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GOD EATER BURST - (2012/10/14 (日) 20:59:48) の編集履歴(バックアップ)


GOD EATER BURST

【ごっどいーたー ばーすと】

ジャンル チーム連携型ハイスピードハンティング
通常版

アペンド版
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 シフト
発売日 2010年10月28日
定価 UMD版:4,980円
DL初版:4,477円
アペンドディスク版:2,000円
廉価版 PSP the Best:2011年9月15日
UMD版:2,800円 / DL版:2,500円
※表示価格は全て税抜


概要

システムやストーリーなどの評価は高かったものの、理不尽なまでの難易度で批判を浴びた『GOD EATER』に新キャラやストーリーなどの追加を行ったアッパーバージョン。略称は「GEB」または「バースト」。本作の発売を受けて『GOD EATER』は「無印」と呼ばれるようになった。
ただ単に新要素を追加しただけでなく、無印をプレイしたユーザーの意見を元に敵の強さやゲームバランス、システムが徹底的に調整・改善されている。
また、同じバンナム製の『ソウルキャリバーシリーズ』や『太鼓の達人シリーズ』、『とある魔術の禁書目録』や『アニメ店長』など、無料DLCによる他の作品とのコラボレーションも積極的に行っている。

なお本記事では無印からの追加点・改善点を中心に紹介するため、ゲーム内容・基本システムについては無印の記事を参照していただきたい。


追加点・改善点

新規ストーリー&キャラクター関連

ストーリー関連

  • 新規ストーリーは無印のエンディング後のストーリーであり、実質続編と言える。
    • 無印で報われなかったキャラクター(主人公含む)にスポットが当たっており、ユーザーからの評価も高い。逆に無印で活躍した第一部隊の面々は出番が少なめ。
    • ラスボス戦の流れも非常に熱く、BGMと相まってかなり燃える展開となっている。エンディングで泣いたという人も少なくない。
  • 無印では空気だった主人公だが、本作では見せ場が多くちゃんと主人公をやっている。さらに最終盤のムービーではなんと台詞があり、しかも叫ぶ。決してネタではなく、ムービーの内容や専用BGMの熱さと相まってむしろ本作屈指の名場面となっている。
    • 主人公が喋るムービーはわずか3つで、その内ナレーションとして喋っているものと苦悶の声を上げるものを除くと、純粋に主人公が台詞を喋るのはその1回しかない。だがそのたった1回だからこそ強く印象に残り、プレイヤーの心に響くともとれる。

キャラクター関連

  • 無印に登場していたサブキャラクターがより個性豊かになった。もともと設定されていた性格やキャラ設定もさらに深く掘り下げられ、完全にキャラクターとして独立した。会話やメールも追加され、より彼らの人間性に迫る事が出来る。
    • 特に防衛班の面々はグラフィックも主人公用のモデリングが流用されていたものが固有のものになり、一部キャラの声優変更、ボイス新録などがなされている。モブキャラが一人前のキャラクターになった、といえばわかりやすいだろうか。なお、新規ストーリーにしか登場しない純粋な新キャラも存在する。
      • 中でも「潜在能力は高いが妙に誤射が多い」という設定を持っていた台場カノンは設定がさらに強調されて「普段は弱気なドジっ娘だが戦闘では攻撃的な性格に豹変する」という二重人格気味(トリガーハッピーに近い)な性格に変更され、その性格と可憐な容姿とのギャップからプレイヤーの間で「誤射姫」の愛称がつけられて一躍人気キャラとなった。余談だが、「彼女を連れて行くとレア素材が出やすい」というジンクスがプレイヤーの間でまことしやかに囁かれており、誤射で吹っ飛ばされるのを覚悟で彼女を連れて行くプレイヤーもいた。
  • キャラクターのボイスパターンも主人公も含めて大幅にバリエーションが増えた。誤射したときは謝ってくれたり(一部悪態をついて開き直るキャラもいるが)、ミッション終了時にはいろいろ喋ったりするので、より共闘感が高まる。
  • ストーリークリア後に条件を満たせば、ストーリーの都合で使用できなくなったNPCを再度ミッションに連れて行ける。中には一部プレイヤーから熱狂的な支持を受ける華麗なるあのキャラクターも。

