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The Elder Scrolls IV: Oblivion - (2013/05/06 (月) 15:44:45) の最新版との変更点

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*The Elder Scrolls IV: Oblivion 【じ えるだーすくろーるず ふぉー おぶりびおん】 |ジャンル|RPG|&amazon(B007G4SF8M)|&amazon(B007620X70)|[[PC版>http://www.amazon.co.jp/The-Elder-Scrolls-IV-Oblivion/dp/B000V9C9FO/ref=pd_rhf_dp_p_t_4]]| |対応機種|Xbox360&br()プレイステーション3&br()Windows(英語版のみでMODで日本語化も可)|~|~|~| |発売元|スパイク|~|~|~| |開発元|ベセスダ ゲーム スタジオ|~|~|~| |発売日|【Xb360】2007年7月26日&br()【PS3】2007年9月27日&br()【PC】2006年1月31日&br()|~|~|~| |定価|8190円|~|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~| |>|>|>|>|CENTER:BGCOLOR(#cecfff):''[[The Elder Scrollsシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1599.html]]''| ---- #contents(fromhere) ----- **ストーリー タムリエル大陸を支配する帝国の首都、帝都で牢屋にぶち込まれてしまったあなたはひょんな事からこの国の皇帝にお使いを頼まれてしまう。 遺言の形で重要そうな事を頼まれたので、使命感に駆られるままお使いをこなしても良いし、どうせ自分とは関係ない事だと忘れても良い。 とりあえず、自由の身になったあなたは今日の寝床と食べ物、ついでにマシな装備を探す為に辺りをさまよう事にした。 ---- **概要 -魔界へと通じる「オブリビオンの門」から襲来する魔物の侵攻を阻止し、世界を救う…というのがメインのお話だが、メインクエストの他にも夥しい数のクエストが用意されている。街中でいきなり呼び止められることもあれば、NPC同士の会話(うわさ話)からクエストが始まることもある。 -41k㎡を実寸大でおこしたという超広大なマップは「旅している」という気分を満喫でき、その中で実に1000人以上のNPCがそれぞれの生活を送っている。さっさと移動したい時のために、一度行った場所へなら一瞬で移動可能な「ファストトラベル」機能も付いている。 -当初は日本語版の予定が無かったが、評判がクチコミで広がり署名運動が行われた結果スパイクが名乗りを挙げ、家庭用での日本語版の発売が実現した。 ---- **評価点 -自由度が非常に高く、メインクエストを一切進めなくても問題はない。ストーリーごとの区切りはあるが、いわゆる「エンディング」は存在しない。当ても無くさまようもよし、どこかのギルドに所属するもよし。道端で困っている人を助けてもいいし、逆に殺して金品を奪ってもいい。(当然、犯罪行為は捕まる可能性があるが)主人公が何者になるかはプレイヤーのあなた次第ということである。 --その分大味でもあり、何かプレイする目的や目標が無いと楽しめないプレイヤーにはあまり合わない。フィールドを当てもなくさまようのが好きだったり、自分の中で物語を作ってプレイできる人にはぴったりなゲーム。 -舞台となるタムリエル大陸の中央、シロディールの景色はとても美しい。北部では雪が降り積もっていたり湿地帯ではほぼ毎日雨が降り続いていたりと様々な表情を見せてくれるフィールドは評価が高い。 -亜人種は最初こそ奇妙に見えるが、見慣れてくると段々可愛らしくなる。 -メイン以外のサブクエストは豊富で道ばたの人や商人から、自分が所属する事になったギルド、地方の城にいすわる謎の女騎士、歴史探索が好きな貴族、果ては暇をもてあましているデイドラ王子達(扱いに困る魔界の神々のような何か)等、様々な人物から依頼を引き受ける事ができる。 -各街に家を持つことができるがその家を飾り付けたりする事も可能。今まで手に入れたお宝を自由に飾ったりできる。 -豊富なキャラメイキング。人間やエルフの他にも亜人を選ぶことができ、そこからさらに髪型・目の色はもちろん鼻の高さや顎のライン等々、実に細かいところまでいじる事が可能。 --また、職業を選ぶ事によって得意な能力を選ぶ事ができる。オリジナルの職業を作ることも可能。 --スキルの分類も非常に多岐に渡るため、上記のキャラメイキングと合わせて「自分だけのオリジナルキャラクター」が誇張抜きで作成可能である。 -武具は使っていくごとに摩耗し、耐久値が0になると壊れてしまうが修理用ハンマーで手軽に直すことができる。 -オリジナル魔法を作る事ができる。多種多様な種類の属性を混合することはもちろん、名前も自由に名付けられる。カッコイイオリジナル魔法を作ろう! -道ばたで拾える草花などを調合することでポーションを作る事ができる。効能は調合する素材と自分の腕、そして調合器具の質次第で変化していく。 -続き物の四作目であるが転換期の作品であり、前作以前を知らなくても楽しめる。むしろ知らない方が楽しめる場合も。 -世界観設定はほとんど説明されず、各街にある書店や一部の偉い人から聞く事ができる。設定とかどーでもいいから遊びたい人は無視できるし、深く知りたい人は繰り返し読み直す事で理解を深める事ができる。 --それでも根幹の部分はボカされていたりする。悪く言えば投げっぱなし、良く言えばプレイヤーの考えに委ねている、と取る事も出来る。 -PC版に比べてスペックや不具合を気にせず、手軽にプレイできる。本も含めて全て日本語に翻訳済みで、訳もおおむね自然なのが嬉しいところ。 --しかしながら、そのテキスト量の多さから、一部のNPC名などは原文とかけ離れた訳がされていたり((例えば、City-swimmerというNPCは何故か「トビウオ師匠」と訳されている。))、固有名詞の訳が統一されていなかったり、誤訳((特に指摘されているのがEbony(エボニー)を黒檀と訳していること。TESシリーズに登場するEbonyは架空の素材で、黒く硬い金属。))があったりと賛否両論でもある。 --また、汎用のセリフは男女の区別なく共通の訳を使っているため、しばしばNPCが性別と逆のセリフを話すこともある。 ---これらの問題が気になる人は、有志によって固有名詞以外が翻訳された日本語化MODをPC版にあててプレイするのがオススメ。 ---- **難点 ***バグとフリーズ -『Fallout3』は本作のシステムを元に作られた…つまり本作にも『Fallout3』と同様に大量のバグがある。ただし意外にも『Fallout3』よりはマシだったりする。 --プレイヤーに有利なバグも多数あるため、それなりに良い点もあるのだが、バランス崩壊を嫌う人にとっては決して嬉しい要素ではないだろう。 --大抵はゲーム進行に影響がないものだが、中には深刻な影響をもたらすものも…。 --特に盗賊ギルド関連のバグは多い上に発生原因が不明な物が多く、途中で急に止まったり気が付いたらクエストどころか画面が進まなくなったりといろんな意味でひどい。 --多くのバグがありながら多大な評価を受けているのは、単純なプレイの幅の広さ以外にも、シリーズを通して作りこまれた世界観といった様々な部分が魅力的であるということだろう。 -PC版では有志によってバグ修正MODが作成されているが、コンシューマー版では原則修正できないのが残念。 ***カクカクになりやすいフィールド -フィールド移動中にロード中のメッセージと共に動作がカクカクになることが頻繁にある。 --最大の原因は大量の草の描画。 --メインクエストを進めて各地にオブリビオンゲート(ランダムゲート)が開きだすと、ゲートのエフェクトの処理や敵NPCが増えることで更に重くなる。 ***キャラメイキング -項目が多数あり相当な美的センスが無い限りクリーチャーしかできない。マンガのネタになるほど。NPCも同じように作られているためおかしな顔が非常に多く感じる。 -ネコとトカゲの亜人がいるが、彼らの顔を作った方がなまじ何が美形か分からない分格好良く見えてしまう。 --その分頑張ったら本当に美しく作ることは可能。どうすれば作れるかは2ちゃんねるにいるメイキングの達人に聞いてくれ。 -種族ごとに身長は設定されているものの、体型の調整が不可能。全員同じガタイで顔しかいじれない。 -全ステータスをカンストさせようとすると多大な労力がかかる。 --レベルアップ時のステータス上昇のシステムが独特で、そもそもゲーム的にカンストさせる気もないので計画的なレベルアップが必要になる。その方が苦労もあって愛着が沸くというプレイヤーも。 -特化キャラを作ると裏目に出ることがある。魔法特化キャラを作ったら魔法が苦手な魔術師になるなど。 --レベルアップ時の成長値はレベルアップ確定までに育てた全スキルによって決まる。