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&bold(){}&bold(){}&bold(){}*サガ フロンティア 【さが ふろんてぃあ】 |ジャンル|RPG|#amazon(B00005YUM0)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|スクウェア|~| |発売日|1997年7月18日|~| |定価|7,140円|~| |廉価版|スクウェアミレニアムコレクション:2000年6月29日/3,990円&br()PS one Books:2002年3月20日/2,625円&br()アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,575円|~| |配信|ゲームアーカイブス:2008年11月26日/600円|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''| **概要 -ハードがプレイステーションに変わりタイトルが一新されたサガシリーズ7作目。 -サガシリーズはプレイヤーを選ぶ作風と難解なシステムで有名だが、この作品はそれらのハードルが低く、戦闘バランスも抑え目のため比較的シリーズの中でも初心者がとっつきやすい部類に入る(とはいえやはり初心者殺し要素はある)。 -1人1人のシナリオはロマサガ以前と比べてずっと短いが、オムニバス形式と割り切っても好評だった。 -売り上げもミリオンを超え、新規ファンも多くついたためこの作品がシリーズ最高傑作だ、という声も少なくない。 --もっとも、サガシリーズは作品ごとに世界観やシステムが一変し、それぞれにコアな信者を抱えているため実質どの作品にも最高傑作という声がある。 **世界観 -本作の世界は「リージョン」という世界がいくつも存在しており、それぞれ全く異なる文化や世界観を持っている。 --例を上げると近未来風アメリカ的大都市「マンハッタン」、術法文化の中心地「マジックキングダム」、純和風の「京」、現代日本の町並みに近い「シュライク」、妖魔の世界「ファシナトゥール」、巨大監獄「ディスペア」など --中世風からSF風に現代風、果ては色物とそれぞれの世界が全く独自の文化を持っており、おもちゃ箱をひっくり返したような無節操ぶりである。そのため世界観構築の放棄と批判されることもある。 ---特に中世ファンタジー世界で統一されていたロマサガシリーズから入ったファンからは違和感が生じたところもあるだろう。 --しかしこの世界観は実はサガシリーズの原点『[[魔界塔士Sa・Ga]]』や『[[Sa・Ga2 秘宝伝説]]』に近いものである。そしてその開き直ってむしろ気持ちのよい多色ぶりや、意外と深みがあるそれぞれの世界の内容もあいまっておおむね好評。 ---そのためGB時代からの古参ファンの受けは良い。 -存在する種族は、大器晩成に育ち覚えられる技・術が多彩な『人間』、装備品をつけることでステータスを上げる『メカ』、倒した敵の技を吸収して別のモンスターに変身できる『モンスター』、専用の武器にモンスターを封じることでステータスを上げ、技を吸収する『妖魔』、の4種類。 --加えて主人公の1人であるレッド専用の種族で、変身条件がやや厳しいものの、強力な専用技を使いこなし、高いステータス補正のつく『ヒーロー』、同じく別の主人公のアセルス専用で人間の長所と妖魔の長所を両立させた『半妖』という種族もある。 --他の主人公格の多くも同族とは異なる特徴を持っていることが多く、邪術・幻術・妖術の一部を除いた全ての術を習得できる唯一のキャラであるブルー、町工場などで自身の型式を変えられるT260G(主人公時のみ)、衣装を変えることで得意な技能を変えられるエミリア(主人公時のみ)などが該当する。妙に人に慕われやすいという設定を持つリュートの場合は、「第1パーティーから外せる((つまりラスボス戦にすら出さなくていい。他の主人公は第1パーティーで固定となり、ボス戦は主人公に関係なく第1パーティーで戦闘となる。))」という特徴がある。 --どの種族も長所と短所、覚えられる技と覚えられない技の違いを持っており、種族バランスは良好。 ---最終的に最強になる種族は、覚えられる技の多彩さや頑張ればカンストまでいけるステータスなどから人間なのだが、他の種族は成長方法のコツさえつかめれば短時間で強くなれる利点があり、種族固有の特徴や技も面白い。 ---そのため、「どれを使えば良いのか」といった定石は存在しない。それこそ何の妨げもなく自分の好きなようにフリーシナリオを進めることが出来る。 -人間 --従来のサガシリーズと同等。戦闘終了毎に能力が上がり、特技を閃く。特技は剣技・体術・銃技・術の4種類。見切りもできる。 ---半妖は普段は人間と同じだが、後述の妖魔の武具を使用することで、その戦闘に限り妖魔に変化する。妖魔にならない限りは妖魔武具のボーナスも発生しない。 --プレイヤーの好みが反映されやすく、数も多いので腕前に関係なく使用率が高い。 --閃きシステムのワクワクが最も楽しめる種族である。 --良くも悪くも大器晩成型。じっくり育てよう。 -妖魔 --妖魔の剣・小手・具足という固有能力がある。それでモンスターに止めを刺す(憑依させる)と、能力が付加され固有技も使える。 ---憑依させる敵によって能力は異なり、同じ敵でも武具によって固有技も変化する。 --元々の妖魔の能力値は低い値で固定されており、戦闘では能力値は一部以外成長しない。しかし、モンスター憑依を行うことで、人間よりも早く高い能力値を得ることができるのが利点。 --特技として術とその固有能力を駆使する。見切りは使用不可。混乱赤や誘惑といった致命的な状態異常に掛からないのが嬉しい(例外もいる)。 --人間ほどではないが、大器晩成型で即戦力は難しい。また終盤でも「妖魔の鎧」で固定は痛い(2名例外がいるが)。 -モンスター --モンスターを吸収することで技を覚え、その組み合わせで新たなモンスターに変身できる。 --難点はお目当ての型になるのに多大な情報がいる点。技をテーマで集めたり、他のモンスターが使わない貴重な技を覚えるのがコツ。 -メカ --他の種族と違い、装備品のパラメータがメカ専用のものになっている。この種族に服は相性が悪い。 ---人間・妖魔にとっては優れた装備もメカには有効とは限らない。その逆も然り。 --耐性が独特で普通の技では状態異常にならないが、逆にメカのみ喰らう技もある。なおこの種族は軒並みLPが高い。 ---とあるプレイではある攻撃で混乱になった、現実で言うコンピュータウイルスをうつされたのだろう。 --難点は敵メカが出ないと強化・回復がしにくい点。また極めるには強力な非売品も多く必要。 ---即戦力に期待できるが、「メカの強さ=装備品の量と質」なので、強化にはお金がかかる。 **シナリオ -本作では、ロマサガ1やロマサガ3と同じように複数の主人公の中からプレイしたい主人公を選んでからゲームを開始する。 -ロマサガシリーズでは違う主人公を選んでも基本的にメインシナリオの違いはほとんどない。しかし、本作のシナリオの最大の特徴は主人公それぞれのシナリオが全く違い、ラスボスですら個別ということにある。 --また各シナリオで仲間に出来るキャラクターも異なる。メカが多い、妖魔が多いなどの特徴も。 -そして主人公ごとのシナリオの色合いもかなり違いがある。各シナリオを説明すると… --ブルー編…各地で伝わる術の資質を得ていき、習得可能な全ての資質を集めた後、同じ目的の弟を倒すことで全ての術を使いこなす最強の術士になろうとする、戦いの運命を決定付けられた双子の物語。 ---この世界における術の設定と、術の習得法を兼ねるチュートリアル的シナリオで難易度は低め。ただしエンディングがないため、そこは賛否両論(これは設定的な都合である。正確に言うと後日談などを用いない、描かないという演出の一種である)。 ---ただしスタッフロール自体は双子の弟と戦った後の時点で流れるため、それ以降は「最後の戦いも含め全てがエンディング」と見ることもできる。 ---ただしラスボスは非常に強いため、低めだからといって油断すると確実に詰まる。ただし救済措置は用意されている。 ---序盤から(一般人から見て)衝撃的な展開のオンパレードだが、それゆえに終盤におけるブルーの出生や存在意義への悲哀が際立つ。 ---クリアに必要な必須イベントにかかる時間が短いこともあって、リュート編(後述)と並んでタイムアタックがやりやすいシナリオでもある。 --アセルス編…妖魔の君の気まぐれによって半妖となったアセルス。