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*ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡 【ふぁいあーえむぶれむ そうえんのきせき】 |ジャンル|ロールプレイングシミュレーション|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51WXNVN1SHL.SL150.jpg)|&image(souen.jpg,http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=68&file=souen.jpg,width=160)| |対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~|~| |発売日|2005年4月20日|~|~| |定価|6,800円|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/333.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -シミュレーションRPGの金字塔、ファイアーエムブレムシリーズの9作目にあたる作品。 -FE15周年記念作品であり、シリーズ初のフル3Dグラフィックなど「進化したFE」という印象をユーザーにアピールした作品である。 -主人公である少年アイクの成長と新舞台テリウス大陸でのベオク(人間)とラグズ(獣人族)、二種族の対立と和解を中心に据えたストーリーが展開される。 **発売前の不安 -シリーズ5作目である『トラキア776』以来久しぶりの据え置き機作品であり、発売前はGCの容量を活用したグラフィックの向上やボリュームに期待されていた。しかしメインプロデューサーが交代してから発売された携帯機での前三作品が、シリーズ中では比較的難易度が低くシナリオの雰囲気も明るめだった事から、少なからず不安を抱くファンも多かった。 --前作『聖魔の光石』は、シリーズ屈指の低難易度だった。恐らくこれが、シリーズ全体のヌルゲー化路線を危惧させたものと思われる。 -事前情報として従来にない試みなどが公開されていたが、その斬新性の一方で「ゲームバランスがとれるのか?」「FEの世界観に合うのか?」という声も挙げられていた。 //*発売前の不安 //-据え置き機としてはシリーズ5作目であるトラキア776以来の作品で、発売前はGCの容量を活用したグラフィックの向上やボリュームに期待された一方で、少なからず不安を持つファンも多かった。というのも //--GBAで発売された『[[封印の剣>ファイアーエムブレム 封印の剣]]』のノーマルの難易度は『紋章の謎』よりはまともな高さものの『[[烈火の剣>ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』『聖魔の光石』の2作が、シリーズ全体的に見て難易度が低めで(と言っても烈火ヘクトルハードはトラキア同様、敵の能力ではなく歯ごたえのある敵の配置面で難易度上げているため古参からは好評)、シナリオも明るめの(といってもシナリオの深い部分や細かい部分では暗い・残酷な描写はある)ものであったため、大方の古参ファンからは『遊べなくはないけどFEらしくない』というイメージを抱かれていた。 //---これはトラキア以前の製作プロデューサーである加賀昭三氏がインテリジェントシステムズを退社したことが大きい。詳しくは[[ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記]]の項を参照。 //---ただし難易度が低いとはいったものの、封印の剣では新参の購入者が多かったためSRPG独特のシステムに慣れずに難しく感じる者も多かった。 //--加えて蒼炎の軌跡と同時期に開発され、先行発売された聖魔の光石はシリーズで屈指の低難易度だったため(ハードモードでやっと従来シリーズのノーマルモードの難易度と比べられるほど)GBA三部作の最後で封印の剣から入ったプレイヤーもすっかりシステムに慣れきっていたのもあって、「ぬるすぎる!」「やり応えがない!」「ラスボスが弱すぎる!」