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星のカービィWii - (2012/02/23 (木) 10:12:12) の編集履歴(バックアップ)


星のカービィWii

【ほしのかーびぃうぃー】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
発売日 2011年10月27日
価格 5,800円
星のカービィシリーズリンク


概要

シリーズ20作目。据え置き機で展開される本編作品としては、2000年発売の『星のカービィ64』以来11年ぶりとなる。
携帯機では新作やリメイクなど比較的多くの作品を展開していた。またWiiでも『毛糸のカービィ』が2010年10月14日に発売されたが、こちらは外伝的な扱いである(タイトルに「星の」が付かない)。

発売までの経緯

  • かなり難産だった作品であり、長らくファンを待たせてきたのは有名。
    • 元々はゲームキューブ用ソフトとして2004年に発表され、2005年のE3にて数点のスクリーンショット、およびプロモーション映像が公開された。
      その時の映像がこちら。ちなみに、本編ではこの映像を知る人向けのファンサービスも存在する。
    • しかし一向に続報が入らず、発売予定カレンダーに名前のみが掲載され続けた。そして『スーパーペーパーマリオ』や『ドンキーコング たるジェットレース』と共に機種がWiiに変更される。
      だが、その後は情報らしい情報もなく、2010年7月に『毛糸のカービィ』と入れ替わる形で予定から削除される。このため、本作の企画は頓挫したと思われていた。
    • しかし、2011年1月の決算発表資料で復活。9月の「任天堂カンファレンス2011」で発売日と正式名称が発表され、同年10月27日にとうとう発売。実に7年越しの発売となった。
  • ちなみに本作が出来るまでに、実に3本の作品が生まれては消えていったという経緯もある。
    開発中止の理由は「我々の望んでいるクオリティを達成できなかったため」とのこと。

ストーリー

ある日のポップスターでカービィ達の前に謎の宇宙船が墜落しました。
カービィ達が宇宙船に入ると、そこには宇宙船の主、マホロアが倒れていました。
彼の話によると、墜落の際に宇宙船のパーツがポップスター中に
散らばってしまったらしいのです。
カービィ達は彼を助けるためにパーツを集める冒険に出発しました。

特徴

システム

基本的な部分は従来と同じ。SFCの『スーパーデラックス』(以下『SDX』)に最も近い。ただし過去作から引き継いだシステムは一部調整が入っている。

基本

  • Wiiリモコン横持ちで操作する。ヌンチャクなど周辺機器は使用しない。
  • 十字キーで移動、1ボタンですいこみやコピー能力による攻撃、2ボタンでジャンプ。その他、ダッシュやホバリングなど、シリーズ通しての基本操作を受け継いでいる。
    • ホバリングは前作『64』と異なり、滞空時間に制限は無い。
  • Aボタンでガードを展開し、敵の攻撃によるダメージを軽減できる。SDX以来久々に登場した。
    • ただしSDXのような鉄壁の防御ではなくなり、中ボス以上の敵には接触しただけで こちらに 削りダメージが入るようになった。このため、壁際に追い詰められたまま接触し続けると下手すれば削り殺されることもある。
  • 「がんばりすいこみ」が復活した。
    • ただし、『鏡の大迷宮』のそれとは少々仕様が違っており、すいこみ中にWiiリモコンを振ることで、広範囲かつ強力なすいこみが可能、となっている。
    • 複数の敵を同時にすいこめる他、この操作でしかすいこめない敵や仕掛けも登場する。
      • 後述するが、本作にはコピー能力を持ち込めないシーンが登場する。そしてこの操作でしかすいこめない仕掛けで道が塞いであることもあって、非常に重要なアクションとなっている。
  • 他にもWiiリモコンを振ることで操作する場面が多く出てくるが、「Wiiリモコンを振る」動作は「十字キーのレバガチャ入力」でも代用可能である。
  • 新たに「キャリーアイテム」が登場。その名の通り、カービィが持って使用するアイテムである。
    • このアイテムの使用時には移動方法が制限される(ホバリングなどが使えなくなる)上、コピー能力もごく一部の技を除いて使えなくなる。ただしその効果は非常に強力である。
    • 移動が制限されるので、それを念頭に置いた独特なコース設計がされている箇所があり、ミニゲーム的に使われる事もある。
    • マルチプレイ時には味方キャラにも判定があり、一部の攻撃が当たると跳ね返されるようになっている。ダメージはない。

