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がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~ - (2013/01/24 (木) 18:27:55) の編集履歴(バックアップ)


がんばれゴエモン3 ~獅子重禄兵衛のからくり卍固め~

【がんばれごえもんすりー ししじゅうろくべえのからくりまんじがため】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 コナミ
発売日 1994年12月16日
定価 9,800円(税抜)
プレイ人数 1~2人
配信 バーチャルコンソール
2009年9月15日/800Wiiポイント
がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク


概要

伊賀の物知り爺さんがたいむましんを開発。実験は成功し未来のぎゃるを追っかけ回していた爺さんだったが、未来の大江戸を牛耳る「からくり盗賊団」の幹部シスタービスまるに捕まり、たいむましんも奪われてしまう。
ゴエモンとエビス丸は爺さんの言葉を頼りにもう一つのたいむましんを発見、道中でサスケとヤエを仲間に加えるが、そこにビスまるがあらわれ、江戸の町をめちゃくちゃにした挙げ句おみっちゃんをさらっていってしまう。
ゴエモンたちはビスまるを追って未来へ行き、おみっちゃんと爺さんを取り戻すため獅子重禄兵衛率いるからくり盗賊団に挑むのであった。

コナミの人気アクションゲーム『がんばれゴエモン』シリーズのSFC版第三作目。今までの横・見下ろし型の純アクションから、アクションアドベンチャーになっている。


特徴

前作から一転して仕掛け・謎解き要素多めのアクションアドベンチャーに。そのシステムは『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』との共通点が多い。

そのほか、新たに以下の要素が追加された。

  • プレイヤーキャラにヤエが追加。ゴエモン・エビス丸・サスケも含めて各キャラクターに個性的な性能差が与えられるようになった。
    • ゴエモン:主人公らしく平均的な性能。前述のように武器のチェーンキセルはフックショット的な用途に使える。
      • サブウェポンの小判投げは溜めることにより貫通性能を持ち、その貫通性で仕掛けを解く機会も多い。
      • また、とある場所で防御力が1/2になる代わりに攻撃力が2倍になる「一触即発の術」を会得できる。
    • エビス丸:見た目通り機動力は最低。シリーズごとに武器が変わるが今作では武器にフラフープを使う。全方向攻撃なのでアクションアドベンチャーパートでは重宝する。また、パワーアップすると壁のピンに引っかけられるようになり、そのピンを渡っていくダンジョンもある。
      • サブウェポンの手裏剣は溜めると反射するようになり、反射を利用して届かないスイッチを押すという仕掛けも。
      • 小人になれる「ちびエビスンの術」を会得でき、狭い場所を通ることができる。
    • サスケ:機動力は最高。武器はクナイで、波動クナイにパワーアップすると特定障害物を斬れるようになり、リーチも増す。
      • サブウェポンは花火爆弾で、特定の壁を破壊することができる。
      • 八方にクナイを投げる「クナイ撃炎破の術」を習得するが、謎解き用の使い道は無い。
    • ヤエ:機動性はサスケに並ぶ。武器は忍者刀で、唯一パワーアップしない。
      • サブウェポンはバズーカだが後の作品のように溜めることはできない。
      • 「人魚変化の術」は唯一水中を移動することができるもので、水中面はヤエの独壇場である。
      • Y+B同時押しで出せる「剣シールド」や陸上で人魚変化の術を使ったときなど無敵技が多いのも特徴で、特に「陸上人魚変化」は動けない代わりにあらゆる攻撃をスルーできるためボス戦では重宝する。
    • ゴエモンとサスケの術は、1回使うために巻物アイテムを10本消費する。
  • 「からくりうぉーかー」というライドアーマーやら魔導アーマーに似た乗り物が登場。攻撃力の高いパンチが繰り出せるだけでなく、道中で火炎放射や液体窒素発射などの特殊機能が追加され、火炎放射で鉄の扉を溶かしたり、液体窒素で敵や水を凍らせて足場にしたりといった使い方がある。
  • フィールド・ダンジョンのほかにストーリーの合間に以下のようなステージが挿入される。
    • ダンジョンの奥ではボスと戦う。ボス戦も謎解き要素が強く、単純にダメージを与えて倒すだけではなく「敵の弾を跳ね返す」など工夫が必要なものが多い。
    • インパクト戦も前作に引き続き登場。回数も前作より増えている。
      • 「↑↓↑+パンチ」で百烈パンチなど、コマンド式必殺技が追加された。
      • パンチゲージや小判ゲージの導入。前述の百烈パンチなど、ゲージを消費する強力な技が使えるようになった。
      • 人型のロボットと戦う以外にも、護衛の攻撃を掻い潜りながら敵施設を破壊するというミッションもある。
      • インパクトで敵や障害物を破壊していくステージも健在で、前作の「強制横スクロール高速アクションステージ」に変わり、「激震インパクトステージ」として登場している。真横視点のせいかどことなく横スクロールSTGチックな画面を頭のでかいからくりメカがノッシノッシと進む姿はシュール。前作のようなスピード感は失われたが、これはこれで怪獣映画のような気分が味わえる。尚、本作ではこのステージ無しですぐにインパクト戦に突入するケースもある。
    • ダンジョンをクリアすると、画面奥から迫り来る巨大メカの攻撃を、うぉーかーに乗ったキャラクターをジャンプさせたりダッシュさせたりして回避しながら一定の距離を逃げ切る「パニックステージ」が挿入されることがある。
  • 2人プレイでは前作までの「おんぶシステム」に代わり「ひょうたんシステム」が登場。
    • L+R+Aボタンでひょうたんになり、もう片方のキャラについていく。
    • このおかげで「片方が引っかかるせいで、もう片方がスムーズに進めない」といった事態を避けられるようになり、アクションアドベンチャーとしては操作性が向上したのだが、前作までの協力(というかある意味足の引っ張り合い)プレイも魅力の一つだったという声もあり、賛否両論ではある。
    • プレイヤー2人でライフや残機が共有なこともあり、本作の2人プレイは「一応そういうことも出来る」程度のおまけ要素くらいに捉えた方が良いかもしれない。

