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The Elder Scrolls V: Skyrim - (2013/08/17 (土) 11:40:58) の編集履歴(バックアップ)


The Elder Scrolls V: Skyrim

【じ えるだーすくろーるず ふぁいぶ すかいりむ】

ジャンル オープンワールドRPG


対応機種 Xbox360
プレイステーション3
Windows XP/Vista/7
発売元 ベセスダ ソフトワークス
開発元 ベセスダ ゲーム スタジオ
発売日 【360/PS3】2011年12月8日
【Winパッケージ版】2012年1月26日
定価 7,980円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:Z(18歳以上のみ対象)
分類 良作
The Elder Scrollsシリーズ

WARNING!!!!!!!
本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。



ストーリー

前作で描かれた「オブリビオンの動乱」から200年後のタムリエル大陸。
北国スカイリムへの密入国の容疑で帝国軍に逮捕されたあなたは、スカイリムの八人の領主の代表で親帝国派のスカイリム上級王を『声の力』で殺害するという事件を起こし、反乱の罪で逮捕された反帝国勢力「ストームクローク」の代表・ウルフリックと同じ馬車に乗り合わせ、処刑場であるヘルゲンへと馬車で護送される事に。
半ばとばっちりで死刑にされそうになった正にその時、伝説上の生物だと思われていたドラゴンが突如飛来。ヘルゲンを火の海に変えてしまう。

命からがら逃げ出し、晴れて自由の身でスカイリムへの入国を果たしたあなたの前途は洋々。
突如現れたドラゴンと戦い、秘められた自身の運命に従うもよし、反乱軍や帝国軍に入隊してスカイリムに平和を齎してもよし、盗賊や暗殺者としてスカイリムの闇に生きるもよし…

とはいえ路銀も装備も殆ど無い。とりあえず小遣い稼ぎに薪を割るのであった。


概要

  • メインシナリオは、プレイヤーが竜の魂を取り込みその言葉を操る竜神の血脈「ドラゴンボーン」であることが明らかになり、「声の道」を修める隠者の一団や素性を隠して生きていたドラゴンスレイヤーとの出会いを経て、「世界を喰らう者」こと黒竜アルドゥインに挑むというもの。竜は神々に連なる長命で力ある存在として重厚に描かれ、プレイヤーを導く老賢者のような竜も登場する。
  • メインシナシオとは別個に、盗賊ギルドや暗殺者集団への加入、魔法大学への入学、山賊の討伐、一般人から神々にまで到る幅広い層からの頼まれ事など、無数のクエストが用意されている。それらをいつ行うも掛け持ちするもプレイヤーの自由。
  • オーロラ、流氷、針葉樹林など北国らしいロケーションと、古代墓地や失われた種族の遺跡などのファンタジー要素を満載した広大なマップ、そしてそこで生活するNPCは、異世界を旅する気分を大いに盛り上げてくれる。一度行った場所に高速移動できる「ファストトラベル」機能も健在。
  • また、兄弟作である『Fallout3』『Fallout New Vegas』のシステムも多数取り入れられている。

評価点

自由度

  • シリーズの特長である自由度の高さは今作でも健在。メインクエストを一切進めなくてもゲームの進行には一切問題なく、プレイヤーはメインクエストを進めてスカイリムの英雄になる事も、野山を駆けてオオカミや鹿を狩って得た皮を加工して売ったり、鉱山へ出稼ぎに行き採掘した鉱石を鉱山長に売ったりして得た金で宿屋に宿泊し、食事や蜂蜜酒を楽しんだり、という普通の市民のような気ままに暮らしを送る事もできる。
    • 特別なアイテムを入手する事で、好感度の高いNPCと性別を問わず結婚する事も可能。これにより「お姉さま…」とか「アッー!!」とかいうプレイも可能に。また追加されたDLCで家の建築や孤児を養子に迎えて一緒に生活する等「ファンタジー世界生活シミュレータ」としての側面に更に磨きがかかった。
  • クエストは前作よりも大幅に増えた。キーとなる人物との会話や、時には自分宛に依頼の手紙が配達されて始まるサブクエストの内容も多種多様。山賊退治や恋のさや当ての手伝い、貴重な物品の収集、時には異世界に住む邪神との取引などもあり、短いながらもしっかりと作り込まれたストーリーを堪能できる。
    • ちょっとしたお使いを行う「Miscellaneous Quest」やランダムで繰り返し可能な「Radiant Quest」といったミニクエストも多数。これにより、殆どのNPCが何かしらクエストに関わるようになった。
    • 開発者によれば、メインクエストだけでも最低30時間、標準的な遊び方で300時間以上という圧倒的なボリュームを誇る。規模の大きい追加コンテンツ「Dawnguard」や「Dragonborn」を含めればそれ以上。

