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ときめきメモリアル4 - (2011/12/27 (火) 23:56:13) の最新版との変更点

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*ときめきメモリアル4 【ときめきめもりあるふぉー】 |ジャンル|恋愛シミュレーション|&amazon(B002PK0KOE)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚|~| |発売元・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |発売日|2009年12月3日|~| |価格|5,250円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |>|>|CENTER:''[[ときめきメモリアルシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/988.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 -かつて一世を風靡した『[[ときめきメモリアル]]』シリーズの4作目。前作『[[ときめきメモリアル3>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/713.html]]』から実に8年のブランクを空けて世に出された、まさに''「思い出したように発売された続編」''である。 -同年9月にKONAMIは恋愛シミュレーション『[[ラブプラス>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/95.html]]』を発売し、ギャルゲー古参メーカーとしての底力を見せつけたが、同社がギャルゲーを再度発表したことで、同時に『ときメモ』シリーズ復活の希望も俄かに沸いた。また、『ラブプラス』がそれまでのどのギャルゲーとも一線を画した内容だったため、正統派を求める声が上がってもいた。 -そんな折、東京ゲームショウ2009にて、『ときメモ』シリーズ最新作が突如として発表される。多くのファンが『3』の大ゴケ、『ONLINE』の最悪な運営体制による失敗で打ち切られたと確信していた中での発表に、多くの待ちわびたファンは拍手喝采だった。 -しかし、期待された発表は不安に満ちたものでもあり、前評判は恐らくシリーズ最悪なものであった。 --''メタルユーキのプロデューサー続投。''『3』及び『[[ONLINE>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/985.html]]』での失敗により、シリーズ凋落の元凶とも言われる彼に再度任せることには、多くの批判が見られた。 --キャラクターデザインの大幅な路線変更。『ときメモ』シリーズのキャラクターたちといえば、昔ながらのぶっ飛んだデザインがとにかく特徴的であったが、本作は一時、''「まさかのTLS系か」とまで言われるほど地味なもの''になった(TLS系については[[こちら>トゥルー・ラブストーリー]]を参照)。デザイン及び作画監督は『2』の大塚あきら氏だが、それだけに『2』同様の画風を求めていたファンはガッカリした。 --J-POP歌手のOP・ED起用。特に、OPテーマをアイドルグループの『アイドリング!!!』が担当したことには批判が殺到した。そもそもJ-POP歌手起用は『3』から批判が見られており、反省していないのか、とも言われた。 -これらの不安要素に加え、舞台は1と同じきらめき高校……。ファンの中には「初代を汚すな」という者まで現れるほどだった。 -だが、実際はそれらの不安を裏切る作品として仕上がっていた。 *特徴 -システムの試行錯誤が見られた前作と比べ、驚くほど今まで通りの『ときメモ』。『1』『2』とほとんど変わらないシステムで、コマンドを実行してステータスを上げる。もちろん、経験値を貯めるとかそんなものではない。例によって、シリーズお約束の爆弾システムも搭載されている。 --ただし、「雑学」パラメータの廃止に伴い「遊び」コマンドが無い。ただし、「リッチ」と「経験」ポイントが追加された。