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*ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡
【ふぁいあーえむぶれむ そうえんのきせき】
|ジャンル|ロールプレイングシミュレーション|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51WXNVN1SHL.SL150.jpg)|&image(souen.jpg,http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=68&file=souen.jpg,width=200)|
|対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~|~|
|発売元|任天堂|~|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ|~|~|
|発売日|2005年4月20日|~|~|
|定価|6,800円|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/333.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-シミュレーションRPGの金字塔、ファイアーエムブレムシリーズの9作目にあたる作品。
-FE15周年記念作品であり、シリーズ初のフル3Dグラフィックなど「進化したFE」という印象をユーザーにアピールした作品である。
-主人公である少年アイクの成長と新舞台テリウス大陸でのベオク(人間)とラグズ(獣人族)、二種族の対立と和解を中心に据えたストーリーが展開される。
**発売前の不安
-シリーズ5作目である『トラキア776』以来久しぶりの据え置き機作品であり、発売前はGCの容量を活用したグラフィックの向上やボリュームに期待されていた。しかしメインプロデューサーが交代してから発売された携帯機での前三作品が、シリーズ中では比較的難易度が低くシナリオの雰囲気も明るめだった事から、少なからず不安を抱くファンも多かった。
--前作『聖魔の光石』は、シリーズ屈指の低難易度だった。恐らくこれが、シリーズ全体のヌルゲー化路線を危惧させたものと思われる。
-事前情報として従来にない試みなどが公開されていたが、その斬新性の一方で「ゲームバランスがとれるのか?」「FEの世界観に合うのか?」という声も挙げられていた。
//*発売前の不安
//-据え置き機としてはシリーズ5作目であるトラキア776以来の作品で、発売前はGCの容量を活用したグラフィックの向上やボリュームに期待された一方で、少なからず不安を持つファンも多かった。というのも
//--GBAで発売された『[[封印の剣>ファイアーエムブレム 封印の剣]]』のノーマルの難易度は『紋章の謎』よりはまともな高さものの『[[烈火の剣>ファイアーエムブレム 烈火の剣]]』『聖魔の光石』の2作が、シリーズ全体的に見て難易度が低めで(と言っても烈火ヘクトルハードはトラキア同様、敵の能力ではなく歯ごたえのある敵の配置面で難易度上げているため古参からは好評)、シナリオも明るめの(といってもシナリオの深い部分や細かい部分では暗い・残酷な描写はある)ものであったため、大方の古参ファンからは『遊べなくはないけどFEらしくない』というイメージを抱かれていた。
//---これはトラキア以前の製作プロデューサーである加賀昭三氏がインテリジェントシステムズを退社したことが大きい。詳しくは[[ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記]]の項を参照。
//---ただし難易度が低いとはいったものの、封印の剣では新参の購入者が多かったためSRPG独特のシステムに慣れずに難しく感じる者も多かった。
//--加えて蒼炎の軌跡と同時期に開発され、先行発売された聖魔の光石はシリーズで屈指の低難易度だったため(ハードモードでやっと従来シリーズのノーマルモードの難易度と比べられるほど)GBA三部作の最後で封印の剣から入ったプレイヤーもすっかりシステムに慣れきっていたのもあって、「ぬるすぎる!」「やり応えがない!」「ラスボスが弱すぎる!」という声で溢れていた。
//-そのため、「''この蒼炎の軌跡もヌルゲーなんじゃないか?''」という不安が大きかったのである。
//--それ以外にも従来にない試みなどが公開されていたがその斬新性の一方で、「ゲームバランスがとれるのか?」「FEの世界観に合うのか?」という声も上げられていた。