フィールド造形

  • スカイリムの大地は、自社開発の新エンジンによって紅葉が広がる南の森林地帯から、吹雪が渦巻く北の漁村まで様々な環境を美しく描写されている。グラフィックの美麗さを売りにしているゲームに比べるとクォリティは劣るが、オープンワールド(フィールドのほぼ全ての場所への行き来が可能なゲーム)としては悪くない。
    • グラフィックだけでなく、河川には「流れ」があり、急流に逆らって進むと移動速度が低下したり、木の桶などを川に投げ込むと下流に流されていったりと、環境が物に与える力もしっかり考慮されている。
  • 前作ではダンジョンデザイナーが1人しかおらず、どのダンジョンも似たような構造だったが、今作では8人に。こった謎解きや罠、小ネタを満載した複雑な構造のダンジョンが多数登場。山賊の隠れ家や砦などは施設も充実しており、住居代わりに使用することもできる。多くのダンジョンの最奥部に「ボス」とも呼べる強力な敵や高級品の入った宝箱、そして出口付近への近道が用意され、ダンジョン攻略がより快適なものに。
  • 「見えない壁と強力な敵配置で先へ進めないようにする」というFO:NVの欠点もしっかり改善されており、開始直後から好きな場所へ行く事が可能。

UI

  • メニュー画面も見直され、いちいち捨てて掴む、という動作を踏むことなく入手したアイテムの3Dモデルを閲覧できるアイテムメニューや、一つ一つの特殊能力を星に例え、片手武器、魔法などのスキルを星座に模して並べたスキルメニューなど、見やすさとファンタジー作品らしさが同居し非常に見栄えがよい。
    • メニュー画面を開いてからいちいちスティックを動かし項目を選択してさらに決定ボタンを押す、といった面倒な手順をふむことなく、メニューボタン押したあとはスティックを倒すだけで各項目へ移行できるなど操作性は快適。
    • 直感的で滑らかなメニュー画面を作るに当たって、スタッフはアップルのiTunesなどを参考にしたという。
      • xbox版は後にオプション装備「キネクト」むけのアップデートも配信され、音声認識でのメニュー操作やアイテムのソートなども可能となった。
  • 気に入ったアイテムを「お気に入り」登録する事で、いちいちアイテムメニューにアクセスすることなくボタン一つで「お気に入りメニュー」を呼び出し素早く装備したり、使ったりできるようになった。

戦闘要素

  • 能力値がヘルス・スタミナ・マジカの3つのみとなり*1、武器や防具の装備も、胴防具が上下半身一体化されるなど簡略化したほか、武器や魔法は右手、左手にそれぞれ任意のものを割り振る方式に。盾や松明など、一部のアイテムは左手にしか装備できないが、ファン待望の二刀流や両手に同じ魔法を装備する事で効果を上げる能力などが登場、装備選択の幅が大きく広がった。
  • 戦闘システムにおいても、防御状態で攻撃ボタンを押す事で盾や武器で敵を殴り、よろめかせる事ができる「シールドバッシュ」や、敵の体力が一定以下になった時に発動する回転斬りや斬首などの特別なとどめ演出「フィニッシュムーブ」が登場。戦闘に若干ながら爽快感とメリハリが生まれた。
    • フィニッシュムーブの中には首を落とす強烈な物も。Falloutシリーズ等これまではプレイヤーの意思に基づく人体欠損描写はNGだったが、ついにCEROを説き伏せたのか断面図に少しボカシが入っただけの修正で済ましている。
    • パッチ1.5で、ベセスダ社内スタッフ有志による「一週間で追加コンテンツを作る」というイベントの一環として製作された遠距離攻撃や魔法のフィニッシュムーブが、数が少なかった両手武器や素手攻撃の新しいモーションと共に無料で配布された。
    • さらにパッチ1.6においては、馬に乗った状態で武器を扱う事が可能になる騎乗戦闘機能が追加された。こちらもアップデートは無料。 …気前がよすぎる
    • DLCとしてドラゴンの素材を用いた武具の作成を追加する等ファンの要求にもそれなりに応じている。
  • また、新たな能力として竜語魔法「ドラゴンシャウト」が登場。通常の魔法と違った独特の効果と使用制限(時間経過によるクールダウン)を持ち、戦闘スキルや通常の魔法と組み合わせて使う事で強敵にも有利に立ち回る事ができるように。
    • ドラゴンシャウトは各地で石碑を発見しないと覚える事ができない仕様なため、収集、探索要素も向上した。
  • 前作では形態変化は吸血鬼のみだったが本作では『Morrowind』で存在した「ウェアウルフ」が復活した。文字通り狼に変身でき、防御力は下がるが圧倒的な力を得ることが出来る。
    • 高レベル帯になるにつれ火力不足の感があったウェアウルフであったが、DLCにおいて専用のスキルツリーが登場、体力や攻撃力も強化できるようになり実用性も高まった。*2
  • 冒頭から襲ってくるドラゴン達とも戦闘を行う。このドラゴン戦はピクサーの社員が担当しており、専用のBGMが流れ手に汗握る展開になる。
    • シリーズ通して「厄介な疫病」という認識だった「吸血鬼化」*3にもDLCにおいて強力な救済措置が設けられ、吸血鬼として猛威を振るいたかったプレイヤーも名実共に夜の支配者としてスカイリムに君臨することが出来るようになった。