「リッチ」は女性向けの『Girl’s Side(GS)』から((同社作品でさらに古い『みつめてナイト』からの輸入とも言える。))の輸入で、バイトや月の始めに貰うお小遣いで貯まり、デートや休日に行う「買い物」コマンドで使用する。「経験」はコマンド実行によって増減し、後述の特技習得で使用する。 -新要素「特技」 --装備することで、様々な恩恵が受けられるようになる。使用するかしないかで、難易度が全く違ったものになる(例:「基礎体力」で体力を減り難くする、「鉄板」でコマンドの失敗を減らすなど)。 --新学期の第一週に特技の習得及び装備を行う。特技は樹形図状に発展していき、当然発展していくにつれ消費ポイントは高くなる。また、本編中でも度々言われるように、特技は習得するだけでは効果を発揮せず、装備する必要がある。一回に装備できる特技は最大5つ。装備した特技同士が互いに影響し合う場合もあり、より効果的になるよう考える必要がある。 --また、メインヒロインの1人以外も固有特技を装備しており、恩恵を受ける場合もあるが良くない影響を受けるものがほとんどである。 -ゲームシステムがほとんど変わらない以上、デートも相変わらず。電話を掛け、休日にデートの約束を取り付ける。当然、デートは伝統的な3択式である。 --強いて新要素と言えるならば、相手がときめき状態・デートの印象が「わりと良い」以上の時に発生する「手つなぎ会話」か。デート後の帰り道で、2つの話題を選択しポイントを上げ、一定以上になったら手をつなぐことが出来るようになる。ただし、これは様々な点で割と不評。 -エンディングに到達する条件も見事に変わらない。好感度が一定以上の中で、最大のキャラが選ばれる。ただし、『3』ほど厳しくはないが、一部フラグを立てなければクリア出来ないキャラも存在する。 -その他の細かい変更点 --時代の流れか『GS』の影響か、使用する電話が携帯電話。従来の情報誌がメールマガジンとなり、キャラの情報も携帯で見る。また、キャラからメールが届く場合もある。 ---今まで突っ込まれていた「電話を掛けるだけで一日が終わる」仕様が無くなり、電話の後にコマンドを実行出来るようになった。また、バッテリーが許す限り、一日に何回でも掛けることができる。が、バッテリー制限があり、電話は一ヶ月につき(アイテムを購入して補充するか、ある特技で回復させるかしない限り)4回しか掛けられない謎の仕様。 --SS版『1』以来の「自分から告白」の復活。ただしSS版がおまけだったのに対し、本作はむしろこっちの条件の方が厳しく、また特定の特技を装備している必要があり、より特別な扱いである。 ---もっとも、特別といっても大した差は無い。が、振られた時のセリフは相変わらず辛辣。 --一部にバイノーラル録音の音声が収録されている。バイノーラル録音とは立体音響の録音方法で、実際にその場にいるかのような臨場感あるサウンドになる。そのため、一部場面では立体音響でヒロインの声が聞ける。プレイの際は是非イヤホン・ヘッドホンを。 --EVS(Emotional Voice System)を発展させた合成音声システムSpeeCAN。 ---EVSは合成音声を作成するシステムで、ゲーム内のキャラに自分の名前を呼ばせることができる。『2』が初出で以降の作品にも発展を続けて搭載された。だが、システムの意図が意図だけに膨大な発音パターンの音声が必要であり、声優やゲーム容量に大きな負担を掛けていた。『2』がCD-ROM5枚という驚異的な規模を誇ったのも、これが最大の原因である。 ---だが、本作のSpeeCANはネットを介在してサーバーに接続、音声ファイルを作成・ダウンロードするというものであるため、容量もシステムもメディア媒体に依存せず、かつ流暢な合成音声になる。 ---ただしその性質上、オンライン環境の無いプレイヤーは利用できないという欠点もある。 *評価点 -サウンドノベルが主流となる中、伝統的な育成タイプのギャルゲーを踏襲。決してバランスが良いとはいえないが(後述)、サクサク進む快適さ、能力調整によるキャラ登場・好感度抑制の駆け引き、高い自由度は全く変わらない面白さがあり、単純に育てゲーとして見ても高品質。 -会話パターンがとにかく豊富で、シリーズでも最大。そのため、消化試合となってダレやすい後半でも楽しめる。 -デザインが地味な上、キャラ作りも今までと比べて地味だが、それでも個性的なキャラクターは多い。