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ソウルキャリバーII - (2012/03/01 (木) 23:28:57) の編集履歴(バックアップ)


ソウルキャリバーII

【そうるきゃりばー つー】

ジャンル 対戦格闘


対応機種 アーケード
プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
Xbox
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 2002年
家庭用 2003年3月27日発売/7,140円
ソウルシリーズリンク

概要

ソウルキャリバー』の続編。アーケード版は「Ver.D」*1へのバランス調整を主にしたバージョンアップが行われている。
家庭用版はPS2、GC、Xboxとマルチプラットフォームで発売されている。こちらも追加要素に加えてアーケード版からバランス調整が行われているため、実質「Ver.E」と言える。

前作からの追加点

  • キャラはデフォルト13人+タイムリリース3人の16人(うち一人はいわゆる木人キャラ)。家庭用ではさらに追加されている(後述)。
    • 完全新キャラとしてレイピア使いのラファエル、叉刃拐*2使いのタリムの二人が追加。
    • また、前作に登場したソフィーティアの代理キャラとしてソフィーティアの妹のカサンドラ、同じく前作までのキャラであるファン・ソンギョンの設定や方向性を受け継いだ後継キャラのユンスンの二名も追加されている。前作ではDC版のみの登場だったセルバンテスも本作でタイムリリースキャラとして登場。
      • アーケード版ではコンパチキャラの排除が行われており、前作にタイムリリースで多数登場したコンパチキャラは本作では吉光のみ登場。その吉光も元キャラの御剣からさらに差別化されている。
  • 目立った新しい概念は導入されていないが、様々な箇所にシステムの改良や追加などが行われている。
    • 中でもアピールされていたのが「横斬りはRUNに勝ち、RUNは縦斬りに勝ち、縦斬りは横斬りに勝つ」という3すくみの概念。
    • 端に壁のあるステージなど、各ステージ形状が個性的になり、より8Way-RUNによる位置取りが重要になった。ただし、前作までとは違いキャラ別にステージ・BGMは用意されなくなっている。
  • アーケードゲームとしては豊富なゲームモードを有していたのも特徴。
    • 通常のアーケードモードだけでなく、3種類の難易度のタイムアタック、サバイバルやトレーニングモード、本作独自のコンクエストなどから選べる。乱入された場合は対戦が優先される。
    • コンクエストは基板にデータを保存して継続プレイができるモード。4種類ある陣営のうち一つに所属し、別の陣営に侵攻して属するCPUキャラと対戦することで戦果を上げつつ、自分のCPUキャラを育てていくというもの。
      • しかし上記のように、このコンクエストの最中にも乱入する事が出来る。その際の対戦プレイで敗れた場合、そのクレジットで育てた分の育成結果が全て無効とされてしまう為、それが原因でプレイヤー同士でトラブルになるケースも見受けられた。
      • 一部のゲーセンでは「コンクエストとトレーニングの最中は乱入禁止」という独自のルールを設けていた所も。

評価点

  • さらに軽快になった8Way-RUNの操作性。
    • RUNの速度や回避性能が強化された他にも、本作ではモーションブレンドという技術により「構えながら横に走る」「走りながらソウルチャージ」といったアクションが可能になり、よりRUNを攻撃に組み込みやすくなった。
    • キャラの技や連携のパターンは前作から増えており、本作が一番動かしていて面白いと評するプレイヤーも少なくない。
  • グラフィックやBGMなどの演出面は正統に進化。キャラのボイスパターンも格段に増加している。
    • ただし、キャラクターについては全体的な方向としてアニメっぽさのあった前作からよりリアル志向のグラフィックになっている点には否定意見も。
  • 家庭用版の大幅な追加要素。
    • 本作一作限りで登場するゲストキャラ。後にシリーズ恒例となっていく。
      • PS2版:『鉄拳』の三島平八。鉄拳そのままの三島流喧嘩空手で戦う。武器格闘の世界において、一切の武器を用いない異色のキャラ。
      • GC版:『ゼルダの伝説』のリンク(時のオカリナ 大人時代)。特定のステージで戦うとBGMがゼルダの伝説のメインテーマになる、勝利時のファンファーレが原作においてアイテムを獲得した際のBGMになるというおまけ付き。なお当時、3ハードでの普及率が最下位だったGCであったが3機種の中でGC版が最も売れたことから北米でのリンクの人気が覗える。
      • Xb版:人気アメコミキャラ・スポーン。マントを変化させた斧を振るって戦う。
      • 各機種共通:スポーンの原作者であるトッド・マクファーレン氏のデザインによるオリジナルキャラ・ネクリッド。既存キャラの技を少しずつ貰ったような動きが特徴。
      • 他にも、アーケード版で削除された前作の登場キャラであるソフィーティアとソン・ミナが追加されている。性能はほぼ前作そのまま。
    • 前作のミッションバトルを発展させた「ウェポンマスターモード」。ゲームを進めていくと手に入るゴールドで前作では各種アートワークを購入できたが、本作ではキャラの持つ武器を買って、前々作『ソウルエッジ』のように持ち替えることが可能。
    • この他にもステージやキャラの3Pコスチュームの追加などが行われている。
    • Xb版のみHD画質やドルビーサラウンド5.1chに対応しており、他のハードより高い画質・音質で楽しめる。

問題点

  • 新システムの3すくみは実はあまり機能していない。
    • 3すくみの「縦斬りは横斬りに勝つ」は、横斬りと縦斬りがぶつかると横斬りが無力化され縦斬りが一方的に当たるというシステムになっているが、これが発生するのは同じフレームで攻撃が発生した時のみであり、狙って起こすのはかなり困難。発生が早いほうが勝つという格ゲーの大原則は崩していないため、中途半端なものになっている。
    • この問題によるゲーム性への影響は少ないが、この問題もあってかIII以降の続編ではこの3すくみは削除されている。ただし、イメージとして分かりやすいシステムだったため、このような3すくみが現在もあると思っているプレイヤーは少なくない。
    • また、本作ではRUNの性能が強化されより立ち回りの中軸となったことで、3すくみシステムもあり縦斬りが当たりにくい。この辺りのバランスは『III』以降ではRUNの性能を低下させる方向での調整が行われるなど迷走していた。
  • 前作にあった裏設定の緻密さがなくなり、雰囲気が薄れてしまったという意見も見られる。
  • 家庭用版の問題点。
    • ウェポンマスターモード内の「ダンジョン」という連戦ステージ。一戦するごとにいちいち勝利ポーズやマップ画面、ロード時間などが入るためテンポが悪い。
    • ウェポンマスターモードのみのCPU専用として登場するアサシン、バーサーカー、リザードマンというキャラの存在。
      • それぞれ前作に登場していたファン・ソンギョン、ロック、リザードマンの性能を持ったキャラであり、ウェポンマスターモードの一部のミッションでしかプレイヤーが使う事ができない。もし普通に使えたならば前作のキャラがほぼ全員使えていたことになるのが惜しい。なお海外版では使用可能。
    • 難易度を上げるとやたら的確にガードインパクトを成功させる超反応系のCPU。
      • 但し、余りの超反応でしてくる為、ずらし追加入力すると別の攻撃に移行する技に対しては空振りを簡単に起こさせることが出来る。そのため、高難易度ではいかに空振りさせたその隙を突けるかが鍵となる。

総評

前作から大部分を受け継ぎつつも順当な進化を遂げており、続編としての出来はとても良い。
直感性の良さに基づく間口の広さと奥の深さは健在。一人プレイのボリューム増加もあり、多くのプレイヤーが楽しめる作品と言えるだろう。