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どうぶつの森e+ - (2012/11/10 (土) 13:41:05) の編集履歴(バックアップ)


どうぶつの森e+

【どうぶつのもりいーぷらす】

ジャンル コミュニケーションゲーム
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売・開発元 任天堂
発売日 2003年6月27日
定価 6,800円(税別)
どうぶつの森シリーズリンク

概要

『どうぶつの森』シリーズの第3作目。前作『どうぶつの森+』の海外版をベースにイベントやアイテムなどの様々な要素に追加・変更が行われている。
前作『どうぶつの森+』は日本のイベントが中心であったが、本作は海外のイベントを中心とした構成となっている。
ソフト単品版は無く、「カードeリーダー+」が同梱されているセット品だけの販売。数枚の対応カードも付属する。
GBA&カードeリーダー+との連動機能がウリの1つである本作だが、機能を使うためには別途「GBAケーブル」が必要。(もちろんGBA実機1台も必要)
Wiiなどの『バーチャルコンソール』商品の展開の関係上、シリーズ中で最後の「ファミコンがゲーム中で遊べる作品」となった。
後の作品がWi-Fi通信に対応する内容となる傾向にあるため、シリーズ中で最後のオフラインプレイ中心の作品となる。
このシリーズの記述がまだ少ないため、項目によってはゲームの基本的な内容についても触れていくことも多少あるかと思う。


特徴

  • 『どうぶつの森』シリーズをとおしての話になるが、本体の時計機能に連動しているため季節や時間帯などが現実の時間に応じて変わり、
    1年通してゆっくりと遊ぶのがこのゲームの本来のコンセプトである。ただし、本体時計とは別扱いになるゲーム内の時計部分を調整することで、
    アイテム収集によるインテリアコーディネイトゲームとしてのやり込みゲームの側面も持つ。それでは内容のほうに話を移すとする。
    • 村の時間はゲーム中に設定した時間を本体時計の動きと計算して算出する仕組みになっており、
      つまり、複数のメモリーカードを使用する事により、時間の違う村を作る事も可能となっている。
      村の時間は変更可能だが、むやみに変更すると村が雑草で埋め尽くされる、「カブ」というアイテムが腐ってしまうなどの弊害もある。
  • 前作までは村内の固定キャラクターの服装などは日本向けの表現であった。本作は海外版をベースにしているため、服装が洋風になっていたり、
    施設の看板などの文字も英語表記されている点など、細かな変更点が見受けられる。
  • 前作同様にGBAとの連動機能が搭載されている。それにカードeリーダー+を併用することにより様々な要素が追加される。(下記に記述)
  • アイテムには「道具」「家具」「虫・魚」など様々なものがあり、店で購入したり、道具を使って入手したり、村の住民とコミュニケーションしたり、
    イベントをこなすなど、様々な入手方法がある。もちろん入手困難なものも多数存在し、徐々にコレクションが増えていく充実感が魅力的である。
  • 部屋の内装は「ハッピールームアカデミー」という組織に評価され、その評価が手紙で自宅に郵送される。
    • N64版では、特定のシリーズだけを集めたり、単体で評価の高い家具を集めないと倉庫呼ばわりされていたが、
      シリーズを重ねるごとに評価の基準も改善され、より安心して自由な部屋作りを楽しめるようになっていった。
  • 基本的には1人だけで遊ぶ本作だが、複数のメモリーカードや別売のSDカードアダプタ(『e+』のみ対応)を使用してお互いの村にお出かけすることが出来る要素がある。
    • 複数のメモリーカードを使ってお出かけする際は、両方のメモリースロットに村データの入ったカードを挿せば良い。
    • GC専用SDカードアダプタは本作のセーブデータをSDカードに保存できる商品。残念ながら現在は販売が終了している。
    • アダプタを使って保存したデータをメールなどでやりとりすることにより、離れた相手とも交流を行うことが出来た。
    • お出かけする際には事前に強制セーブがかかるため、お出かけ手続き後にちゃんと帰村手続きをしないとペナルティがある。
    • ちなみにSDカードアダプタを接続している際にZボタンを押すと、JPEG形式で画面写真が撮影できる。
  • 1枚のメモリーカードに1つだけ村を作成でき、村にはプレイヤーキャラクターを4人まで作成可能。もちろんアイテムカタログなどは別扱いである。
    • 最初から始める際に前作のデータが入ったメモリーカードを使って、本作に自分のプレイヤーデータとアイテムカタログ、捕まえた虫・魚の記録を引き継ぐことが出来る。
  • 任天堂の公式ホームページとの連動企画がある。ここだけでしか入手できない要素があるのでプレイするなら要チェック。
  • このシリーズでは基本的にはセーブせずに終了する事は禁止。つまり都合の悪いことをリセットしてしまおうという考えは御法度である。
    • 実際にセーブせずにリセットしたり電源を切ると、次に遊ぶ際に「リセットさん」というキャラクターが登場し、
      事故で電源が切れようがお構いなしに、リセット行為に対して説教をされる。
      説教自体にも面白みがあり、 ゲームとはいえ都合の悪い出来事も認める大切さを教えてくれる 事もあり、かなりインパクトが高く好評なキャラクターでもある。