多人数プレイ

  • 4人同時プレイが可能、2P~4Pはデデデ大王・ワドルディ・メタナイト、または色違いのカービィを操作することができる。
    • それぞれ特徴が異なり、デデデ大王はハンマー(本体の性能は少々異なる)、ワドルディはスピアの能力とほぼ同じ、メタナイトはソードとウィングの合の子の能力(+α)となっている。
    • また、多人数時は合体攻撃などの連携テクニックも使うことが出来る。
  • 最大の特徴は「いつでもイン/アウト」と呼ばれる人数変更システムである。
    • 『New スーパーマリオブラザーズWii』等とは異なり、Wiiリモコンの-ボタンを操作すれば参加・離脱がプレイ中いつでも自由。かなり快適である。

コピー能力

  • 新たに「スピア」「ウィップ」「リーフ」「ウォーター」が追加された。
    • アニメ版星のカービィに、視聴者応募のコピー能力として「ウォーター」があったが、別物である。
  • 既存の能力はある程度調整された他、一部は帽子のデザインが大きく変更されている。
    • 今回、コピー能力によりカービィの体色が変化する事はなく、すべて帽子により区別される。マルチプレイで色違いのカービィが登場することの影響と思われる。
  • コマンド入力によりさまざまな攻撃が可能。基本的にはSDXに準拠しているが、多くの能力に上下方向への攻撃法が追加されている(ストーンの上方向パンチ攻撃など)。
  • なお「スパーク」は中身がほとんど「プラズマ」になっている。

スーパー能力

  • 本作の大きな目玉要素である。光っている特殊な敵から奪える能力で、一定時間だけ強力な技が使えるようになる。
  • 威力・範囲ともに段違いの性能を誇り、一部の地形なども破壊可能。
    • また詳細は伏せるが、とある重要な局面では必ずお世話になる事となる。

収集要素

  • 「エナジースフィア」と呼ばれるアイテムを回収することで、宇宙船ローア内の部屋が開放されていく。
    • 基本的に回収は苦労しないが、例によってコピー能力を駆使しないと取れないものがある。
    • 集めた数に応じて、コピー能力を練習できるコピー部屋や、各種タイムアタック、およびミニゲームが解放される。

異空間ステージ

  • 一部のエナジースフィアは「異空間」という、いわゆる裏ステージにあたるエリアの奥に隠されており、スーパー能力で入り口を見つけなければならない。
    • エリア内では常に後方(あるいは上方)から壁が迫ってくる。そのため潰される前にどんどん先へ進む必要があるのだが、突入時に一切のコピー能力を持ち込むことができず、いかにすっぴん状態のカービィを使いこなせるかが攻略の鍵となる。
    • そして最深部ではエナジースフィアを守る中ボス「スフィアローパー」との戦いになる。道中でもボス戦でも1ミスすると異空間の外へ追い出されてしまうため、勝つまで油断できない。*1

BGM

  • 今まで通り、石川淳・安藤浩和の両氏が担当。いかにもカービィらしい軽快でポップな曲が多いが、一筋縄ではいかないバラエティ豊かな曲が揃っている。
    • 今回はほぼ全てのコースに個別の曲が割り当てられ、使い回しがほとんど存在しないという豪華な仕様となっている。収録曲数は100を優に超える*2
    • 終盤はとある理由で冒険の舞台が変わるのだが、それに合わせてコース内の音楽も明らかに雰囲気が異なり始める。なかなか芸が細かいだけでなく、プレイヤーへの印象付けにも一役買っている。
    • 基本的に新曲が殆どだが、過去作のBGMも多くがアレンジされて使用されている。中には結構大胆なアレンジがされていてよく聞かないとわかりにくいものもある。
  • 多くの曲にGC版『星のカービィ(仮称)』のPVで使用されていたメインテーマのフレーズのアレンジが含まれている。
    • また、原曲もまるまる使用されている。心憎い演出である。

ファンサービス

『あつめて!』には遠く及ばないが、本作でもファンがニヤリとできる部分が多数ある。

  • ステージの名前は夢の泉からの伝統に準拠。
    • 「クッキーカントリー (Cookie Country)」、「レーズンルインズ (Raisin Ruins)」…と、頭文字を揃えた2つの単語で命名されている。
    • そして、全ステージの頭文字をつなげると…? これも夢の泉からの伝統である。
  • 夢の泉にあったHAL部屋が復活。
    • しかし場所は元ネタ同様 ものすごく分かりづらく 、攻略本なしでは自力で見つけ出すことも困難。エンディングのスクリーンショットでHAL部屋の存在を初めて知ったプレイヤーも多かった。
  • ストーン能力のバリエーションに、『2』のリック・カイン・クー、SDXのマルク*3など、過去作のキャラクターが多数含まれている。
    • SDXで人気(?)だったマッチョ像も登場。ただし坂道でポーズが変わることはない。
  • コース設計にも旧作のそれを意識したオマージュが多い。特に終盤はこの傾向が顕著である。