生産要素

  • 冒険や戦闘だけでなく、料理、鍛冶、錬金術、付呪などといった生産要素も充実。
    • 料理は焼き肉やシチューなど、回復効果より雰囲気重視のアイテムを作る事ができる*4。雰囲気要素の大幅増強に定評のあるDLC第二弾を導入するとさらにパイや蟹料理なども生産可能に。
    • 鍛冶は材料を鉱山で採掘したり動物の毛皮から革をなめしたりし、鍛冶屋の鍛造設備を借りて店では売られない稀少な装備を自作できる他、作業台や砥石で武器や防具を強化する事もでき、序盤に手に入る装備の外見を気に入ったが、後半の高レベル帯では性能不足で使えない…などといった事を防ぐ事も出来る(やり過ぎると大変な事になるが後述)。
    • 錬金術も同様。山野を駆け回り集めた材料で便利な薬や毒を作製できる(これもまたやり過ぎると大変な事になるがry)
    • 魔法のアイテムを解呪する事で魔法効果を抽出し、魂石を依り代に新たな魔法のアイテムを作製する付呪も利便性もあり、アイテムへの愛着も湧く(これもまたやり過ぎると大変なry)

PC版のmod

  • 本作も公式のmod製作キットのCreation Kitが配布されており、これまでどおりやる気と仕様の理解とバグにめげない根気があれば誰でもゲームの拡張やゲーム性の変化を行えるようになっている。
    • ベセスダもmodに対して非常に好意的で、Creation Kitで何ができるかをゲーム販売後のイベントで紹介している。
    • 本作はバルブ・ソフトウェア社のSteam workshopに対応しており、気軽にmodをアップロードできる。その他「ベセスダとバルブ社の友情の証として」ポータルで登場するキャラクターを追加するmodをバルブ社が作成している。

その他評価点

  • 前作の200年後が舞台であり、中には前作で登場したNPCの血縁者と思われる人物が登場。一部NPCも意外な形で再登場。前作をプレイしているとより楽しめる作りになっている。
  • スカイリム全土に有名映画やゲームのパロディ、特に意味がないのか没ネタなのかDLCへの伏線なのかわからない小ネタなどがちりばめられており、妄想を膨らませたり、思わずニヤリとする事も。
  • 鍛冶場での武器、防具の作成・強化や、料理などの生産系の要素も充実。料理は低コストで低回復量のアイテムを作り出すという、雰囲気作りの側面が強い要素ではあるが、鍛冶はスキルや能力の上昇にしたがって作れる装備や強化の度合いも変化し、店ではなかなか手に入らない装備を大量生産したり、序盤に手に入れた気に入った外見の装備を強化して終盤まで愛用したりする事が可能になった。
  • ゲーム内の言語は音声や本の内容からドラゴンの言葉に至るまでフルローカライズ。市民の会話や宿屋の喧噪、山賊の鼻歌などを字幕に頼らず聞き取る事ができ、没入感が高まる。
    • 前作までは一部の主要NPCを除いて種族ごとに同じ声優が担当していたが、今作では英語版・日本語版ともに70名以上の声優が声をあてており、それぞれのNPCの年齢や性格などが反映されている。
    • 『New Vegas』とは異なり有名声優はいないが全体的な質は向上しており、翻訳の質はともかく声質に違和感を持つ事は少なくなった。
    • NPCは世間話の他にも、近くのダンジョンの情報やドラゴンの目撃情報をつぶやく事があり、「小耳に挟んだ噂を元に冒険に出発」という何とも冒険者心をくすぐるシチュエーションを体験する事も。
    • また、NPCや衛兵の反応が非常に細かく、見ていて大変面白い。例えば、
      • 物を捨てた場合、「いらないならくれ」と言ってくる。まれに他のNPCと奪い合いの喧嘩をする事も。好感度が高いNPCなら届けてくれる。
      • 走っていると「何を急いでいるんだ?」と言い、ぶつかると「気を付けろ!」と怒られる。
      • 装備・所持品・今までに取った行動等によって様々な事を衛兵が言う。ドラゴン系防具を装備していると羨ましがり、錬金レベルが高いと酒を作ってくれと言い、盗賊ギルドに加入していると近寄るなと罵倒される。
  • 発売前に副社長のPate氏が発言した「リードプラットフォームは360」の言葉通り家庭用向けに最適化されており、以前の作品よりは安定して楽しめるようになった。
    • といっても長年の上客であるPC版が蔑ろにされているわけではなく、前述のバルブ社との協力や高スペックPC用にはゲーム内のグラフィックをより美麗な物に置き換える高解像度テクスチャパックを無料配布するなどそれぞれのハードウェアの強みを最大限に活かせるサービスを行っている。
    • また、家庭用ゲーム機は現行のPCより性能が劣るため、多少型遅れのPCでもPC版のプレイが可能。最適化の恩恵かPC版では全体的にこれまでと比べて驚くほど動作が軽い。
  • 大型タイトルで時折問題になる容量問題はMSが新しく開発した圧縮技術のおかげで解決できた。
    • ちなみにコンシューマ版の容量は3.8ギガバイト。前作『Oblivion』が6.5ギガバイトだったので約半分である。