評価点

  • シリーズとおしての話になるが、季節や時間帯によって村の装いやBGMが変化し、プレイヤーが村に住んでいるという空気が感じられる。
  • 収集できるアイテムの種類が非常に多く、集めるというコレクション要素だけであってもボリュームがあり、ある種の楽しさがある。
  • 集めたアイテムを利用して、自宅内を自由にカスタマイズ可能。一部のイベントのアイテムはそのまま無断で拝借して飾ることも可能。(ナイフとフォーク等)
  • アイテムの中には「虫」・「魚」があり、ぼーっと釣りを楽しんだり、虫に夢中な子供のように追い掛け回したりと、「スローライフ」を楽しめる。
  • 村にはプレイヤー以外のキャラクターがおり、外見などは特に個性的。固定キャラクター以外は交流を深めることでいろいろな要素がある。
    • 会話の内容も膨大であり、独創的な会話や小ネタなどを楽しむ事ができる。
    • 仲が良くなると、話し方に変化が生じたり、それによって印象が変化したりする。また、仲が良くなることで初めて貰える珍しいアイテムもあったりする。
    • プレイヤーが送った「手紙」は大事に保存しており、他のプレイヤーに見せたりするので変なことは書いてはいけないが。
  • 特定イベントにちなんで固定キャラクターの数も多く、また非常に個性的。
    • このシリーズの看板ともいえる固定キャラクター「とたけけ」の存在がユニークで印象深い。
      • 毎週土曜日の20:00に出現するが、このときに彼が聴かせてくれるのは生声フルVer.でスタッフロール兼用。なんとも言えない「」がある。
      • 演奏を聴くと、アイテムとして音楽データを貰えるのだが音楽自体の出来はかなり良く、自宅内のオーディオアイテムで再生できたりする。
  • ゲームをある程度進めると、前作ではGBAが必須だった「プライベートアイランド」が購入できるようになった。
    • 常夏なので資金稼ぎにも使え、ここでしか入手できないアイテムやここでしか会えない住民などがいる。
    • 自分以外でも島に入れるように設定しておくと、村内のほかのプレイヤーキャラやお出かけしてきたキャラなども行くことが可能になる。
    • 島に移動する際にカッペイに舟歌を聴かせて貰える。歌は数パターンあり、妙な味があって良いのだが、スキップ不可な点だけが残念。
  • 前作とイベント内容に変更がある部分も多いが、イベント数自体は多く、季節にちなんだものも多いため、村の季節感を醸し出すのに一役買っている。
  • 前作に引き続き、予め用意された数種類の色パレットから作るドット絵である「マイデザイン」としてオリジナルの服や看板などが作成できる。
  • 公式ホームページで指定の手続きをすると、比較的容易に限定アイテムが手に入る。
  • ゲームをある程度進めるとファミコン家具が入手できる。前作、前々作にもあったが、本作はNES(海外でのファミコン)仕様になっている。
    • 自宅の部屋に設置して調べると、その家具の名前のタイトルのファミコンソフトが実際に遊べてしまうという代物。
    • 全体的に入手困難なものが多いのだが、その種類は10種類を超える*1。知らずに入手したプレイヤーにとっては嬉しいご褒美であるだろう。
    • さすがにこれだけを目当てに本作をプレイするのは本末転倒だが、ゲームを進めると自然にファミコンが遊べるようになるのは評価されるべき点である。

