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星のカービィ 鏡の大迷宮 - (2012/01/07 (土) 03:13:37) の編集履歴(バックアップ)


星のカービィ 鏡の大迷宮

【ほしのかーびぃ かがみのだいめいきゅう】

ジャンル アクション

対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
フラグシップ
ディンプス(?)
発売日 2004年4月15日
価格 4,800円(税込)
ポイント デデデ大王が唯一登場しないカービィ
シリーズ中最多のコピー能力
メトロイド的探索要素
ラスボスの異様なしぶとさ
星のカービィシリーズリンク


概要

  • 『星のカービィ 夢の泉デラックス』をベースとして制作された作品。一度の延期を経て発売された。
    • ただし開発会社が違う都合でソースを流用する事が出来ず、プログラムは仕様書を参考に1から作り直されている。
  • ディレクター等ではなく監修としてではあるが、カービィの生みの親・桜井政博氏が最後に関わったカービィである。
  • シリーズから52曲選り抜いたサウンドトラック「THE VERY BEST OF KIRBY 52 HIT TRACKS(星のカービィ ベストセレクション)」(青い方のCD)*1のプレゼントキャンペーンも同時に行われた。

特徴

システムなど

  • ステージ間の枠が排除された。
    • 本作は所謂ステージクリア式ではなく、エリアが全て繋がっている『メトロイド』のような探索型のゲームとなっている。
    • 「セントラルサークル」と呼ばれるホームエリアを中心に「レインボールート」という広大なフィールドが縦横に広がり、各エリアへと道が繋がっていく。
      • マップ構成はエリアによって迷宮、一方通行など様々(ボス部屋付近など大体は一方通行だが)。中には些細なトラップに気がつかないと延々ループさせられるエリアもあり一筋縄ではいかない。
    • なお、迷路ゲームでありながら各所にゴールエリアが存在し、入ると従来通りアイテムが手に入るゴールゲームになりセントラルサークルに帰還できる。
      • ゴールエリア付近は一方通行の場合が多く、足を踏み入れてしまった場合強制ゴールになるので、迷宮探索における一種の罠と言える。
  • 今回はプレイヤー以外に3人のカービィが冒険のお供として登場する。それぞれ常にリアルタイムで独自に活動しており、それなりに共闘している感覚が味わえる。
    • 彼等は携帯通信機を使えばいつでも呼び出すことができるが、携帯通信機の「電池」がないと呼ぶことができなくなってしまう(1回呼ぶたびに電池を1個消費)。協力しないと進めない局面もあるため、使いどころを見極めなくてはならない。
      • 迷宮内にある電池を拾うことで電池の回復が可能である。
      • ちなみにワープスターを呼び出してセントラルサークルに戻ることもできる。
    • また、通信機能を利用すれば、最大4人同時プレイもできる。
      • 「広大な迷宮を利用した鬼ごっこ」なんて遊び方も可能であり、工夫次第で遊びの幅が広がる。
  • 過去作にありがちだった「吸いこもうとした敵がCPに倒されてしまう」現象は「敵はしばらく吹っ飛んでから消滅する」仕様のおかげで少しはマシになっている*2
  • 収集要素
    • 迷宮探索を盛り上げる要素として宝箱が各所に設置されている。
    • 「洞窟大作戦」との明確な違いは宝は観賞用ではなく実用的な道具であること。カービィの体力増加やサウンドテストなど、迷宮の探索が隠し要素の解放につながっている。
    • ただし、中に通常アイテムが入っている物もあり、宝箱の中身が必ず宝とは限らない。

カービィのアクション

  • 「がんばり吸い込み」という新アクションが追加された。
    • 一定時間吸い込み続けると範囲と吸引力が上がり、大型の敵や重い障害物を排除できるようになる。不発に終わった場合は隙ができるので注意が必要。
  • コピー能力は、新しく追加されたものも含めて全26種類。
    • 一部コピー能力に「コマンド技」と「属性」の概念が導入され、『SDX』のような操作感になっている。
    • 新しいコピー能力として「エンジェル」「スマブラ」「ミサイル」「マジック」「ミニマム」が追加された。
    • 従来の能力は、一部性能が調整された。

敵キャラの仕様

  • 雑魚キャラにもライフが設定され、攻撃や接触した際には右下に敵キャラ名とライフゲージが表示されるようになった。
  • 少し手強い大型の雑魚キャラが登場、これらの敵は通常の吸い込みが通用しないため、がんばり吸い込みを使わなくてはならない。
    • 「大きい = 遅い」というわけではなく、攻撃スピードが早い「ヘビーナイト」のような敵もいるため、敵の動きやタイミングを見極めてがんばり吸い込みをする必要がある。
    • また以上の特性に加え「飛行能力」も持つ敵もいるため非常に厄介。 BGM
  • 今までのシリーズを担当してきた作曲家は関わっておらず、代わりに稲垣博信氏、伊勢村篤義氏が担当している。

世界観

  • 本作の舞台は「鏡の国」となっており、プププランドは物語にあまり関わっていない。そのため、敵キャラは過去作品と違う新キャラが多数登場する。
    • 舞台が違う国なため登場しないのも仕方ないといえるが、デデデ大王が登場しないことを惜しむ声もある。