妖魔の追っ手からの逃避行と、その中での半妖の血による苦しみや、大切な人を失うなどの不幸を経て、己の血との決別、そして自分自身が一人の生物として生を全うするために妖魔の君との決着をつけるというお話。 ---イベント進行フラグが特殊で、知らないと詰まりやすい反面、生田美和氏が手がける一連のシナリオは評価が高い。 ---また、開発中に相当イベントを削られたらしく、生命科学研究所、フルドの工房など没にされたイベントで使うはずだったダンジョンだけが残っている。 ---初見殺しの強力なボスや強制イベントが多く、決して楽なシナリオではない。 ---アセルス編ではエンディングが人間・半妖・妖魔の3種類ある。難易度が低く、王道的なハッピーエンドである半妖が無難なところか。 ---妖魔エンドだと全キャラクリア後に行けるエクストラダンジョンの当たり判定が消滅するというバグが存在している。ただし妖魔エンドの条件は半妖エンドの条件の一部を無視する、というものなので回避は容易。 ---しかし、シナリオや設定が前田珠子『破妖の剣』シリーズに酷似しており、剽窃疑惑を指摘する人もいる。 ---他にも妖魔設定及びシナリオが腐女子臭いとの批判があるが、これは全く見当違いな非難である(アセルス編のシナリオは耽美系。このジャンルはやや女性向けであり、腐女子向けの作品も多く含まれるため、そう言われる節がある)。 --レッド編…家族を悪の組織ブラッククロスに殺され、自身も命を奪われかけたレッド。しかしヒーローの力を手にすることによって一命を取りとめ、今度はその力を使って復讐と正義のためにブラッククロス打倒を目指す。 ---70~80年代のヒーローものを思わせるテイストで、要所要所の熱い展開、ヒーローもののツボを押さえた演出が好評。 ---IRPO(この世界における国際警察みたいなもの)のメンバー全てが仲間にできるのはこのシナリオのみ。さすが巨大犯罪組織と戦うだけのことはある。 ---ヒーロー物のお約束も健在で、人の目(仲間)が在ると変身することが出来ず、仲間が気絶・暗闇・睡眠化した後ようやく変身できるこだわりも((ちなみに仲間のメカの前では変身できる。メカは口が固いらしい。))。 ---与太話だが、本作がCERO:Cになっている要因はここの序盤における麻薬描写である。 ---難易度もそれほど高くなく、熱く分かりやすい展開のおかげもあってか非常に詰まりにくい。そのため初心者にオススメのシナリオである。ただし強制戦闘やイベントが多く、回避しづらいところに敵が配置されている場所も多いのでタイムアタックに挑む場合の難易度は最高クラスだったりする。 ---ただし変身状態で勝利すると能力が一切上がらないという制約があるため、強力だからといって使用しすぎると敵ばかり強くなり難易度が急上昇する。力に頼るだけでなく己を鍛える事も必要であるという事である。 ---物語の熱い展開とは打って変わって、結末は物悲しく、切ないものとなっている。最後に鳴り響くセミの鳴き声が哀愁を誘う。 //---あれで終わった方が救いがある気がする。 ---なおレッドは他のシナリオでは一切登場しないので他のシナリオではレッドを仲間に加える事が出来ない((ブルーも仲間にならないが、レッド編で登場はする。また彼の兄弟であるルージュは人間の主人公なら仲間にできる。))。 --T260G編…古代の大戦で損傷した後眠りにつき、時を隔てて再び掘り出された戦闘兵器。かつて受けた指令を思い出し、そして任務遂行のため旅に出る。 ---メカがメインになるシナリオ。戦闘メンバー5人を全てメカで揃えること可能。 ---実際、雑魚・ボスともにメカが多く、技ポイント(MPの様なもの)回復やプログラム(ヒューマンで言う技)習得に都合がよい。まさにメカオンリーでよろしいと言わんばかりの展開である。一方印術の資質入手不可、妖魔は絶対に仲間にならないなど制約も多い。 ---装備品を揃えればメカは簡単に強化できるため、タイムアタックがアツい((ただしT260G編は他のシナリオに比べて強制戦闘が多い分、時間がかかる。))。 ---エンディングは温かみのある感動的なものであり、本作でも屈指の人気を誇る。 --エミリア編…恋人を殺した濡れ衣を着せられたエミリア。刑務所から脱出し、真犯人を追うために秘密組織に所属。組織からの指令を受けつつ事件の真相を探っていく。