**従来作品との違いとその評価
数々の新要素は発売前の段階では賛否を呼んだが、実際にはそのほとんどが、新たに転換された世界観の調和・ゲームバランスをとることに成功している。
-ラグズの導入
--ラグズとは獣人族で、獣牙族(猫、虎、獅子系)、鳥翼族(鷹、烏、鷺系)、竜鱗族(赤竜、白竜、黒竜系)に大別される。
--戦闘面では獣の形態に変身しなければ攻撃できず、変身にはゲージを溜める必要があり、変身も数ターンで解除されるものの、変身後は強力な補正を得られるという特徴を持つ。
--設定面では多くのベオクから半獣と蔑まれている存在である。
---その仕様上味方ユニットとしては使いにくい、とはいえ常に変身状態を維持できるアイテムがあるためそれがあれば十分な戦力になる。
--一方で、敵ユニットとしては歯ごたえのある相手となり、攻撃される前に一気に落とすか、守りに入って変身解除を待って叩くかなどの駆け引きができ戦略性の向上に一役買った。
---ただし終盤ではなりそこないという永久変身状態の敵ばかりになる。しかしその頃になればもう対処法は沢山あるためそれほど気にすることでもない。
---またラグズに対して特攻が発生する武器もあったり今作では魔法そのものでも特攻が発生する。
-クラスチェンジの仕様変更
--これまでのシリーズでは、下級のユニットは特定のレアアイテムを使わない限り上級のユニットになることはできなかった。
--しかし、この作品ではレベル20でEXPを貯めると''自動的に''クラスチェンジができるようになった。
---従来通りレベル10以上であれば、特定のアイテム使用でレベル20にならなくてもクラスチェンジができる。
--これにより、クラスチェンジさせたいキャラが沢山いるのにクラスチェンジアイテムが足りなくて困った、という従来作品では誰もが遭遇した事態がなくなり、気ままに好きなキャラを育成することができるようになった。
-拠点システム
--章が終わるごとにパーティーは拠点に戻り、次の戦いのための準備をする。GBA版でも似たような編成システムであったがこの作品では更にできることが増えている。
--イベント経験値の分配
---章が終わると、その戦闘の内容によって(少ないターンで勝利するなど)イベント経験値が入手でき、それを好きなキャラに与えられるようになった。
---これにより育てたいが弱くて実戦に出しにくいキャラを強化しやすくなり、敵の強い中盤以降に仲間になるキャラも即戦力にしやすくなった。
---レベルが高ければ高いほどレベル上げに必要な経験値が多くなるため、主力キャラに一気にこれを投入して最高レベルにするという方法がしづらいためバランスは崩れにくい。
--支援会話の仕様変更
---キャラ同士が会話することでイベントが発生し、そのキャラ同士の支援率が上がる従来でも人気のあったシステム。
---従来では戦闘中に支援会話が発生していたため、「戦いの最中にカップルがラブラブになったり、お弁当の話をしていたりしていて緊張感もリアリティもない」という批判もあった。
---この作品では拠点で会話するようになったためそのような批判はなくなった。
---また、従来は根気さえあれば一気に支援レベルを上げられたが、今作では支援相手を同時に一定数出撃させる事で支援レベルを上げる仕様なのでバランスが取れている。
-買い物
--拠点での買い物は従来作品でもできたが、この作品では戦闘マップに店がないため武器やアイテムの購入は全て拠点で行うようになった。
---これにより、武器の買い忘れで起こる詰み状態が起こりづらくなった。
--購入する武具を特注することができ、重さや威力、命中率、クリティカル発生率を+したものが買える。更に名前や色の変更も可能。
---ただし特注品は一章に一本しか買えない。金に物を言わせて大量に強い武器を買うということはできないので、バランスブレイカーの域は逃れている。
---余談だが、この名前の変更の際に使える漢字の量が凄まじい。常用漢字はもちろん、それ以外の殆ど使わないような漢字も用意されている。
-これらの斬新な要素がある一方で基本的なルールは以前のシリーズと変わりがなく、他のシリーズをプレイする感覚で遊べるため予想されていた批判はほとんど出なかった。勿論使わなくてもクリアは可能。
-三すくみのバランス
--剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い/炎魔法は風魔法に強く、風魔法は雷魔法に強く、雷魔法は炎魔法に強い、というFEシリーズの戦闘の基本ルール。
---魔法については、GBA版は 理魔法>光魔法>闇魔法>理魔法 という力関係だったのが トラキア以前の 炎>風>雷>炎 という関係に戻った。