また、なんだかんだ言って大塚氏のデザインのレベルは高く、十分魅力的なものに仕上がっている。~ そして、多くの人に衝撃を与えシリーズ屈指の人気を博したあのキャラは、間違いなくシリーズで最も異色な存在であろう。その人物のぶっ飛び方は、比較的現実味ある本作をときメモらしくしている(ただし、かなりの賛否両論がある)。 #region(重大なネタバレにつき未プレイ者は注意) -そのキャラは、主人公の幼馴染である大倉都子のこと。''幼馴染キャラが情報屋''であること自体異例で、更に情報屋を攻略できることもまた異例((一応、同社作品でも『あいたくて…』という前例がある。))だったが、最も衝撃的だったのは、彼女が''ヤンデレ''だったことである。 --あるイベントを起こすとキャラが豹変し(ヤミ化:公式呼称)、外見・BGMさえも非常に陰鬱なものになる。この状態の時他のヒロインとデートすると、''彼女の意思が入ったうさぎの人形''(『SILENT HILL』に登場したロビンおよび『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドが元ネタ)と戦うことになる。また、更にイベントを進めてヤミ化状態が解除されても、他のヒロインとデートすると、やはり戦闘が起き、ヒロイン全員の好感度を下げる。そのため、彼女を攻略しようとすると、実質''他のヒロインは攻略不可''になってしまう。更に爆弾の除去も不可能になるが、都子自身は''他のヒロインの爆弾の影響を受けない''。「爆弾処理なんて必要ないんだよセニョール!!」それに加えて''好感度の上がりやすさもトップクラスで、デート時に好感度の下がる選択肢も殆ど存在しない''。 #endregion --内容から少々外れるが、前作のものがすこぶる不評だったためか、本作の男キャラの七河正志と小林学は非常に良く作り込まれている。前作同様彼らからは情報を聞かないのでゲーム根本に関わることはないが、多くの印象的なイベント、友情エンドまで存在する優遇っぷりで、「シリーズ最高の男キャラ」とされることがある。ちなみに、彼らの担当声優は中村悠一氏と阪口大助氏。CL○N○ADを狙ったかどうかは定かではない。 -最新機だけあり、グラフィック・BGM共に高品質。特にBGMはCD音源そのものと言っていいほどの音質で、かつ出来がいい。 *小ネタ -もともと本シリーズは小ネタが多い作品ではあったのだが、本作はそれに輪をかけて多い。シリーズネタのみならず、古参ファンすら分からないような内輪ネタや、他メーカー作品・アニメネタが盛り込まれている。 #region(一例) -「ヘアバンドの似合う完璧な女性」を親戚に持つメインヒロイン。 -告白の時、壊れていたはずの鐘が鳴り出す。 -きらめき高校とひびきの高校とを入れ替わって登校する双子。 -『3』で封印された魔物を召喚するヒロイン。 -映画のタイトル「悪魔嬢ドラキュラ」・「サイレントリバー」・「夢大陸のペンギン」・「メタルスネーク」・「ボーイズサイド」・「バイオ!ミラクルアカデミー」・「きらめきのメモリー」 -ミニゲームの「射的」の的が『コナミワイワイワールド』のキャラクター。 -独眼竜ビームを出し、外国かぶれな伊達正宗に怒るヒロイン。 -観覧車での選択肢「人がゴミのようだね」 #endregion *賛否ある点 -上で何度も書いたように、キャラクターが地味。今までと見比べてみるといかに本作が特異なのか良く分かるが、『2』と同じ人とはいえ当時の面影が全く見られないほど画風が変わっている。さすがに10年も経っていれば仕方ない……。 #region(比較。上段左から1、2、3。下段が4のメインヒロイン2人) &ref(比較.png) #endregion -発売後はなんだかんだと好評だが、発売前はとにかく叩かれ、「ギャルゲーなのに女の子が可愛くないなんて」とさえ言われた。その一方で、「『3』よりよっぽどオタクっぽくない」と歓迎する声もある。 *問題点 -このご時世に、伝統的な育成タイプ……。前述したように、システムの根本は初代から少しも変わっていない。これを「原点回帰」とする反面、「オリジナリティが無い」、「古臭い」と進歩の無さを指摘する声もあった。 -特技の導入により、ゲームバランスが悪くなった。最初こそ効果の薄い特技しか習得できないが、発展していくとあまりに便利過ぎ、ゲーム難度が大幅に下がる。また、一度習得した特技の樹形図が次回プレイで解放されているため、経験値さえ貯まれば序盤から上位特技をガチガチに装備して望める。