけと単純明快なもの。すぐに破壊すれば、敵が早回しされその分スコアも増加する。先も述べた通り、敵はチェーンされるために出てくるよう緻密に配置されている。こう言うと簡単にも聞こえるが・・・
-「イージー」「ノーマル」「ハード」の3段階から難易度選択が可能。主に「撃ち返し弾」の有無が大きな差である。
--「ノーマル」は、同属性を破壊したときにのみ撃ち返し弾が発生する。
---無計画に敵を撃ってると、黒い弾を吸収しないといけないのに白い弾がすぐそこに来て・・・という状況が非常によくある。稼がないにしてもある程度のパターンを組むことは必須事項。
---「シューティングゲーム」なのに、「敵を撃てば撃つほど難しくなる」という奇妙なバランスで構成されている。このゲームを攻略していくコツとして「吸収できない撃ち返し弾は極力発生させない」という事を付記させていただく。
--「イージー」は、どうやっても撃ち返し弾が発生しない。また、ボスもノーマルに比べて弱くなっている。
---これによって無計画な敵の破壊もある程度許容されるが、一方で1発100点の吸収点による稼ぎや「力の解放」を使う機会が減るので、ノーマルに慣れたプレイヤーは味気なさを感じることも。
---敵配置は「ノーマル」と「ハード」の配置から若干間引いたものとなっている。パターンはほぼ同様なので、イージーで学習したことをノーマルに応用することも可能。
--「ハード」は、他のSTGで言うところの2周目モード。敵配置はノーマルほぼ同様だが、どう敵を倒しても撃ち返し弾が発生する上、ボス戦はノーマルより難しくなっている。
---どう敵を倒しても、というのがハードの最大のネックで、このゲームは敵を近距離で破壊する場面が非常に多い。逆属性で密接した敵を倒してしまった場合、その時点でミスがほぼ確定。
*長所「信念」
&big(){それを乗り越える為には、確固たる信念と洞察、そして—————}
-難易度は非常に高いが、各種演出面も合わせて「やり遂げた」ときの手応えは他のゲーム以上。
--これでもかというほどのパターンゲー。暗記事項が多い分、反射神経などが要求される場面は少なめ。けして簡単ではないが、暗記して慣れた分だけ上達する構造。
--やり遂げたときに一体何を思うかはそのプレイヤー次第。
-わりと遊び方は幅広い。
--パターンが取りうる幅は広い。チェーンを稼ぐ場合でも、妥協してもそれなりに様になる。
---パターンを自分で考えても良し、記事や動画のパターンを参考にして少しずつ自分のものにしていくのも良し。
---スコア稼ぎも極めようとするとかなりディープ。特に先のラフレシア地帯の「外周撃ち」は斑鳩の稼ぎにおける最難関。
--このゲームはショットを一切撃たなくてもクリアが可能。その場合の「DOT EATER!」なる称号まで用意されている。
---ロケテストで既にこのプレイを行おうとしていた人がいたことにインスパイアを受けたという。そのため、見た目は明らかに通れない場所がある2面でも、判定上は通れる隙間が用意された。
---このプレイは、決してマニアのお遊び要素としてだけでなく、攻略面でも見るべき所がある。このゲームには他のSTGと違って放置していたら自機を絶対的窮地に陥れるといった敵がおらず、自機の位置取りを邪魔する敵のみを撃つだけでも安全面は確保できる。先に「クリアするにはある程度稼いだほうが楽」と書いたが絶対必要ではなく、完全な「DOT EATER!」は無理でも最小限の敵のみを撃って進めたほうがクリアに近づけることもある。
--二人同時プレイでも攻撃内容や敵配置は一切変更されていないが、当然というべきか自機同士が重なれない仕様。
---通常は味方の出した撃ち返し弾に当たって・・・という事になるが、通常は出来ない早回しや撃てない敵も撃てるようになるため、分かった者同士の二人同時プレイは一人プレイ以上に見映えがする。
---世の中にはこれを一人二役でやってしまった変態さんもいる。
*短所「現実」
&big(){そして、現実はその姿を現す。—————}
-敷居が非常に高く、挫折者を多数生んでいる。敵配置を覚えてからが本当のスタート。
--これだけの完成度を誇るのに(しかも操作も簡単なのに)、アーケードではインカム面で爆死したことからもお察しください。
--作中の言葉を借りると「点滴が石を穿つように日々精進していけば、いつか必ずクリアできる」とのこと。そこまで付き合える魅力を感じられるかが分かれ目。