---3すくみの補正値も敵味方の能力バランスを考えれば適正な値(命中±10%、威力±1)。
-武器間のバランス
--武器については以前の作品(特に聖戦以前)では3すくみとはいうものの剣がかなり優遇され斧が不遇にあっていた。
---しかしこの作品では反対に、斧が非常に強い。序盤から優秀な斧使いが仲間になり、敵は斧が有利に働く槍装備の兵が多く、加えて全体的に防御力が高い敵(特にボスやアーマー系)が多いため剣で2回攻撃するより斧で一撃食らわせる方が強い状況が多いからである。
---故に手斧を持った騎兵を突っ込ませて壊滅させるのが効率的となり、「手斧地雷ゲー」と揶揄される事も。
--一方で剣が弱くなってしまっている。理由は斧が強い理由と同じく剣に不利な槍持ちの敵が多く、全体的に固い敵が多いため攻撃力が低い剣では削りきれない状況が増えたため。
---ただし、主人公専用装備の神剣ラグネルは使用機会が少ないものの、これまでのシリーズの主人公専用武器と比べても別格の強さと存在感を誇っている。''何故ならこの剣がストーリー上でもシステム上でも非常に重要な役割を果たすからである。''
-魔法についてはかなりきつい調整が行われた。
--まず敵の魔防(魔法防御力)が全体的に上がった。これにより1回で倒すのが難しくなった。
--そして魔道書自体の威力と使用回数の低下。これにより以前の作品で行われていた魔道士無双がしづらくなった。
---前述したラグズに魔法で特攻が発生するためその処置であるとも言える。
--しかし決して必要ないほどに弱体化はしておらず、むしろ対ラグズ特攻が付加したことにより重要度で言えば価値は上がっているためこの調整は評価が高い。この点は続編「暁の女神」でも同じ。
-店で売られる武器の品揃えも大幅に変更され、特に大きいのが従来では銀系統武器を超える性能を誇ったキル系統武器が非売品化したことである。
--キル系統武器とは、鋼とほぼ同じスペックを持ちながら、装備時の必殺率が大きく増加する(+30%)武器である。
---敵の耐久(というか守備力)がそれほどではなかった従来では銀武器を買うより高確率で実質一撃粉砕できるキル系武器を買ったほうが圧倒的に効率が良く、価格もキル系の方が安いためしばしばシリーズ全体の問題として挙げられていた。
---回避ゲーへの対策や敵の硬さでぬるくなり過ぎと言われたバランスを大きく修正したことを考えればこの判断は妥当である。「暁」以降は非売品ではなくなったが、値段が銀系統の倍以上に上昇した。
--なお難易度ごとで買える武器が変わるという今作独自の試みも。
-全体的な難易度はGBA三部作より(特に「烈火」「聖魔」と比べると大幅に)上がっている。
--難易度は低くはないもののトラキアほど運要素は強くなく、難解な配置ではなく、手堅く戦術を組み立てていればきちんと勝てるようになっており、~イベント経験値の利用などの救済措置もあるためSRPGでは必然的だった運の要素をかなり排除したゲームバランスは高く評価されている。
--GBA3作で強すぎると言われ続けてきた支援効果も支援自体の仕様変更と共に大幅な修正が入り、殆どの属性の支援効果は「あれば便利」程度のレベルに落ち着いた。
--GBA3作共通の問題点とされた回避ゲー化の問題も、敵の命中を底上げしたことによって解決。
---武器の命中を上げるやり方ではなく、ステータスの「技」の部分を上げるやり方なので命中のインフレは起こらず回避と命中のバランスはシリーズの最高のレベルになったと言える。
--「封印の剣」で回避ゲーの原因として挙げられた「地形効果の大きさ」も削られた。
---これまであった森、山、高い山といった概念をあえて全て削除している。
---その代わり以前のシリーズで山や高い山に該当する部分は飛行系でなければ待機不可になり、森に該当する部分は全部「茂み(回避+10%,防御+1)」に統一されたことにより更に回避ゲーが起こりづらくなった。
---こちらはSFC時代のバランスを引きずって来たせいで現在のFEと弊害が生じた部分を上手くそぎ落した良調整といえる。地形名を受け継いだものの、新・暗黒竜と光の剣や新・紋章の謎もこの数値に近づいている。
---よくよく考えてみれば3Dの空間で山や高い山と表示された部分をユニットが上り詰めていくのは極めて不自然なことである。これらが許されたのはあくまで2Dだったからとも言える。
--闘技場が廃止されレベル上げ・資金調達がしづらくなったが、一気にレベル上げをするパワープレイは基本的にFEにおいては戦闘の魅力を損ねるものである。
