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*ACE COMBAT X Skies of Deception
【えーすこんばっとえっくす すかいずおぶでせぷしょん】
|ジャンル|フライトシューティング|&amazon(B000FGR99E)[[高解像度で見る>http://ec2.images-amazon.com/images/I/51T7AIIfOtL._SL500_AA300_.jpg]]|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|アクセスゲームズ|~|
|発売日|2006年10月26日|~|
|定価|5,040円|~|
|備考|PSP the Best:2007年9月20日発売/2,800円|~|
|>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/843.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
-エースコンバットシリーズの国内向け第7作。国内向けとしては初の携帯機用タイトルである((北米ではGBA向けソフト「ACE COMBAT Advance」が発売されている))。ちなみにサブタイトルの"Skies of Deception"は訳すると「偽りの空」を意味する。
-今作も『[[04>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/361.html]]』以降のエースコンバット世界観内でのストーリーとなる。
--『04』は2004年、『5』は2010年、『[[ZERO>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?cmd=word&word=ZERO&type=normal&page=%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%AD%20%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC]]』は1995年、今作は2020年の出来事を描いている((今作ではブリーフィング時にミッションの遂行年月日は示されないが、ムービーから2020年の出来事であることがわかる))。
-また、携帯機作品らしくマルチプレイモードも搭載。4人までの通信対戦が可能となっている。
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**ストーリー
南オーシア大陸の南端に位置する、南半球の国・オーレリア連邦共和国。~
寒冷な気候ながら地下資源が豊かなこの国は、戦乱とは無縁の生活を送っていた。~
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だがその平和は、内乱が終結したばかりの隣国・レサス民主共和国の突然の侵攻によって打ち破られる。~
「長年にわたる、オーレリアによる搾取への報復」という大義名分と、空中要塞グレイプニルの圧倒的な破壊力を持って攻め寄せるレサス軍に、~
その侵攻を全く予期していなかったオーレリアは、なすすべなく陥落した。~
…片田舎の、たった一つの基地を除いて。~
~
オーレリア南西部に位置するオーブリー基地。~
その地に所属する航空部隊「グリフィス隊」は、レサスに一矢報いるため大空へと飛び立った。~
だがそれは、敵との戦力差を見せつけられ、さらなる長い戦いへと踏み込まざるを得なくなる無謀な作戦となる。~
~
一方オーレリアの首都グリスウォールでは、戦争取材に訪れていた海外記者が小さな疑問を抱いていた。~
「この戦争の真の狙いとは…?」~
思い付きから始めた取材は、やがてレサスの思惑へと近づいていく。~
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**評価点
''痛快なストーリー''
-プレイヤーはオーレリア空軍のパイロット。コールサインは「グリフィス1」。ほとんど制圧されてしまったオーレリアを再び解放するべく、いくつもの超兵器を抱えるレサスとの戦いに挑む。なお、今作の主人公はシナリオの最後までオーレリアの正規軍人である。
--後半へ進むにしたがって盛り上がるミッション・シナリオ構成は王道ながらも明快かつ痛快で、高く評価されている。
-世界観の設定上か、いわゆる『第6世代』に相当するであろう架空機が実在機と同様に登場する。
