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ファイティングレイヤー - (2011/08/07 (日) 02:38:28) の編集履歴(バックアップ)


ファイティングレイヤー

【ふぁいてぃんぐれいやー】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード
販売元 ナムコ
開発元 アリカ
稼働開始日 1998年

概要

  • アリカ製作の3D格闘ゲーム。ストリートファイターEXと開発元が同じであるため血統が強く、一部キャラクターはゲスト出演している。
    • 格闘ゲームとしては珍しくステージ選択制度を採用。次に戦う相手をある程度選ぶ事ができる。
      • 途中、中ボスとして別に勝たなくて良い騎士や、動物と戦うステージもある。
    • ストーリーは「強者が集うザウスアイランドに様々な事情のある強者が集まった」と言うシンプルなもの。キャラクター同士の掛け合いなどは無く、それどころか殆ど喋らない。
    • BGMはキャラクターで固定されており、中ボス及びラスボス戦以外ずっと使用キャラのテーマ曲が流れる。

長所

  • 格闘ゲームと言うのは往々にしてバランスの良し悪しが出てくるもので、「○○を使わなければ」「××さえ無ければ」というところを抜きにすれば完成度の高いものは多いが、本作はそういった条件無しに、全キャラ安定して勝機が見出せるようになっている。
    • これは全キャラクターが非常に癖の強い性能を有しているため。いろいろな格闘ゲームの色物キャラをかき集めたようになっている。
      • 例えばいわゆる胴着キャラ。ストリートファイターのリュウやケンのように、飛び道具・対空・突撃技の三つを兼ね備えたキャラ「アレン」がストリートファイターEXからのゲストとしているのだが、爆発力が高く切り替えしが難しいという、なかなか長短がはっきりしたキャラになっている。
      • 例えばカプリッチョ。とある部族の戦士で、色物だらけの本作キャラでも群を抜いての色物だが、攻撃キノコを育てる・投げる・設置する、回復キノコを育てる・食べると言う設置技キャラとしては屈指の戦略自由度を誇る。
      • 主人公の加藤鉄雄にしても、確かに主人公らしく使いやすくはあるのだが、コマンドの追加入力で威力を増す必殺技や、信用できる対空技が無い等、かなりピーキー。見た目も胴着を着てはいるが波模様がある柄胴着。
  • 駆け引きを盛り上げる数多くのシステム。
    • ゲージを消費して出せる強力な必殺技バレッジブロウ。よくある超必殺技だが、ゲージ管理は他の格闘ゲームよりも慎重にならざるを得ない。
    • 同じ威力の攻撃ボタンを押す事で出せる通常技ハードアタック。下段ガードするとよろめかせる事ができる上、威力も高いのでラッシュのチャンスになる。
    • ゲージを一回分消費して起き上がりに攻撃が出来るハードリバーサル。無敵時間が長く、これにより安易な起き上がり攻めが難しくなる。
    • あらゆる攻撃を無効化する緊急回避のスーパーイリュージョン。殴られてようが倒れてようが瞬時に発動し、しかもゲージも満タンになる。しかし1試合に1回しか使えないため、使いどころが難しい。
    • 弱攻撃を連打する事でコンボを決めるイージーコンビネーション。コンボを知らなくてもある程度の破壊力が発揮できるため、初心者でも中級者とそれなりに渡り合う事ができる。
    • 通常技をキャンセルして出せる必殺技に限るが、必殺技をキャンセルしてバレッジブロウにつなげるスーパーキャンセル。爆発力を駆使して一気に畳み掛けられるが、削り能力が激減するのでガードされると弱い。
    • 通常技同士がぶつかるとお互いが硬直無しに通常状態に戻るブロウクワイツ。相手の通常技に反応してこれを狙い、判断力の隙を突いた攻めも効果的。
    • 通常技が命中した際、ボタンを追加入力する事で威力が増すジャストヒット。命中しなかった場合は隙を晒してしまうのでこれもまた狙うのが難しい。
    • 特定の通常技や必殺技、バレッジブロウで止めを刺すことで画面内にでかでかと技名が表記されるオートネーミングシステム。これで止めを刺すと非常にかっこいいので、性能が悪い技でも無意味になりにくい。
      • 加藤鉄雄のバレッジブロウ「漢祭り」を後ろ大パンチからつなげて倒すと、画面にでかでかと漢縛りと表示される。字としてはアレだが映像としてみるとかなり熱い。
      • オートとは名ばかりでランダムで付いているわけではない。
      • 名前の種類は70種類ほどあるらしいが、50種類ほどしか発見されていない。

短所

  • いわゆる対戦ツールとしての完成度は非常に高く、イージーコンビネーションも本作初心者救済の効果をある程度発揮しているのだが、格闘ゲーム初心者には不向きなつくりになっている。
    • そのため、早々に本作の魅力に気づいた人々からは絶賛されたが、気づけなかった人からの受けは悪くすぐに撤去の憂き目に会うことに。
  • 出回りが悪く、移植も絶望的。おかげで知名度も低い。
    • アリカ副社長が「基板屋へGo!」と発言している。ただでさえ出回りが悪いのに、欲しい人が基板屋で買っているので中古市場にも殆ど出てこない。値段も高い。

総評

 対戦ツールとして屈指の完成度を誇る。ドマイナーなため対戦相手が少ないと言う欠点はあるものの、本作をある程度把握しているプレイヤー同士の対戦は非常に熱い。キャラクター毎の相性はあれど、どのキャラでも勝機が見出せるため、常に緊張感のある戦いが楽しめる。駆け引き・テクニックが要求され、腕の良いプレイヤーが勝つという、格闘ゲーム本来の性質を考えると、本作は紛れも無い名作と言っていいだろう。
 が、あくまでもそれは格闘ゲームプレイヤーに限った話である。格闘ゲームを殆どやらず、対戦にもさして興味の無いプレイヤーには、唯のマイナーな格闘ゲームに過ぎないのが少し残念である。

余談

  • 主人公加藤鉄雄のBGMが「TE-20」と言う名称になり、太鼓の達人12増量版でアーケード限定でアレンジ収録されている。
    • 増量版は出回りが悪いので、幻の一曲になっている。
  • 同社の音楽ゲームテクニクティクスでも採用されている。
  • PS2で発売されたストリートファイターEX3には本作のシステムのハードアタックが輸入されており、同作のエディットキャラ・エースが使用できる技の中にも本作のキャラの技がある。