オープニング・ムービー関連

  • オープニングの曲は「Over the clouds」から「Over the clouds -BURST mix-」に変更されている。歌詞などは変わっていないが曲そのものはかなりアレンジされている。
    こちらも良曲であり、フルバージョンが聞きたいという声も多い*1
    • 曲に合わせて変更されたオープニングアニメも、相変わらずクオリティは高い。
  • アーカイブとして一度見たストーリームービー・BGM・NPCの戦闘ボイス観賞モードが実装された。さらに無印のオープニングやダイジェストムービー、追加アクションなどが解説されるチュートリアルムービーも閲覧可能という大盤振る舞いである。
    • アーカイブは「自室のターミナル」でしか見られないため、無印では存在意義がほとんどなかった自室に行く意義ができたとも言える。また、NPCの部屋のターミナルにも、量としては多くないが彼らの趣味や人となりを知ることのできる情報が追加されている。
      • 服装や装備は、現在のものがそのまま反映されるのもうれしいところ。ただし、無印同様ネタに走るとシリアスなムービーが台無しになるので注意。

アクション面・難易度の調整

装備品関連

  • 新たな装備品が多数追加され、無印版からほぼ倍増している。既存品にも大幅に調整が加わり、無印版で非常に多かったマイナススキルの数は大幅に引き下げられた。
    • 強化が途中で終わってしまうような死んだ装備が存在せず、好きな装備で戦うことができる。戦術を練ればストーリー中でも個性を出した装備で戦って行くことができる。扱いやすい便利な装備も用意されており、初心者への窓口が大きく開かれた。特定の武器防具は最終強化した後にカラーチェンジもできる。
  • 「トリアン」戦法に関わっていたバレット、スキル、アイテムなどが下方修正を受け、それだけを使ってのごり押しはできなくなっている。ただしあくまで無印と比較して弱くなっただけであり、決して死に調整がされたわけではない。
    • 無印で不遇だったブラストはバレットエディットの仕様変更やアラガミバレットの大幅な強化を受け大きく地位を向上させた。逆に無印時代に猛威を振るったスナイパーは相対的に地位を落としたが、前述の通り「使えない」ほどではなく、問題なく活用できる。
  • バレットも種類が増えており、エディットの幅が大きく広がった。
    • 無印では設定・イベントで登場するだけだった回復弾が正式にバレットとして追加された。回復量はそれほど多くないが実質的に無尽蔵に使える回復手段が追加された*2ことになるため、回復アイテムが尽きてもかなり戦えるようになった。
    • 「攻撃力はないがOPの消費が非常に少ない」装飾弾が追加された。地形以外に当たり判定がない特性を持ち、使い方次第でバレットの燃費・構成自由度が大きく向上する。
    • 細かいことではあるが、バレット名に漢字が使えるようになった。
  • 無印版では一回の効果毎に僅か約0.004%のダメージしか与えられなかったヴェノムが大幅に強化。結合崩壊前にアラガミが倒れる事もあるほどに。

アクション・ミッション関連

  • 難関ミッションは難易度が調整されたり、クリア必須でなくなったりしたため、無印版と比較してストーリー進行ははるかに容易になった。
    • 無印版で配信されたダウンロードミッションも全て収録されているため、遊び応えも十分。
  • 剣による攻撃モーションにも手が加えられ、前述の「トリアン」戦法下方修正もあり相対的に剣モードが強化された。
    • 特に空中ガードとコンボの締めに捕喰行動がとれる「コンボ捕喰」の追加が大きい。これらのおかげでより積極的に空中戦を挑めるようになり、バースト状態を保つことも容易になった。
      • コンボ捕喰は従来の捕喰(「チャージ捕喰」と命名された)と比べてスキが少ない分バースト時間がチャージ捕喰の半分、アラガミバレットの入手数が1発だけ*3と劣る部分も多いため、状況に応じて使い分ける必要がある。
  • バースト状態でOPが自動回復するようになり、さらにバースト状態時にのみ効果を発揮する「バーストスキル」が追加されたためバースト状態の重要性が増した。
    • バーストスキルには体力自動回復など通常のスキルではつけられない効果も多く、いかにバースト状態を維持できるかが攻略上でも重要なポイントとなっている。
  • リンクエイド後の復活に15秒の猶予が設けられ、任意のタイミングで戦線に復帰できるようになった。そのため「復帰した瞬間に殴られる→再び死亡」といった事故のスパイラルを回避しやすくなっている。
  • 攻撃をくらったときに受け身を取れるようになった。これにより「攻撃を喰らう→ダウン→起き上がったところに攻撃を喰らう」いわゆる起き上がりハメが激減した。
    • なお多段ヒット攻撃を喰らった場合は、受け身を取ると無敵時間が無くなって逆にダメージが増えてしまう。受け身を使うべき状況と使うべきでない状況がきっちり分かれており、「攻撃を喰らったらとにかく受け身」というパターンになることを防いでいる。

