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*RPGツクールアドバンス
【あーるぴーじーつくーるあどばんす】
|ジャンル|RPG製作ソフト|&amazon(B00006WLIM)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|発売・開発元|エンターブレイン|~|
|発売日|2003年4月25日|~|
|定価|5,800円|~|
|セーブデータ|ゲームデータ1個(周辺機器によって複数保存可能)、プレイ用セーブデータ3個&br()※バックアップ用フラッシュROM搭載|~|
|周辺機器|ターボファイルアドバンス|~|
|>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/576.html]]''|
**概要
-RPGツクールGB、GB2から続く携帯ゲーム機版ツクールシリーズの3作目。
-ハードがゲームボーイカラーからゲームボーイアドバンスに移行し、主にグラフィック面で大きくパワーアップを遂げた。
-サンプルゲームはメタルマックスシリーズで有名な宮岡寛氏がシナリオを担当した「ジュエルキーパー」。
**特徴
-テストプレイしながら制作するプレイ&メイクスタイル。
--2Dのマップにイベントを配置してその中にイベントコマンドと呼ばれる命令を記述していく、基本的なシステムは今までのツクールと同じ。
--大きな特徴としてテストプレイモードとエディタが一体化しており、それらをスタートボタンで瞬時に切り替えることができる。今までは設定を変更したくなった場合は一度テストプレイを中断してエディタに戻らなければならなかったが、本作ではテストプレイを中断せずにその場でイベントの配置や編集ができるため直感的かつスピーディな制作が可能になった。
--またエディタの各項目もリンクしており、例えば主人公エディタから特技エディタを直接開いて特技を作成した後、主人公エディタに戻って特技をセットする…といったことが可能。
--今の所この機能が搭載されているのは本作のみであるが、他のツクールに標準搭載されてもおかしくないほどの画期的な機能である。
-戦闘はサイドビューのターン制。
--ツクールの中ではめずらしい組み合わせではあるが、見栄えの良さと扱いやすさを兼ね備えていると言える。
--ちなみにサイドビューでATB制のツクールは…「[[RPGツクール4>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/240.html]]」「[[RPGツクール2003>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1247.html]]」
--属性の概念や状態異常、それに対する耐性といったものもしっかり用意されている。
--特技は攻撃系・回復系・状態異常系・能力変化系の他に、「復活」(FFで言うリレイズ)や「凶暴化」(同じくバーサク)といった特殊なものもある。
--装備品に特殊効果を付けられる。攻撃時に状態異常を付加する武器、ステータスを強化する装飾品といったものも簡単に作れる。
--職業ごとにスキルを設定できる。「盗む」や「カウンター」などで特色ある職業を作ることができる。
-サイドビューということもあり戦闘中の味方グラフィックのアニメーションが豊富。
--主人公向けのグラフィックだけでなく、一般人やモンスターなど全ての歩行グラフィックに対応する戦闘グラフィックが用意されている。
--特に人間以外のアニメーションが特徴的。板状に変化して防御するスライムや死亡時のグラフィックがローストチキンになってしまうニワトリといった遊び心を感じさせるものになっている。
-モンスターグラフィックはカラフルなドット絵。全96種類でそれぞれに4種類の配色がある。また同時に1体しか出せないような巨大なグラフィックも存在する。
-美しい特技アニメーションが60種類。召喚獣風のものもいくつか用意されている。
-セーブ容量は「[[RPGツクール2>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/500.html]]」と同じ程度。特別大きいというわけでもないが、限りある容量を最大限活用できるような設計になっているため使い切ろうと思うと結構大変。
--同じメッセージを何度でも使い回せたり、宝箱やお店・宿屋はあらかじめ用意されたテンプレートを使って作成できる…など、少しでも容量消費が減るように工夫されている。
-マップは1マスずつ自分で描いていくタイプではなく、あらかじめ用意されているものを組み合わせていく方式のため容量消費が少なくて済む。制作の手間がかからないというメリットも。
--フィールドマップは6種類の中から選ぶ(エディットは不可)。ある程度自由に作れた「2」と比べると物足りないが、「GB」「GB2」より規模が大きくなっている。
--街や村はベースを選び、そこに建物を配置していく。建物の内装は何種類かある中から選ぶだけでよい。また出入り口は自動的に生成される。