その他の特徴

難易度

何気に油断できないやや高めの調整がされている。多人数プレイを前提に調整をした結果こうなったらしい。

  • ステージ
    • 難度上昇はゲームの進行に見合って平均的。
    • しかし、序盤から仕掛けられている倒壊オブジェクト、転がる巨大物体などといったトラップから受けるダメージがその辺のザコキャラよりもずっと大きく*4、なかなか気を抜いていられない。
    • 終盤にもなると圧死へ繋がるギミックの登場頻度が増え、緊張感が増す。
    • 中ボスは画面端まで突進する個体が増えており、ジャンプを使わなくても完封できるほど露骨な安全地帯が消滅している。
  • ボス
    • 恐らくカービィシリーズの中でも全体的にテクニシャン揃い。
    • 今回のボスは全て体力が半分を切ると一旦ひるみ、巨大化したりオーラを纏うなどの外見的変化を経てから攻撃が一層激しくなる。それまで見せなかった攻撃も多く繰り出してくる為、体力が減ったからといって安心してはいけない。
    • 一部の技には被ダメージを大きく軽減、あるいは無効化する効果が伴っており、従来のようなゴリ押しが通用しにくくなった。
    • また、回避方法や威力などは異なっているが、過去作のボス達に似た技を使ってくるボスキャラもいる。上記のファンサービスの一種とも言えるだろう。
  • ただし、あくまで「カービィにしては難しめ」というだけで、シリーズの原則通りゲーム初心者の単独プレイでも(少なくともノーマルモードは)十分クリア可能である。ボウルやあつめて!のように極端に難しいわけでもない。
    • 残機はデフォルトで7からスタートする上非常に増えやすいので、ゲームオーバーにはなりにくい。

難点

  • 謎解き用にコピー能力を強制される場面が多く、コンプリートを目指しながら進めると、好きなコピーを維持し続けるのが困難。
  • 収集要素であるエナジースフィアについて、コンプリートが簡単すぎるとの意見がある。
    • 同じく任天堂の『New スーパーマリオブラザーズ』シリーズや『ドンキーコング リターンズ』、従来の星のカービィシリーズと比較して、見た目で分かりやすい位置に配置されているため。
    • スーパー能力→異空間→スフィアローバーという流れが何度も繰り返されるため、単調に感じるプレイヤーもいる。
      • ただ、異空間はステージごとに内容が大きく異なっておりこれ自体はさほどマンネリになっていない。
  • スーパー能力発動時に一瞬ゲーム内の時間が止まるため、テンポを削がれるとして嫌がるプレイヤーも少なくない。
    • 一応、1発目の攻撃の演出はそのステージに限り2発目以降で省略される。
  • クリア後について
  • #region(ネタバレ注意)
    • エクストラモードの内容が(ボスキャラ以外)メインモードと比較して変化に乏しい。
      • コース中の目立った変更点といえば雑魚キャラのサイズ変動*5、一部エリアにおける雑魚キャラの増加、異空間の壁のスピードアップぐらい。
      • エナジースフィアも配置ポイントはメインモードと全く変わっておらず、既に解法を知っているプレイヤーにしてみれば作業感が強い。
      • 無印カービィ、コロコロカービィのエクストラモードのように雑魚やギミックが強化されているといったことが殆ど無いのも拍車をかけている。
    • 同様に、ストーリー間のムービーも一部を除いてメインモードと同一。
      • 『ウルトラスーパーデラックス』のOPでたまに流れるレアムービー*6のような遊び心が欲しかったという声もある。
  • #endregion
  • キー配置の関係でガードが使いにくい。
    • そのため存在すら忘れてしまうプレイヤーもチラホラ。
  • 複数プレイでないとこのゲームの魅力を100%楽しむことができない。
    • デデデ大王・ワドルディ・メタナイトは複数プレイでのみ使用可能であり、単独プレイでは(クリア後の追加要素を除いて)使用不可能である。
    • このためWi-Fiに対応させて欲しかったという意見が多い。
  • コース数が少なく、もう少しボリュームが欲しいとの意見もある。
    • その分1つのコースがやや長めに作られているが、単に数で比較すると、FCの夢の泉より少ない。

総評

発売までに実に長い時間(最初の発表から約7年)を要した本作は、シリーズ過去作の要素や新要素を多数取り入れつつも、「簡単だが骨太」という、期待を裏切らない実に星のカービィらしいアクションゲームに仕上がっている。
20作目という節目も合わせて、まさに「星のカービィ」の総決算と呼ぶにふさわしく、スタッフにとってもファンにとっても感慨深い一本となった。

余談

  • とあるボスについて
    • 体力減少後の変化がどう見ても某戦闘民族を彷彿とさせたり、一部の技も明らかに元ネタをガッツリ意識していたりと、カービィシリーズのボスキャラでは珍しく確信犯的なパロディーが盛り込まれており一部で話題になった。