という声で溢れていた。 //-そのため、「''この蒼炎の軌跡もヌルゲーなんじゃないか?''」という不安が大きかったのである。 //--それ以外にも従来にない試みなどが公開されていたがその斬新性の一方で、「ゲームバランスがとれるのか?」「FEの世界観に合うのか?」という声も上げられていた。 **従来作品との違いとその評価 数々の新要素は発売前の段階では賛否を呼んだが、実際にはそのほとんどが、世界観の調和・ゲームバランスをとることに成功している。 -ラグズの導入 --ラグズとは獣人族で、獣牙族(猫、虎、獅子系)、鳥翼族(鷹、烏、鷺系)、竜鱗族(赤竜、白竜、黒竜系)に大別される。 --戦闘面では獣の形態に変身しなければ攻撃できず、変身にはゲージを溜める必要があり、変身も数ターンで解除されるものの、変身後は強力な補正を得られるという特徴を持つ。 --設定面では多くのベオクから半獣と蔑まれている存在である。 ---その仕様上味方ユニットとしては使いにくい、とはいえ常に変身状態を維持できるアイテムがあるためそれがあれば十分な戦力になる。 --一方で、敵ユニットとしては歯ごたえのある相手となり、攻撃される前に一気に落とすか、守りに入って変身解除を待って叩くかなどの駆け引きができ戦略性の向上に一役買った。 ---ただし終盤ではなりそこないという永久変身状態の敵ばかりになる。しかしその頃になればもう対処法は沢山あるためそれほど気にすることでもない。 ---またラグズに対して特攻が発生する武器もあったり今作では魔法そのものでも特攻が発生する。 -クラスチェンジの仕様変更 --これまでのシリーズでは、下級のユニットは特定のレアアイテムを使わない限り上級のユニットになることはできなかった。 --しかし、この作品ではレベルが20になれば''自動的に''クラスチェンジができるようになった。 ---従来通りレベル10以上であれば、特定のアイテム使用でレベル20にならなくてもクラスチェンジができる。 --これにより、クラスチェンジさせたいキャラが沢山いるのにクラスチェンジアイテムが足りなくて困った、という従来作品では誰もが遭遇した事態がなくなり、気ままに好きなキャラを育成することができるようになった。 -拠点システム --章が終わるごとにパーティーは拠点に戻り、次の戦いのための準備をする。GBA版でも似たような編成システムであったがこの作品では更にできることが増えている。 --イベント経験値の分配 ---章が終わると、その戦闘の内容によって(少ないターンで勝利するなど)イベント経験値が入手でき、それを好きなキャラに与えられるようになった。 ---これにより育てたいが弱くて実戦に出しにくいキャラを強化しやすくなり、敵の強い中盤以降に仲間になるキャラも即戦力にしやすくなった。 ---レベルが高ければ高いほどレベル上げに必要な経験値が多くなるため、主力キャラに一気にこれを投入して最高レベルにするという方法がしづらいためバランスは崩れにくい。 --支援会話の仕様変更 ---キャラ同士が会話することでイベントが発生し、そのキャラ同士の支援率が上がる従来でも人気のあったシステム。 ---しかし従来では戦闘中に支援会話が発生していたため、「戦いの最中にカップルがラブラブになったり、お弁当の話をしていたりしていて緊張感もリアリティもない」という批判もあった。 ---この作品では拠点で会話するようになったためそのような批判はなくなった。 ---また、従来は根気さえあれば一気に支援レベルを上げられたが、今作では支援相手を同時に一定数出撃させる事で支援レベルを上げる仕様なのでバランスが取れている。 -買い物 --拠点での買い物は従来作品でもできたが、この作品では戦闘マップに店がないため武器やアイテムの購入は全て拠点で行うようになった。 ---これにより、武器の買い忘れで起こる詰み状態が起こりづらくなった。 --購入する武具を特注することができ、重さや威力、命中率、クリティカル発生率を+したものが買える。更に名前や色の変更も可能。 ---特注品は一章に一本しか買えないため、金に物を言わせて大量に強い武器を買うということが出来ない。よってバランスは取れている。 ---余談だが、この名前の変更の際に出てくる漢字の量が凄まじい。常用漢字はもちろん、それ以外の殆んど使わないような漢字も用意されている。 -これらの斬新な要素がある一方で基本的なルールは以前のシリーズと変わりがなく、他のシリーズをプレイする感覚で遊べるため予想されていた批判はほとんど出なかった。勿論使わなくてもクリアは可能。 -三すくみのバランス --剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い 炎魔法は風魔法に強く、風魔法は雷魔法に強く、雷魔法は炎魔法に強い というFEシリーズの戦闘の基本ルール。 ---魔法については、GBA版は 理魔法>光魔法>闇魔法>理魔法 という力関係だったのが トラキア以前の 炎>風>雷>炎 という関係に戻った。 ---3すくみの補正値も敵味方の能力バランスを考えれば適正な値(命中±10%、威力±1)。 -武器間のバランス --武器については以前の作品(特に聖戦以前)では3すくみとはいうものの剣がかなり優遇され斧が不遇にあっていた。 ---しかしこの作品では斧が非常に強い。序盤から優秀な斧使いが仲間になり、敵は斧が有利に働く槍装備の兵が多く、加えて全体的に防御力が高い敵(特にボスやアーマー系)が多いため剣で2回攻撃するより斧で一撃食らわせる方が強い状況が多いからである。 ---故に手斧を持った騎兵を突っ込ませて壊滅させるのが効率的となり、「手斧地雷ゲー」と揶揄される事も。 --一方で剣が弱くなってしまっている。理由は斧が強い理由と同じく剣に不利な槍持ちの敵が多く、全体的に固い敵が多いため攻撃力が低い剣では削りきれない状況が増えたため。 ---ただし、主人公専用装備の神剣ラグネルは使用機会が少ないものの、これまでのシリーズの主人公専用武器と比べても別格の強さと存在感を誇っている。何故ならこの剣がストーリー上で非常に重要な役割を果たすからである。 -魔法については今作からかなりきつい調整が行われた。 --まず敵の魔防(魔法防御力)が全体的に上がった。これにより1回で倒すのが難しくなった。 --そして魔道書自体の威力と使用回数の低下。これにより以前の作品で行われていた魔道士無双がしづらくなった。 ---前述したラグズに魔法で特攻が発生するためその処置であるとも言える。 --しかし決して必要ないほどに弱体化はしておらず、むしろ特攻が付加したことにより重要度で言えば価値は上がっているためこの調整は評価が高い。そのためか以降のシリーズでもこのままの路線がとられた。 -店で売られる武器の品揃えも大幅に変更され、特に大きいのが従来では銀系統武器をはるかに超える異常な性能を誇ったキル系統武器が非売品化したことである。 --キル系統武器というのは鋼並みの威力で必殺+30%がついている武器である。敵の耐久(というか守備力)がそれほどではなかった従来では銀武器を買うより高確率で実質一撃粉砕できるキル系武器を買ったほうが圧倒的に効率が良く、価格もキル系の方が安いためしばしばシリーズ全体の問題として挙げられていた。 ---回避ゲーへの対策や敵の硬さでぬるくなり過ぎと言われたバランスを大きく修正したことを考えればこの判断は妥当である。また以降のシリーズでは非売品ではなくなったが値段が銀系統の倍以上に上昇した。 --なお難易度ごとで買える武器が変わるという今作独自の試みも。 -また全体的な難易度もGBA三部作に比べてかなり上がっている。 --難易度は低くはないもののトラキアほど運要素は強くなく、難解な配置ではなく、手堅く戦術を組み立てていればきちんと勝てるようになっており、イベント経験値の利用などの救済措置もあるためSRPGでは必然的だった運の要素をかなり排除したゲームバランスは高く評価されている。 --GBA3作で強すぎると言われ続けてきた支援効果も支援自体の仕様変更と共に大幅な修正が入り、殆んどの属性の支援効果は「あれば便利」程度のレベルに落ち着いた。 ---GBA3作共通の問題点とされた回避ゲー化の問題も敵の命中を更に上昇させたことによって解決。ただ武器の命中を上げるやり方ではなくステータスの「技」の部分を上げるやり方なので命中のインフレは起こらず回避と命中のバランスはシリーズの最高のレベルになったと言える。 --「封印の剣」で回避ゲーの原因として挙げられた「地形効果の強力さ」も修正された。 ---これまであった森、山、高い山といった概念をあえて全て削除している。