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ときめきメモリアルドラマシリーズ - (2012/05/31 (木) 11:33:12) の最新版との変更点

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*ときめきメモリアルドラマシリーズ ---- #contents() ---- *シリーズ概要 -当時ブームを巻き起こしていた恋愛シミュレーションゲーム『[[ときめきメモリアル]]』(以降「原作」と表記)の外伝として、『[[ポリスノーツ]]』のスタッフ(小島組)がシステムを流用して制作したアドベンチャーゲームの三部作。もともと、『ポリスノーツ』のシステムを他の作品に使えないかと模索していた時、「会話の相手が女の子だったら面白いのでは?」として開発された経緯がある。事実上最後の小島組アドベンチャー作品であり、小島秀夫お得意の要素がふんだんに取り入れられた良作である。 -きらめき高校での高校生活から2~3週間程度をクローズアップして、メインとなるヒロインと主人公のラブストーリーが描かれている。 **特徴 -システムは『ポリスノーツ』の流用のため、ほとんど同じ。ただし、細かい点で調整が行われており、より快適な操作性になっている。もちろん、同作で見られた特徴はほぼそのまま引き継がれており、オブジェクト・会話パターンは相変わらず豊富。また、原作ではゲーム性のため敢えてカットされていた詳細な設定の描写がされたのも本シリーズであり、作品世界の補完という意味ではかなり重要な位置を占めている。 -「ドラマシリーズ」というタイトルどおり、シナリオは恋愛ドラマ的な構成となっている。内容は三作ともラブストーリーとして「王道」というべきものだが、小島組が追及する映画的演出がそこかしこに組み込まれており、王道を王道で終わらせないことに成功している。特に終盤、とあるイベントをきっかけに始まる怒涛の展開は、恋愛ものでありながら息つく暇を与えずにエンディングまで引っ張っていく。3作品共にラストでは多くのプレイヤーを感動のるつぼに叩き込んだ。 --本作をベースとした「虹色の青春forever」「彩のラブソングwith you」「旅立ちの詩so long」といったドラマCDも発売された。本編裏側でのヒロイン他のキャラクター達の心情を、より掘り下げたものとなっている。 -なお、シナリオも『ときめきメモリアル』を学園ドラマの舞台に借りているだけで、原作を知らないからといっても置いてきぼりにされることはない。一方、原作を知っていればニヤリとできる小ネタは随所に仕込まれている。 -また、忙しいのは序盤と終盤だけで、中盤はかなり自由に行動出来るのだが、メインヒロイン以外のキャラとのサブシナリオも豊富なため、中だるみすることなくゲームを続けられる。 -本作の音声は、アニメのアフレコのようにスタジオに声優を集めて演技をさせている。そのため、キャラクター同士の会話が非常に自然なものになっている。 --「当たり前じゃないか」と思う人もいるかもしれないが、普通ゲームの音声は、声優を一人ずつスタジオに入れて自分の台詞だけをゲーム内の流れに関係なく順番に収録するので、場合によってはシーンに合わなかったり、不自然なところでブツ切れたりする。非常にぜいたくなことなのだ。ゲーム中では台詞がない主人公の声も、わざわざ原作のラジオドラマ版で主人公を演じていた小野坂昌也をスタジオに入れて実際に演技をさせているあたり、気合いが伺える。 ---ちなみに小野坂は作中においてサッカー部監督である教師の声を演じている。ドラマCD版では上記の事情からか、教師でありながら詩織を見ると露骨にうろたえるというネタがある。 -BGMについては、原作のアレンジサウンドトラックや「ときめきメモリアル ピアノコレクション」などからチョイスされている。シナリオの要所要所で挿入されて、原作には無かったドラマらしい雰囲気を盛り上げてくれる。 --例えば、Vol.1での夜の神社の境内で流れるピアノ曲は原作ではショッピング街のファンシーショップで流れる曲だったのだが、一聴してすぐにはわからないほど別物と化しており、静かな夜の練習風景というシチュエーションに抜群にマッチしている。ピアノ曲ではないアレンジも別の場面で使われており、こちらもこちらで全く違う雰囲気の曲となっている。 -小島組の御約束と言うべきか、本作でも他作品とのクロスオーバーが行われている。 --もっとも分かりやすいのが、各作品でヒロインと映画に行くシーン。Vol.1では『ポリスノーツ』、Vol.2、3では『[[メタルギアソリッド]]』が劇中劇として上映されている。『ポリスノーツ』については、ヒロインから原作を知らないとわからないような詳細な質問をされ、よく観ていなかった主人公が困惑する一幕があるが、特に攻略に影響は無い。また同作に登場するブランド品店の店長が、服飾店の店長としてVol.1とVol.3にゲスト出演している。 **登場人物 -各作品のメインヒロインは、コナミが行った公式ファン投票の一位から選ばれている。 --ただし、本来Vol.2はVol.3でダブルヒロインを務めている舘林見晴になる予定があった。だが、諸事情(彼女の声優がメインヒロインだった[[これ>トゥルー・ラブストーリー]]で忙しかったとも)により、同じ投票で次点だった片桐彩子が選ばれたという経緯がある。 -主人公は原作の主人公と同様に藤崎詩織と家が隣の幼馴染だが、三作それぞれで別人の設定。原作におけるプレイヤーの育成方針の違いによる一種のパラレルワールドと言えるが、後の作品でも前作・前々作の主人公に相当する人物はきらめき高校に存在しており、直接登場はしないがその後の動向を伺う事ができる。またVol.3にはおまけ要素として、卒業を迎えようとしている前2作の主人公を少しだけだが操作する機会もある(後述)。 --が、それゆえに「全員詩織と幼馴染でお隣さん」のようなおかしな状況になっていたりする。そのため、各主人公の交友関係及び自宅の配置図は、度々議論の的になる。学校でも全員同じ教室の同じ席、親友とも全員隣同士で全員詩織と同じクラスである。…深く考えるなということかも知れない。 -メインヒロイン以外の原作ヒロインも登場。それぞれの作品で数人ずつにサブシナリオがあり、見せ場が用意されている。 -本シリーズ独自のキャラクターとして、丹下桜が演じる「秋穂みのり」というキャラクターが登場するが、三作を通して徐々に成長していく様が描かれており、VOL3ではサイドストーリーで彼女のエピソードもあり陰のヒロインとでも言うべき位置づけにある。 ---- *ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.1 虹色の青春 【にじいろのせいしゅん】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B0000AFZOI)| |対応機種|プレイステーション&br()セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|1997年7月10日|~| |定価|4,800円|~| **概説 -メインヒロインは虹野沙希。舞台は2年生の春。本作のみ、次回作予告や専用プロローグムービーがあり、より映画を意識した作りになっている。 -他のヒロインにも一応のサブイベントはあるものの、この時点ではまだ一枚絵のみのあっさりしたものに過ぎず、基本的には本編のストーリーをなぞっていくだけである。個別のミニゲームが用意されるのは次作から。 -サッカー部員である主人公の特訓が、ゴールマウスに貼られたパネルをフリーキックで撃ち抜くミニゲームとなっている。蹴る方向の他、蹴る位置、強さ、風向きと風速がボールに作用し、それらを計算してパネルを狙う必要がある。シナリオ攻略のためには、一定のレベルまでクリアすることが必須。 **あらすじ -サッカー部に所属する主人公は、2年目春の選抜でもレギュラーに選ばれることはなかった。失意の中、いつか試合に出る日を目指して毎夜秘密の特訓を続ける主人公だが、ある日の偶然で部の女子マネージャーである虹野沙希と急接近することに…… ---- *ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.2 彩のラブソング 【いろどりのらぶそんぐ】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B0000AFZOU)| |対応機種|プレイステーション&br()セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 2枚組|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|1998年3月26日|~| |定価|5,800円|~| **概説(2) -メインヒロインは片桐彩子。