賛否両論点

アクの強いキャラクター造形

  • 前作『Oblivion』や同様のシステムを備えた兄弟作『Fallout3』の開発を経て大幅に改善され、徐々に日本人にも親しみやすい外見になってきたキャラクター造形ではあるが、「リアリティ重視の世界観にモデルのような美男美女はいらない」という海外の一部のファンからの苦情や、「不満があるならPC版買ってMODいれてね」という開発側の姿勢もあり、プレイヤーの全員が納得できる外見、特に日本人に好まれやすい中性的な顔立ちのイケメンや可愛らしい女性等を作る事は種族によっては不可能となっている。
  • 顔の造形もパーツ選択式になりしかもパーツ自体それほど良くない為極めればどうにかなった『Oblivion』よりも種族毎の差が開いてしまった。
    • 前作よりはマシになったがNPCの美形・普通・不細工の比率も現実志向で、更に「美人薄命」というシリーズの伝統もあり、仮に登場してもイベントなどで死亡する事が多い。
  • 他にも「人間族とは種の起源からして違う」という設定のエルフ族全般をエルフ=美形という最近の価値観を完全に無視した前作以前の外見に戻してしまっている。
    • アクが強くどうやっても美形に作る事ができないが、昔のファンタジー作品を好む濃いファンタジー好きからは評価されている模様。
    • その一方で、カジート・アルゴニアン・オークの亜人種は以前より大幅にかっこ良く作れるようになった。
  • ちなみに今作では身長が高い種族ほど移動速度が速くなるようになっている。最も速いのはハイエルフ、次いでオーク、ノルドとなっている。

ハードコア無し

  • 特に『Fallout New Vegas』をプレイしたユーザーから言われている。ただ、ベセスダは元々食べなければ・眠らなければならないといった「ユーザーの自由なプレイを阻害する」類の生活感要素を嫌っており、これらが実装される事はこれから先も無いと思われる。
    • 現段階でも眠ったり食事をする事がまったくの無駄という訳でなく、有用な効果を得る事はできる。

その他賛否両論点

  • 会話関連
    • 本作では『Fallout New Vegas』同様に「必要な話術レベルを満たしているか」で説得・恫喝の成否が決まるのだが、『Fallout New Vegas』では表示されていた必要レベルが本作では表示されない。成否がわからないので緊張感がある一方で、効率良い選択ができずに不便だという声もある。
  • 「お気に入りメニュー」関連
    • 前作やFalloutシリーズの「方向キーの上下左右斜めの計8方向に1つづつ割り当てられる方式」の方が、登録数こそ少ないもののメニューを開く必要がなく、素早くアイテムを呼び出せたため批判的な意見も少なからずある。
    • また、お気に入りの十字キーの左右で武器変更する際、ボタンを押してから武器が変更されるまでの間に2~4秒間のタイムラグが発生する。敵との戦闘中にこれほどの隙が発生してしまうのは流石に厳しい。
  • 戦闘関連
    • 基本的な戦闘のテンポやモーションはよく言うと地に足の付いた、悪く言うともっさりした物であるため、スピーディでスタイリッシュなアクションを求める層からの印象は悪い。
  • NPC
    • いくつかのクエストに関係するキーキャラクターが不死設定になっており、「皆殺し」という選択肢を取る事ができない。
    • これは皆殺しできた三作目で自分で殺したり戦闘に巻き込まれて死んで「クエストが詰んだ!」という批判があまりに多かった為、オブリから少数ではあるが存在していた。

