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カルドセプト - (2013/03/31 (日) 14:49:26) の最新版との変更点

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*カルドセプト 【かるどせぷと】 |ジャンル|ボードゲーム|~| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|1997年10月30日|~| |価格|5,800円|~| **概要 大宮ソフトが開発したボードゲーム。基本システムは「モノポリー」型だが、「マジック・ザ・ギャザリング」のようにクリーチャー同士の戦闘があるトレーディングカードゲームの要素が加わっている。 **特徴 ''ブック構築'' -最初に自キャラを作った後、プレイヤー(以下『セプター』)は最初に与えられたカードから50枚を選び『ブック』を作成する。同じカードは4枚まで投入可能。 --カードの種類は土地に配置する『クリーチャー(所謂モンスター)』、そのクリーチャーに戦闘時使用させる『アイテム』、マップ移動時に使用する『スペル』の三種類。これらをバランスよく入れるのが常識ではある。 ---アイテムは武器・防具・巻物・道具の4カテゴリがあり、クリーチャーはそれぞれ使えるアイテムのカテゴリが異なる。強力なクリーチャーと強力なアイテムがあれば万能、などとはいかない。 --同じマップでもブックの内容によって戦略が全く違ってくるため、様々なカードがあるこのゲームではその気になればクリーチャー無しで勝つことも可能。 -属性を持つクリーチャーは属性毎にある共通の特徴を持つものが多い。例えば火属性ならSTやHPが高いクリーチャーが多く、地属性は援護能力を持つクリーチャーが多い・・・など。 --無属性のクリーチャーはこの地形効果を受けられないが、その分個性的でハマると強いクリーチャーが揃っている。 --基礎パラメータの高さを選ぶか、特殊能力の強さを選ぶか、スペルやアイテムとの相性は、敵の作戦への対策は・・・。ブック構築で考えるべき事はいくらでもある。 ''試合の流れ'' -試合が始まると、各々のセプターはブック中のカード6枚と一定の『魔力』を持ってマップの周回を開始する。 --最初は全員『城』から始まり、『砦』というチェックポイントを通ってからまた城に戻ってくることにより周回が成立。マップにもよるが、『砦』さえ通れば廻る方向は任意なのでマップは自由に動きまわることができる。 --手札は毎ターン、ブックから1枚ずつ引いていく。50枚全部引き終わっても1周してループするので、カード切れで試合が終わってしまうことは無い。もちろん土地に配置したクリーチャーのカードも、使ったスペル等のカードもまた引くことができる。 -1ターンに1回、ダイスを振ってその出目分進む。ダイスを振る前に手札に『スペル』があればそれを使うことが出来る。マップ上のクリーチャーにダメージを与えるもの、次のダイスの出目を操作するもの、対戦相手を動けなくするもの、ブックのカードを覗き見するもの、魔力を得るもの・・・など多種多様。 -所有者のいない土地に止まると、そこに手札からクリーチャーを召喚して配置し占領する。 --クリーチャーを召喚するには魔力(お金)が必要になる。また、召喚条件として呼ぶクリーチャーの属性と同じ属性の土地が1つか2つ必要だったり、ディスカード(カードを1枚生贄にする)の必要がある者もいる。 ---強力な能力を持つクリーチャーほどコストや制限が厳しい傾向にあるため、代償が大きくて強いクリーチャーばかりでなく、弱いが低コストで条件が緩いクリーチャーも必要になってくる。 --土地の属性と同じ属性のクリーチャーなら『地形効果』を受けて戦闘中のHPに補正がかかる。また土地のレベルが高くなる程これも厚くなる。 --占領した土地に領地コマンドで魔力を払うと『レベル』が上がり、また同エリア内で同じ属性の土地を複数持つと『連鎖』が起きて価値と通行料が上昇する。さらに『護符』という株に似た要素も存在する。 -既に所有者のいる土地に止まった場合は『通行料』を払わなければならないが、手札のクリーチャーを召喚して『侵略』することも可能。 --止まった側が侵略を選ぶとクリーチャー同士の戦闘が発生。互いの能力値の他に特殊能力やアイテムも鑑みて勝敗が決定し、侵略側が相手のクリーチャーを撃破すればその土地を奪うことができる。 --これがこのゲーム最大の醍醐味である。通行料激高の土地に相手が止まって小踊りしていたら、土地を奪われ大逆転されたというのは日常茶飯事。もちろんその逆も可能。 ---クリーチャーの出し惜しみ、明らかに勝てないクリ-チャーによる玉砕も作戦の一つとなり得る。 -これを繰り返し、手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値が目標値以上になった状態で城に帰り着けば勝利。逆に言えば城に帰り着かない限りはゲームは続くので、そういった状態から形勢をひっくり返す事もカードと運次第では決して不可能ではない。 先述したように、基本ルールは「モノポリー」や「いただきストリート」に類似しており、それらの経験者には理解しやすい。魔力は現金、クリーチャーの配置と土地レベルアップは物件の購入と投資、護符は「いたスト」の株に、それぞれ相当する。~ ただし、他人の土地に止まった際にクリーチャーを戦闘させて強奪を試みることができる点、様々なスペルを使える点、それらのカードはあらかじめ構築したブックから順次ドローされる点が、本作の独自性である。 ''その他の特徴'' -このゲームでは、そのターンに引いたカードや、スペル選択・クリーチャー配置の際にカードを選んでいる間の全手札が、対戦相手に公開された状態となる。 --対戦相手の手札の内容は、戦闘を始めとするゲーム中の立ち回り全てに大きく影響を与える最有力情報。見えることで対戦相手への牽制効果もあり、戦闘時におけるアイテム使用の駆け引きをよりスリリングにするスパイスとしてプラスに働いている。 -手に入れたカードはコレクションの一覧に加えられ、閲覧することができる。加藤直之や中井覺など著名イラストレーターによるカードイラストは味わい深く、コレクション欲を掻き立ててくれる。 --コレクションを加えていくことによって「ある条件」を成立させると、ご褒美として特殊なカードが手に入る。全種類コンプリートまでの道は遠く、険しい。 --ステージ終了時に見られる一枚絵もコレクション要素があり、こちらも見ごたえあり。ゲームでは語られないカルドセプトの背景に触れることができるだろう。 **ゲームモード -ストーリーモード --先端が老人の顔になっていて人語を話す不思議な杖「ゴリガン」と共に、執拗につきまとうライバル「ゼネス」や世界各地で暴れ回るセプター達相手に戦いつつカードを集めていくモード。待ち受けるセプター達はそれぞれ特徴あるブックを駆使する。カードの収集と、敵セプターの持つブック・戦うマップに応じたブックの構成が勝つための近道となる。 --このモードではゴリガンがゲーム中におけるポイントや新しい地形の注意点を色々教えてくれるため、プレイしながらルールや勝つためのヒントを学べるようになっている。 --どのマップも優勝することがクリア条件となる。クリアすれば多くのカードを手に入れるとともに次のマップに挑戦可能で、一度クリアしたマップは何回でも再挑戦可能で、マップによっては相手が変わったり、同じ相手でも使用してくるブックが変わる場合もある。負けても何かしらのカードは手に入るため、難しいマップでもブックを強化していくことでいずれはクリアできるようになるはずである。一応初期ブックでもクリアは可能である。 --登場するセプターはブック構成、行動パターン、行動時の台詞等で個性が出ておりcpuと対戦しているような気にさせないようなつくりになっている。 ---今作に登場するセプター達は一応その地域を荒らしている者たちなのだが主人公に負けた時に大抵改心する。また、台詞や行動原理がユーモラスでどこか憎めない所がある。 -対戦モード --人間・CPUキャラクター(キャラクター毎に特有のブックが存在する)を交えて最大4人まで対戦することができるモード。ある意味このモードが「カルドセプト」の真骨頂。基本的に一度でもクリアしたマップが使用可能で、勝利条件を色々設定することが出来る。 ---「アンティ」ルールを設定することでブックのカードを賭けて勝負することができる。対戦終了後にブックの中からアンティ(賭け札)がランダムに選ばれ、下位のプレイヤーは上位のプレイヤーにアンティの対象となったカードを奪われる。まさに「賭けカルド」である。 --この対戦モードは、他のプレイヤーとのカードトレード機能も搭載している。