その代わり以前のシリーズで山や高い山に該当する部分は飛行系でなければ待機不可になり、森に該当する部分は全部「茂み(回避+10%で防御が1される)」に統一されたことにより更に回避ゲーが起こりづらくなった。 ---こちらはSFC時代のバランスを引きずって来たせいで現在のFEと弊害が生じた部分を上手くそぎ落した良調整といえる。またこの調整は最新作である新・紋章の謎までずっと受け継がれている。 ---また、よくよく考えてみれば3Dの空間で山や高い山と表示された部分をユニットが上り詰めていくのは極めて不自然なことである。これらが許されたのはあくまで2Dだったからとも言える。 --闘技場が廃止されレベル上げ・資金調達がしづらくなったが、一気にレベル上げをするパワープレイは基本的にFEにおいては戦闘の魅力を損ねるものである。その代わり弱キャラを育てる方法としてイベント経験値が導入されているので批判はあまりない。やろうと思えば全員レベル20も可能なところも自由度が高いと評価されている。 ---資金も余るほどあるため資金調達ではそれほど気にする必要は無い(ただし有限。錬成などで使いすぎると詰むので注意) ---その他にも、「敵側の上級職の比率が大幅上昇」「特攻の倍率が2倍になった」など、細部に至るまで調整されつくしている。 -難易度選択はノーマル、ハードの他にハードより上のマニアックモードが搭載されている。このマニアックモードは烈火の剣のへクトル編ハードモード、トラキア776などと並べられシリーズでも屈指の難しさを持つためマニアを唸らせている。このマニアックモードの調整は高い評価を得ている。 --例えば序盤は武器不足になるほど敵が多く強いのだが、そのような状況だからこそほぼ全てのキャラを使わされるためいわゆる2軍ユニットが生まれないことによる平等感、お助けユニットを活用しつついかに弱いユニットを育てるかという高い戦略性、そしてそのようなバランスを支えるマップ一つ一つの練りこみの凄さ、ゲーム中一貫して絶妙な攻守のバランスが高い中毒性をも生み出しているとまさしくマニアからは大変高い評価を得ている。 --イベント経験値の中に「ターンボーナス」というクリアしたターン数が早ければ早いほど経験値ボーナスが増えるという要素もあるが、これで最大値を出すのは''本編を散々やった人でも投げ出すほどの超難易度。''だがやろうと思えばマニアックでも可能である上無理なら無視しても問題ないため、難易度選択関係無しに難易度の幅がありガチガチの戦略ゲーを求める硬派なファンにも好評を得ている。 -以上のように、今作はシリーズ中でもかなり自由度が高い部類に入る。旧来のFEによくいた必要ないほど冷遇されたクラスやキャラ(一部ギリギリなのはいるが)が存在していないのもポイントであろう。 --SRPGというジャンルでは基本的に自由度の高さがそのまま戦略性の高さに繋がる例が多い。今作の場合もその例に漏れず、いかなる状況でもいくらでも戦略を立てることが出来るためマゾいプレイヤーが好んでする「縛りプレイ」なども盛んに行われている。 -シリーズ初心者への配慮 -以上のように決して初心者に優しくないのかと言うとそうではなく、ノーマルモードではラスボスに第二形態が無い、索敵マップと呼ばれる難しいマップが取り分けて楽になるなど優しい仕様に。 -そしてなによりも凄いのがチュートリアルの解り易さである。 --今作のチュートリアルは強制されない上見たいときにいつでも''身振り手振りの動きつき''で非常に分かりやすく教えてくれることから、初心者への配慮もばっちりと、いい意味で隙が無い。 -なお、2周目からは難易度選択時に「乱数成長」と「固定成長」といった二つのモードが選べるが、これはキャラの成長方式のことであり、「固定成長」というのはほぼ期待値どおりのステータスとなり''極端に弱くなること(いわゆるヘたれ成長)がない''というFEファンの理想が現実となったものである。 --勿論、乱数成長ではキャラクターの成長を楽しめるという利点もある。そのためどっちがいいかは自分のプレイスタイルによって決まる。 --これだけ好評を得たシステムでありながら、何故か以降のFEシリーズでは搭載されていない。 -そしておまけ要素もこの上ないほどに充実している。 --封印の剣にあったトライアルマップが今作にも採用されており、キャラを育てる楽しみが更に増えた。 ---マップ自体も「周りを海で囲まれた孤島で精鋭飛行系軍団の猛攻から拠点を防衛」などテーマに沿った濃い内容のものが多く、今作の作りこみの深さが窺える。 ---しかもこのトライアルマップはGBAのFEとの連動で''更に増える''ためクリア後のおまけとして見るなら恐ろしいボリュームである。 ---なお今作でもトライアル限定のキャラは存在する。だが今作では15周すると本編で登場した無敵状態のラスボスが使えるというすごいご褒美付。 ---周回の仕様も従来のようなセーブデータに周回数を記録する方式でなく内部データとして記録する方式なので、例えデータを全部消したとしても周回数がリセットされないのも良心的。 --GBAのFEにあったサウンドルームを搭載しており、更にはゲーム中で使用されたムービーが見れたり、なんとキャラクターの公式イラストまで見れる。しかも蒼炎に限ったものではなく、GBAのFEとの連動により''GBA3作全てのキャラクターイラストも見られる''。凄いサービス精神である。 //支援会話集はないですね ---ただし、聖魔の光石のイラストは一部のキャラクター(今作発売時点でメディア露出していたもの)だけ。全員分のイラストが見られるようになったのは『暁の女神』発売後しばらくしての公式ホームページであった。 **問題点 -まず戦闘アニメが地味でかつ長くストレスが貯まる。アニメOFFにしても妙にもっさりしている。 --特にマニアックモードでは敵の数がものすごいことになるため「余裕で漫画が読める」などといわれるくらい敵ターンが長くなる。 --ただしこの点についてはFE初の3Dであるためノウハウ不足ということもあり仕方が無いという声もある。実際、続編の暁の女神ではテンポが改善されかなり派手になっている。またそうでなくても必殺時や奥義のアニメは当時を考えれば頑張って作られている方。 -時々フリーズする。 --これに対してはマップ攻略中に''一旦中断してすぐ再開 ''することで回避できるのでそれほど問題ではない(公式回答より)。 --''8文字''の道具(マジックシールド、サンダーストームなど)を持ち物一杯の際にそのまま輸送隊に送ると必ずフリーズする。 --ただししっかり守らなければ最悪の場合会話を見るだけでもフリーズするので要注意。 ---唯一の救いは再現性のあるフリーズばかりと言う事だろうか。 -奥義自体の性能にかなりの格差がある。暁のものとは違った問題である。 ---例えばラグズの奥義の一つである「咆哮」は、1マップに''1回だけ''敵兵一人を1ターン''移動''不能にするというものであるが、ベオクの弓兵ユニットの奥義である「狙撃」はこれの''実質完全上位版''であるなど、奥義の当たり外れの差が酷い。 -S武器の数が少ない。 --剣と槍にはあるのに斧には無く、雷と光と杖はあるのに炎と風には無いといったところ(ただし槍は本編中では入手不可。トライアルマップでは使用可。光も基本的に入手不可だが、裏技使用で本編で入手可能。)。 ---烈火の剣以降と同様、今作も一つの武器レベルしかSには出来ない。斧はともかく魔法系統で風や炎をSにしてしまう人は案外多く、しかもGBAであったS補正も無いため完全な地雷となってしまっている。 ---一応武器レベルを次回作に引き継ぐことが可能なキャラも存在するが、引き継げない武器レベルも結構存在する(ステラの斧やイレースの炎風など)。 ---海外の解析攻略サイトではS武器の斧はグレイルの使用した[[ウルヴァン>http://serenesforest.net/fe9/axe.htm]]、風と炎は『暁の女神』に登場した[[レクスカリバーとレクスフレイム>http://serenesforest.net/fe9/magic.htm]]である事が判明している(3つとも国内版のデータにも入っており、武器グラフィック・エフェクトもちゃんと作られている)。グレイルの墓標となっているウルヴァンはともかく、なぜ魔法の方が登場できなかったのかは不明(雷魔法のS武器は普通に敵将が所持。倒すことで手に入る。)。 -ちなみに、リアーネの属性が『暁の女神』とは異なっている。『蒼炎』は風、『暁』は水。 //-これまでの作品で表現されていた人間同士の戦いによる悲劇性や敵味方双方が戦術を駆使して戦うといった魅力が薄れ(難易度自体は適正だがいい意味でプレイヤーを裏切る驚きがない)、敵が何の感情も言葉も持たない獣ばかりのマップが多く出るため、非常に単調でつまらないものになっている。 //やや的外れな指摘と感じたのでコメントアウト。 **賛否両論点 -練成関係にもバグがあり、元の武器に必殺補正がついている場合、''それを0にする事によって必殺率255の武器が作れてしまう''という凄まじいバグがある。 --当然ながらマニアックであろうとこれがあればバランスは大崩壊する。そのため、ファンの間では縛るのがもはや常識と化しているほど。 --ただし、本編で使わない分にはこの上ない爽快感を味わう事が出来る。そのためお遊びで使う分には問題無いであろう。またあまりに単純かつあからさまなバグであるため、詰まってしまった人への救済措置とする好意的な見方もある。 -騎兵が攻撃後再行動や奥義、限界値の関係で強すぎる。一方でソードマスターという剣専門のクラスが剣の不遇と共に大幅に弱体化してしまっている。 --以前のFEではソードマスターは最強とも言えるほどの強クラスであったため、むしろこれくらいが丁度いいと言う声もあるが、やはり弱体化させすぎとの声も多数である。 --騎兵に関しては敵側でも高い強さを持ち再行動もするため一応バランスは取れている。ソードマスターも敵側では速さを生かした追撃や高い回避力で依然として厄介な相手であるため問題ないとの声も多数。 -全体的にかなり守備ゲーの傾向が強い。が、強すぎるとも。 --理由としては敵にあまり魔道士が登場しない、敵味方ともに守備面が上がりやすい成長率に設定されているため敵の攻撃力がそれほど高く感じないといった要素が挙げられる。 -止めを刺すかのように今作では守備魔防が+2される「騎士の守り」といった道具が登場。これだけならまだ良かったのだが… --なんと隠し効果で「''速さ成長率+30%''」というとんでもない補正があることが判明。しかもこれがアーマー系につけられる為結果速さと守備が異常に高い凄まじいバランスブレイカーが容易に作れてしまうのである。 --一応擁護するとすれば「自由度が上がった」「アーマーが使いやすくなった」といったものが挙げられるが… --ただし装備品なので着脱は自由。特に付けても付けなくてもデメリットはないため現在では数ある救済措置の一つとしての見方が強い。 //若干記述を変更。 -主人公専用奥義である「天空」は''「太陽」(与えたダメージ分回復)と「月光」(相手の防御を半分にして攻撃)を順番に発動''するというもので、その発動率自体もかなり高かったため性能面では壊れすぎだとの意見もあり賛否両論である。しかしこの奥義があるからこそ宿命の敵との一騎打ち(※後述)が光るのであり、最早アイクといったら「天空」というほど存在感抜群の奥義であるのは間違いないだろう。 -地属性同士での支援効果があまりにも強すぎる。 --どれくらい強いかというと、支援Aで''回避に+30%''という強力な補正であるため、これがあるだけで敵の命中率はダントツに下がり、結果前作でも言われた戦略性の崩壊が簡単に起こってしまうのである。 --しかも主人公のアイクが地属性であり、支援相手の中に同じ地属性のオスカーという強い騎兵がいるため、その結果超のつく避けゲーになる。 ---だがそれを差し引いてもマニアックモードは難しいので現在では一種の救済措置として見る人もいれば、マニアックであってもただのヌルゲーになるという意見もある。 ---逆を言えば、支援そのものを封印すれば敵の命中は常時50~60で安定するため主人公が地属性であることを考えるとこれも救済措置であろう((GBA3作などの近年のFEでは例え主人公だけになってしまっても、ラスボスがそこまで強くないため最高難易度でもお助けキャラなどを駆使すればなんとかクリアできるようには調整されていた。しかし今作の場合、ハード以上の難易度で主人公だけになってしまうと周りの取り巻きやラスボスの形態変化などの関係から専用武器やお助けキャラを以てしてもクリアは事実上不可能となる。))。 //問題点の多くが賛否両論のものであるため移しました。 **シナリオ面 -シナリオは一部伏線が放置されたままエンディングに入ってしまうなど一部では評価が低かったが、残った謎を明らかにした次回作([[ファイアーエムブレム 暁の女神>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/448.html]])のシナリオがあまりにも酷すぎたこともあり、現在ではむしろ「いい感じに王道っぽさがある」「マップの構成がストーリーとうまく融合している」など好意的に見る人の方が多い。 -また序盤で主人公の父親が宿命の敵に殺されることをはじめ(ムービー付き)、ベオクによるラグズの差別、なりそこないの存在、人体実験、ベグニオン帝国の腐敗貴族の横暴、といった陰惨・暗めの描写が多く、更にそれらの陰の部分に負けないほど味方軍のたくましく生き生きとした雰囲気、ラグズとの和解といった陽の描写も強いためバランスがよく、負の設定の生々しさを交えたトラキア以前のシナリオに近い色合いになっている。 -更に主人公アイクは烈火の剣のへクトル、聖魔の光石のエフラムを踏襲したようなアクティブで熱い性格の主人公であり感情移入しやすく、しかも歴代主人公の中でもトップクラスの強さと相まって非常に人気が高い。 --歴代主人公とは違い王族ではなく、傭兵という設定もシナリオ中に十分生かされている。 --ただし、人気が高く好評だったからなのか次回作の暁の女神ではメイン主人公ではないはずなのにメイン主人公を食う大活躍をし、アイクに対する批判の声が出るようになった。主にこの蒼炎アイクと比較されている。 ---伏線の弊害と新主人公の問題もあるので一概にアイク一人が悪いとも言い切れないが、暁の女神でのアイクに落胆した今作のファンも多い。 -ラスボスのアシュナードは、高い移動力を生かして戦場を縦横無尽に飛び回り、主人公の専用武器とラグズの王族クラスのキャラでしかダメージを与えられない上にクリティカル無効、高いステータスを持つこともあって蒼炎発売時点ではシリーズ最強のラスボスとして君臨し、ストーリー上でもゲーム序盤から全編にかけて登場するため、GBA三部作の弱い弱いといわれていたラスボスたちに比べて圧倒的な存在感を持ちこれぞラスボスだと好評である。 --彼に対する描写が多めなのも好評であり、他のユニットでの戦闘会話が非常に多い(中には即死の危険があるユニットでの戦闘会話も)。 --またシリーズ中でもとりわけて小ネタ、ネタ要素が多い。 ---特にファンの間で「''しっこくハウス''」、「''ボルトアクス将軍''」、と呼ばれているイベントは伝説級と言われており、なんとそのネタのフラッシュまで作られたほど。 ---またこちら側のユニットが''敵に説得されて寝返る''というイベントもある。これは多くのプレイヤーがまず引っかかるだろうと思われるシチュエーションであったため、このイベントに唖然とするプレイヤーが続出した。だがある方法で回避することが可能であり、こちら側に寝返ってしまったユニットに対する敵将の気持ちが分かる貴重なイベントであるとの意見も(この敵将は敵軍では屈指の善人であり、シリーズ伝統の「仲間にしたかったけど出来ないキャラ」であるとの声もある。また、説得されて寝返るユニットの父親でもある)。 ---が、そのデータを引き継ぎに使用するとフリーズしてしまうので一度以上見ることは少ない。 --そして小ネタ面では、アイクとその宿敵との会話が主に取り上げられる。 ---これは、序盤でいきなり登場する宿命の敵と戦闘して、1ターン耐えてマップをクリアすると拠点会話に特別な会話が追加されるといったもの(戦闘そのものは任意)。 ---当然、この宿敵は非常に強く、主人公もクラスチェンジしていないので普通は2回攻撃を食らって死ぬのが普通である。もちろん死んだらゲームオーバーで最初からやり直し。 ---だが様々な方法を使えば(運ゲーではあるが)耐えることが可能。 **総評 -発売前の不安は以上の内容によって払拭され、良作には間違いないが長い歴史によるシステムのマンネリ化に陥っていたGBAのFEシリーズから新要素の導入やゲームバランスの刷新によってシリーズの新たな境地を切り開くことに成功した。 --上に書いてある通りいくつか粗はあるものの、それを補って余りあるシリーズ最高レベルとも評される絶妙なバランス調整と高い自由度はまさにFE15周年記念に相応しい出来であると言えるだろう。 ---特に主人公のアイクはそれまでのFEの主人公にはいなかった「熱血漢を地で行く少年」と言えるようなキャラクターが大人気となり、スマブラXに参戦した事もあり聖魔以降若干低迷気味だったFEシリーズの人気を盛り返した。 -そんなわけで古参・新参ともに購入者からは好評を得た。ただ発売されたハードが生産数の少なく、かつ末期であったGCで売り上げが特別高いわけではなかった。 -それでも''蒼炎発売週はGCの売り上げが他の週の2倍になった''という逸話がありこれはかなりの快挙である。 --この快挙のこともあり、任天堂内でも若干低迷気味だったFEシリーズの地位の向上に貢献した作品でもある。 **中古価格の凄まじい高騰 -そして次世代機のWiiが大ヒットすると次回作である暁の女神がハード売り上げに非常に貢献した蒼炎の影響でWiiのキラータイトルとして発売され、暁の前作でストーリーを引き継いでいる上にファンの間でも「面白いらしいけどやったことがない」というような扱いを受けていたこの作品は再び注目されるようになった。 --そのため、以前は中古価格が高くて2000円程度しかなかった(安くて1000円を切っている店すらあった)のが暁発売後から急激に高騰し、今では新品は定価の二倍以上中古でも新品定価とほぼ同じもしくは上回る価格が当たり前となってしまった。 ---しかもそれは序の口に過ぎず、その後スマブラXにアイク(それも蒼炎アイク寄り)が参戦したためただでさえ高くなっていた中古価格が更に高くなってしまった。 ---WiiでGCのゲームが遊べるのと、蒼炎のクリアデータを次回作の暁に持ち越すことができるという仕様もこの高騰の原因だろう。 --なお現在は売れ行きからか生産を終了している。上記の持ち越し仕様のためかWiiで遊ぶセレクションでの発売も絶望的。更にはゲーム自体の評判も良いこともあって手放す人が非常に少なく暁発売及びスマブラ発売から数年たった現在でも中古価格は下がるどころか上がっている始末。 ---恐らくこれからも値段は更に上がる事が容易に想像できるので興味のある方はぜひお早めに購入することをお勧めする。 **余談 -上述の通り『大乱闘スマッシュブラザーズX』にアイクがプレイヤーキャラクターとして登場した。 --BGMも今作からの引用が多く、漆黒の騎士の戦闘曲や今作に登場する敵ユニット・オリヴァーのテーマソングまで収録されている。 --フィギュアにはアシュナード、漆黒の騎士が登場。エリンシアやサザのフィギュアもあるが姿は『暁の女神』の時点のものとなっている。 --また、アイクの他にグレイル、ミスト、漆黒の騎士、アシュナードのシールも用意されている。 -海外版では、今作で主に冷遇気味と言われたソードマスターとスナイパーとバーサーカーに必殺補正が追加されている。その代わりやり応え抜群のマニアックモードが遊べないため日本版購入ユーザーからは叩かれることは無かった。 -今作は他作品に比べバグやフリーズが目立つが、どうやら今作はディスク容量の限界以上に大量のデータが圧縮されているらしくGC本体にかなりの負荷がかかっているようで、フリーズやバグはこれが原因であるという説がある。 -アイクの初期名はパリス、デイン軍の初期名がデロス兵であった。この「パリス」という名はのちの『[[ファイアーエムブレム 覚醒>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1585.html]]』にて再利用されている模様。 #image(cubeemblem.jpg) -残念ながら続編である『[[ファイアーエムブレム 暁の女神>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/448.html]]』は無視できない問題点の多さで賛否両論となっている。詳しくは項目を参照。 **関連項目 -[[エルヴァンディアストーリー>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/716.html]] -[[ベルウィックサーガ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/860.html]] ----
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