難点

バグとフリーズ

もはやシリーズの悪い伝統であるバグ、フリーズは今作でも残念ながら健在。

  • クエストが発生しない、実績/トロフィーが解除されない、特定の場所に入るとフリーズする、特定の手順を踏まないとクエスト進行が滅茶苦茶になり詰む等の深刻な物から、特定のスキル経験値を無限に得られる、凄まじい性能を持つ装備や薬を作成する事ができるといった「裏技」的なもの、更には「半分土に埋まった状態の中年男が一定周期で増殖する」「着地したドラゴンに高所からの落下ダメージ判定が発生し即死」「マンモスが大きさ的に通り抜けできない地形に無理矢理進み続けた後、カタパルトの如く高速で射出される」等シュールギャグのようなバグも多数発生する。
    • とりわけ今回はクエスト関連のバグが異常なほど多い。同胞団・盗賊ギルド・デイドライベント等、進行不能になって詰むバグが多数存在する。
  • 今作はクエストの種類が追加され行き先が各地のダンジョンからランダムに選ばれる物もあるがそれが原因で発生するバグもある。
    • 特にクエスト開始前に特定のダンジョンに入っているとクエストが完了できない等自由な冒険を阻害する洒落にならないものも。
  • 以前の作品と比べ、致命的なものは後日配布されるパッチで修正されている。しかし修正が追いついていない。
    • そもそも昔からの体質である開発側がユーザをデバッカー扱いしてパッチを配布する姿勢は家庭用ユーザーからは全く評価されていない。*5
    • 日本語版の場合通常よりもパッチ配布に時間がかかる為バグ修正が遅れてしまっている。
  • PC版では以前の作品でも配布されてきた公式のMOD作成ツールが公開されているが、ゲームエンジンが変わったせいかNPCを一時的に待機するスクリプトを作ったら何故か死ぬ、新しくNPCを作成すると普通より顔が黒ずむ事がある等バグが多い。

かゆいところに手が届かないUI

  • 所持品関連
    • メニュー画面での所持品は全て五十音順に表示されるのに対し、引き出しや宝箱等の収納画面でのアイテムは、何故か五十音順ではなくバラバラに表示される。
    • それ以外にも、とあるクエストアイテムが○○(4個)ではなく1個1個別々に表示されたり、クエストアイテムがクエスト完了後も捨てられなかったりと、地味ながら鬱陶しい不具合が大変多い。
  • 武器の付呪
    • 付呪された武器の効果発動回数がゲージでしか表示されず、具体的な使用回数を知る事ができない。このせいで「強力な武器を拾ったと思っていざ使ったらゲージがごっそり減った」という事がある。自分で付呪をする際は、作成画面で使用回数が表示されるものの、いざ作成完了するとやっぱり表示されなくなる。
  • 売買関連
    • 『Fallout3』では商人の所持金が少なく、売買のために様々な都市を右往左往する羽目になっていた。これはFO:NVで改善*6されていたのだが、本作ではそのFO3の問題が再燃してしまっている。前作の「商人の所持金無限」という仕様もない。
    • 一応商人の所持金を増やす公式的な方法もあるのだが、話術レベルを相当高く上げないと該当のPerkを取れない。話術のPerkは優先順位が低いのもこの問題を助長させる要因である。
    • 前作の仕様で良かったのでは?という声も多い。
      • しかし商人の金が無限なのはおかしい、という一派もあり、議論は平行線の一途をたどっている。

PS3版のみ発生する致命的なラグ

  • 他機種に比べて大量のオブジェクトを処理する機能に劣るPS3版は上記のバグに加えて、長時間のプレイで様々なフラグを立てる事で地球防衛軍2等でお馴染みの画面がカクカクした紙芝居状態になる。
  • ただしVer1.4のアップデートにて上記の処理落ちは大幅に改善されており、FO3やFO:NVと比較すれば遥かにマシである。
  • とはいえ完全な解決には至らず、開発元のベセスダの技術的限界もあり、現在はSCE側とも協力して解決に当たっているという。

従者(フォロワー)