---その代わり弱キャラを育てる方法としてイベント経験値が導入されているので批判はあまりない。やろうと思えば全員''上級職レベル20''も可能なところも自由度が高いと評価されている。
---資金も余るほどあるため資金調達ではそれほど気にする必要は無い(ただし有限。錬成などで使いすぎると詰むので注意)
---その他にも、「敵側の上級職の比率が大幅上昇」「特攻の倍率は2倍に下がった」など、細部に至るまで伝統だったバランスが変化している。
-難易度選択はノーマル、ハードの他にハードより上のマニアックモードが搭載されている。
--このマニアックモードは烈火の剣のへクトル編ハードモード、トラキア776などと並べられシリーズでも屈指の難しさを持つためマニアを唸らせている。このマニアックモードの調整は高い評価を得ている。
--例えば序盤は武器不足になるほど敵が多く強いのだが、そのような状況だからこそほぼ全てのキャラを使わされるためいわゆる2軍ユニットが生まれないことによる平等感、
--お助けユニットを活用しつついかに弱いユニットを育てるかという高い戦略性、
--そしてそのようなバランスを支えるマップ一つ一つの元々の練りこみの凄さ、
--ゲーム中一貫して絶妙な攻守のバランスが高い中毒性をも生み出しているとまさしくマニアからは大変高い評価を得ている。
--イベント経験値の中に「ターンボーナス」というクリアしたターン数が早ければ早いほど経験値ボーナスが増えるという要素もあるが、これで最大値を出すのは''本編を散々やった人でも投げ出すほどの超難易度。''~だがやろうと思えばマニアックでも可能である上無理なら無視しても問題ないため、難易度選択関係無しに難易度の幅があり、ガチガチの戦略ゲーを求める硬派なファンにも好評を得ている。
-以上のように、今作はシリーズ中でもかなり自由度が高い部類に入る。旧来のFEによくいた必要ないほど冷遇されたクラスやキャラ(一部ギリギリなのはいるが)が少ないのもポイントであろう。
--SRPGというジャンルでは基本的に自由度の高さがそのまま戦略性の高さに繋がる例が多い。
--今作の場合もその例に漏れず、いかなる状況でもいくらでも戦略を立てることが出来るためマゾいプレイヤーが好んでする「縛りプレイ」なども盛んに行われている。
-シリーズ初心者への配慮
--以上のように決して初心者に優しくないのかと言うとそうではなく、ノーマルモードではラスボスの第二形態が削られたり、索敵マップと呼ばれる難しいマップが取り分けて楽になるなど絶妙な緩和がなされる。
-そしてなによりも、チュートリアルの解り易さがシリーズ随一。
--今作のチュートリアルは強制されない上見たいときにいつでも''身振り手振りの動きつき''で非常に分かりやすく教えてくれることから、初心者への配慮もばっちりと、いい意味で隙が無い。
-2周目からは難易度選択時に「乱数成長」と「固定成長」といった二つのモードが選べる。
--キャラの成長方式のことで、「固定成長」にするとほぼ期待値どおりのステータスとなり''極端に弱くなること(いわゆるヘたれ成長)がない''というFEファンの理想が現実となったものである。
--勿論、乱数成長ではキャラクターの成長を楽しめるという利点もある。そのためどっちがいいかは自分のプレイスタイルによって決まる。
--これだけ好評を得たシステムでありながら、何故か以降のFEシリーズでは搭載されていない。
-おまけ要素もこの上ないほどに充実している。
--封印の剣にあったトライアルマップが今作にも採用されており、キャラを育てる楽しみが更に増えた。
---マップ自体も「周りを海で囲まれた孤島で精鋭飛行系軍団の猛攻から拠点を防衛」などテーマに沿った濃い内容のものが多く、今作の作りこみの深さが窺える。
---しかもこのトライアルマップはGBAのFEとの連動で''更に増える''ためクリア後のおまけとして見るなら恐ろしいボリュームである。
---なお今作でもトライアル限定のキャラは存在する。本編を15周すると無敵状態のラスボスが使えるというすごいご褒美付。
---周回の仕様も従来のようなセーブデータに周回数を記録する方式でなく内部データとして記録する方式なので、例えデータを全部消したとしても周回数がリセットされないのも良心的。
--GBAのFEにあったサウンドルームを搭載しており、更にはゲーム中で使用されたムービーが見れたり、なんとキャラクターの公式イラストまで見れる。
--しかも蒼炎に限ったものではなく、GBAのFEとの連動により''GBA3作全てのキャラクターイラストも見られる''。凄まじいサービス精神である。
//支援会話集はないですね