難点

  • 一部のアイテムの入手が困難。
    • 埴輪・化石などの完全に出現ランダムのアイテムも存在する。(埴輪はあまりにも数が多すぎるので完全制覇しようとする猛者は皆無に等しいと思うが・・)
    • 家具アイテムにはテーマやシリーズと言った「セット」があるものが存在するが、どのテーマやシリーズにも入手しづらいものが必ず1つ存在する。
      • その中には店やイベントの景品だったり、目玉商品だったり、ランダムで現れる店限定の品であったりと一筋縄ではいかない。
    • 季節限定イベントなどのものは、全部入手できるまでゲーム内時計を弄ってでも延々と作業を繰り返す必要があるものも。
    • とあるイベントでは大事なアイテムが問答無用で特殊なアイテムに変化させられることもあるため、知らないとリセットする羽目に(当然リセットすると続きからプレイする際、リセットさんが出現するペナルティもある)。
      • 他にもどうぶつとの通常会話でもごく稀にそれをが欲しいと言われ問答無用でアイテムを交換させられたりするので注意が必要。
    • また、一部のイベントに参加して充分にアイテムを入手するためには事前にアイテムをある程度用意しておく必要がある。
    • それらを含めて「やり込み要素」とも言えるのだが、プレイする時間のあまりないプレイヤーにとっては苦痛に感じるかもしれない。
    • 季節の移り変わりを楽しむゲームでもあるので、は収集可能な季節・時間帯が限定されているものも多く、時期を逃すと大変。
      • 一部の虫はその性質ゆえに捕獲する作業自体が大変なものもあり、アクションが苦手なプレイヤーだと苦労するものもある。
      • 虫・魚は収納・手紙添付不可。保存したい場合、部屋に置くか自宅前の埴輪に預けるしかない。また、種類によっては虫・魚はサイズが大きいものも。
    • 道具の上位互換版である「金の道具シリーズ」が条件を満たさない限り入手不可。(当然といえば当然だが・・)
    • 前述のファミコン(NES)で現在では通常の手段で入手不可能なものが存在する。
      • 具体的には「どうぶつの森 写真くらぶ」入会時の特典だった『ドンキーコング3』、元々不明の『パンチアウト』の2個。前作の+はあいことばの解析によりそれを用いて入手可能だったが、こちらは現在も情報がないため入手不可能である。非売品であいことば化も無理なため所有している人からおでかけデータなどで貰うなどでしか入手できない。なお+で入手して引っ越していればカタログに載せることは可能。
  • たぬきちの店舗で購入に関する取り扱いが出来ない「非売品」の数が多いわりに自宅に収納できるアイテムの数が少なすぎる。
    • ゲームを進めると地下室を利用できるが、それでも収納スペースとしては焼け石に水程度。上記のとおり、虫・魚の保存は困難。
    • 家具の中にはアイテムを収納できるものもあるが、家具1つにつき3つまである。非売品の服だけでもかなりの数なので足りなさすぎる。
      • 自分宛にアイテムを添付して手紙を出し、郵便局で保存すればある程度改善できるが、保存データとしてメモリー領域を別途確保する必要がある。
      • 後の作品では収納家具から呼び出せる自宅専用の収納スペースが設置され、ある程度は改善されているが、手紙添付不可なものは無理。
  • N64版、『+』までは和風の雰囲気がただようものがあったが、『e+』では海外版ベースとなり、村の中心地のような存在でもあった「お社」が「願いの泉」となる、ファミコンの見た目がNES(海外版のファミコン)になる、看板の文字が英語になるなど、海外版仕様に違和感を感じる人もいた。ただし、家具自体は和風モノも健在である。