サスペンスやスパイもの風のシナリオ。 ---真相とエンディングが2種類あるが、大抵の人は罠にはまって鬱エンドの方に行くだろう。 ---二つの真相を比べるとプロットが根本的に違うように見えるが…分岐条件と照らしあわせると、あいつの真の黒幕らしい。あいつさえ倒さなければ「彼」は「単なるボディ」のままでいられるらしい。 ---アセルスと同じくメカとは相性が悪く、一機も仲間になれない。反面シナリオに関係ない方向で妖魔を大勢仲間に出来る。 ---次にやらなければいけない事が分かりやすく、詰まりにくいのでレッド編と並び進めやすいシナリオ。特に、上述の妖魔達を含めて強力な仲間が多く、強力な敵は少ないので、戦闘の難易度は全シナリオで最も低いだろう。 --クーン編…滅びかけた故郷を救うため、各地に眠る魔法の指輪を集める旅に出たクーン。魔法の指輪を順調に集めていくが…。「故郷を救うために指輪を集める」というストーリーは童話的で温かみがある。 ---イベントや指輪の試練のギミックの凝りようなどは力が入っていて面白い。反面、戦闘もテクニックも難所が多く難易度が高い((が、やり方を知っていれば簡単になる要素も多いのがサガらしい。))。 ---最後の最後でのどんでん返しは賛否両論。 ---主人公がモンスターの為、思った通りに育成出来ないのはむず痒い反面、モンスターの育成に触れる機会でもあろう。モンスターパーティーという偏った編成が出来るシナリオでもある。 ---「おとぎ話とは本来残酷なもの」とはよく言ったもので、EDはほのぼのしたBGMとは裏腹に救いようがない終わり方をする。最後のクーンのメッセージが悲しい。 --リュート編…一人立ちを目指す若者リュートが田舎の我が家を出てあてどない旅に出るお話。 ---途中の専用イベントが極僅かと、サガフロのシナリオの中でも特に自由度が高い。なんとプレイから開始数分でラスボス戦にたどり着くことができる。 ---しかしラスボスはこのゲームのラスボスの中でも最強候補であり、どれだけ戦闘回数を少なくしてエンディングまでこぎつけるか、といったタイムアタックなどのやり込みも盛んである。 ---まさにロマサガ並の自由度である。専用イベントは3つだけだが、汎用イベントは全て実行可能という拘りっぷり。但し相反する術の資質獲得などはさすがに不可。 ---各主人公にはそれぞれ特徴があるのだが、前述の通りリュートは主人公なのに第1パーティー(1軍)から外すことが可能というもの。ある意味これも自由度の高さか。 ---しかし自由度が高すぎて初見では何をすればいいのか全くわからず、しかもラスボスに行くためのイベントの起こし方についてのヒントがないので、人によってはサガフロの中で最も評価の低いシナリオ、または手抜きシナリオ扱いされている((攻略本等では上級者向けを強調する為、他のシナリオをいくつかクリアしてからリュート編をプレイする事を勧めている所もある。))。 ---またシナリオのスタート地点の近くに強敵が潜む『ヨークランドの沼地』があり、何も知らないプレイヤーがそこへ迷い込んで開始1分ほどでタイトル画面に戻されてしまうのは最早お約束。 --本作ではメモリーカードに「誰々のシナリオをクリアした」と保存できるシステムデータを作ることが出来る。それを利用して''全てのシナリオをクリアすると隠し要素が出てくる。'' ---各シナリオごとのセーブデータが2ブロック×7個で14ブロック、システムデータが1ブロックで合計15ブロック。純正のメモリーカードでも1枚で収まるように設計されている。 ---ただし、出現する隠し要素はゲームの開発スタッフ達が集ったいわゆる「開発室」であり、『[[ライブ・ア・ライブ]]』のような最終シナリオやゲーム本編のシナリオを補完するものではない。 -このように王道ファンタジーから、ヒーローもの、スパイもの、耽美系、果ては途中経過がプレイヤーの手に全てゆだねられるシナリオまで幅広い内容を取り扱っている。 --裏解体真書によると、一応全てのシナリオの根っこには超古代文明時代の話が絡んでいるらしい((エミリア・T260Gは作中で語られている。ブルー・クーンについては攻略本で。他シナリオは不明。))。 **連携システム -この作品からサガシリーズに導入され、そして作品の人気の一翼を担っているものとして&bold(){連携システム}が挙げられる。 -キャラクターが選択した技同士が、行動時に一定の確率で繋がり、大ダメージを与えるというシステムである。 -最大5連携まで繋がり、気に入った連携は登録することでその連携が発生する確率を上げられる。 --後述のバグを利用する事で最大9連携する事が可能。難易度はとてつもなく高くなるが。 -複数の技を繋げる、という単純なつくりながらも、そこから得られる爽快感と威力は大きく、種族ごとに異なる技の数々もあいまって組み合わせは多彩で非常に奥深い。 --正統派の剣技からプロレス技、びっくりどっきりメカに時間魔法と技の数は種類、傾向ともに多種多様。ほとんどが連携に組み込める。 -更にこのシステムの登場によって弱いパーティーでも連携次第で強敵を倒すことが可能になり、これまで難易度が高かったサガシリーズの戦闘のハードルが大幅に下がった。 --無論、難易度が下がって残念がる者もいた。プレイヤーだけでなくバトルプログラマーも嘆いたとか。 -凝られた戦闘演出や派手なエフェクトも連携の爽快感の一助となり好評。 --また、技名を途中で切って繋げていくため「だまししっぽぶちふみまわす」「月影の幻夢の逆風の炎の草薙の剣」((いずれも裏解体真書より引用。))などという笑える名前の連携も可能。この特徴も後のシリーズに受け継がれた。 -以上の点からサガの戦闘に革命を起こし、以降のシリーズには必ず連携システムが搭載され、新作が出るたびにマイナーチェンジが繰り返されている。 *長所 -7人の主人公のそれぞれ異なった多様なシナリオ --7本のシナリオはどれも方向性が違うので、別の主人公でプレイしても飽きずに楽しめる。 -サガらしく、自由度も割りと高め --シナリオ重視なこともあり、所々で強制的な展開も目立つが、自由で幅広いプレイの余地もある。序盤から強力な装備を集めたり、鍛え上げたパーティで突き進むパワープレイなども可能。ロマサガシリーズと比較して数は減ったが、プレイしてもしなくてもいいサブイベントの類も用意されている。 -工夫されたバトルシステム --戦闘のテンポは(一部の術、技のエフェクトが長いのを除けば)おおむね良く、スピーディー。 --技を閃いた時、連携が次々に繋がった時の快感は本作ならではの物。 -戦闘によるキャラの成長要素も多く、キャラ育成も醍醐味のひとつ。 --特に人間は一回の戦闘で能力値がガンガン成長する。他の種族でも、メカは新しいプログラムの開発、モンスターは強モンスターへの変身や特技の吸収などが戦闘の見返りとなっている。 -音楽はシリーズおなじみの伊藤賢治氏によるもので、世界観の性質上様々なジャンルの曲が作られており、飽きが来ない。 --そしてイトケンといえば戦闘曲。前作『[[ロマンシング サ・ガ3]]』の戦闘曲の評価も際立って高かったが、それと比べても遜色ない血潮を震わせる熱い曲は健在。特定ボス戦に流れる「Battle♯4」「Battle♯5」といった曲が人気。ラスボスも主人公ごとに個別であるため、それぞれに専用戦闘曲があり、これも軒並み高評価。 -グラフィックの美しさは1997年当時のFFVIIに負けず劣らずの高品質。特に背景や技エフェクトの美しさと派手さは必見。 *難点 -他のサガシリーズと同じく、没イベントやバグの多さ(ただしサガフロのバグには致命的なものがなく、プレイヤーが利用できるお得なものが非常に多いため賛成意見もある)であり、没主人公も2名いたようだ。 --当初は仲間の1人であるヒューズというキャラが主人公のシナリオが予定されていたらしく、内部データにもその名残がある。ファンブック『裏解体真書』ではベニー松山によって書かれたヒューズ主人公の小説が載っているほど。 ---小説の出来自体はサガフロの世界観で好き勝手しすぎだとの意見もあるが、読み応え満点でキャラ同士の絡みが楽しく痛快な出来で評判は良い。 ---もう1人は霊媒師のイタコ。祖先の霊を呼びだし兄弟と遺産相続の争いをするのだが、あまりにギャグくさいシナリオと化したため没になった。没デザインの名残は零姫に見て取れる。 --主なバグについて説明すると… ---換金アイテム、『金』の交換所の数値設定ミスを利用することでお金を一定額まで容易に稼ぐことができる。 ---特定のアイテムを空売りすることでジャンク屋のアイテム漁りが無限にできる。 ---一度に複数回(最大9回)行動ができる術『オーヴァドライブ(以下OD)』中に『停滞のルーン』という術を使うと、ODが強制的に終了となるが、本来の終了時の挙動であるWP・JPが0になるということがなく、以降のターンはずっとOD時と同じだけ行動ができる。更にその状態で他キャラと連携をすると5連携以上の連携が可能。 ---魔術と妖術、印術と秘術など、術の中には対立する関係があり、片方の術を覚えていると対立する術は覚えられないのだが、装備品使用によって使える術を利用することで対立する術を同時に持つことが出来る。 ---ブルーとルージュは心術を習得をできないという設定なのだが、ルージュは普通に習得できてしまう((裏解体真書でチェックミスと認め、海外版で修正すると記載されている。))。 ---など、プレイヤーが美味しい思いをするものが多い。 --没イベントの名残もかなりあり、先述の生命科学研究所、フルドの工房の他にも、ルミナスパレスの小部屋、ブラッククロス本部の開かずの扉、クーロン下水道の開かずのマンホールなど、枚挙に暇がない。 ---裏解体真書に没ネタが多く明かされているので、気になる人は読んでみるといいだろう。 -そのため、数あるサガシリーズの中でもひときわリメイクが待望されている作品の一つである。 -ダンジョンのグラフィックが暗く、かつ良く分からない((複雑な所もあるが、構造が複雑なのが多いためという意味ではない。))物が多いせいで、どこが足場で、どこが障害物なのか、どこが次のエリアにいくためのポイントか、が分かり辛いことが多い。 -敵シンボルが物凄く避けづらいことが多い。避ける余地のない狭い一本道にいたり、マップに入ったらいきなり突っ込んで来たり、ごく一部だがやたら密集して配置されているマップも。しかもかなりの高速で接近してくる。 --加えてこのゲームには''逃走というシステムがない''。戦っているうちに出現モンスターが強くなるシステムなのでドロップアイテム狙いの時や特定モンスターへの変身の際にネックになりやすい。 -初見殺しのラスボスが多い。主人公によっては詰む可能性もある。 --T260G…鍛えたパーティでも最低7ターンは続くため、長期戦を挑む準備をしていなくても、メカ回復アイテムのインスタントキットが少なくても、メカを回復する装備を持った仲間がいなくても、ダンジョンから戻ることができないので、これまでメカのパワーを活かして短期決戦を挑んでいたプレイヤーほど苦戦する。 --クーン…ラスボス手前でセーブすると、アイテムの補充に加え、戦闘もできなくなるので、準備不足だと確実に詰む。また仲間の1人が強制的に外れるため、状況次第では4人で戦わざるを得ないことも。 --エミリア…ラストダンジョンには回復所がなく、ダンジョンから出る事ができないため、僅かながら詰む可能性がある。ラスボスは全キャラの中でも弱い部類に入り、戦闘による強化は可能なので、余程の事がない限り回避は十分に可能であるが。 --リュート…T260Gと同じく、ラスボス戦は最低4ターン続き、ラストダンジョンからの脱出もできない。 --レッド…ラストダンジョンでは常に変身状態なため、''一切能力値が成長しない''。 ---アセルスはラストダンジョンから脱出できたり、ブルーは回復所があるため、鍛え上げればクリアは十分に可能となっている。 //--サガシリーズで、下手にセーブすると詰むことは珍しくはないが。 //--基本的にラストダンジョンからは帰れなく出来ている。育成・装備不足だとどの主人公でも積む。 -エンディングが全般的に簡素であり、特にブルー編の終わり方には批判が多い。各シナリオの繋がりも明確には描かれないため、多くの謎が残されたまま丸投げになる。 --全員クリアで出現するのも開発2部だけであり、全てのシナリオを総合した真のエンディングなどは無い。前述のように没要素も多いため、不完全燃焼感がある。 **総評 -ところどころ人を選ぶ展開が入るものの、システムはわかりやすく、難易度も低めで、全体的に判断すれば誰にでもお勧めできるゲームである。特にこれからサガシリーズを遊ぶ方には入門編として最適。 -先述したようにこの作品から取り入れられた連携システムは高い支持を得て、後継作品にも受け継がれるようになり、シリーズのバトルシステムを一変させた。
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