---ただし、聖魔の光石のイラストは一部のキャラクター(今作発売時点でメディア露出していたもの)だけ。全員分のイラストが見られるようになったのは『暁の女神』発売後しばらくしての公式ホームページであった。
**問題点
-まず戦闘アニメが地味でかつ長くストレスがたまる。マップ上ユニットが3D描写されているためアニメOFFでも見れるが、そっちも妙にもっさりしている。
--特にマニアックモードでは敵の数がものすごいことになるため「余裕で漫画が読める」などといわれるくらい敵ターンが長くなる。
--ただしこの点についてはFE初の3Dであるためノウハウ不足ということもあり仕方が無いという声もある。
--実際、続編の暁の女神ではテンポが改善されかなり派手・スピーディーになっている。またそうでなくても必殺時や奥義のアニメは当時を考えれば頑張って作られている方。
-時々フリーズする。
--これに対してはマップ攻略中に''一旦中断してすぐ再開 ''することで回避できるのでそれほど問題ではない(公式回答より)。
--''8文字''の道具(マジックシールド、サンダーストームなど)を持ち物一杯の際にそのまま輸送隊に送ると必ずフリーズする。
--しっかり守らなければ最悪の場合会話を見るだけでもフリーズするので要注意。
---唯一の救いは再現性のあるフリーズばかりと言う事だろうか。
-奥義自体の性能にかなりの格差がある。暁のものとは違った問題である。
---例えばラグズの奥義の一つである「咆哮」は、1マップに''1回だけ''敵兵一人を1ターン''移動''不能にするというものであるが、ベオクの弓兵ユニットの奥義である「狙撃」はこれの''実質完全上位版''であるなど、奥義の当たり外れの差が酷い。
-今作の特徴として、全体的に敵味方ともにHPが低く守備力が高めで、かなり守備ゲーの傾向が強い。が、強すぎるとも。
--理由としては敵にあまり魔道士が登場しない、敵味方ともに守備面が上がりやすい成長率に設定されているため敵の攻撃力がそれほど高く感じないといった要素が挙げられる。
--止めを刺すかのように今作では守備魔防が+2される「騎士の守り」といった道具が登場。これだけならまだ良かったのだが…
---なんと隠し効果で「''速さ成長率+30%''」というとんでもない補正があることが判明。しかもこれがアーマー系につけられる為結果速さと守備が異常に高い凄まじいバランスブレイカーが容易に作れてしまうのである。
---一応擁護するとすれば「自由度が上がった」「アーマーが使いやすくなった」といったものが挙げられるが、それにしても強力すぎる。一応装備品なので着脱は自由。
--このため、アーマー系統が非常に強力。意図的にそうした節は否めないが、上記アイテムを併用することで序盤から終盤までほぼ全ての敵の物理攻撃をシャットアウト可能なのはやりすぎである。
--以降の作品では魔導士の登場回数を増やす、敵に積極的に銀装備を持たせる、更に威力を高くした錬成武器を持たせるなど火力をインフレさせる方向でアーマーの弱体化を図っている。また、守備力に補正をかけるアイテムも登場しておらず、あったとしても魔導士専用などといった扱いになっている。
//若干記述を変更。
-S武器の数が少ない。
--剣と槍にはあるのに斧には無く、雷と光と杖はあるのに炎と風には無いといったところ(ただし槍は本編中では入手不可。トライアルマップでは使用可。光も基本的に入手不可だが、裏技使用で本編で入手可能。)。
---烈火の剣以降と同様、今作も一つの武器レベルしかSには出来ない。斧はともかく魔法系統で風や炎をSにしてしまう人は案外多く、しかもGBAであったS補正も無いため完全な地雷となってしまっている。
---一応武器レベルを次回作に引き継ぐことが可能なキャラも存在するが、引き継げない武器レベルも結構存在する(ステラの斧やイレースの炎風など)。
---海外の解析攻略サイトではS武器の斧はグレイルの使用した[[ウルヴァン>http://serenesforest.net/fe9/axe.htm]]、風と炎は『暁の女神』に登場した[[レクスカリバーとレクスフレイム>http://serenesforest.net/fe9/magic.htm]]である事が判明している(3つとも国内版のデータにも入っており、武器グラフィック・エフェクトもちゃんと作られている)。グレイルの墓標となっているウルヴァンはともかく、なぜ魔法の方が登場できなかったのかは不明(雷魔法のS武器は普通に敵将が所持。倒すことで手に入る。)。
-ちなみに、リアーネの属性が『暁の女神』とは異なっている。『蒼炎』は風、『暁』は水。