手持ちのカードについて、「そのカードをまだ1枚も持っていないプレイヤー」に対して1枚だけ渡すことが可能。 **問題点 -対戦中CPUキャラクターのメッセージをスキップできない。 --このシリーズではcpuキャラクターは行動時台詞を言うのだが今作ではスキップができない為に頻繁に間が発生する。 -相手のカードが見づらい。 --隙を見せたらすぐ逆転されてしまうゲームである以上、手札が見える一瞬の内に内容を把握する事が勝利のカギである。プレイ中は''常に目を凝らして画面を注視していなければならない''。 --カードの読み合いも重要なゲームであるため、これを見落とすのは大きな痛手である。ちなみにCOMがこちらの手札を見落とすことはない。 -CPUの思考が単純、クリーチャーの配置(自分の地形優先かばら蒔き)→地形合わせ(交換か地形変化)→LV上げ(節約か奮発)の繰り返しを手当たり次第に行いスペルも適当に使うだけ(例:マジックボルトはHP20のクリーチャーを優先いなければ一番HPの高いクリーチャーに使用)で無駄な戦闘((勝てなくても(アイテムを浪費させる、特集能力の発動)侵略するのは一応、戦法としては有効…だがCPUは明らかに意味がなくても侵略することがある。))も行う。 --戦闘に関してはクリーチャーの強さ(特に無効化や反射)を知ったり、ゲームを盛り上げる為の措置とも言えなくもない。全キャラが勝てる戦闘しかしないのではただのサイコロゲームになってしまう。一応侵略頻度はセプターごとに違っており個性付けの一つにもなっている。 -狙ったカードが手に入らない。TCGのそれを忠実に再現してあるため原則として『××すれば〇〇のカードが手に入る』ということはなく、何十回とゲームをプレイしても手に入らないカードは手に入らない。 --マップによって獲得しやすいカードの種類は若干異なる。また、「数回勝つ毎に必ず未入手のカードが手に入る」「持っていないカードに限り、他のプレイヤーとのトレードで入手することができる」という救済措置はある。 -初代故の問題点として、カードの性能が全体的にアンバランス。コストの割りに効果が控えめなカード、逆に効果の割りにコストが控えめなカードが多い。 --総じて低能力のクリーチャーが有利で大型クリーチャーはコストも召喚条件も厳しい上にデメリットが目立つ為に使いづらい傾向にある。 ---特殊能力も小型のクリーチャーのほうが充実しており、今作は魔力補充スペルが少なく確実な収入は周回ボーナス(初代には砦通過時の魔力補充も無い)だけの為に魔力配分を考えて行動しなければならないのでますます使いづらい。 ---このため、ラスボスもコストの高い大型クリーチャー主体、好戦的で消耗しやすい、マップの広さもあいまってたいした強さではなくなっている。 #region(本作における強力なカード) -''デコイ(無属性)'' --自分自身に攻撃力は無いものの巻物以外の攻撃を全て反射してしまう(反射すると自身が受けるはずのダメージを相手に移し変える)というクリーチャー。相手の攻撃力を逆に利用できる上に武器を使用すれば攻撃も行えるため、侵略力・侵略への抑止力ともに非常に高い。マジックボルト((土地にいるクリーチャー1体に20ポイントのダメージを与えるスペル。初期ブックに必ず入っている。))で一発で破壊されるのが弱点だが、コストが40と安いため序盤から土地にばら撒けるという点で強力。 ---セカンドではHPが10に、武器が使用不可能に調整されたが相変わらず強く、エキスパンション(セカンド)で召喚する際にディスカードが必要になる様調整されたため気軽には使えなくなった。 -''ヘッジホッグ(無属性)'' --デコイと同じく巻物以外の反射能力(ただしこちらは1/2)を持つ。反射能力は弱い物の、HP、ST共にデコイより10多く、コストが15と言う破格の安さなので気軽に使うことが可能。 ---なお、このカードはセガのあるゲームキャラクターがモデルではないが紛らわしいためか、プレイステーション版のエキスパンションでは『バンディクート』に差し替えられている((STが10上昇し、ついでに属性も付いたが、よりによって同じ直接攻撃ダメージ半減能力を持つガスクラウドと同じ火属性である))。DS版ではコストが40に上昇しているがデコイが上記の調整版の能力に変更された為にこちらの方が使いやすい。 //「セガのあるゲームキャラクターがモデル」については公式サイトのコラムでスタッフが否定していた。