--ダンジョンは6×6のエリアに部屋を配置し、ペンツールで通路を描いて繋いでいく。1枚ずつパネルをはめ込んでいく「2」「GB」「GB2」と比べると格段に作業効率が向上した。
-キーワード機能により、キャラクターの名前やアイテム名などを簡単にメッセージ中に引用でき、その分容量も節約できる。
-変数に似た「イベントできめる」機能。様々な項目の設定値として「?」を指定でき、ゲーム中にイベントコマンドでその数値を変化させることができる。
--例えば武器の威力にこの「?」を設定しておくことで「イベントで強くなる剣」といった演出が可能になる。
-音楽は音源の関係でややチープだが粒揃い。イベントコマンドで一時的にテンポと音程を変化させることができ、アレンジが利く。
-CGで描かれた一枚絵が用意されており、タイトルやイベントで使用することができる。
-チュートリアルモードも搭載されている。
--エディタの仕組みや簡単なイベントの作り方を『[[RPGツクール5>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/393.html]]』にも登場したツールファイブが教えてくれる。
--「おつかいクエスト」という未完成の短編RPGとなっており、足りないものを追加しながら操作を覚え、完成を目指していく。
--ちなみにサンプルゲーム内に出てくるツールファイブの歩行グラフィック、顔グラフィックはゲーム作成時に使用することは出来ない。
-「ユーザーゲームモード」という機能があり、この機能を有効にするとゲーム機の電源を入れた後にすぐ作ったゲームが始まるようになる。
--ツクールのメニューが表示されないため、さながら市販のRPGを遊ぶような感覚でプレイすることが可能。
-ターボファイルアドバンスで作ったゲームを保存することができる。
--パッケージの裏側にはターボファイルアドバンスでしか対応されていないと書かれているが、実際はターボファイルGBでも使用可能。
**問題点・バグ等
-バグが多い。
--とはいえ致命的なものは一部しか無く(ごくまれに画面が真っ暗なまま戻らなくなることがある程度)、大して影響が無いような細かいバグや簡単に対処できる軽症のバグがほとんど。
--しかしバグのため使い勝手が悪くなってしまっている機能も少なからず存在する。
--発売が延期されたにも関わらずバグが残ってしまったのが惜しまれる。
-顔グラフィックの癖が強い。
--簡単に言うと男も女もみな濃い顔をしている。「気持ち悪い」「デッサンが狂っている」といった声も聞かれた。
--この辺は好みの問題なので使うのも使わないのも自由である。
-通常戦闘曲が固定されている。
--もちろんイベント戦闘は変更可能。
--ただ、通常戦闘に向いた曲がそれ以外にほとんど無いため、変えられたとしてもあまり意味がなかったりする。
-戦闘中に特技のエフェクトが発生すると音楽が一時的に途切れる。
--エフェクトが終わればすぐに再開されるので慣れれば大したことではない。
-モンスターのステータスが職業とLvで決まる。
--この敵は攻撃力が○○ポイントで~といったように直接数値を設定することができず、職業とLvをうまく調整して合わせるしかない。
--ただしHPに関しては「エクストラHP」で増やせるため、ボスのHPが低すぎて困るようなことにはならない。
--これは設定項目を減らして容量消費を節約するための仕様だと思われる。
-主人公の移動速度が遅め。
--テストプレイ時はダッシュが可能なものの、通常プレイ時には使えない。
-死亡状態(戦闘不能)になったキャラクターは移動中に強制的に棺桶で表示される。
--イベントの組み方によっては死人が会話するようなことが起こってしまうため、イベントごとに死亡を解除しておくなどの手間が必要になる。
-ソフトの生産数が少なく入手し辛い。
--中古ではほとんど見かけず、オークション等でも価格が高騰してしまっている。
**総評
コンシューマーのツクールは『4』以降不作続きであり(『5』に関しては癖が強く人を選ぶ内容であった)、久々に登場した正統派ツクールであった。&br
本作は携帯機であることからちょっとした時間を使って制作することができ、携帯機とツクールの相性は抜群と言える。&br
また様々な面で簡単・手軽に作れるように配慮されているため扱いやすさは数あるツクールシリーズの中でもトップクラス。「バグが無ければ…」という声も多く聞かれ、続編が望まれていた。&br
7年後にようやく登場した『[[RPGツクールDS>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/804.html]]』は本作と比較すると出来なくなっている事が多く、続編を期待していたユーザーには残念な結果となってしまった。&br
知名度のある『2』や『3』に隠れがちだが、RPG制作ソフトとしての出来は本作も引けを取らない。実際に手に取ったユーザーからは概ね好評である。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/4358.html]]に移転しました。''