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*真・女神転生
【しんめがみてんせい】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|CENTER:&image(564896_4524_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HPU/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=709&file=564896_4524_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=709&file=564896_4524_back.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売・開発元|アトラス|~|
|発売日|1992年10月30日|~|
|定価|8,800円|~|
|配信|【Wii】2007年2月13日/900Wiiポイント&br()【Wii U】2013年7月3日/900円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[女神転生シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/286.html]]''|
**ストーリー
> 東京・吉祥寺で平穏な日常を過ごしていた主人公。~
奇妙な夢を見て目覚めたある日、近所の井の頭公園で猟奇殺人事件が起こる~
そして彼の元には不審なプログラムが送りつけられる。~
そのプログラムの名は『悪魔召喚プログラム』~
日常が少しずつ崩れていく…。
**概要
「敵との会話・交渉」「COMP(コンピューター)で仲魔(仲間の悪魔)を召喚」「悪魔合体」など、独特の要素を持つRPG『女神転生』シリーズの3作目。~
前作まではアトラスが開発しナムコが販売していたが、今回からアトラスのブランドで制作販売された。
-『[[女神転生II>デジタル・デビル物語 女神転生II]]』で確立された世界観をさらに膨らませ、新たな概念も加え、これまでのRPGと一線を画す善悪を超えたストーリーを持つ。
-金子一馬氏による個性的な悪魔デザインも健在。
-日常から非日常への遷移、かつての仲間達との思想的な決別、必ずしも世界の救済を意味しない自己完結的なエンディングなど極めて重厚な終末思想的テーマが貫かれており、こういった宗教もしくはサブカルチャー文学の領域をゲームに結びつける手法においてはパイオニアかつ一つの頂点を築いた作品といえる。
--また、当時RPGといえば「ファンタジー」が主流、変わりどころで「SF」といった感じであった。その時代に「現代」しかも「実在する土地が舞台」の作品は非常に珍しく、そういった意味でも記念碑的作品といえる。
---シナリオの中で実在の東京が大破壊で壊滅する、というところは異様なまでの生々しさと「フィクションとして笑い飛ばせない」と思わせる説得力を提供した。
**特徴
''「ロウ」と「カオス」''~
前作の価値観の多様性を膨らませ、善と悪とは異なる対立軸として「ロウ(LAW:法と秩序)」「カオス(CHAOS:混沌と破壊)」が登場する。
-神に近い側が「ロウ」、悪魔との共存を目指す側が「カオス」に当たる。前作にも登場した宗教の存在が本作ではよりクローズアップされており、ロウ側の「メシア教」とカオス側の「ガイア教」という二つの宗教が対立している。
--ロウとカオスはどちらが善でどちらが悪ということはなく、作中でもメシア教は排他主義、ガイア教は弱肉強食主義と冷徹な面を見せている。また、本作の残酷な所業の数々はメシア教の主導によって行われている。
-また人間の仲間としてヒロインの他に、この属性を象徴する2人の男性が登場する。
--神に捧げられし魂こと「ロウヒーロー」は正義感が強く清廉で献身的な性格。
---後に悪魔の手から主人公を庇い死ぬ事になるが、メシア教の手により「救世主」として甦らせられることになる。
--力を求める乾いた魂こと「カオスヒーロー」は身勝手で粗暴だが情には厚い性格。
---後に宿敵・オザワを倒すため、そして大破壊後の世界で生き延びるために悪魔と合体し力を手に入れる。
--両者とも善悪ではかれない面を持ち、それぞれの理想のために行動し、それ相応の末路を辿る。ある意味では真の主役かもしれない。
-悪魔にもこの属性が振り当てられている。主人公と相反する属性の悪魔は召喚できなくなった。会話で仲魔に入れることも不可能。
--その他、ロウでもカオスでもない「ニュートラル(NEUTRAL)」の悪魔もいる。
-主人公は、行動、選択によってロウとカオスの間を揺れ動いていく。属性変化によって戦う敵やストーリーにも変化がある。
#region(そして…)
-悪魔だけではなく主人公にも「ニュートラル(中庸)」という第三の道が存在している。ロウとカオスの両者のバランスを保つことが人をよりよい方向に導くという立場である。この道の存在のヒントは、ゲーム開始直後に示されている。
--ゲーム中ではロウ・カオスの双方と敵対することとなり、その険しさもあってこのニュートラルの道こそが本作のトゥルーエンドであると言われている。なお、初期に出た攻略本ではニュートラルは隠し扱いであった。
#endregion
また、悪魔にはロウ・カオスとは別に「ライト(LIGHT:光)」「ダーク(DARK:闇)」属性が存在する。
-ロウ・カオスが立場ならライト・ダークは性向にあたる。生産的・献身的な性向がライト、破滅的・自己中心的な性向がダーク。こちらにもニュートラル属性が(ロウ・カオスのものとは別に)存在する。
--こちらは前作での「GOOD(善)/NEUTRAL(中立)/EVIL(悪)」の区分けに近い。