一方、PS版を出す際にヘッジホッグが例の音速ハリネズミを連想させられるためにPSのあるゲームにちなんだバンディクートに変えたとも述べている。 -''スチームギア(無属性)'' --デメリット持ちだが配置制限がなくコスト70、HP、ST共に50のクリーチャー。セカンド(無印50、エキスパンション60)での異常な安さが目に付くクリーチャーだが''実は今作でも扱いが良い''。 ---後述されている通り高能力のクリーチャーは今作では異常なまでに制約が強く、配置条件なしで防御型ではないクリーチャーの殆どがHP、ST共に30~40台なので領地のLVが1~2ならたとえ地形が合っていようがアイテムなしで殆どのクリーチャーを粉砕できてしまう。HPも高い為にこちらが殴られても耐える事も多い。 ---一応無属性で地形効果が受けられない、通行料が1/2になるデメリットがあるが、このカードの使いどころは侵略によって相手領地を荒らしたり、連鎖用の領地確保なのでこのデメリットはないも同然、逆に倒しにくい上に通行料が安い為に放置されやすく、むしろメリットである。 ---エキスパンション(初代)では更に無属性を強化するカードが追加されたためにより使い勝手が上昇してしまった。セカンドでは無属性対策のスペルが追加されたが上記の通りコストが下がったために相変わらず強かった。 ---サーガでは削除、DS版ではコストの上昇、他の同能力クリーチャーの召喚条件が緩和された為に使い勝手が悪くなった…いや、他の同能力クリーチャーの使用価値が上がったのでこの扱いが妥当である。''相変わらずやるときはやるし'' -''グレムリン(風属性)'' --相手クリーチャーのアイテムを破壊する能力を持つ。この初代でのみ戦闘時に巻物を使うことが可能だった((地形効果・無効化を無視して攻撃できる。アイテムによるHPの底上げに弱いが、グレムリンは相手のアイテムを破壊できるので・・・))ため、攻めても守っても非常に強力だった。しかも''風属性入りの初期ブックに必ず入っている''ので入手も楽。 ---現在では高能力クリーチャーの配置条件やコストの見直し、後述の対破壊アイテム等の登場で相当弱体化されたが連鎖を切り崩したり、スペルで強化して拠点にする等使えないほどではない。 -''ミルメコレオ(風属性)'' --戦闘で一度倒されても''ドラゴンフライ(火属性)として蘇る''能力を持つ。その為に通行料を貪れる確率が非常に高く、HPも40ある為攻撃スペルにもある程度の耐性を持つ為に''属性問わず使用できる''程のクリーチャー。 ---現在では「クリーチャーの差し替え」、「配置制限の追加」、「HPの減少」と言った調整が施された。 -''グレムリンアムル(アイテム、道具)'' --前述のグレムリンの特殊能力を得られるアイテム。一見地味な効果だが、侵略・防衛ともに非常に汎用性が高く、特に防衛面では地形効果を受けての守りをアイテム無しで落とすのが困難であるため、''このカードが手札にあるだけで異常なまでの牽制力を持ち、今作ではどのクリーチャーでも使用できる。'' ---さらにセガサターン版では使用コストが''10''と0同然の低さだった。エキスパンション(初代)では40と引き上げられたが、以降の作品でも一作ごとにコストが見直されたり(10→40→50)2枚のカードに効果を分散する等の調整を繰り返し、現在では100となった。それでもアイテム最強の一角((他にはカウンターアムル、ホーリーグレイル、フュージョンあたりが強力。))は不動とされるほど強力なカードである。 ---セカンド以降では「アイテムを使用しないと巻物攻撃を放つ」「盗み、アイテム破壊の効果を受けない」というクリーチャー・アイテムも登場し、このグレムリンアムルの無敵性を弱めている。ただしこれらの能力を持つカードは総じてコスト、能力面で劣っているためにスペルで直接破壊する、囮を使った侵略でグレムリンアムルを使用させるほうが有効なことも多かった。~ 3DS版では破壊できないアイテムに一癖のある物((今まで対抗策が無かった「無効化・反射」を発動させない道具、クリーチャーを全く別のものに変身させる道具の二種類))が加わり汎用性にも陰りが見え始めている。 -''アンサモン(スペル)'' --対象のクリーチャーを相手の手札に戻すことができるスペル。コストは200と高いが、止まれば2000も支払わなければならないレベル5土地のクリーチャーも排除できてしまう。