--超兵器の登場はシリーズの伝統となりつつあるが、時系列的にかなり未来に位置する今作品ではさらに輪をかけた超技術が存在する((光学迷彩と広域を制圧できる衝撃波兵器を備えたグレイプニルなど))。
''据え置き機作品に匹敵するボリューム''
-本作ではルートの選択次第でミッション内容が変化するストラテジックAIシステムを搭載しており、同じエリアのミッションでもいくつものパターンが存在する。
--そのため、エクストラミッションを除いても、エリアが15しかないにも関わらずミッションは全部で30という据え置き機作品に匹敵するミッション数を誇る。
--このシステムの影響で、ミッションの進め方によって難易度も大きく変化する。また、ミッションに制約が付く場合もある((例えばあるエリアでは敵の特殊部隊を放置したまま進むとプレイヤーが奪還したエリアを逆に奪い返されてしまい、もう一度奪還しないと特殊兵装の弾数が半減してしまう))。
-すべてのミッションをプレイするにはキャンペーンモードを最低3周する必要があるのだが、特定の順番でクリアしないと出現しないミッションもあるので、周回プレイをしても飽きにくい。
''豊富な機体数''
-使用可能機体は実在機32機、架空機8機の合計40機。『04』では21機、『6』で15機であったことを踏まえると、携帯機としては破格のボリュームである。
--それぞれの機体には3つの特殊兵装と4種類の塗装が用意されており、同じ機体でも兵装によって性能が大きく変化する。
--今作初登場の架空機が豊富な一方で過去に登場した機体も使用可能。これまでの作品では架空機は隠し機体として扱われることが多かったが、今作では実在機と同じ扱いになっている。その代わり性能もやや抑え気味になっている。
--なお、架空機はフェンリアを除きパーツ換装によるチューニングが可能。チューニング次第では大化けすることも。
---コフィンシステムを搭載した架空機も多く登場((架空機8機の半数に当たる4機がコフィンシステム搭載機))するなど、見方によっては『[[3 エレクトロスフィア>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/416.html]]』へのつながりを意識しているともとれる。
--実在機をチューニングできないのは、ライセンスの関係があると思われる。
''控えめな難易度''
-難易度は全体的にそれほど高くはない((ゲームとしての難易度は「easy」「normal」「hard」「ace」の4段階。このうち「ace」は「hard」でキャンペーンモードをクリア後に選択できるようになる))ので、初心者でも気軽にプレイできる。
--ただしトンネル突入ミッション((ただしトンネルは短くなっている))や敵ミサイルの迎撃などのシリーズ伝統の無茶振りミッションは健在。また、中和剤投下ミッションや輸送ヘリ護衛ミッションといった比較的難易度が高いミッションも存在するが、これらのミッションは前述のストラテジックAIシステムを駆使すれば発生しないので、クリアできなくて詰むという事態には陥りにくい。
-HUDの要素として新たにMPG(多目的ゲージ)が追加された。これにより、ミッション中に友軍の被害状況や標的の撃破数など、ミッションの達成条件にかかわる情報を視覚的に確認しやすくなった。
''BGM''
-BGMは全体的にテクノ調。また、メインテーマの変奏曲が多用されている(この手法は『04』の頃から存在する)。
--ただし、一番人気の「Alect Squadron」はロックの曲。
-シリーズ人気の要素である無線の演出は今作でも活躍。はじめは兵力差に物を言わせて余裕を見せていた敵が、やがて主人公を『ネメシス(凶星)』と呼び恐れるようになる様子が描かれている。
--グレイプニルにおいては艦長のみならず乗員のセリフも聞くことができる。
''グラフィック・演出''
-グラフィックはPSPとしてはかなり頑張っている。解像度こそPS2に及ばないが、オブジェクトの数やテクスチャは『04』を上回っている。
--エリアのロケーションも、極地域の油田やグランドキャニオンを彷彿させる巨大な峡谷など多彩。特に首都・グリスウォールは超高層ビル「ガイアスタワー」と巨大加速器実験施設「アトモスリング」を擁する特徴的な街並みをしており、3つの異なるミッションを持ちながら飽きることのない景色を演出している。
-閑話ムービーは『04』と同じく、セル画調の静止画を利用している。恐らくは容量節約のためと思われるが、なかなかの完成度である。
--上述のセル画調ムービーを始めとして、本作は『04』を彷彿とさせる演出が多く盛り込まれている((例を挙げると、イントロダクションの敵軍に追い詰められた状況、テクノ調BGMの中に1つだけロック調BGMが含まれている事、超兵器からの攻撃を渓谷に潜って回避する演出、ストーリー後半の夜間都市戦など))。