  • 従者には『Fallout3』のように、「遠距離攻撃をしろ」「援護しろ」「距離を取れ」といった指示を出す事ができず、直接的に指定して相手を攻撃、自分の代わりに薪割りやアイテムの取得を行わせる仕様に変わった。
  • 『Fallout New Vegas』ではノーマルモードだと死なずに気絶し、戦闘終了後に起き上がる仕様にされていたがそれもない。*7使いやすいと好評だったコンパニオンホイールも削除。
  • 会話からHPを回復させてやる事もできず、戦闘中は回復魔法を掛けてやるか回復アイテムを持たせる以外にHPを回復させる方法がないのも辛い。
  • 攻撃魔法や回復魔法を覚えさせる事ができず、それどころか「渡した弓を使ってくれない」バグ*8まで存在する。
    • 弓関連ではさらに「一定条件で内部処理において初期装備の弓が増え続ける」というバグも発生。荷物の積載重量を圧迫していく事態も。
  • 『Fallout New Vegas』ではコンパニオンの声優は全て個別だったのに、本作では前作やFO3同様、ほぼ全ての従者が汎用NPCの使い回しである。NPCの声優は大幅に増えているが、こんなにいらないから声優を個別化してほしかったという声は多い。
  • 家を買った上で特定の条件を満たすと、従者にする事が可能な私兵が家に居座るようになる。
    • 一部の住宅では四六時中パンばかり食ってる上に、こちらを見掛ける毎に「光栄です」「貴方の剣となり盾となります」と呼びかけてくるので地味に鬱陶しい。
    • それだけならまだしも、結婚して妻(夫)と同棲している状態でも居座り続ける。いくら家の護衛も兼ねているとはいえ、夫婦の愛の巣に赤の他人が居座っている状況は非常に気まずい。空気読め。

翻訳

  • 日本語吹き替えのフルローカライズになってはいるものの、訳毎のクオリティに開きがある。
    • 一部のクエストにのみ登場する特殊なNPCは洒落等も日本語風にアレンジして分かる様に訳す一方、「エキサイト先生風の直訳によって変な日本語になっている」レベルの物や、クエストで十個程集める事になるアイテムの名前を間違えて表示するなど凶悪な物がある。
    • 特に良くネタにされているのはある船内で出会う「海賊船」と「最初の仲間」というNPC。それぞれ「Corsair(海賊)」と「First Mate(一等航海士)」の誤訳。Corsair には海賊船という意味もあるのでまだいいとして、First Mate に関しては前述の「エキサイト翻訳」でも正しく翻訳されている。前作に登場した一等航海士はちゃんと訳されていたのだが・・・
    • 他にもメインクエストで盛り上がるべき場所や重要な局面であってももれなく誤訳していて、所々会話のドッジボールだったりと、シュールな雰囲気を醸し出している。
+ 会話のドッジボール例~メインクエスト序盤編~

前半省略。


  • イリレス「この怪物から逃げたら、ノルドって名乗りなさいよね。一人で戦わせるつもり?」
  • 衛兵A「よすんだ!」
  • イリレス「でも、ここでは名誉以上のものがかかってるわ。考えてもみなさい。最後の時代以来、スカイリムで初めて見つかったドラゴンなのよ」
    • 「あいつを殺す名誉はもらったわ。あなたが一緒ならね!」
    • 「じゃあどうするの?ドラゴンに殺されろっていうの?」
  • 衛兵A「おう!」
    • 衛兵B「その通りだ!」
  • イリレス「行きましょう」

  • 今作を担当したプロデューサーの岩本けい氏曰く「訳し過ぎない翻訳」でローカライズしたそうだがRobber's Gorgeを追いはぎ峡谷と訳しているのにRobber's Coveをロバーズ洞窟に訳すなど基準不明。前作で訳しすぎた名詞等も一部は修正されているがそのまま使っている物も多く中途半端になっている。
  • これらの原因は主に準備不足やそもそも期間的に無茶な物をどうにか形にしようとしたため。120万語の翻訳はもう少々時間を取るべきだった。
  • また、誤訳ではないが、台詞中の漢字を誤読していたり音程がおかしかったりと奇妙な部分がいくつかある。
    • 誤読とは少し異なるが「白金協定」という単語は声優によって「しろがねきょうてい」「はくきんきょうてい」と読みにブレがある。
    • 収録の段階でどういったニュアンスで使われるセリフなのか分からなかったのか、主人公を褒め称える内容のセリフがダウナーな棒読みだったり、配達人が主人公に渡す手紙を探す際のセリフである「ちょっと待ってくれよ」が完全に人を呼び止める際の口調で収録されていたりと早く発売するため質を犠牲にした感は否めない。
    • 漢字以外にも文字を読み飛ばしている部分など演技以外の部分で問題がある。声優が素でミスっているのか、台本にそう書かれているのか。
      • 狂神シェオゴラスや道化師シセロの吹き替えなど、名演はとことん名演であるため演技の差が余計に際だってしまうという面もある。