評価点

  • キャラクターの個性がより発揮されたこと。前作まではマリオとルイージのようにジャンプ力や攻撃力に多少の違いがある程度だったが、今作では「そのキャラクターでなければ攻略できない」箇所が多く設定され、役割分担がはっきりするようになった。
    • 今作で設定されたキャラクターの個性は以降のシリーズにおいても踏襲されており、今作でレギュラーキャラクターの性能およびキャラクターを切り替えてステージをクリアするという仕様は完成されたと言える。
    • ただし、ファンの中には『マッギネス』までのように「どんなキャラクターでも全面クリアできる」仕様の方がテンポが良いという声もある。今作や次作の『きらきら道中』はワンボタンでキャラチェンジができるので不満は少ないのだが、特定箇所でしかキャラチェンジできない『でろでろ道中』や、切り替え中にロードが入る『大江戸大回転』などではそのテンポの悪さが顕著になっている。
  • インパクト戦
    • 前作に比べて格段に進化している。やれることが多く、敵も個性的で飽きさせない。
    • 特にラストバトルでは驚きの展開が待っており、BGMは前作のインパクト戦のものが流れたりとニクい演出となっている。
  • BGMは相変わらず高水準。近未来的な要素の中に時代劇の和の要素が含まれる世界観をしっかりと感じさせてくれるものであり、「うぉーかー工場」や「からくりタワー」「からくり温泉」のBGMは特に評価が高い。
    • BGMを担当したのは上高治巳氏、後にBEMANIシリーズで「JimmyWeckl」としてお馴染みになる。