舞台は2年生の秋。本作からOPテーマのアレンジが変わった。また、一部キャラと一緒に帰ることが出来るようになった。 -桑島法子演じるオリジナルキャラクター「美咲鈴音」が初登場。 --同時期に発売された「実況パワフルプロ野球'98開幕版」のサクセスモードにおいて、「岬法子」という彼女にそっくりなキャラクターが登場したことがある。 -劇中で主人公が実際に作曲を行う場面がある。最終的に作曲することになる曲にはサビの候補が3種類あり、どれを選んだかによってエンディングテーマのサビと全体のアレンジが全く変わる。つまりAメロとBメロが同じエンディングテーマが3曲用意されているという凝った作りである。 -演奏練習のシーンは曲に合わせてタイミング良くボタンを押すミニゲームとなっている。 -前作に比べてサブキャラクターのシナリオ周りが充実。多くのミニゲームも収録されており、ボリュームがある。 --それに伴い、本編を一度クリアした後に本編なしでサブキャラクターのシナリオだけを楽しめる「放課後モード」が実装されている。仲良くなったサブキャラクターとは最終日に下校演出が発生する。誰とも仲良くならなかった場合は… **あらすじ(2) -校内でも人気のアマチュアバンド「彩」(いろどり)のギタリストである主人公は、文化祭で演奏するための新曲の創作に行き詰まっていた。そんなある日、偶然出会った少女・片桐彩子の一言が、彼の作曲に大きな影響を与えることになり…… ---- *ときめきメモリアルドラマシリーズ Vol.3 旅立ちの詩 【たびだちのうた】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00006LJV9)| |対応機種|プレイステーション&br()セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 2枚組|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|1999年4月1日|~| |定価|5,800円(PS版)&br()8,800円(SS版)|~| **概説(3) -藤崎詩織と館林見晴のダブルヒロイン。舞台は卒業式目前。 -時期の関係もあり、初代ときめきメモリアルシリーズ自体の最後を締めくくるかのような内容である。 --実際にこれ以降シリーズはほぼ完全に『ときめきメモリアル2』へとシフトし、初代の関連作品はタイピングソフトやパチスロなど、ごく限定的なものを除いてほとんど出ていない。 -詩織編と見晴編はゲーム中盤の選択肢により分岐して独立しており、両者と主人公が三角関係となるような展開はない。 -SS版はハード末期に発売されたため、卒業証書入れに入った藤崎詩織の等身大ポスターと卒業アルバム型イラスト集の付いた限定版のみの発売。初回限定生産のため生産数が少なく現在でもプレミアがついており、品薄により購入できずにPS版に乗り換えるプレイヤー、逆に特典目当てでPS版からSS版に乗り換えるプレイヤーも多かった。PS版にはポケットステーションにインストールできる各キャラクターを模したアラームが収録されている。 -今回の主人公が挑戦するマラソンもまたミニゲーム扱い。二つのボタンを交互に押して走るが、状況によって一定のペースを乱さず走ることを要求される。回数をこなす事で主人公のステータスが上がっていく。 -前作に引き続きサブキャラクターに関するシナリオやミニゲームも充実している。放課後モードも引き続き実装。 -前2作のミニゲームから、サッカーゲーム・ギターゲームなども復活収録された。ギターゲームについては「ギターマニア」なる名称のアーケードゲームとして劇中に登場しており、2ヶ月前にコナミから出ているBEMANIシリーズの『ギターフリークス』が「ギターマニア」ではなかったのは、本作の影響であるとする説がある。 -本編中に卒業文集のレイアウトを編集することができる。完成した文集はクリア後のおまけとして閲覧可能である。また文章校正もミニゲームとして扱われているが、そのネタ誤植だらけの内容と、それに対して冴え渡る主人公のツッコミは必見。 **あらすじ(3) -卒業を控え、幼馴染である詩織と共に文集委員となった主人公。思わぬ詩織との急接近で、彼女への想いが再燃する主人公であったが、詩織からバレンタインチョコを渡された時の「いつまでも仲のいい幼馴染でいようね」との台詞に衝撃を受ける。