NPCの能力強化

  • 大雑把ながらNPCに対して指示が出せるようになり、敵の分断、各個撃破が行いやすくなった。
  • NPCの性能自体も大幅に向上している。
    • 思考ロジックと耐久力が強化され、放置してもかなり長い間粘ってくれる。特にソーマやリンドウは初心者がお手本に出来るほどの立ち回りを行う。
    • リンクエイド最優先の思考も改善され、ちゃんと状況を確認して回避行動をとりつつ蘇生を試みてくれる。
      • 逆に回避優先の思考になったためになかなかリンクエイドに来てくれないこともある。
    • 逃走したアラガミを再捕捉したときは即攻撃を仕掛けず、主人公が初動を起こすまで(たとえばチャージ捕喰を当てるまで)待ってくれるのもポイントが高い。それが裏目に出て戦闘中に敵が逃げ始めたりスタングレネードを使うと即攻撃を止めるのがマイナス点ではあるが。
    • 無印では新型神機使いのNPCはアリサとクリア後使用不可能になるシオだけだった事もあり、リンクバーストの恩恵を感じ辛い部分があった。今作では新型神機使いが増え、アラガミバレット獲得数の増加、NPC・アバター共にリンクバーストを積極的に行ってくれる思考パターンの構築(特にアリサは顕著)といった要素により、ソロプレイでも容易にリンクバーストレベル3になれるようになった。これにより仲間との共闘感がより高められている。
  • このゲームでは体力が尽きても完全に倒れ伏すまでは戦闘不能にならないのだが、回復弾を撃てるNPCは「プレイヤーが倒れ伏す寸前に回復弾を命中させて戦闘不能をキャンセルする」という絶妙なサポートをしばしば行ってくれる。安心して、むしろ積極的にミッションに同行させたい頼れる仲間となった。
  • ストーリークリア後のチャレンジ・ダウンロードミッションでは、強制的にプレイヤー一人で出撃しなければならないミッションもある。それをプレイするといかに本作のNPCがありがたい存在であるかがわかる。

アラガミ関連

  • 新アラガミ「ハンニバル」およびその亜種とも言える「ハンニバル侵喰種」が追加。どちらもただ追加されただけではなく、追加ストーリーに深く関わる。
    • また、既存のアラガミは能力のバランス調整が行われている。異常な攻撃力、防御力、当り判定が修正され、回避困難な攻撃やハメに近い戦法にも修正が入った。
  • 本作でもダウンロードコンテンツにて新規アラガミ(骨格を流用したものだけでなく、完全な新規骨格のアラガミも)や装備の配信等が行われている*4。勿論無料。
    • 他のアラガミの身体を取り込み攻撃手段をコピーするヴィーナス、片腕が銃になった亜人型アラガミのヤクシャとその上位種ヤクシャ・ラージャなど、どいつもこいつも(良い意味で)一癖も二癖もある良敵。中でも両腕のブレードと背中のブースターによる超高速突進を武器とするカリギュラ*5は対戦時のスピード感、攻撃モーションのカッコよさから人気が高い。
    • 他のダウンロードミッションもただ敵を倒すだけでなく、バレットエディットの駆使や如何にターゲット以外の敵から気付かれないようにして戦うかなど、創意工夫を行わないとクリアが難しいものがある。
  • これらの調整によって難易度が引き下げられた本作ではあるが、一部のプレイヤーの間では「難易度が下がりすぎた」と言う声もある。ただしそれはあくまで無印版の地獄をクリアしたプレイヤーの意見という見解であり、決して「ヌルくなった」わけではない。
    • この手のアクションゲームの初心者にとっては厳しいミッションもあり、ストーリークリア後に挑戦可能になるチャレンジミッションやダウンロードミッションは無印版経験者でも手を焼く難関揃い。チャレンジミッションやダウンロードミッションはミッション説明文を一見するととてもじゃないがクリアできそうに無いもの揃いだが、実際はトライ&エラーを繰り返して適切な装備や作戦を考えれば、十分余裕を持ってクリアできる内容である。