//-これまでの作品で表現されていた人間同士の戦いによる悲劇性や敵味方双方が戦術を駆使して戦うといった魅力が薄れ(難易度自体は適正だがいい意味でプレイヤーを裏切る驚きがない)、敵が何の感情も言葉も持たない獣ばかりのマップが多く出るため、非常に単調でつまらないものになっている。
//やや的外れな指摘と感じたのでコメントアウト。
-特攻の倍率が従来の3倍から2倍になった。これ自体は賛否両論だが、倍率2倍になったにもかかわらず各種特攻武器にそれ相応の威力上昇などの修正がされていない。
--特攻の分を付加してもその系統の銀武器より弱いナイトキラーや斬馬刀が代表例。
---なおこれらの武器は性能そのままでかなり重く設定されている。このことから開発中に何らかの要因で2倍に変更されたことが推測される。
**賛否両論点
-練成関係にもバグがあり、元の武器に必殺補正がついている場合、''それを0にする事によって必殺率255の武器が作れてしまう''というひどいバグがある。
--当然ながらマニアックであろうとこれがあればバランスは大崩壊する。そのため、ファンの間では縛るのがもはや常識と化しているほど。
--ただし、その対象は細身シリーズやサンダーなど元が弱い武器なのでダメージが通らなければ意味がないし、またあまりに単純かつあからさまなバグであるため、''ワザと残したんじゃないか''という疑惑まである。
--通常だったら鋼や銀を錬成するだろうし、進んで細身系統を錬成しようというプレイヤーは稀であるため。今作では''弱体化させるにも強化させるのと同等の金額が上乗せされる''ため尚更である。
--今作はシリーズ中でも最も敵の守備面が高いと言われる作品である。上記で挙げた2種類はソードマスターや魔導士が扱う系統であり、今作で火力を大きく減らされたクラスであるということもあるため救済目的で容認されることもある。
-騎兵が攻撃後再行動や奥義、限界値の関係で強すぎる。一方でソードマスターという剣専門のクラスが剣の不遇に引きずられ大幅に弱体化してしまっている。
--以前のFE(特にGBA三部作)ではソードマスターは最強とも言えるほどの強クラスであったため、むしろこれくらいが丁度いいと言う声もあるが、やはり弱体化させすぎとの声も多数である。
--騎兵に関しては敵側でも高い強さを持ち再行動もするため一応バランスは取れている。ソードマスターも敵側では速さを生かした追撃や高い回避力で依然として厄介な相手であるためゲームバランスとしては問題ないとの声も多数。
-主人公専用奥義である「天空」は''「太陽」(与えたダメージ分回復)→「月光」(相手の防御を半分にして攻撃)の順で一気に発動''するというもので、その発動率自体もかなり高かったため性能面では壊れすぎだとの意見もあり賛否両論である。
--しかしこの奥義があるからこそ宿命の敵との一騎打ち(※後述)が光るのであり、最早アイクといったら「天空」というほど存在感抜群の奥義となったのは間違いないだろう。
--因みに今作の奥義は「奥義の書」という貴重アイテムを利用して習得するものであり、着脱そのものは強制でなく任意のタイミングで行うことが可能。「天空」も奥義の書が無ければ覚えられない。
-地属性同士での支援効果があまりにも強すぎる。
--どれくらい強いかというと、支援Aの地属性だと''回避に+30%''。これがあるだけで敵の命中率はダントツに下がり、結果前作でも言われた戦略性の崩壊が簡単に起こってしまうのである。
--しかも主人公のアイクは地属性であり、支援相手の中に同じ地属性のオスカーという強い騎兵がいる。というわけで結局、超のつく避けゲーたるを裂けられなかった。
---だがそれを差し引いてもマニアックモードは難しいので現在では一種の救済措置として見る人もいれば、マニアックであってもただのヌルゲーになるという意見もある。
---逆を言えば、支援そのものを封印すれば敵の命中は常時50~60で安定するため主人公が地属性であることを考えるとこれもラスボスで詰まないための救済措置であろう((GBA3作などの近年のFEでは例え主人公だけになってしまっても、ラスボスがそこまで強くないため最高難易度でもお助けキャラなどを駆使すればなんとかクリアできるようには調整されていた。しかし今作の場合、ハード以上の難易度で主人公だけになってしまうと周りの取り巻きやラスボスの形態変化などの関係から専用武器やお助けキャラを以てしてもクリアは事実上不可能となる。))。
---上記のように地属性支援以外の支援効果は「あれば便利」程度の補正にとどまっているのもそのように扱われる根拠になっている。
-上記の通り、特攻の倍率2倍は当初から論議を呼んだ。
--マップの緊張感が薄れた、守備偏重の原因の一つであると非難する者もいれば、今作の飛行系は単騎で戦えるほど強力ではないためこれくらいで妥当とする者もいるなど極端である。