長所

  • やりごたえのあるボリューム。
    • 普通にクリアするだけでもなかなかの内容だが、達成率100%(宝を全て収集、全マップ踏破など)を目指すとかなりのボリュームとなっている。
    • 特に、宝の収集は「洞窟大作戦」同様、テクニックやコピーに関する知識が必要となるため、プレイヤーの腕が問われるものとなっている。入手が困難な宝もあるため、過去作品をやりこんでいる上級者も満足できるような難易度になっている。
      • 部屋を行き来するだけで仕掛けは元に戻るので、やり直しの手間は少ない。
      • ただし、行き来する手段が無いため、失敗するとセントラルサークルからやり直しになる箇所も存在する。
  • 高い自由度。
    • 各エリアには「エリア1」「エリア2」といったように番号が振られているが、攻略の順番は決められていない(どのエリアから攻略しても良いとされている)。そのため、「エリア1から順番に攻略する」「いきなりエリア9を攻略する」といった自分の好みに合わせたプレイが可能となっている。
  • 「洞窟大作戦」から進化した探索要素。
    • 迷宮は広大で迷いやすいが、今作は宝箱から「地図」を入手することで地図を見ながら探索ができるようになる。
      • 地図は、宝が回収できていない部屋と宝を全て回収した部屋とで色分けされるため、どの部屋を探索すればいいのかすぐ分かる。部屋のつながりもマップに書かれているため、探索がスムーズに行える。
    • 地図を見ながら行動することで、「今どこにいるのか分からない」「どこに宝があるかわからないため、無駄にウロウロしてしまった」といった事態が起こりにくくなり、快適な探索が可能になっている。
  • 一部のコピーはコマンドで技が変化するため、状況に応じて技を使い分ける楽しさがある。
    • 特に、「スマブラ」「ファイター」は技が多様に変化するため、「使っていて楽しい」という意見が多い。
  • 作りこまれたグラフィック。過去作品同様、今作のグラフィックも評価が高い。
    • カービィや敵キャラは相変わらずかわいく描かれている。「顔をタオルで拭く」「UFOからアンテナを伸ばして仲間と通信する」など、細かい動きも多く見ていて飽きない。
    • 背景もとても細かい部分まで作りこまれている。エリアごとの特徴もはっきりと出ているため、各エリアを探索する面白さが増している。
  • BGMは新規の曲が大半を占めており、評価は上々である。
    • 中でも「森・自然エリア」「氷・水晶エリア」「宇宙エリア」「ラストボス/ダークマインド第2形態」は評価が高い。
  • アクションが苦手なプレイヤーに対する配慮。
    • 携帯通信機で仲間を呼び戦闘に協力してもらうことで、ピンチを打開することができる。
    • また、仲間を呼んだ際には回復などのアイテムが出るため、補給手段として通信を利用することも可能である。
    • 迷宮をクリアするだけなら、高度なアクションの腕前は要求されない(それなりの腕前は必要となるが)。宝を全て回収しなくてもエンディングを見ることは可能である。

短所(または賛否両論点)

  • 各部屋の繋がりが複雑で、初見で地図を見つけていない時は迷いやすい。
    • そこはいいとしても、肝心要のその地図も見慣れないうちは構造が理解し辛く、迷いやすい。
  • 通信機で呼べる仲間は、あまり賢いとはいえない動きをすることがある。
    • 穴に飛び込み、早々に離脱していくことも珍しくない。
    • 完全クリアには必要ないが、協力してがんばり吸い込みをするギミックのある箇所で吸い込みをしてくれない。
    • 自分が落としたコピー能力を吸ってはいて消滅させてしまうことも多い。
  • あるボスキャラについて
    • 仕様なのか何なのかわからないが、ストーンを当てると処理落ちのように重くなって多重ヒットが発生し、結果一発で倒せてしまう。

総評

今作は、探索が中心となっているため「洞窟大作戦」を一つの作品として昇華したような作品となっている。全体的な完成度は高く、やりごたえも充分にあることから、本作を高く評価するプレイヤーも多い。
ステージの仕様の変更など今までの作風と違うことや、全ての要素をクリアしようとするとかなりの技術が求められる点から、「カービィの皮をかぶったメトロイド」と評されることもあるが、シンプルながらも奥が深いアクションや個性的なコピー能力など、カービィらしい要素はしっかりと入っている。
細かい仕草やコピー能力の外見などカービィの魅力はしっかりと描かれているため、カービィの愛らしさを楽しみたいファンでも楽しめる作りだと言えるだろう。
単純にクリアするだけでもそれなりのボリュームとなり、ある程度の腕前も必要となるため、「入門用には決して向かない」という声も多い。しかし、初心者用の措置もある程度とられているため、興味のある人や「『洞窟大作戦』が好き」という人はプレイしてみてもいいかもしれない。


余談

  • 本作はキャラクターの扱い(主にシリーズ初降板となったデデデ大王)が度々取り上げられる。フラグシップの初担当ということやその後のこともあって物言いがつくことになってしまった。
    • デデデ大王に至っては隠しボスとして出るなどというデマ(画像付で)まで出回る始末。
    • 一方でメタナイトは非常に優遇されている。
  • 「スマブラ」のコピー追加や、「マスターハンド」と「クレイジーハンド」が敵キャラとして登場するなど、『スマブラ』ファンへのサービスが豊富である。
    • 監修者の桜井氏によれば、これらの要素は内輪っぽいのでハル研で出た企画ならば問答無用でボツにしたが、フラグシップのカービィを理解しようとする熱意と努力を見て、ある程度好きにやってもらったとの事。
  • 『SDX』のリメイク作品である『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』の「洞窟大作戦」では、おたからとして「けいたいつうしんき」が登場する。
  • 実はベストセレクション以外にもサウンドトラックのプレゼントが存在した。
    • それが「星のカービィ 鏡の大迷宮 サウンド+」(赤い方)である。こちらは碌に告知もされず、入手も極一部の地方の店舗に限られていた為、存在すら知らない人もいた。
  • アンバサダープログラムのひとつとして3DSに配信されている。ただし、通信できない仕様上協力プレイは不可。