システム周りの仕様改善

  • 前作や体験版、今作のキャラデータを引き継いで遊ぶことが可能。コードネーム以外の項目は変更できる。
    • 無印版をプレイしないと出現しない要素はないので、本作から始めるプレイヤーでも安心してプレイできる。
  • ミッションリタイアやミッション中の一時停止が可能になった。
  • キーコンフィグが4タイプから選択可能になった。
    • 最重要アクションでもあるガードを1ボタン押しで発動できるようになったのは非常に大きい。
  • バースト状態の残り時間がゲージとして表示されるようになった。
    • これにより効果がいつ頃切れるかがわかりやすくなったため、より計画的にバースト状態を運用できるようになった。
  • 一度クリアしたミッションの戦闘BGMを変更できるようになり、特定のミッション限定だった曲も自由に流せるようになった。
  • 上位素材→下位素材への変換(もしくは逆)ができるようになり、素材を集める手間が幾分減った。
    • アラガミ素材は難易度による素材レアリティでの変換以外にも、原種→堕天種(もしくは逆)といった変換も可能な場合がある。当然ではあるが一部のレア素材は変換不可能。
    • 一部のアラガミ素材はこの変換を活用しないと収集が非常に厳しいものがあった。
      現在ではDLCにより確定報酬、或いは追加報酬として高確率で入手できるミッションが追加されたため大幅に緩和されている。
  • モンハンシリーズのギルドカードと『ディシディア ファイナルファンタジー』のフレンドカードを足したような「アバターカード」が追加。
    • カードにはミッションや装備作成の履歴、武器の使用比率が表示されるほか、マイキャラの武装と服装を「アバター」として登録し、すれ違い通信で他のプレイヤーに配信することが可能。受け取ったアバターはNPC同様ミッションに連れて行けるため、ゲーム攻略の大きな助けとなる。さらに、ミッションに同行させたアバターは一定確率で「素材」を入手し、再度すれ違い通信で更新された時に相手に素材を持ちかえる。思わぬレア素材を入手してくる事もあり、非常に嬉しい仕様といえる。
  • その他ゲームバランス全般の調整、不具合修正など多数。

難点

不具合・バグ・誤植

  • 残念ながら今回も細かいところに粗が残っている。発生率はそこまで高くないとはいえゲーム展開に支障をきたすものもいくつか報告されている。中でも「操作タイプ・Dを選択時にロングブレードの(ゲーム側の設定ミスによる)重大な挙動不具合が発生する」のはどうにかならなかったのだろうか…。
    • 過去に一回フリーズ対策のための修正パッチを配布したのだが、こちらの修正パッチは結局配布されなかった。
  • また不具合という程ではないが、アバターカードのすれ違い通信には非常に時間がかかる。平均して2~40秒もかかるので「すれ違わない通信」と揶揄される事も。カードの情報量が多いため仕方が無いが。
  • 誤植も一部存在する。また誤植ではないが使われているフォントの関係でパ行とバ行の区別がつきにくい。

本編での追加アラガミが少ない

  • 本編で登場する追加アラガミは前述のハンニバル(およびハンニバル侵喰種)のみで、若干物足りない*6
    • ダウンロードミッションにて新規アラガミが数多く追加されている*7ので、それも合わせれば十分な数ではある。

武器のバリエーション

  • 大幅に種類は追加されたもののカラー・属性違いのみというのが多く、目新しさには欠ける。もっとも無印発売から本作の発売まで8ヶ月しか経っていないので、そこまで求めるのも酷な話ではある。
    • 『2』では新武器追加が発表されているので、期待が高まる所である。

総評

無印版の内容を全て収録した上で新規要素を多数追加。さらに無印の問題点もほとんどが解消・改善されている。何よりきちんと遊べるバランスになっている点が最大の評価点であり、まさに『GOD EATER』の完成型と言える良作となった。
完全版商法と言えなくもないが、無印版を持っているならば最初から安価なアペンド版を買うという選択肢が用意されている点も特筆に値する。
無印版から改悪された点は基本的に無いので、もし今から始めるのであれば本作一択。
無印版の理不尽さに挫折した人、ドラマチック&ハイスピードな狩りゲーをやりたい人はぜひ手にとってみてほしい。

レビューサイト「PSP:mk2」での評価も76点のAクラス判定(2011年10月9日現在)とユーザーからの評価も上々。
ランク2までのミッション=ゲーム全体の約5分の1を収録、マルチプレイ可、セーブデータを製品版に引き継げる豪華な体験版が無料配信されているので、それをプレイしてみて肌に合うかどうか確かめてみると良いだろう。