続くダイスでその土地を奪われては目も当てられない。 ---セカンドでは削除され(互換カードもなし)エキスパンション(セカンド)にて事前準備が必要で効果対象も大きく狭めた「エグザイル」に代えられている。なお、DS版でアンサモンが再登場した際も事前準備こそ必要ないが「対象はレベル3以下の土地のみ」「ディスカード有り」と大きく弱体化した。 -''メテオストーム(スペル)'' --「対象の土地をレベル1にする」メテオの強化版。ランダム(自分の領地も含む)で選ばれた5つの土地にメテオを落とすという大味極まりないカード。コストもメテオから100上がっただけ。 --メテオストームはセガサターン版限定で、エキスパンション(初代)では削除されている。当のメテオ自体も「ディスカードが必要」「土地レベルは連鎖してない限り2だけ下げる」などの弱体化が繰り返された。 -''ライフフォース(スペル)'' --エキスパンション版での追加カード。対象のセプターに「城に到着するまでクリーチャー・アイテムを半額で使える代わりにスペルが一切使えない」状態にする呪いをかけるのだが、この「スペルが使えない」という状態を利用し、相手が城に到着しないように一方的にスペルで妨害をかけるという戦法が凶悪。 ---実は「アイテムが半額で使える」のはカードの説明には明記されていなかった。後の作品ではこれも明記されている。 -''リンカネーション(スペル)'' --現在の手札を捨てて手札を6枚にする。コストはたったの10で、ブックの回転が早まり手札が最大になる為に純正ドロースペルの「ホープ」(カードを二枚引く)がただの紙きれになるほど強力なスペル。 ---現在ではコストを高くし、使用前の手札の数しか引けなくして手札自体は増えないように調整され、ホープなどの純正ドロースペルとの棲み分けがされている。 //アイテム面では各種強打((「強打」:条件を満たしている場合与えるダメージが1.5倍に))カードの上昇STが''たったの10''しかない、「ヘビーハルバード」は後手(必ず相手側が先に攻撃)のデメリットがあるのに''得られるのは強打だけ''等明らかに使えないものが入っている。 //↑このためか、武器・防具アイテムはセカンド以降で全体的に底上げ(コストの低下・追加効果の付与など)が図られている。 #endregion -護符購入にデメリットがない。 --エキスパンション以降はアンチ護符の効果を持つカードが追加されたが今作は存在しない。せいぜい護符を買う事で現魔力が低くなる事しかデメリットがない。 ---基本的に連鎖やレベルアップ等でエリアの護符の価値が上昇していくので早めに購入しておくと総魔力が上昇し有利になる。cpuキャラクターは積極的に土地価値を上げてくるので特に有効である。 **総評 最適なクリーチャー(とアイテム)とそれを召喚する魔力さえあれば、レベルが最大の土地でも奪うことできる。このため、金にものを言わせがちな従来の「モノポリー」系ゲームとくらべ非常に逆転要素が強い。また“土地に配置する”クリーチャーや“ボードゲーム”の中で使用するスペルには、ともすれば常に正面からぶつかりがちな従来のTCGと比べても異質かつ多彩なカードが揃っている。この両方のジャンルの「いいとこどり」をしたような高いゲーム性は、今もコンピュータゲームにおける両ジャンルの最高峰ゲームとして非常に評価が高い。 **その後の展開 -その後バグ修正と一部カードの削除・追加を施し『カルドセプト エキスパンション』としてPSに移植された。おそらくこちらの方が有名だろう。 --ゲーム性を考慮してか「プレイヤー間の土地の取引」が無くなった。この要素は続編でも再登場していない。 --『セプターズギルド』というおまけシナリオと拡張データ入りのCDROM付き冊子が2冊発売されておりこのデータを使えば上記の強力なカードのいくつかが簡単に手に入る。 ---ゲームのネタや敵セプターのセリフ集など読み物としても楽しめる内容である。特にグレムリンに関する憎しみのコメントが凄い「''グレムリンにフュージョン持たすなんて卑怯極まりない。''」、「''グレムリンにミューテーションをかけて強化し、ランドプロテクトを付けるなど大人のやることではない。''」… --このPS版の廉価版は『カルドセプト エキスパンション プラス』としてさらなるマップが追加されている。 **その他 -開発の際には「マジック・ザ・ギャザリング」を参考にしたらしく、同作に登場するカードと同じ名称のカードがいくつか登場する。