--「世界の破壊を司るが、同時に新たな世界の誕生や再生を司る」"天魔"((続編『真・女神転生II』では「破壊神」に該当すると思われるが、他のシリーズ作品では天魔、破壊神ともに登場する物もある))はライト-カオス、「法の下に秩序を司るが、法そのものが邪悪である」"邪神"はダーク-ロウ、「正義だの悪だのには興味無し、勝手気ままに生きる」"妖精"はニュートラル-ニュートラル…といった按配である。悪魔をただの敵ではなく価値観を持った一個の存在として上手く演出している。
-前作では会話可能なNEUTRALの種族が少なかったが、本作では増えている。
--一方、ライト及びダーク属性の悪魔はこちらからの会話が成り立たない。シリーズ中、ライト悪魔との会話が成り立たないのは本作のみである。戦闘に入れば基本殺すか殺されるかであり、厄介な能力を持つ者も多い。
--なお前作ではGOODは仲魔専用、EVILは敵専用だったが、本作ではライト/ニュートラル悪魔だけではなくダーク悪魔も合体を活用して仲魔にできるようになった。
''システム等''
-戦闘、合体、会話等の基本は、ほぼ『女神転生II』を引き継いでいる。
--新要素として特定の剣と悪魔が合体可能になった。これにより強力な剣が作り出せる。
--また、独自の合体法則をもつ組み合わせも増えた。ダーク悪魔同士の合体、メシア教徒/ガイア教徒と悪魔の合体(ランダム要素を持つ)など。
-『女神転生II』からさらに魔法の体系が整理され、全体攻撃は頭に「マハ~」が付くようになり区別しやすくなった。
//「マハ~」の付く全体補助魔法は存在しないし全体回復に「メ~」が付くのは前作から
-前作のオートパイロットは廃止され、オートマッピングが追加された事で3Dダンジョンが苦手な人にもやさしくなった。
-レア悪魔「魔人」が登場するようになった。
''BGM''
-BGMは引き続き増子司氏が担当。ファンタジー系作品と一線を画すBGMは評価が高く、今も愛されている。
**問題点
-戦闘バランスが大味。
--中盤までは、そこそこ纏まっているのだが、以降はインフレが激しい。
--魔法を使うと素早さに補正がつくバグのため、魔法を使用するキャラが圧倒的に早く行動できる。
---ジオ(電撃)系はSHOCK、ブフ(氷結)系はFREEZEというそのターンのみ行動不能になる状態異常を発生させるため、このバグの影響は極めて大きく、これらの状態異常が効くボスはハメ殺せてしまえる。
--「せんこうだん(金縛り追加)」や「しんけいだん(眠り追加)」等の補助効果をを有する弾を装備してガン攻撃すると、ほとんどのザコ悪魔の動きを封じてハメ殺せる。
---これらの弾丸は「ガン属性」で扱われないらしく、ガン無効や物理反射の悪魔にも普通に効いてしまう。
--仲魔の攻撃魔法の性能が低く役に立たない。ただし攻略上非常に重要な各種補助魔法は仲魔しか使えず、雑魚戦で比類なき性能を発揮する呪殺魔法ムドオンもやはり仲魔しか使えないため、釣り合いが取れているとも言える。
-バグが多く、プレイヤーに有益なものから、クリア不可能になってしまうものまで種類が豊富なので、プレイ前の情報収集はしたほうがいい。以下はほんの一例。
--合体では、ある特定の組み合わせでバグ悪魔が発生してしまうことがある。
---バグ悪魔の代表格である通称「魔神マハラギオン」は、後に発売された吉村夜の小説『真・女神転生-廃墟の中のジン』に登場する同名の悪魔の元ネタ。
--イベントアイテム入手時に持ち物がいっぱいだと進行不能になる。
-属性の調整が面倒。
--プレイヤーの望みの属性を維持しようとするならロウまたはカオス属性の敵は倒しづらい。行動や選択肢でも属性が変わったりする。
---属性の変化で目的地がころころ変わったり仲魔に制限がかかる為、非常に面倒な作業を強いられる場合もあり、斬新なシステムゆえの弊害があった。
-毒やマヒ状態の時に2Dフィールド上を歩くと、重いダメージエフェクトが発生する。
-各メニュー画面でカーソル移動や選択のたびに甲高くて耳につく効果音が入る。無機質なインターフェイスと合わせて、サイバーな雰囲気づくりに一役買ってはいる。続編では押さえ気味の効果音に。
-装備品・消耗品・イベントアイテムなどが全て一緒くたに扱われており(一応、同種ならスタックはする)、後半はアイテム欄が一杯になりやすい。前述のイベント進行バグもこれが原因のひとつ。
--続編では種類別の管理になったことで、ある程度解決した。
-新しいフロアに来たとき、今使ってきたはずの階段や出入り口がオートマッピングに記憶されない。解消されたのは『真・女神転生if…』から。
-ラストダンジョン「カテドラル」の難易度は高く、そして長い。3Dダンジョンに余程慣れている人でも苦戦は必至。最短ルートを通ればそれほど長くはないのだが、初見ではその最短ルートを探すのだけで一苦労。メガCD版ではマップが一部変更されている。
**余談
''ロウ・カオスについて''
-ロウ・カオスの概念自体は『Wizardry』の善悪属性、及びマイケル・ムアコックのファンタジー小説シリーズ「エターナル・チャンピオン」の法と混沌をよりストーリーに結びつけて発展させたものと考えられる。
--「エターナル・チャンピオン」シリーズでは、アリオッホ(アリオッチ)ことアリオクが混沌の勢力として登場している。
''吉祥寺のエピソード''
-スタート地点である「吉祥寺」の描写はかなり細かくされている。
-序盤で訪れる「エコービル」は実在しており、発売当時の数年前からテナントが殆ど入っておらず、不気味なビルと地元で噂になっていた。その後はユザワヤが入った事もありにぎやかになった。現在はユザワヤも撤退し、建物自体改築中である。
-吉祥時で事件が起こったという元ネタは、奥瀬早紀(サキ)の漫画『低俗霊狩り』。同作者の『火閻魔人』には「&ruby(わきみ){傍箕}の&ruby(つぼ){壺}」も登場している。
--本作発売後の2年後に、舞台と同じ井の頭公園にて実際に発生したバラバラ殺人事件は、解決に至らず時効を迎えた。
''学園物?''