そのため、従来は一つのハードルとされてきた一流大学や一流企業が非常に簡単。本当にサクサク上がるため、ぬるくなったという声も。 --最終的にははプレイヤー自身の裁量に委ねられるのだが。また、一部キャラは''特技を使ってまでも高難易度を誇る。'' -「手つなぎモード」が、『トゥルーラブストーリー』シリーズの下校会話の劣化版。ご丁寧にインターフェイスまで類似している。だが、こちらはメインに扱われている訳ではないので、会話パターンも無いし話題もあってないようなもの。また、手つなぎが成功したら同モードがプレイできなくなるため、完全に空気である。 -自分から告白できるようになったはいいが、最初がちょっと違うだけで使いまわし。ゆえに、わざわざ特技スロットを消費したり難しい条件をこなしてまで、わざわざ起こす必要性がない。 --しかし、作品が作品なので、任意に告白対象を選べることは純粋に良い点ではある。 -キャラクターにとりあえず問題はない……が、メインヒロインであるはずのキャラクター・星川真希が、特徴が少ないためか影が薄い。別にキャラ自体に問題はないのだが、何せ『ときメモ』、他のキャラが濃く、シリーズのメインヒロインとしては地味だった。 --それに加えて、歴代メインヒロインと比較すると主人公の幼馴染では無いどころか高校入学以前の主人公との接点すら皆無((『3』のメインヒロイン・牧原優紀子も主人公の幼馴染ではないが、小学生の頃の同級生で主人公に助けてもらったことがあるという接点がある。))ということと、その「主人公の幼馴染」というポジションには前述の大倉都子が存在し、その都子が発売前後で人気と話題を独占していたこともメインヒロインと認識されない一因となった。 --一応ストーリー上では強制イベントが用意されてる等かなりメインヒロインっぷりを発揮しているのだが、都子の影が濃すぎるために殆ど認知されていない((歴代メインヒロインに存在している「主人公との過去の思い出」イベントは星川には無く、都子の方に存在している。))。しかも、攻略対象としては最初からいるのに、''星川の電話番号は都子に教えてもらわなければならない''((電話番号を聞かないまま都子を攻略してしまうと、もう二度と教えてもらえなくなってしまう。しかしそれでも都子を攻略する分には全く問題はないのだが。))。 --そのためか、電撃マ王で連載されたコミカライズ版では都子がメインヒロインに抜擢され、星川は主人公の事は諦めて都子との仲を応援するというポジションに位置づけられてしまった。 --さらに言えば、コナミネットDXの『ときめきメモリアルメールドラマ』で『4』から登場したのも、星川ではなく都子だった。 ---だが、''彼女の好感度の上がりやすさは、シリーズでも『2』の光と並んでトップクラス。''攻略が非常に容易であるが、立場上強制登場であるゆえに、やはり他キャラ攻略時にはかなりの障害になり得る((しかし実は都子を攻略する場合、前述のように都子の好感度の上がりやすさは星川よりも上で、しかも爆弾の影響を受けないこともあって星川も完全に無視出来てしまえる。))。 *総評 -失敗続きだったからか、正統進化だった『2』を更に発展、手堅く完成された作品である。相変わらず育成ゲームとしては面白く、ギャルゲーのツボもしっかり押さえられている。粗こそあるが、割と大きな問題が多かった過去作に比べそれも少ない方で、名実共にシリーズの集大成と言えるだろう。長期間待たされたファンはもちろん、潜在的なファンの多さも手伝って、『ラブプラス』『初音ミク Project DIVA』、『IDOL M@STER Dearly Stars』などに客層が流れた中6~7万本を売り上げる健闘を見せ、高い評価を得た(もっとも、KONAMI側には不満だろうが)。 -が、1から全く変わらぬストイック過ぎる恋愛・代わり映えしないシステムは安定感こそあるものの、さすがに時代遅れな感は否めない。「せめて、キスぐらいしてもいいだろうに……」という声も上がった。また、何よりキャラクターデザインに難色を示す者も多く、これらが売り上げに響いたともいえる。 -出るのが早過ぎた『3』とは逆に、本作は出るのが遅すぎた。ある意味、またしても時代に泣かされた作品と言えるだろう。 ----
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