--勿論これは敵側でも同じことであり、特に終盤のドラゴンマスター相手ではその影響を十分に感じることができるようになっている。
--結果としては不評だったのか、暁以降では従来通りの3倍に戻されている。
//問題点の多くが賛否両論のものであるため移しました。
**シナリオ面
-シナリオは一部伏線が放置されたままエンディングに入ってしまうなど一部では評価が低かったが、&italic(){[[残った謎を明らかにした次回作>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/448.html]]があまりにも酷すぎた}こともあり、現在ではむしろ「いい感じに王道っぽさがある」「マップの構成がストーリーとうまく融合している」など好意的に見る人の方が多くなっている。
-また序盤で主人公の父親が宿命の敵に殺されることをはじめ(ムービー付き)、ベオクによるラグズの差別、なりそこないの存在、人体実験、ベグニオン帝国の腐敗貴族の横暴、といった陰惨・暗めの描写が多く、~そしてそれらの陰の部分に負けないほど味方軍のたくましく生き生きとした雰囲気、ラグズとの和解といった陽の描写も強いためバランスがよく、負の設定の生々しさを交えた紋章・聖戦のシナリオに近い色合いになっている。
-更に主人公アイクは烈火の剣のへクトル、聖魔の光石のエフラムを踏襲したようなアクティブで熱い性格の主人公であり感情移入しやすく、しかも歴代主人公の中でもトップクラスの強さと相まって非常に人気が高い。
--歴代主人公とは違い王族ではなく、傭兵という設定もシナリオ中に十分生かされている。
--ただし、人気が高く好評だったからなのか次回作の暁の女神ではサブキャラになったにもかかわらずメイン主人公を食う大活躍をし、アイクに対する批判の声が出るようになった。主にこの蒼炎アイクと比較されて。
---伏線の弊害と新主人公の問題もあるので一概にアイク一人が悪いとも言い切れないが、暁の女神でのアイクに落胆した今作のファンも多い。
-ラスボスのアシュナードは「高いステータスを持つ」「移動力も高く、戦場を縦横無尽に飛び回る」「''主人公の専用武器とラグズ王族でしかダメージを与えられない上に必殺無効''」という三拍子を揃え、シリーズ最強のラスボスとして君臨し、ストーリー上でもゲーム序盤から全編にかけて登場するため、これまでの弱い弱いといわれていたラスボスたちに比べて圧倒的な存在感を持ちこれぞラスボスだと好評である。
--彼に対する描写が多めなのも好評であり、他のユニットでの戦闘会話が非常に多い(中には即死の危険があるユニットでの戦闘会話も)。
-またシリーズ中でもとりわけてネタ要素となるイベントが多い。
--特にファンの間で「''しっこくハウス''」、「''ボルトアクス将軍''」と呼ばれているイベントは伝説級と言われており、なんとそのネタのフラッシュまで作られたほど。
--おまけにこちら側のユニットが''敵に説得されて寝返る''というイベントもある。これは多くのプレイヤーがまず引っかかるだろうと思われるシチュエーションであったため、このイベントに唖然とするプレイヤーが続出した。
---だがある方法で回避することが可能であり、こちら側に寝返ってしまったユニットに対する敵将の気持ちが分かる貴重なイベントであるとの意見も(ちなみにこの敵将は敵軍では屈指の善人であり、シリーズ伝統の「仲間にしたかったけど出来ないキャラ」であるとの声もある。そして説得されて寝返るユニットの父親でもある)。
---が、そのデータを引き継ぎに使用するとフリーズしてしまうので一度以上見ることは少ない。
-そして小ネタ面では、アイクとその宿敵との会話が主に取り上げられる。
--これは、序盤でいきなり登場する宿命の敵と戦闘して、1ターン耐えてマップをクリアすると拠点会話に特別な会話が追加されるといったもの(戦闘そのものは任意)。
--当然、この宿敵は%%負けイベントの相手かと見紛うほど%%非常に強く、主人公もクラスチェンジしていないので普通は2回攻撃を食らって死ぬのが普通である。もちろん死んだらゲームオーバーで最初からやり直し。あるスキルを使えば(運ゲーではあるが)耐えることが可能。
**総評
-発売前の不安は以上の内容によって払拭され、良作には間違いないが長い歴史によるシステムのマンネリ化に陥っていたGBAのFEシリーズから新要素の導入やゲームバランスの刷新によってシリーズの新たな境地を切り開くことに成功した。
--上に書いてある通りいくつか粗はあるものの、それを補って余りあるシリーズ最高レベルとも評される絶妙なバランス調整と高い自由度はまさにFE15周年記念に相応しい出来であると言えるだろう。