-スタッフは当初「学園物にしたかった」と述べている。ロウヒーローとカオスヒーローらは同じ学校に通う生徒という具体案もあったが、都合で没になったとか。
-“学園物のメガテン”はその後『真・女神転生if…』として実現した。
--『if…』の主人公が受け取るハンドヘルドコンピュータは、本作の主人公が身に付けているのを見た教師・八幡が、影響されて作成した、という設定である。その他、条件を満たすとガーディアンとして本作のキャラクターが出現するなど、サービス要素として登場している。
---また『if…』はいじめられっ子が復讐のために学校を魔界に落とす、という内容だが、これは西谷史の原作小説「女神転生(旧題、デジタル・デビル・ストーリー)」シリーズの主人公である中島朱実のオマージュと考えられる。中島は、元々いじめっ子に復讐するために悪魔召喚プログラムを開発した。
''当時の世相ネタあれこれ''
-主人公の飼い犬・パスカルの犬種がシベリアンハスキーなのは、当時人気だった佐々木倫子の漫画『動物のお医者さん』の影響。
-シンジュクを支配することになる暴走族のリーダーの名前が[[当時の大物政治家>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E]]の名前と一緒なのは偶然ではなく、シナリオ担当者の発案で「政界の裏のドン」と言われてた彼にちなんで付けられた名前とのこと。
--移植版では漢字表記が変えられており、皮肉にも元ネタと同じ苗字になってしまっているが、意図的なものかは不明。
''すぐにけせ''
-「起動時に低確率で画面が『すぐにけせ』という赤い文字で埋められる」という都市伝説がインターネット上で流れたが、これは''全くの嘘''。
--2chにそれに関連した自称製作者の書き込みがあったり、これを収めたという映像がアップロードされた(実際は創作)こともあり、テレビ番組で取り上げられたこともある。
--なお、後の女神転生シリーズの関連作『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』では、発売日前に起動するとこの「すぐにけせ」を模したメッセージが流れる仕掛けがある。
**総評
前作の流れを持ち込みつつも、ロウ・カオス軸の採用、それを活用し作りこまれたシナリオは、プレイヤーの行動と選択の影響が目に見えてあらわれ斬新であった。
ゲームとしては荒い部分もあるが、それを上回る魅力を秘めた作品であることは確かだろう。
**移植
-SFCのRPGとしては珍しくPCE(SCD)、MD(CD)に移植されている。これらには追加悪魔が存在したり、声が入っていたり他機種版にない要素がある。BGMも大半はアレンジされ、CD-DAで収録されている。
--PCE版では、一部イベント前にイメージカットが表示される。
--MD版はシムスからの販売。移植作品の中では最もアレンジがなされている。一部の悪魔グラフィックが攻略本用に描かれたイラストに変更されている。登場人物との会話シーンでは、キャラクターのバストアップが表示される。ナレーションは、後にOVA『真・女神転生 東京黙示録』の主人公や『ペルソナ3』の主要キャラを演じる緑川光氏。
-オリジナルのSFC版自体は、Wiiのバーチャルコンソールで配信中。PC向けダウンロード販売も、2011年3月31日までi-revoゲームで行われていた。
-PSには続編2作と共に移植。ゲームアーカイブスでも配信中。
-携帯機ではGBAに移植、ストーリーをより深くする「ビジョナリーアイテム」が追加され、GBA版『真・女神転生II』との連動もある。現在ではプレミア化しており入手は困難。
--GBA版は、iphone及びスマートフォン向けアプリとして移植されている。
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