-前作レイディアントシルバーガンと同様、良くも悪くも徹底したパターンゲーであるため、シューティング初心者はもとより上級者の間でも評価は分かれる。
-しかし、斑鳩にはパワーアップ要素が一切無いので、前作レイディアントシルバーガンの場合クリアを目指すにはある程度強制的なスコア稼ぎを強いられたが、今作はそれを行なわずともクリア可能と言う点は評価出来る。
*移植「輪廻」
&big(){—————起源の意識を思い起こさせるだろう。故に、—————}
|対応機種|ドリームキャスト&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|【DC】トレジャー、エンターテインメント・ソフトウェア・パブリッシング(ESP)&br()【GC】アタリジャパン|~|
|発売日|【DC】2002年9月5日、【GC】2003年1月16日|~|
|定価|【DC】7,140円、【GC】6,090円|~|
|備考|Xbox LIVE ARCADE:2008年4月9日より配信/800マイクロソフトポイント(1,200円)|~|
-DC版はほぼ忠実な移植。DC版含め家庭用版は全て、最初からステージセレクトが選択可能で、練習にはうってつけ。追加要素は少なめ。
--業務用稼動からたった3ヶ月で移植されたシルバーガンとは違って、9ヶ月と期間が開いたことも本作が純粋にアーケードゲームとして作られたことを示している。売上は3万本ほどだが、これは当時のDCの中でも異例の大ヒットであった。
-GC版はDC版より練習モードが充実しているが、肝であったBGMの同期が若干ズレているなど音響面で評価を落としている。
-Xbox360にもライブアーケードで移植されている。配信から2年近く経った現在でもDL人気数トップ10に入るほど人気が高い。
--HD画質、オンラインでのランキングへの登録や2人同時プレイなどに対応。
--ただし、AC又はDC版をやりこんだプレイヤーからは移植度の低さから評判は悪い。(評判が悪いわけではなく、ランキングトッププレイヤーがそういう批判をしたとKotakuが嘘をついて(トッププレイヤーは別の人でただの上位プレイヤーの一人の意見)、さらにそれをソースに曲解して便乗して叩いた人(ネガキャンスレも立った)がいただけ。ランキングトッププレイヤーは圧倒的なスコアをたたき出したり、オンラインcoopで見せプレイまでするほどやりこんでいた。)
--非常に緻密なパターンの構築を要求されるゲームのため、それが再現できない移植が許せないという声が多かった。だが、ゲーム性が劣化しているわけではなく、やりこんでいない人にはわからないレベルの差であり、そういった層からの評価は高い。
-実は非公式にPCにも移植されているらしい…。
-家庭用にはプロトタイプモードという同じステージを別のシステムで遊べるゲームが収録されている。一言で言えば「解放を連発できるモード」。
*総評
-シューティングゲームというジャンルの行き着いた先を体現するかの如く、カッコ良いけど、硬派で、ストイックで、近寄りがたいゲームである。
-評価はされているが万人受けとは無縁な作品の典型例。そういった意味では名作・良作には程遠くもあるが、その作りこみや完成度は本物。故に根強く支持を送るプレイヤーも少なくない。
--一方で演出面が非常に良いため、ゲーム面では今一つ攻略が出来ないまま本作に強い好意を示すプレイヤーもまた多い。
--「他人のプレイを見ると綺麗だけど、自分でやるのは…」という方も、一歩踏み込んでプレイして頂きたい一作。
-本作に興味を持たれた方は、プレイの前にバックストーリーを読まれる事を強くお奨め致します。最終局面「産土神黄輝之塊」の演出はSTG史に残る名場面の一つ。荘厳なBGMとの融合も有り、このシーンで涙した人も多い・・・。
*余談
-2011年春コトブキヤより[[『飛鉄塊 斑鳩』のプラモデル>http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110401_436689.html]]がリリースされることとなった。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3126.html]]に移転しました。''