---特に主人公のアイクはそれまでのFEの主人公とは一味違った「熱血漢を地で行く少年」と言えるようなキャラクターが大人気となり、その後スマブラXに参戦した事もあり「聖魔」以降若干低迷気味だったFEシリーズの人気を盛り返した。
-そんなわけで古参・新参ともに購入者からは好評を得た。ただ発売されたハードが生産数の少なく、かつ末期であったGCでの売り上げが特別高いわけではなかった。
-それでも''蒼炎発売週はGCの売り上げが他の週の2倍になった''という逸話がありこれはかなりの快挙である。
--この快挙のこともあり、任天堂内でも若干低迷気味だったFEシリーズの地位の向上に貢献した作品でもある。
**中古価格の凄まじい高騰
-そして次世代機のWiiが大ヒットすると次回作である暁の女神がハード売り上げに非常に貢献した蒼炎の影響でWiiのキラータイトルとして発売され、~暁の前作でストーリーを引き継いでいる上にファンの間でも「面白いらしいけどやったことがない」というような扱いを受けていたこの作品は再び注目されるようになった。
--そのため、以前は中古価格が高くて2000円程度しかなかった(安くて1000円を切っている店すらあった)のが暁発売後から急激に高騰し、今では新品は定価の二倍以上中古でも新品定価とほぼ同じもしくは上回る価格が当たり前となってしまった。
---しかもそれは序の口に過ぎず、その後スマブラXにアイク(それも蒼炎アイク寄り)が参戦したためただでさえ高くなっていた中古価格が更に高くなってしまった。
---WiiでGCのゲームが遊べるのと、蒼炎のクリアデータを次回作の暁に持ち越すことができるという仕様もこの高騰の原因だろう。
--なお現在は売れ行きからか生産を終了している。上記の持ち越し仕様のためかWiiで遊ぶセレクションでの発売も絶望的。
--更にはゲーム自体の評判も良いこともあって手放す人が非常に少なく暁発売及びスマブラ発売から数年たった現在でも中古価格は下がるどころか上がっている始末。
---恐らくこれからも値段は更に上がる事が容易に想像できるので興味のある方はぜひお早めに購入することをお勧めする。
**余談
-上述の通り『大乱闘スマッシュブラザーズX』にアイクがプレイヤーキャラクターとして登場。
--シリーズのBGMも今作からの原曲収録が半数を占めており、漆黒の騎士の戦闘曲や今作に登場する敵ユニット・オリヴァーのテーマソングまで収録されている。
--フィギュアにはアシュナード、漆黒の騎士が登場。エリンシアやサザのフィギュアもあるが姿は『暁の女神』に準拠。
--また、アイクの他にグレイル、ミスト、漆黒の騎士、アシュナードのシールも用意されている。
-海外版では、今作で主に冷遇気味と言われたソードマスター・スナイパー・バーサーカーに必殺補正が追加されている。
--その代わりやり応え抜群のマニアックモードが遊べないためか、日本版購入ユーザーからは叩かれることは無かった。
-今作は他作品に比べバグやフリーズが目立つが、どうやら今作はディスク容量の限界以上に大量のデータが圧縮されているらしくGC本体にかなりの負荷がかかっているようで、フリーズやバグはこれが原因であるという説がある。
-アイクの初期名はパリス、デイン軍の初期名がデロス兵であった。この「パリス」という名はのちの『[[ファイアーエムブレム 覚醒>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1585.html]]』にて再利用されている模様。
#image(cubeemblem.jpg)
-続編である『[[ファイアーエムブレム 暁の女神>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/448.html]]』は残念ながら無視できない問題点の多さで賛否両論となっている。詳しくは項目を参照。
**関連項目
-[[エルヴァンディアストーリー>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/716.html]]
-[[ベルウィックサーガ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/860.html]]
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''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3746.html]]に移転しました。''