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グローランサーIV Wayfarer of the time - (2013/02/24 (日) 05:52:10) の編集履歴(バックアップ)


グローランサーIV Wayfarer of the time

【ぐろーらんさーふぉーうぇいふぇあーおぶざたいむ】

ジャンル ノンストップドラマチックRPG

対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 アトラス
開発元 キャリアソフト
ゼロワン
発売日 2003年12月18日
定価 7,140円(税込)
グローランサーシリーズリンク

ストーリー

はるか2000年前、人類は魔法と科学によって、高度な文明を築いていた。
しかし、強大な力を持つ、天使との戦いによって、人類は滅亡寸前まで追い込まれてしまう。

そして現在。
人類は滅亡の危機から復興し、新たなる文明を築いていた。
しかし、2000年前の“天使”との戦いで失われたものは多く、古代文明の魔法や科学の技術は、おとぎ話の世界のものとなってしまっていた。
そして天使も“人類を滅ぼす存在”として伝承の中に残るだけとなった。
そんな世界の中にある大陸の1つ、ノイエヴァール。
この地の南方に位置するランプラスト島に外大陸からの侵略から島を守るために雇われたアルテン・シュヴァルト傭兵団。
だが、突如現れた天使に襲撃を受け、戦場から逃げ出すこととなる。
そして、大陸へ引き返した日の夜、天使の出現を確認した団長のディクセンは、団員の一人であるクレヴァニールに衝撃的な事実を告げる。
「おまえこそが“天使を止めるためのカギ”だ」と。
そこから物語りは大きく動き出す事になる。
(公式サイトより抜粋)

概要

RMC(リアルタイムミッションクリア)戦闘などで人気を博したグローランサーシリーズの4作目。
世界観を一新しており、前3作とは異なる世界観での物語となっている。

特徴

  • 使い魔の育成
    • シリーズお馴染み主人公の代弁的な妖精キャラクター(本作では使い魔と呼ぶ)を、本作では容姿・性格の異なる3種類の中から選択する事ができ、また筋力、知力、魅力などの能力を成長させる事が出来る。使い魔は戦闘には参加しないものの成長させればゲームを有利に進める能力を習得する事が出来る。
  • フェイトシステム
    • 本作で追加されたキャラクターの運命を変えるシステムで、ストーリー上で死亡するキャラクターを条件を満たせば生存したままストーリーを進める事が出来る。
  • 難易度の上昇
    • 難易度が過去作と比べて高く、強力な魔法を使う相手には「魔法耐性アップ」で魔法のダメージを軽減する、敵が多い場合には「スリープ」で眠らせるなど、スキルを駆使しなければクリアが難しい難易度である。
    • 但し、スキルの使い方が分かってくれば問題なくクリアできるため、決して理不尽な難易度ではない。