中には「ガセアスフォーム」「アンサモン」など、本家と名称・効果がほぼそのままのものもある。 --スタッフによると、「ワイルドグロース」もその一つだが、ルールやカードの文面は十分理解していなかったため、後でルールと本家のカードの効果を知って自分達の認識とのギャップにびっくりしたらしい。 --後述の『カルドセプト セカンド』にも同じようなものがある。追加されたアイテムの一つ「バタリングラム」は相手の防御型クリーチャーを100%の確率で破壊するが、「マジック・ザ・ギャザリング」でも同名のカードが「ブロックした壁型クリーチャーを破壊する」という代物だった。 -かねこしんや氏によるコミカライズもされている。 --ゲームのコミカライズはよくある話だが、この作品の特徴は''アレンジじゃすまないぐらい大胆すぎるアレンジ''が施されており、原作ゲームとの関連性がほぼ皆無なバトル漫画と化していることである。 ---「セプターが自ら武器を取って戦う」「クリーチャーが自らの意思を持ち、時にセプターに反抗する」など、キャラクターデザインを除けば原作との共通点を探す方が難しいぐらい。 ---しかしその一方で「有利なはずの組み合わせがスペルやアイテムで大逆転」「ここぞという時に地形効果でギリギリ生き残る」など原作のエッセンスも散りばめられており、何気にバトル漫画としてはなかなかの良作だったりする。 ---主人公のオリジナルキャラ、「ナジャラン」は後のシリーズにゲスト出演している。 ---- *カルドセプト セカンド 【かるどせぷと せかんど】 |ジャンル|ボードゲーム|&amazon(B00006LJM2)| |対応機種|ドリームキャスト|~| |発売元|メディアファクトリー|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|2001年7月12日|~| |価格|6,800円|~| -カルドセプトの続編で、基本ルールはほぼ同じのまま多数の要素が追加されている。機種はDCだが、販売会社は前作『エキスパンション』以来のメディアファクトリーである。 -主な追加要素は以下の通り。 --周回ボーナスが減らされ、未通過の砦を通る際にも砦ボーナスがもらえるようになった。 --サーバーを経由しての通信対戦に対応。 ---対応しているのはDC版のみ。その上、発売後僅か2年足らずで終了してしまった。 --カードが100枚近く追加され(もちろん削除されたカードもある)、それぞれの能力にも後述の『領地能力』を始めとしてさらなる修正が施された。 --複数のセプターによる『同盟』が可能になった。同盟相手の領地に止まっても通行料を払う必要はなく、また連鎖も共有することができる。 ---ストーリーモードでも『同盟』で戦うステージが用意されている。 --土地に出たクリーチャーへの「呪い」の種類が大幅に増加。マイナス効果だけでなく、プラス効果を及ぼすものも登場した。 --クリーチャーの種類に『種族』がなくなった。アイテムはクリーチャーによって使える種類が異なる。 ---これに伴い、種族に関わるアイテムやクリーチャーの能力に変更が生じている。また、前述の『カルドセプトDS』では『種族』ルールが復活した一方で、本作の『アイテム制限』ルールが『種族』と別個に用意された。 --クリーチャーの能力に『領地能力』が追加された。魔力を払って『領地』コマンドで使用することができる。 --配置することでマップ全体に効果を及ぼす『~アイドル』、アイテムとしても使用できるクリーチャー『リビング~』が追加された。 --アイテム破壊、奪取を無効にする能力を持つクリーチャー、アイテムが追加された。 --止まると好きな種類のカードを引ける「占い館」、連鎖は組めないがどのクリーチャーでも地形効果を得られる「複属性土地」などの特殊地形が追加。 --対戦時に細かいルール設定が可能になったり、AIを作って参加させたりすることができるようになった。 -2003年に『カルドセプト セカンド エキスパンション』としてPS2に移植。さらなる追加カードや条件を満たすともらえる『メダル』によるやり込み要素が加わった。 --ネットワーク機能を備え追加データのダウンロード等も可能だが、残念ながら『通信対戦』はできなくなっている。 *カルドセプトサーガ -2006年にXbox360で発売された作品。