戦闘関連

  • 武器・防具・魔法等のバランスは決して最高とは言えないでき。詳しくは後述。
  • 今作の目玉であるドラゴン戦は、前作の「オブリビオンの門」よろしくだんだん面倒になってくる。報酬もあまりよろしくない。
    • 残念ながらメインクエストクリア後は消え去った門とは異なりシャウトの取得にドラゴンソウルが必要な為いつまでも現れる。時間経過で出現率が少しずつ増加するので1.9パッチが追加されるまでメインクエスト終了後の方が出会う頻度が高くなる事も。
    • 公式PV等で紹介されていた様にドラゴンは街中にまで入ってくる。当然住民が敵う様な相手ではないのだが、衛兵どころか何故か一般住民までダガー片手に特攻する始末。実写CMでは衛兵まで逃げていたのに。高位のドラゴンであるエンシェントドラゴンやDLC導入で登場する崇拝されしドラゴンが現れようものなら凄まじい大虐殺となる。住民を守るために主人公が盾になろうにも、魔術師プレイだと厳しい。

バランス

  • 魔法関連
    • 破壊魔法の威力が武器に比べて低い。対策をしなければマジカ効率も悪い。
    • 特に面倒なクエストの後入手できる達人魔法の中には、「自分の魔法耐性に比例して威力が落ちる」と言う意味不明な仕様の物もあり(逆に弱体化する薬などを飲んで威力を上げることも可能と言えば可能だが)、魔法のがっかり感を増加させる一因となっている。
    • 敵は専用の特殊能力で強化されており、高コストの魔法もガンガン使ってくる。追い打ちを掛けるように、魔法は付呪で与ダメージを上げる事ができない*9
    • 火・氷・電撃の三属性に「ダメージと同時にスタミナやマジカを減少させる」という特色が付いた。しかし、敵のマジカ・スタミナがインフレしているせいで、それらを減らすより体力の方が先に尽きるという謎仕様であり、敵に火耐性がなければ火炎系一択である。折角特色を付けた意味が全くない。
    • 達人クラスの魔法は、消費マジカがやたら高い割に効果は中程度であり、有効な活用にはその他のスキルの熟達も必要となってしまう。破壊の達人魔法は一種類を除いて範囲魔法である為、効果的に用いるには敵の集団にある程度近づいてから発動させねばならず、使い勝手の悪さに拍車をかけている。
      • 魔法使いは「状況によってあらゆる魔法やアイテムを上手く使い分ける」というプレイヤーの頭脳がリアルに試される立ち回りを求められるのだが、それを行うには先立つものとしてある程度まとまった量のマジカが必要になってくる。付呪によって消費マジカを0にできるのは相当後半なので、必然的にレベルアップ時のボーナスをマジカにガン振りする事になるが、そうするとHPの紙化が進んでしまう上、後半では消費マジカを0にする為レベルアップで得たマジカが無駄になってしまう。
      • この点は北米でも「罠」と認識されており、魔法メインでもとりあえずHPを上げてマジカはマジックアイテムを購入して代用するのがセオリーとなっている。
    • 敵から装備を奪える武器キャラと違い、魔法は(杖を使わなければ)購入が基本なので金欠になりがちになる。
      • 結論として、計画を立てていかなければ戦い抜くには厳しいので、間口が狭いと言える。
  • 鍛造・武具関連
    • 鍛冶関連の強化が強力すぎる為、ある程度のレベルの装備は適切なスキルと能力さえあれば、本来なら伝説の品であるデイドラアーティファクトすら軽く越える攻撃力を叩き出す事が出来てしまう。
      • 鍛冶スキルには取得できる能力に特定の武具を通常の二倍強化できる物があり、最終段階の伝説的まで強化できるようになると、魔法や薬品などによる鍛造スキルの上昇に伴いそれまであった強化値の上限が無い為天井知らずのダメージをたたき出せる物が作れてしまう。付呪や錬金術で作った薬を用いるとPerkの無い物でも同様の事ができるが、バランス関連の面からやり過ぎだとする声も多い。
      • パッチにより修正され、現在は不可能。
  • ラスボスが弱過ぎる
    • 本作のラスボスは強そうな外見と比較してあまりにも弱く、RPG史上最弱のラスボスとまで呼ばれる事も。
    • 一緒に戦ってくれる3人のNPCが強過ぎる上に、ここに到達するまでに必ず習得している「ドラゴンレンド」のシャウトで動きを止める→タコ殴り→「ドラゴンレンド」で・・・の繰り返しで簡単に倒せてしまう。これでも世界を危機に陥れている最強のドラゴンなんですけど…。
    • はっきり言ってラスボスよりも、それ以前に遭遇する雑魚敵の巨人やフロストトロールの方が強いと言い切れる程である。