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**難点
''操作性の悪さ''
-ある意味仕方ないことではあるが、据え置き機作品と比べて操作性が悪い。特にPSPのボタンの都合上ヨーが十字キーに割り振られているため、進路の微調整がしにくい。
--今作ではオプションによるノービス操作((ノーマル操作モードはピッチ-ロールであるのに対し、ノービス操作モードは上下旋回-左右旋回))への変更ができない。
--ただし本作の場合、「動かしにくい」というよりもPSPのアナログパッドの仕様上「長時間ドッグファイトをすると指への負担がキツイ」という意味合いが大きい。後半は敵の機動力も上がるため、なおさら難しくなる。
-また、''決定が◯ボタンor×ボタン、戻るが△ボタン''であるため、他のゲームに慣れていると×ボタンで戻ったつもりが次の画面に進んでいた、という事も。
''ボイス関連''
-『04』同様、ボイスは英語のみ。
-ミサイルを当てたのに「ミサイルをかわした!」と敵パイロットが言うなど、攻撃の成否に対する無線の内容が不正確。
--あくまで無線の内容であり、当てたのにダメージ判定がなされていないといったバグではない。
''ストーリー上の難点''
-今作では主人公の僚機を含め友軍が咬ませ犬になるシーンが非常に多い。
--グリフィス隊の2・3・4番機は第一ミッション終了後のムービーにおいてグレイプニルの攻撃を受け、撃墜されてしまった。特に2番機のリックは『5』のチョッパーを彷彿させるキャラだったが、たった1回のミッションであえなく退場となった。
--他にも、グレイプニルによって艦隊が丸々ひとつ撃沈される、メソン・カノンで焼かれるニノックス2など多数。
-今作にはイントロダクションムービーの類が無く、キャンペーンを始めた直後にミッションブリーフィングに入るようになっている。何の前置きもなく始まる為(特に据え置き機版のプレイヤーには)唐突感が否めないかもしれない。
''バグ''
-QAAM(高機動対空ミサイル)が通信対戦時にアラートが鳴らなくなる。
//''処理落ち''
//-PSP-3000の場合、一部ミッションで処理落ちが発生することがある。
//--執筆者の場合、PSP-1000においてはこのような処理落ちを確認することはできなかった。情報不足につき加筆求む。
//↑一応確定情報がそろうまでCOしておきます。
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**総評
他がよくできているだけあって操作性の難は非常に痛い所であるが、欠点を補えるだけの長所を備えている。~
特にボリュームの観点では携帯機とは思えない程の量があり、一部では同シリーズの据置機向けタイトルを上回る程。~
ミッションの内容やストーリーもよく練られており、これといった不満点はない。~
入力のレスポンスが悪いといった事ではないのでPSPでの操作に慣れてしまえば十分に目を瞑れるレベルであり、シリーズ入門用としても『エースコンバット』シリーズの爽快さを手軽に味わうにも非常に優れた作品といえよう。
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**余談
-ムービーシーンの語り手は『5』で登場したアルベール・ジュネット。外見は随分と老けた。
-エースコンバットとしては珍しく、オペレーターが終始敬語。
--今作のオペレーターであるユジーン・ソラーノはまったくの新人(基地の上官の休暇中に戦争が勃発してしまい行方不明の為)。
-iPhone・iPod Touch・iPad向けアプリとして、今作の前日譚である「ACE COMBAT Xi Skies of Incursion」が発売されている。
-公式ホームページにおいて登場人物たちの小話が紹介されており、今作の世界観を表現するのに一役買っている。
-今作のマルチプレイヤーモードを用いて、シリーズの歴代ディレクターたちが対戦する動画が公式ホームページで公開されている。
-開発元であるアクセスゲームズは、本作の外注とは思えない出来の良さから好評を受け、PSP版第2作『[[ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1328.html]]』の開発にも携わった。''が…。''
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