「星のカービィ3」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
星のカービィ3 - (2012/02/23 (木) 21:28:43) の編集履歴(バックアップ)
星のカービィ3
【ほしのかーびぃ すりー】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
発売元
|
任天堂
|
開発元
|
ハル研究所
|
発売日
|
1998年3月27日
|
定価
|
4,800円
|
配信
|
バーチャルコンソール:2009年4月28日より配信/800Wiiポイント
|
星のカービィシリーズリンク
|
概要
所謂ナンバリングシリーズタイトル。3と銘打たれているが3作目ではない。
SFCへのデビューに伴って革新的な変化を目指した『スーパーデラックス(SDX)』と違い、本作はあくまでGB版から続く原点を重視・継承した「カービィらしさ」を前面に打ち出し、ほんわかとした印象の作品である。
特徴
-
本作は前作『SDX』に比べて比較的ゆったりした挙動になり、シリーズの原点である『1』や『夢の泉の物語』等に近いものに回帰。困っている人を助けることで貰える「ハートスター」を全て集める事で開ける真エンドなど、システムの根幹は『2』を踏襲しており、ゲーム性も順当な進化を果たしている。
-
2にあった仲間システムが強化。6匹の仲間と合体することで48種類に及ぶ技が使える。
-
ステージによってコピーの向き不向きがあるため、どのコピーにどの仲間を組み合わせると良いのかを考えるのもまた面白みがある。
-
このことを逆用すれば容易に縛りプレイができるため上級者はストイックに遊んで大きな達成感を得ることが出来る。
-
謎解き要素があり、ステージによって決められた特定のことをするとハートスターが貰える。
-
ハートスターはラスボスのところへ向かうために必要である。
-
ステージによってはどのコピーを使えばいいのか考えねばならず、システムが練られている。
-
水彩画のような柔らかいタッチの色使いと幻想的なグラフィック。細部まで作りこまれており評価は高い。全体の世界観も草原・海・砂漠・山脈・氷河…と、殆どが「自然によって生み出された美しい光景のある土地」を舞台としており、機械的な油臭さも感じられずのどかで牧歌的な印象を受ける。
-
ちなみに前作のSDXはキャラクターの輪郭がハッキリと描かれており、背景などのグラフィックも3DCGを使ったものが多かった。
-
SDX(スーパーデラックス)と同様、2人同時プレイも可能で、前作のヘルパーに該当する新キャラ、グーイが登場。カービィと同じコピー能力が使えるという点では、ある意味究極のヘルパーかもしれない。
-
バイタリティ(体力)の最大値が10になった。ただしグーイを呼び出している間は、最大値が一時的に8になる。
-
食べると回復又は毒でダメージを受ける、ゲーム中で一回しか出てこない、隠しルートを教えてくれる、ただの背景、正体不明など独自のギミックとして働いている雑魚敵が登場。
-
特にカービィそっくりの謎の敵「バタモン」は話題になった。本編ではあるステージの隠し部屋でしか触れることができない。
-
他の任天堂作品のキャラクターが多数ゲスト出演している。『新・鬼ヶ島』からどんべ&ひかり、『メトロイド』からサムス・アランやメトロイドといった具合。
-
本作では仲間が『2』にもいたリック、カイン、クーだけでなく新たにナゴ、チュチュ、ピッチの3匹が加わり、合計6匹の仲間と合体できるようになった。同じコピーでも仲間を変えることでバリエーション豊かな攻撃が出来る。
-
リックは陸上、クーは空中、カインは水中での動きが速いという点は「2」から変わっていない。
-
ナゴとの合体で3段ジャンプや踏みつけ攻撃、チュチュで天井を伝っての移動ができるようになる。
-
ピッチは体が小さく他の仲間と合体しているときはくぐれない場所もくぐれるほか、クーほど速くはないが羽ばたいて空を飛べる。
-
OPやED、各種本編中のムービーの視聴やサウンドテストなどもばっちり搭載。
-
絵本のように暖かみ、癒しの雰囲気が強くある作品である。
-
…のだが、不気味さもある。特に最終ボスはどうみても目玉で血も出てくる。怖い。
短所
-
ほぼ押し付けられる形でプレイしなければならないミニゲーム群。「あと1問…あと1問…」という肝心の所で痛恨のミスを犯してしまうと辛いものがある。ただし、抜け道はある(後述)。
-
水中などで若干操作性に難があり、ホバリングも比較的遅い。おそらくクーとカインとの兼ね合いの関係と思われる。
-
ボス戦になるとポーズ不能になる。全ボスと連戦する隠しモードでも当然ポーズ不可。
-
恐らくポーズ連打で敵の攻撃を見切らせないようにする事とマップへ戻らせない為と思われるが、トイレに行きたくても休憩できないなど不親切な感が大きい。そもそもポーズを連打してまでプレイする人が居るのかという疑問も…。
-
本作は台詞のテキストが一切表示されない為、ステージ中の僅かなヒント、あるいはステージセレクト時に登場するキャラの絵一枚を頼りに(それでも時にはノーヒントで)ハートスターを入手する条件を探さなければならない。場合によっては一度失敗するとステージを出るまでもう取り返しのつかないシチュエーションもあり、本作の難易度を引き上げる要因となっている。
+
|
例。ネタバレ注意。
|
-
1-2
-
「なでろ」という条件がノーヒントで、万が一それが分かっても「なで方」もまた分かりにくいため、人によってはここが最後まで残る事も。
-
5-5
-
「ナゴを連れてゴールを目指せ」というものだが、実際はステージ中にナゴが出てこないため、いつ出てくるのかと先を進んでいたらゴールしていた…なんて事も。