問題点

  • 過去の大江戸のダンジョンはクリアすると二度と入れないうえに、ストーリーが進んで未来に行った後は現代に戻ることができないため、招き猫を取り逃すと取り返しがつかない。
    • 全ての招き猫を集めてからクリアすると隠しボスが出現するため、それを狙っているときは特に注意が必要。似たような問題点は『ネオ桃山幕府』にもある。
    • また、この隠しボスはある方法で攻撃すると4回で撃沈してしまう。
  • ゲームオーバーになるとセーブした箇所からやり直し。特に「からくりタワー」は物凄く長い上にボスも中々強いので、ゲームオーバーになると気力を大きく削がれる。
    • ある仕掛けを動かさないと実質先に進めないのだが、そのために必要なオブジェクトが「押して動かせる」という事実に気付きにくい。
    • また、必須アクションの「本場のフラフープ」はかなり難しい操作を要求されるのに安全な練習場所がないし、一部リフト面が敵の体当たりで落とされやすいため、アイテム等万全の準備をして行ったとしても、ちまちま体力を削られてボスにたどり着くころにはゲームオーバー寸前ということも多い。
  • キャラ性能のバランス
    • 各キャラに個性は出たが、使う場面に差がありすぎる。
      • 特にフラフープぶら下がりを多用する場面が多いエビスや、唯一水中移動できて無敵技が二つもあり機動力が高いヤエは使用する機会が多い。
      • 逆にサスケは劣化ヤエといった性能で、花火爆弾でブロックを壊すだけの存在になりがち。
      • ゴエモンに至ってはパワーアップ兼特技アイテムを手に入れるのが本当に終盤であり、貫通小判でスイッチを押すだけの存在になりがち。
    • ヤエは人魚変化の術による無敵が便利で、咄嗟に出しにくい剣シールドの存在意義が薄れている。
    • ゴエモンとサスケの術は使いどころがあまり無い。
      • ゴエモンの「一触即発の術」は耐久力の多い敵や一部のボス戦で活用できるが、うぉーかーでも十分な攻撃力があり、ボス戦も「攻撃を跳ね返してダメージを与える」という攻略法のボスが多いので使いどころは限られる。
      • サスケの「クナイ撃炎破の術」は巻物を10個消費するコストに性能が見合っておらず、そもそも敵に囲まれるような場面や広範囲攻撃が必要になる場面が少ない。
  • からくりうぉーかーのおかげでせっかくのキャラの個性が殺されてしまってる。
    • うぉーかーは誰が操作しても性能や特殊武器に何の変化も無く、必要な場面も多い為、常に乗っていることが多い。
    • 機動力が低いというハンディも無くなる為、からくりタワーでは殆どうぉーかーに乗ったエビスを操作することになるだろう。
  • 他の作品に比べ大幅にタフになった半面、強力プレイ時は体力を2人で共有しなくてはならない。
  • 物語が終盤に近付くと極端な尻すぼみになる
    • 未来のダンジョンはボリュームの差が激しい。中盤の「からくりタワー」が最も長く十数画面分もあるのに対して、終盤になるほど入ってすぐにボスという仕掛け皆無のダンジョンが増えてくるので未来編のダンジョンは実質3つしかない。
      • 従って、本作にはラストダンジョンと呼べるダンジョンが存在しない。暗号プレートセット後はインパクトステージやボス戦の連続でそのままラスボス戦へ。敵の本拠地はそれらイベントの通過点に過ぎない。
      • 一応、暗号プレート設置場所までは「からくりパーク」と言うそこそこ長い地域を歩くのだが、果たしてこれをラストダンジョンと呼んで良いものか。
    • また、「暗号プレート」は各ダンジョンをクリアすることで手に入るはずなのだが、全てのダンジョンをクリアしても5枚しか手に入らず、残りの3枚はイベントで一気に手に入ってしまう。「容量をからくりタワーで使い果たしたため」だともいわれるが、アクションアドベンチャーとしては中途半端な出来になってしまっている。*1
  • インパクト戦のゲームバランス
    • 操作方法さえ覚えれば特定の技を連発しているだけで勝てるなど、全体的に大味なバランス。
      • パンチゲージは3秒ほどで満タンになるので、百烈パンチなどの大技はガンガン連発できる。
      • 敵の近接攻撃や突進攻撃は百烈パンチで簡単に返り討ちにできる上に、強パンチ・溜め小判弾・キセルバリアなどと対処法も豊富なので脅威になりにくい。
      • 小判に余裕があれば溜め小判弾を連発するだけでも、敵の行動を阻止しつつ攻撃できてかなり強い。
      • キセルバリアは使用に制限が無く、連発していればいつまでも無敵状態を維持できる。
    • ぐりぐりパンチという技は、操作が特殊で出しにくい割に1ダメージしか与えられず、死に技になっている。
    • 溜め強パンチの威力は90ダメージとやや強すぎる(激烈アッパーや百烈パンチ全段ヒットで99ダメージ)

余談

  • 先に紹介した「陸上で人魚変化をすると無敵になる」というのは実はバグであるらしく、次回作のきらきら道中では陸上で人魚変化をしても無敵状態にはならなくなった。
  • 本作のウリの1つに「ギャグシーンで笑い声が起こる」という演出があるのだが、ややスベり気味である。以降の作品でも思い出したように使われることがあるのだが、定着はしなかった。
    • 今でこそほとんど見ないが、発売当時、アメリカンコメディドラマやバラエティ番組などのテレビ番組ではやった演出手法ではあるので、それをまねたものと思われる。ただ、ゴエモンシリーズのギャグはそれらの番組ほど直接的に笑いをとるギャグではないのでミスマッチな演出になっている。
  • 「うぉーかー工場」と「からくりタワー」はプレイヤーに強い印象を残し(特に後者)、本作を語る上で外せない要素となった。
    • 具体的には、長い上に難易度高めで長丁場になりがち、さらにBGMが陰鬱(そして長丁場故にそれを延々聴かされ続ける)と思わず心が折れるそうになる要素がめじろ押し。
    • その分、クリアした時の達成感と開放感はひとしおであり、特にからくりタワー最上部でゴールドキーを取った時の演出は秀逸の一言。その後でゲームオーバーになっては元も子も無いのだが。
    • ここまで書いておいて何だが、決してネガティブな話ではないので注意。
  • また、今作にはコナミの名作シューティングゲームが収録されていない。