仕組み理解してないとスキルを無駄に上げすぎて、次レベル以降の成長に影響する。 --メジャースキル(上げると経験値がたまるスキル)のどれかを10ポイント貯めるごとにレベルアップするシステムなので、メジャースキル初期値が高い程レベルの上限が低くなる。その為、魔法に得意な種族に魔法のスキルが上がる星座を設定し、クラスを魔術師にすると、初期能力こそ高いもののレベルの上限が大幅に減ることに。 --メジャースキルに上がりやすいスキルや使用頻度の高いスキルばかり設定すると、上昇補正が十分でないままレベルアップしてしまい、中途半端な能力になってしまう。 --本作では主人公のレベルに比例して敵のレベルや装備の強さが変わる。育成ミスが積み重なると、敵の強さに主人公の強さが追いつかなくなってしまう。特に魔術師キャラを作った場合は注意が必要。 -一部のスキル上げが作業 --関係する行動をとり続ければスキルが向上するという良くあるものだが、その内のいくつかは相当回数しないと上がらない。強力な物ほど上がりにくいのなら分かるが、逆に強いスキルに限って上がりやすい調整になっているため恵まれないスキルを上げるのは苦行になっている。 ***前作との比較 -日本でも『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の続編が出るたびに物議を醸すように、四作目であるこの作品でも色々問題があった。 -前作と今作を比べたある海外ゲーマー曰く「Oblivionは遊び場、Morrowindは故郷」とも。それほど前作の与えた衝撃が大きかったのだろう。((とはいえ『Morrowind』はかなり古い作品な為、PCのスペックに余裕があってもフィールドで頻繁にロードが発生する等、今からやるのはちょっと厳しい。)) ***ゲームの単純化 -元々のTESシリーズはダークファンタジー(つまり欝要素)が売りの一つで、人によっては拒否反応しか出ない展開が多々あった。特に名作といわれ、TESシリーズを世に知らしめた作品である三作目『Morrowind』はそれが顕著で、舞台が奴隷制度のあるダークエルフの現人神が統べる国という「いかにも」な点もあってそりゃもう凄い事になっている。 -それに比べて本作は舞台が帝国の「文化的な」首都とその周辺が舞台な事もあってかあまりそういう暗さが無い。ストーリー展開も前作以前と比べて余韻を残すものの味わい深い良い終わり方になっている等、ダークファンタジーらしさが大きく薄れてしまった。 -節々を探せば帝都の人間が書く帝都周辺の街のガイド本や帝都の現在の状況、あるダンジョンの奥の小さな子供の骨と魂を入れるマジックアイテム、クエストで絶対に助けられない登場人物等色々とあり、この作品から入ったプレイヤーからはむしろこれで十分と言う人もいるが以前に比べて随分おとなしめである。 -特にシナリオについては以前の雰囲気が好きなファンから微妙判定を受けている。海外ユーザーの中にはFF的な一本道になったと大きく批判する者もいた。 --これについては開発スタッフも本意では無く、据え置きハードで本格的に販売((3作目もXBOXで発売されたがDLCが発売されなかったなど本腰を入れていなかった))しようとした結果、プレイヤーの低年齢化に合わせて分かりやすくしたらああなった。とのこと。 ---その反動か同じ開発陣の次作『Fallout3』はどこまでもダークな世界観となり、旧作のファンにも好評だったらしい。 --一応メインクエストの依頼主である皇帝が今回の事件を引き起こした原因でもあるため、ダークといえばダークだが、分かりにくさからかあまり受け入れられなかったようだ。 --他にもハードの限界に合わせた為、入れる予定だったシナリオが削られ、規模が縮小されてしまった。ところどころ、意味がありげなのに何も起こらない場所があるのはこのため。 -フィールドも以前に比べて狭まっており、それも不評の理由の一つになっている。 -ダンジョンは画一的で変化に乏しい。これは、1人のデザイナーが担当していたためで、次作『Skyrim』では8人のデザイナーが担当し、バリエーションに富んでいる。 -前作では店毎に所持金額が設定されており、その設定金額までしか物を売れないようになっていたが、本作では先述の低年齢化を考慮した結果特定の金額で常に売れ続けるようになった。これは便利である反面特定の商人以外との取引を一切しなくなるという問題もあり、不評であったため『Fallout3』では前作の仕様に戻した(オブリビオンのシステムに慣れた人にしてみればそれも問題である)。 ***戦闘の大味さ -FPS視点のゲームで銃の代わりに弓と魔法があるものの序盤はその二つを使いこなす事は難しく、終盤に入ると自分のレベルによってHPが上昇し再生する敵のせいで弓の場合基礎攻撃力よりHPダメージの毒や魔法を付けているか、魔法では高コストの大ダメージ技かどうかが優先されてしまう。 --更に言うとこのゲーム、武器の多さからして戦闘のメインは近接武器であり、敵の攻撃をガード→二、三回斬りつけつつ魔法を使う等の繰り返しがメインで、戦闘は少々退屈気味になりがちである。 --TPS視点もあるにはあるが、FPS視点に重点を置かれているため遠距離戦ではほぼ使い物にならない。 -難易度調整機能も付いているが、これは与ダメージ・被ダメージの倍率が変動するのみ。 ***DLC -北米等で配信されたDLCについて、当初は全て出すと言われていたものの結局最初から付いていた追加クエスト九大神の騎士とGOTY版で搭載されたシヴァリングアイルズの二つのみとなった。 --未配信のDLCの中には「馬に鎧を着せるだけ」(しかもバグ付き)の物もあり北米でDLCの問題と言えばコレとネタにされるレベルで批判された。 ---未だにネタとして定着しており、『Skyrim』の販売前に配信された蟹の写ったゲーム内映像を、ゲーム雑誌が「もう馬鎧みたいなDLCはやめてくれよ!」という皮肉を込めて画像内の蟹にレタッチして鎧を着せるなんて事もあった。 ---- **総評 -箱庭を自由に探索するゲーム。舞台となるシロディールの景色は美しく、町並みも本物の建築様式から学んでいる為とても素晴らしい出来映え。メインストーリーも勧善懲悪を基礎とした少し心に残るほろ苦いエンディングで寂しさを感じる良いシナリオであり、サイドクエストは人道的にまずい選択肢も許容する自由度がある。ただ、名作ではあるものの旧ファミリーコンピューター時代並のバグの多さで人を選ぶゲームと言えるし、旧作からのファンはシリーズが持つダークファンタジーな展開がマイルドになった事に不満を感じてしまうものとなった。本来の加減は拡張パックSIの狂った世界観や登場人物で垣間見ることができる。 -自由度ばかりが注目されがちだが、シリーズを通しての細かい世界観も評価が高く、世界に散らばる石像や組織に細かい設定があり、神様ひとつとっても曲者ぞろいであり、それを知っているとサイドクエストでニヤリとすることも。気になる人はまとめサイトもあるので検索してみよう。 ---- **その他 -XBOX 360版は実績に対応しているが、PS3版はオリジナル版、GOTY版ともにトロフィーに未対応である。 --もっとも、それによってキャラメイクで詰んだプレイヤーが達人のセーブデータを使えるという恩恵もあるのだが。 -後にDLCの1つを追加したGOTY版が発売。旧TESシリーズを思い起こさせる鬱な内容もある。尚無印からのセーブデータの引き継ぎはできない。 -このゲームの真髄はPC版におけるMODの多さである。なぜならば開発者が開発ツールの一部を公開しているため。 --補足するとベセスダソフトワークスは昔(PC)からの作風として「ある程度以上の拡張はユーザーがやって」という趣が強い。その為ゲームの開発システムも無料で公開しており、ゲーム性そのものを変化させるようなシステムを作ることもできる。 --前述のバグやフリーズといった難点も有志が開発した非公式修正パッチで殆どが修正されている。 --ただし、日本語公式版は存在せず、動作可能PCのハードルも少し高い。古いエンジンのゲームのため、単にハイエンドマシンを組めばいいというものでもない。プレイの際はPC用wikiや自分のPCの性能をよく確認してからにしよう。 --時間と作り方さえ理解していれば『RPGツクールシリーズ』のように新たに作品を作ることもできる。代表的なのがドイツ製の超大型MOD「Nehrim」。これほどの大規模なMOD(というよりも完全な新ゲーム)が製作されるのもベセスダ・ソフトワークスの寛容さがあってのこと。 --開発側もこの豊富なMODの数々を評価しており((開発者ブログでmodやファンメイドのゲームビデオが度々取り上げられる))『[[The Elder Scrolls V: Skyrim]]』ではMOD作者の一部が実際に開発に携わっている他、今作のMODで人気の高いものがいくつか採用されている。 -『ドラゴンクエストシリーズ』の生みの親である堀井雄二氏がこのゲームのファンであることを公言している。[[ソース>http://uk.ds.ign.com/articles/110/1105212p1.html]] ----
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