-
特に本作はステージ数が少ない分だけ1ステージが平均的に長く、濃いものになっているため、ハートスターを手に入れ損ねたり、ミニゲームに失敗すると結構な手間を費やさねばならなくなる。
|
難易度に関して
-
今作はカービィシリーズにしてはかなり難易度が高め。特に一部のミニゲームの難しさが有名。
-
ゲーム後半の「指定された顔(色)のゴルドーがいくつあったか数えよ」「5つの音の中から指定された音を探せ」といった瞬間記憶系のミニゲームは多くのプレイヤーを嫌というほど苦しめた。しかも完全クリアには必須である上、一度でもしくじるとステージを出るまでやり直しが効かないという鬼畜仕様。
-
2人同時プレイではどちらか片方のプレイヤーが正解すればクリアになるが、全ミニゲームを通してプレイする隠しゲーム「MG5」では2人プレイができないためさらに難易度アップ。ただしこちらは本編よりはやり直しやすい。一応、制限時間はないため、最終手段としてビデオに撮ってしまうという方法もあるが……そこまでするのもどうか。
-
他に、完全クリア最後の鬼門である「ジャンピング」なるミニゲームも存在する。本編のステージクリア後に挑戦するゴールゲームをひたすらやり続けるというもので、一度でもミスした時点で終了のため気が抜けない。達成率の為には十回クリアでOKだが、セーフゾーンが10個中1個というシビアな条件を2,3回、しかもノーミスで(1回でも失敗したら終了)超える必要があり、なかなか難しい。
-
こうした事から、本作はカービィシリーズ中でボウルの次に完全クリアが困難と言われている。
-
ステージ自体も他のカービィと比べて難易度は高めに設定されており、特にピラミッドステージや雪崩ステージなどはその異様な雰囲気と初見殺しの多さ、前情報無しではきつい謎解きなどで印象深い。とはいえ、こちらは理不尽な難しさではなく、序盤は比較的易しい難易度のステージが続くが難易度の上昇は緩やかなので決してバランスが悪いわけではない。
-
仲間と一緒だと急激に難易度がアップといったギミックも仕込まれている。
-
他に難易度が上がった要因としては、カービィのライフが増えた事(6→10)、協力プレイなどが挙げられる。
-
ラスボスも例外なく強力。撃ち出す弾のスピードが速いことに加え、巨体を活かした突進の安定しない軌道も相まって不慣れなプレイヤーを苦しめる。更にはラスボスは3連戦ということもあり(厳密に言うと前のボス第2形態から続けて始まるため実質5連戦)、本編でも「ぼすぶっち」でも屈指の難関となっている。
システムの変更点
-
基本コピー能力が8つと少なめ。これは仲間との組み合わせによって48種類になる。
-
旧作と違い、カービィが炎攻撃を喰らっても燃えてダメージをうける演出や、氷攻撃を喰らっても凍りつく演出などが無くなった。
その他
-
真エンドを迎えた後に出現する隠しゲーム「ぼすぶっち」は本編の全ボスと回復なしで戦い抜くという高難度のバトルが楽しめる。
-
ただし、MG5と同様、本編とは背景などのグラフィックが異なっており、特にラスボス戦の背景は「下地が真っ黄色」「赤と青の楕円状の雲が飛び交う」という、カービィよりもプレイヤーの目に厳しいものに、さらにボスの放つ通常弾も「赤い楕円」という迷彩弾のため、「真のラスボスは背景」などと揶揄されたりもする(VC版では改善済み)。
総評
原点に忠実なゲーム性を鑑みた本作だったが、既にSFC終期の作品であった事、CMでの広告活動が一切行われなかった事など様々な不運が重なり、売上本数は35万程度に留まった。
前作SDXはSFCへのデビューにおいて従来の方向性を転換した事で大勢のファンを獲得したが、それゆえに回帰を目指した本作は各々のファンを二分し、評価を大きく分ける結果となったのである。
しかし、作品単体としての出来は非常に良く、類稀な完成度を誇るアクションゲームである事に変わりは無い。追加された新たな仲間と一緒に優しいグラフィックで描かれるカービィ・ワールドを楽しめる一品である。
余談
-
本作のザコキャラクターが久々に登場した『タッチ!カービィ』を皮切りに、リックら仲間達も何らかの形でゲスト出演するようになった。時には一筆書きのお題、時にはストーンの変身バリエーションであったりと様々である。
-
本作のラスボスはその純粋な強さに加え、外見・演出においても多くのプレイヤー達に鮮烈な印象を与えた。
-
仕込まれたネタ。
-
仲間の一人カインが既婚者であったことが本作で判明する。
-
ちなみに、何故かクーのみステージ内でパートナーといえるキャラが出てこない(リック・ナゴは恋人、チュチュは友人、ピッチは母親が出てくる)。
-
2Pキャラのグーイはナンバリングタイトルのラスボス勢と同族という無駄に罪作りな設定がある。しかも取扱説明書のキャラ紹介に堂々と書かれており、ダメ押しとして最終決戦にグーイを連れて行くと顔以外リアルダークマターと同形態になる。
-
本作に限らず、星のカービィシリーズは時たま地味に妙なネタが仕込まれていることでも有名。
-
三面ボス
狸
のポンと
狐
のコンのダメージ時の点滅色がそれぞれ
緑
と
赤
。
-
某チョコ菓子にクリソツな外見のザコキャラ「アポロ」。ピンクは呑み込むことで回復できる。青は毒。某チョコにこのカラーは存在しないのであちらのネガキャンにはなっていない、ご安心を。
-
ザコキャラ「マリエル」は名前と体形が某使途を彷彿とさせ、続編64の「ラミ」は明らかに見た目そのまんま。
-
この傾向はどうも古くから存在していたようで、GBピンボールに至ってはランキングデフォルト名が全部ガンダムのGPシリーズ。本編未登場の4号機までカバーしている。