~ さらに、文集の『自分が一番輝いたとき』という題材に書くことが何も無いことから、自分が高校生活で何も成し遂げていなかったことに気付いてしまう。残り少ない高校生活で、何かできることを求め、一度は諦めたマラソン大会での完走を決意する主人公だったが…… **虹色の卒業式・彩の卒業式 -原作の「卒業式の日に伝説の木の下で女の子からの告白を受ける」という設定のため、前作・前々作ではヒロインからはっきりと「好きだ」と言われるシーンは存在しないが、本作ではそれを補完するため、サブシナリオとして卒業式の日に伝説の木の下で虹野と片桐がそれぞれの作品の主人公に告白をする「虹色の卒業式」「彩の卒業式」が収録されている。このシナリオに限り、前2作の主人公を少しだけ操作することができる。 ---- *問題点および賛否両論点 -原作と比較してのキャラクターの性格などの乖離・ギャップ。 --原作でメインヒロインでありVol.3のヒロインでもある藤崎詩織は、原作での迷言「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし…」にも象徴される、主人公を歯牙にもかけていない時のような不遜な性格ではなく、人気のある優等生として描かれている(元々そういったイメージのはずなのだが…)。そのため、本編とのギャップを感じるプレイヤーも少なからずいる。 --細かいところでは、原作に登場する「外井雪之丞」というキャラクターの演技なども、原作と同じ声優が演じているにも関わらず声のトーンがまるで違い、低くドスのきいた声になっている。本シリーズでは「主人公を有無を言わさず追い返す」役どころで登場するため、敢えてそのような演技にした可能性はあるが。 --一方、Vol.2のヒロインである片桐彩子は(声をあてている川口雅代の演技が原作の頃と比較にならないほど上手くなったということも手伝って)原作には無かった豊かなキャラクター性が付加され、より一層魅力が深まっているという一面もある。この辺りは賛否両論である。 -必要性があったのかどうか疑わしい、現実のアイドルの出演。 --当時コナミが売り出そうとしていたアイドルの卵「栗林みえ」が三作にわたって隠しキャラクターとして登場する。ゲーム内で名前もそのままに出演し、自分をアピールするのだが……その後あっというまに芸能界から去ってしまった。セリフはどう贔屓目に見ても棒読みな演技であり、項垂れること必至。 -蛇足ともとれるオリジナル・後付け設定の付加。 --本シリーズはコナミエンタテイメントジャパン(KCEJ)の開発であり、原作のコナミ東京(KCET)ではない。それゆえ、オリジナル設定や後付け設定が多く、それが原作スタッフをして「これは自分たちにとっての『ときめきメモリアル』ではない」とまで言われる原因になった。また、KCETからだけでなく、小島秀夫が小島プロダクションを立ち上げた時にさえ、作品リストに本シリーズは掲載されていない。原作者からも開発者からも無かったことにされた、不遇な作品だと言える。 ---ただし、小島秀夫の担当作品としてインターネットや雑誌などで紹介されることもある。 -「虹色の卒業式」・「彩の卒業式」の出現条件。 --Vol.3には上述のとおり「虹色の卒業式」・「彩の卒業式」というおまけシナリオが用意されているのだが、この出現条件に問題がある。本来ならばVol.1・Vol.2のエンディングを見たシステムデータがあれば出現するはずだったのだが、フラグの管理にバグがあったのか「1回だけエンディングを見たシステムデータ」でないと出現しない。各作品のアルバムを埋めるためには複数回プレイが前提なのだが、そうしていた場合は見られないという困った仕様であった。&br()PS版ではポケットステーションにインストールしたアラームを規定回数鳴らすことでもフラグが立つが、SS版は新しいセーブデータを作り直さないといけなかった。 ---- *シリーズ総括 -映画的演出、王道ながらまとまったシナリオは、単なるギャルゲーのファンアイテムの域を超えた恋愛アドベンチャーの名作。メインヒロインだけではなく全ての登場人物が魅力的に描かれており、原作ではプレイヤーの想像に任されていたきらめき高校の具体的な高校生活を豊かに補完してくれる。 -本シリーズの特徴は、原作に頼らない作り込みだといえる。その結果、ファンに限らないハードルの低い作品に仕上がっている。原作を知らない人でも、見かけたら手に取ってみるのも悪くない。 ----
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