全体的な作りの粗さからセプターを戦慄させた問題作。詳細は[[こちら>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/174.html]]。 *カルドセプトDS |ジャンル|ボードゲーム|&amazon(B000Y9EGGG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|セガ|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|2008年10月16日|~| |価格|4,800円|~| -初代(PS版『カルドセプト エキスパンション』)のリメイク。カードの追加とバランスの修正を施し、また『セカンド』の要素も一部取り入れている。 *カルドセプト(3DS版) |ジャンル|ボードゲーム|&amazon(B005MWBZL4)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|2012年6月28日|~| |価格|4,800円|~| -タイトルは1作目と同じだが、内容は『セカンド』がベース。DS版と同じくWi-Fiによる通信対戦にも対応。 **特徴・評価点 -初心者向けの各種ヒント機能・チュートリアルの充実や、いらないカード3枚と引き換えに2枚の新カードを手に入れられる「マーケット」などの便利なシステムが加わっている。 --特に(CPUとの対戦に限って)ゲーム内の時間を止めて相手が引いたカードや使ったカードの性能をじっくり見ることができる「ドローポーズ」が加わったのが大きい。従来は持ってないカードで相手が使ってきたカードの性能を把握しにくかった。 -ゲームバランスは『セカンド エキスパンション』から大幅に調整が加えられている。新カードの追加や初代やサーガに登場したカードが追加された一方、セカンドで強力とされたカード((「デモニックトレード」「メズマライズ」など。))を含めた多くのカードが削除されたり、一部カードの性能がDSと同じくマイルドになっている。 --バランスの取り方も巧妙で以前までの作品で猛威を振るった反射能力付与アイテムを防具にして使用可能クリーチャーを減らし、使いづらかった呪いスペルにドロー効果の付加、毒や混乱のダメージの上昇等の調整がされている。 ---全体的に風属性がやや強く、火属性が使いづらい印象があるが、どの属性もほかの色にはない特徴、強みがあり(一部の新カードを除いて、詳しくは後述)非常にバランスの良いカードゲームとなった。 -新能力「雪辱」追加。 --「相手に攻撃を無効化・反射されたときのみ発動」する特殊能力。効果は相手の体力を削ったり、魔力や手札を減らしたり様々。 ---旧作では手を出しにくかったこの系統のクリーチャーが対処しやすくなったのは大きい。またこの能力を前提にして、「アプサラス((レベル3以上の領地では攻撃無効。過去作にいたクリーチャー「カロン」やスペル「シミュラクラム」のように対価を払う必要は無く、クリーチャー「デコイ」「アンシーン」と違ってダメージスペルにもある程度の耐性を持つ。))」など過去では考えられないほど強力な無効化能力持ちクリーチャーも登場している。 -CPUのAI強化。 --度々指摘されていた「魔力枯渇時にセオリーに反して低額領地から売り払う」が改善された。 --無駄な侵略・ばらまきも減っている。 -キャラクターグラフィックはオリジナルの1作目や『セカンド』の傑怪老氏による濃い目の画風から、2000年代っぽい軽めの画風に変わっている。 --クリア後の「レベルアップステージ」による新キャラの登場、各キャラの魅力の掘り下げなど、ストーリー面でも強化されている。 -Wi-Fiによる通信対戦では週ごとにルールやマップが変わる、ランキング戦やスペシャル戦が行われている。また[[公式大会>http://3ds.culdcept.com/championship/ajcc2012/result/final/]]も開かれ、&bold(){多くのセプターを夢中}にさせた。 --フレンド登録している相手限定だが、ボイスチャットも可能。その場で対戦するのと何ら変わらない形でプレイ可能。 -3D機能との相性は、3DSソフトの中でも良好な方。 --本体が振られやすいアクションゲームと異なり、じっくり腰を据えて操作できるため画面がぶれにくいのがポイント。結構綺麗に3Dしてくれるので、普段OFFにしていても試してみるといいだろう。 **問題点・賛否両論点 -同盟戦の仕様。 --過去作と異なり、同盟相手への侵略ができなくなった。シルバーブロウでの意図的なレベル上げが不可能になっている。 --同盟相手の土地を自由にいじれるようになった。レベル上げに使えたりもするが、CPUは''自分の魔力が枯渇しても''プレイヤーの高額土地を売り払ってしまう。 ---特に多くのプレイヤーから貧乏神として蛇蝎のごとく嫌われているのがピケット。考えなしなレベルアップで常に魔力に貧窮している、親切心のつもりでこちらのデコイやオールドウィロウにターンウォール((対象クリーチャーをその属性の壁クリーチャーに変える。耐久力は上がるが、特殊能力は消えるので特殊能力頼みのこれらのクリーチャーとの相性は最悪。))を使う、手札に余計なファインド((カードを一枚引く。手札に復帰するので何度でも使えるが、捨てるタイミングを誤ると簡単に腐る。))を常に維持して重要なカードを捨てる…と、行動がことごとく裏目に出る。 ---ピケット以外のCPUも思考がプレイヤーと一致しない為にプレイヤーがスペルで強化し、万全な防御体制が整っている領地を''領地の属性が合っていないだけで交換''したり、''隣の敵領地を攻め落とすために移動''させる事もしばしば。 -レベルアップステージの難易度の高さ。 --ストーリー面は良いものの、運をも味方につけないとクリアできないほどの難しさで賛否両論。 -本作からの新カードである「マジックブースト」は賛否両論。 --「使用者は半分の魔力で土地レベルアップが出来る」効果。使うタイミングは難しいが、上手くハマれば500~1000とカード一枚としては破格の魔力を節約できる。 #region(ただし・・・) -効果の関係上いつでも気軽に使えるスペルではないのがポイント。このカードを有効に使うにはレベル上げ用の領地と魔力そして何よりこのカードを引き当てることが重要だからである。 --より良い条件で使用しようとすれば魔力やこのカードを温存することになり選択肢が狭まってしまい当然相手も有効活用させないように意識して行動するようになるので戦術にも悪影響を及ぼすことになる。 ---だからといって迂闊に使用しても領地を奪い取られ最悪、対戦相手を勝利させてしまうことも。 --また、このカードは呪いスペルの為にホーリーワード(ダイス操作)系と重複できず使用したがダイスの目が悪く領地を通過できず無駄使いに終わったり、通過出来たが出目先が相手の高額領地ということもありうる。 #endregion -やはり強力な反射 --上記の雪辱は攻撃後にクリーチャーが生存していなければ発動しない。その為に相手が反射能力持ちの場合、先に反射された攻撃を喰らって死亡することも多い。雪辱持ちのカードはSTの高めなクリーチャー、ST上昇効果を持つ武器が多い為にますます反射が有利になってしまっている。 //-実態は不明だが、しばしば「ダイスの出目がおかしい」と指摘されることがある。 //--3DSはプロテクトが強固なため、解析は不可能だが実際プレイしていてCPUは不自然なほどこちらの高額領地を回避してくるように感じる。 //まず、「感覚でダイスの出目を疑う」まではともかく、それを問題点として指摘するのは問題。感覚だけで乱数をおかしいって言うなら乱数を使うゲーム全部にこの指摘が出来ちゃう。 //また、ダイスを使うゲームで出目が偏る事があるのは当然。というか、短期的データを集めれば一切偏らない方が統計的におかしい。実際、長期的なデータを集めた上でおかしいと指摘された事は無いはず。ダイスを問題点として挙げるならKOTY取ったチンチロリンレベルのデータ収集が必須。 //Amazonでのレビューではこういう意見が多かった、ということで載せました。まぁ確かに確実な証拠はないんでこのままCOしておいていいです。 **総評 基本的なところは変わっていないが、細かい調整が施された新世代カルドセプト。~ 特にカードバランスの良さは歴代随一。それ以外にもユーザーフレンドリーな要素が多く、初心者、ベテランどちらにもオススメできる作品に仕上がっている。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/4691.html]]に移転しました。''

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