評価点

  • 戦闘システム
    • 過去作の問題点がほぼ改善されており(と言っても『III』の時点でほとんど問題点は改善されていたが)、同時に戦闘のテンポも上がっている。また『V』以降戦闘システムが一新されたため本作の戦闘システムはIから続くシステムの最終型と言う事ができ、シリーズでも『VI』と並んで高い評価を受けている。
    • スキルの習得方法が変更され、本作では魔石を装備して技能ポイントを稼ぐ事により、魔石に秘められたスキルを習得する事が出来る。それにより育成の自由度が上がり戦略性も飛躍的に向上されている。また、前二作では魔石と技能習得は別々のため使わない魔石もあったが、本作では多くの魔石を使う機会が増えている。
      • その一方でスキルが揃ってくるとキャラクターの個性が薄くなるという批判もあるが、キャラクターの能力値はそれぞれ大きく異なり、キャラクターによっては一部習得不能なスキルもあり、武器の射程や待機時間も異なり、リミットという各キャラ専用の特殊技もあるなど決してキャラクターの個性が無いわけではない。
  • ストーリー
    • 成り行きから「マーキュレイ王国」に力を貸す事になった主人公クレヴァニール達が「ヴァルカニア王国」や「デュルクハイム国」などとの戦争に巻き込まれていく初代の様な王道戦記モノであり、良く纏っているため『I』ほどではないが好評である。
    • 特に序盤から中盤にかけての「マーキュレイvsヴァルカニア」「ヴァルカニアvsデュルクハイム」「デュエルハイムvsイグレジアス」の4国による三面戦争は圧巻である。
      • ヴァルカニア王国は歴代の「インペリアルナイツ」ポジションにあたる「ロイヤルガード」という1人で100を相手に出来る最強の騎士を所有しており、またイグレジアス王国も「死翼傭兵団」と言うその世界で悪名高い傭兵団を雇い入れているが、
        デュルクハイム国は、その二国を同時に相手にして「ルードヴィッヒ准将→少将→大統領」や「ルーミス・リヒトマン大尉→少佐→大佐」の奇策によりその戦局を打開していく描写は評価が高く、軍略の描写に関してはシリーズで最も優れていると言える。(正確にはこう…ネタバレなら称号は消すべき?)
      • 特に「ルードヴィッヒ」はその知謀とカリスマ性からシリーズ最高の悪役との呼び声が高い。
  • ストーリー上の重要キャラやパーティメンバーだけでなく、サブキャラにも個性的なキャラが多い。
    • Iではほぼ不可能だった複数キャラの同時攻略も可能であり、さらには攻略可能なサブキャラもいる。
  • マップの構成がIに近いものに戻されるなど、所々にIを意識した作風が見られ、Iファンでも安心して楽しめる内容となっている。
    • 闘技場やGLチップス等の寄り道要素も健在である。また、本作ではI以来久しぶりに休暇システムが復活し、より仲間たちに感情移入しやすくなっている。
  • 前二作はボリューム不足が指摘される事が多かったが、本作はIに匹敵するボリュームを誇る。
    • ちなみにIはCD-ROM2枚組、前二作はCD-ROM1枚、本作はDVD-ROM1枚である。
  • ロード時間が非常に短い。

問題点

  • 終盤のストーリーが駆け足気味で未回収の伏線も多い。
  • ルードヴィッヒが目立ちすぎる反面、本作のラスボスは影が薄い。重要キャラを殺害しインパクトがでかい半面、遊んでいる(と評価される)行動が多くプレイヤーに対処のすきを与えてしまったことが低評価につながった。
  • セーブポイントが少ない。シリーズ全体で抱えている問題だが、本作は難易度が高い分シリーズ他作品と比べて指摘される事も多い。
    • Iと同様のフィールドマップでありながらフィールド上でセーブ不可、テレポートがない(代替の移動手段はあるがテレポートより制限されている)ため、Iより不便である。
  • 協力魔法が空気。
    • 回復魔法とほんの一部の協力魔法を除き、効果範囲と射程が限られている。1人で使用する魔法は単体効果だが射程は無限であること、IやIIでは範囲魔法を1人で使用できたため、協力魔法の使い勝手が悪い。
    • パーティーの人数は4人だが、魔法で2人を取られるとあとの2人は攻め込むしかない(制圧場所が2か所以上だったり増援を食い止めたりするため)のだが、魔法の詠唱中は移動もできず防御力低下などのペナルティがある上に魔法の得意なキャラは防御力と体力が低いので護衛役がいないとすぐに死んでしまう。戦闘開始位置に敵の増援が来ることも珍しくないこともあり、術士も前衛と一緒に行動しないと危険な場面が非常に多い。
    • さらに、周回プレイ時に様々な要素を引き継ぐことができるが、協力魔法関係は一切引き継ぎができない。
  • レムスについて
    • 主人公の弟分である「レムス」のエンディングでの発言について批判が多い。
      • ただしPSP版では大幅に改善され 「綺麗なレムス」 とまで言われた。
+ エンディングについて(ネタバレ有り)
  • 最後の戦いの後、主人公が消滅し人々から主人公に関しての記憶が消える事になる。そして月日が流れ戦いの記憶が消えた仲間達は何のために戦っていたのか談笑していたのだが、主人公の弟分であるレムスが「きっと忘れてもいい事だったんですよ。」と発言。
    • 主人公と一緒に過ごした時間が一番長いだけに批判される事が多く、レムスはシリーズを代表する嫌われキャラの一人になっている。

総評

ストーリーこそ『I』に劣るものの決して悪くは無く、更に進化した戦闘システムは評価が高いため、シリーズでも『I』と並んで評価が高い作品である。
2011年8月18日、『グローランサーIV OVER RELOADED』と題したPSP版が発売された。シナリオ・キャラクターなどが大量に追加されており、リメイク版と言っても過言ではない内容となっている。