前作との比較

シリーズ物の宿命か、この作品も前作『Oblivion』と比較される事が多い。『Oblivion』と比べると…

  • バランス調整で講呪(オリジナル呪文の作成)廃止や錬金術・付呪のシステム変更による自由度の減少*10
  • 基本的には関連するクエストを完了すると不死属性が外れるが、どうやっても属性が解除されないNPCがいる。中でも、メインクエストに関わるあるNPCは、かなり性格に癖があり、嫌われているが最後まで属性が外れない*11
  • ギルドクエストも含めて全体的にストーリーが淡泊。誤訳のせいも多少あるが盛り上がりに欠ける場面や結局なんだったんだ?と思ってしまう展開が多い。
    • 『Oblivion』で描かれたプロデューサーの趣味であり持ち味の、コテコテの王道展開が、ダークファンタジー的な重い展開を好む古参ファンにウケなかった事で迷いが生じたのだろうか。
    • メインクエスト以外に内戦クエストも存在するが両方終えたとしても、文字通り「内輪揉め」を治めただけでなんの解決にもならない。そもそも混乱の種は他国の侵略なので。
    • それなりに印象に残る内容になっているのはせいぜい闇の一党と盗賊ギルドぐらい。
      とライトユーザー向けに簡素にした部分や古参向けに原点回帰しようとして失敗した部分が叩かれやすい傾向にあるようだ。

PC日本語版

  • 本作のPC版はSteamに対応しており、一度Steamから購入してDLするかパッケージを購入してシリアルキーを入れると対応する言語であればどこの言語でも何度でもDLできる仕様になっている。
    • しかし発売前ツイッター上でゼネラルマネージャーの高橋氏が「日本での販売は日本語のみ」という旨のつぶやきを掲載してPCユーザーを混乱させた。
      • Steamに対応した作品は販売代理店が作ったエキサイト翻訳のようなローカライズで日本語化が強制される物やそもそもおま国*12でゲーム自体が販売されないなどの前例があり、その上ゼニアジのパッチ作成速度は非常に遅く、PC版の醍醐味と言えるmodが日本語版に対応される可能性が非常に低いといったことから一部からPC版の意味が無いクソゲー版だと絶望視されていた。
  • 結局は高橋氏がSteamの仕様を理解していなかっただけのようで*13、問題無くオリジナル版も選択できた。
    • ちなみに当初2バイト文字に対応していなかったオリジナル版も日本語版発売前のパッチ1.3で対応された。その為独自のバグが確認されている日本語版から字幕や音声だけバックアップしてオリジナル版に挿げ替えるユーザーが非常に多い。
      • 最初から対応していればゼニアジが独自に実行ファイルを作る事もこの混乱もなかったのにとベセスダとゼニアジの連携の悪さを指摘する声もある。*14

その他難点

  • 死亡したNPCの死体がいつまで経っても処分されない。
    • 衛兵などのモブNPCは一定時間が経過すると死体が消えて無くなるのだが、名前付きのNPCが死ぬと死体がその場にずっと残り続けたままになってしまい、かなりシュールである。死体が腐敗とかしないのだろうか。
  • 一度結婚すると離婚が出来ない。
    • 冗談抜きで生涯の伴侶として、死ぬまで面倒を見続けなければならないのである。自由度の高さが売りのはずのゲームなのに、さすがにこれは…。
      • 一応結婚イベントで、二度と離れられないみたいな事は神父から釘を刺されるのだが。

総評

美しい景色と心躍る冒険が待ち受ける広大なフィールドを気分の向くまま冒険する楽しさは格別。「キャラクターになりきって遊ぶ」という、本来の意味でのRPGの一つの完成形とも言える。ただし、ゲームの持つ世界観や雰囲気に没入できない場合には、難点で上げた部分が襲いかかる。そういう意味で本作は、短所を埋めることで手堅くまとまるのではなく、これまでと同じく長所を出来る限り伸ばす一点突破戦法で評価を勝ち取った、やや癖の強いゲームと言える。


余談

  • 発売前のPVで登場したシャウトの掛け声やNPC衛兵の台詞「膝に矢を受けてしまってな」がプレイヤー中心に流行し、北米ではネットミームと化している
    • テーマソングの盛り上がった所で発せられた「フス・ロ・ダー*15」のシャウトは国内だと「トシコシダー」等の空耳ネタが流行り*16、海外では様々な映像とそのシーンの音を合わせたネタmad動画や実際にシャウトして何かを吹き飛ばす動画作品が大量に作られた。
    • 「膝に~」は衛兵のデフォルト会話にこの台詞を設定してしまったため、あちらこちらの街や城の衛兵が皆、「昔はお前のような冒険者だったが、膝に矢を受けてしまってな…」と言い出すのである。この世界の衛兵は膝に矢を受けて冒険者を引退した者ばかりらしい。海外では「膝に矢Tシャツ」なども造られるほどの人気振りである。
  • 本人の知名度が低いのであまり知られていないが、英語版でゲーム中のとあるドラゴンの声を担当しているのはなんとマリオの声優(チャールズ・マーティネー氏)である。