GBA&カードe連動関連事項

  • GBA、カードe(カードe+)との連動機能がウリのひとつであるため、これらを利用しないと入手できないアイテムも多数存在する。
    • 郵便局で指定の手続きをすると、アイテムが手紙で送られてくるサービスもある。(これは通常入手できるアイテムのことが多いが)
    • 持っている住民カードをスキャンするとそのキャラクターが村に強制的に引っ越してくる。村からいなくなったら何度でも召喚可能。
    • 前作のカードもスキャンして使用することが出来る。主にプライベートアイランド関連だが。
    • 特定カードをスキャンすると村テーマメロディが変化し、たぬきちなどから「とたけけ」の曲の限定版が入手できる。
      • 該当曲が村メロディの状態のときに土曜日の晩にリクエストするとその曲の通常版が貰える。カードが無くても村メロディが合っていれば貰える模様。
    • マイデザインのツールをGBAにダウンロードしてプレイすることも可能。その際のマイデザイン作成料金は無料となる。
    • GBA連動イベント限定のアイテムがあるのだが、GBA上でダウンロードしたミニゲームをプレイする必要がある。
      • しかしミニゲーム自体は単調で、単なる作業になりやすい。また、貰える景品もよくダブるため、全部揃えるには根気が必要。
      • GBAにダウンロードして持ち出すことも可能。GBAでスリープをする際はセレクトボタン*2、解除する際はLボタンとセレクトボタンを押せば良い。
    • 前作のカードeに書かれている「あいことば」を手紙に書いて郵便局に送らないと入手出来ない家具もある。
  • 前作『+』においてもカードが発売されたが、この当時に出ていた『カードeリーダー』(初期型)は、GBAケーブルで直接接続する事はできず、eコードを読み取ると「あいことば」が表示されたり、村メロ、その他アプリなどが起動するという仕組みだった。
    • 本作において『カードeリーダー+』に対応し、直接接続可能になったのだが、前作の頃に発売されていたカードも、『e+』対応の物とほぼ同様に使用可能だった。

余談

  • N64版ではカセットのみと、コントローラパック同梱版が発売され、同梱版のコントローラパックには、宮本茂氏のメッセージ入り手紙データが入っていた。
    GC版『+』においてはメモリーカード59が標準同梱され、その中には前社長である山内溥氏の手紙が入っていた。
  • N64版のカセットには、時計機能とセーブ用にはフラッシュメモリが採用されていた*3
    遠い未来でも起動して村を覗いてくれる人もいるであろうという、スタッフの想いもある。
  • 『e+』版カードにおいて、雑誌「ニンテンドードリーム」からは、「ニンドリ」という住民キャラクター、
    「ファミ通キューブ+アドバンス」からは、みずしな孝之氏がデザインした「シナビル」という住民キャラクターが付録カードになり、実際に村に呼ぶ事も可能だった。

総評

N64版をベースとして開発されてきた据え置き機のシリーズとしては集大成ともいえる出来栄え。
一部入手困難なアイテムがあるのは、難点というよりはやり込み要素。軽くスローライフを楽しむだけなら全く問題ない内容である。
目立ったマイナスになるようなバグなども無く、オフラインプレイ中心の作品としては完成度が高い作品と言える。
本作より後の作品はWi-Fi通信に対応するため、いろいろとそちらに力を注ぎがちであるため、今後はこのような安定感は出にくい傾向がある。
しかしそのかわりに、他のプレイヤーとのコミュニケーション面が豊富になり、より良いゲームに発展していく可能性があることは良いことである。
このシリーズは時間をかけて徐々に発展していく作品とも言える。今後も期待して長い目で見守っていくのはどうだろうか?