「ボーダーブレイク」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ボーダーブレイク - (2013/05/11 (土) 13:27:10) の編集履歴(バックアップ)
BORDER BREAK
【ぼーだーぶれいく】
ジャンル
|
ネットワークロボットウォーズ(TPS)
|
対応機種
|
アーケード(RINGEDGE)
|
販売・開発元
|
セガ
|
稼働開始日
|
2009年9月9日
|
※このページでは、2013年現在の最新バージョンである「3.0A」までを取り扱います。
ストーリー
西暦21XX年。 増え続ける世界人口により深刻なエネルギー不足に直面した人類は宇宙空間にその解決策を求めた。
「ソテル計画」
国際研究機関「GRF」による、太陽系全域を対象とした 新資源探査プロジェクトである。
軌道上の巨大研究施設「エイオース」を軸として行われたこの計画は、 10年の後、ついにある物質の発見をもって実を結ぶ。
「ニュード」――そう名づけられたその物質は、 高いエネルギー価値と、自己増殖性を併せ持つ性質から、
エネルギー問題への救世主として脚光を浴びる一方、 人体への高い毒性という負の側面はGRFによって隠蔽された。
そんな折、エイオースを襲う突然の爆発事故。 爆散した施設の一部とともに、貯蔵されていた大量のニュードが地上に落下してしまう。
ニュードの毒が地上を蝕み、恐怖と不安におののく人々。 他組織へのニュードの拡散を恐れたGRFは、大規模な回収作業を開始する。
一方、事故によるGRFへの不信感は国際的な抗議運動へと発展し、反GRF組織「EUST」が発足。 ニュード汚染の除去と平和利用のための活動に乗り出す。
ニュードを奪い合う2組織の対立は、 ついに二足歩行型汎用兵器「ブラストランナー」とその搭乗者「ボーダー」を使った武力衝突に発展。
そして今、1人の新鋭ボーダーが 戦場へ降り立つ…。
-
……とあるが、ゲーム中ではここいらの説明は全くないし、ストーリー要素も一切ない。せいぜい「GRFとEUSTがニュードを巡って喧嘩している」とだけ考えればOK。
概要
「ブラスト・ランナー(ブラスト)」と呼ばれるロボット兵器を操作するTPS形態のアクションシューティングゲーム。
圧倒的な数のパーツを取捨選択して収集し、それらを使って自分の愛機を組み立て、チームで陣取り合戦を繰り返す。業界初となる20人一斉対戦の密度はほかのゲームではそう得られない。
ちなみに本作は、セガがタッチパネル内蔵型として開発した「RINGEDGE」筐体を最初に使用したゲームでもある(後に『シャイニングフォース・クロス』『初音ミク Project DIVA Arcade』などでも使われている)。
現在はバージョン3の『ユニオン』が稼働中。
略称は『BB』『ボダブレ』『ボブレ』など。
ゲーム内容
大まかなゲーム内容はEUST・GRFの両陣営に分かれ、互いの陣営の拠点に設置されたニュードの塊「コア」を守り抜き、相手の「コア」を破壊するというもの。
ボーダーには階級(クラス)(低い順にD、C、B、A、S、SS、EX、ACEクラス)が設定されており、戦闘は主にそのクラスの人間同士で行うことになる。
料金設定はプリペイド方式となっており、プレイ開始前に「GP」を購入する。1GP=1秒と換算され、GPが無くなるまでは何度やられてもリトライできるようになっている。
このGPは他にもアバター(後述)の衣装や機体カラーの変更、武器購入にも使用される。
ゲームルール
-
コアには耐久値が設定されており、敵陣営のコアに直接攻撃を行うことでコアの耐久値を減らすことができる。最大600秒の制限時間終了時にコア耐久力の残量が多い陣営が勝利し、コア耐久値が0になるとその時点で勝敗が決する。
-
敵機の撃破でもコア耐久値は減少するが、その値は物凄く少ない(一機当たり160分の1程度)。そのため、ボーダー達は必然的に敵軍コアへ侵攻して直接攻撃を狙っていくこととなる。また、コアは周囲を壁に囲まれたベース内部にあり、上部から傘が被ったような形で守られているため、遠距離からコアを攻撃するのはほぼ不可能。このおかげで「キャンパー」が意味をなさなくなっている。
-
勝敗が決まった後、プレイ中の獲得スコアや功績から成績が算定され、プレイヤーのクラス変動に関わるポイント「CP」や、機体パーツや武器パーツの生産に関わる「素材」を入手できる。
-
CPはボーダーのクラス上昇に必要で、素材は新しい武器やブラストのパーツを作るのに必要。上のクラスになるほど査定は厳しくなり、Bクラス以上ではCPが減少する「降格」も発生する。
-
ポイントはゲーム中に「味方の勝利にどれだけ貢献する行動をとったか」で加算されるようになっている。自爆や味方への攻撃などではマイナスになる。
-
CPが上限に達すると昇格することができるが、Bクラス以上になると昇格試験を課せられるようになる。制限時間内に特定の条件を満たしてバッジを得るというものであり、時間内にできなかった場合は失敗となり昇格はできない。
-
現在のバージョンでは「1つのコアを壊すor守りきる」ことが目標の「大攻防戦」(イベント戦)。最大10人チームで強化CPU軍と戦う協力プレイである「ユニオンバトル」など、ゲームルールが異なったバトルがたびたび開催される。なおこれらのバトルではCPは変動しない。
操作形態
-
左レバーで自機を操作(歩行・ダッシュ・屈伸・ジャンプ)、右にあるマウスで照準・攻撃・武器変更を行う。FPS経験者に非常になじみやすく、未経験者でも直感的に操作しやすい。チュートリアルも有料で実行できる。
-
FPSでは主にキーボードで操作する「武器の切り替え」はマウスホイールの部分を使う。超遠距離から至近距離まで様々な武装があり、後述する「兵装」の違いによって様々な武器が使用可能。中には修復を行ったり罠を仕掛けたりというものも存在する。臨機応変で切り替えて活用することが肝となる。
-
また、画面全体がタッチパネルになっている。ボイスチャットは実装されていないが、必要に応じて画面をタッチすることで味方に簡易的なメッセージを送ることが可能となっている。
カスタマイズ
-
前述した素材とGPを消費することで、プレイヤーは各種兵装に応じた4つの武器(主武器・副武器・補助装備・特別装備)やブラスト・ランナーのパーツを購入し、機体をカスタマイズすることができる。様々な条件を満たしていくことでプレイヤーが選択したアバターをカスタマイズするアバターパーツや、ブラストのカラーパターンが手に入ることもある。
-
この他、Ver2.7では第三のカスタマイズ要素として「チップ」が登場。これはブラストの性能を強化したり様々な機能を付加したりする「オプションパーツ」的な存在であり、ブラストのフレームパーツごとに設定された「スロット」の合計によって装備できる数が異なる。付加機能を重視するか、基本性能を重視するかはプレイヤー次第。
-
ブラストのパーツは頭部・胴体・腕部・脚部の4つに分けられ、軽量・中量・重量とカテゴリ分けがされている。
-
カテゴリ別でも性能には大きな差があり、カスタマイズが固定化されることは少ない。どの兵装を中心に戦うか、どのような戦術で戦うのかで同じカテゴリでもカスタマイズには大きな幅が生まれる。
-
パーツにはそれぞれブランドがあり、同ブランドのシリーズでパーツ一式を揃えた場合には特定の能力値が上昇する「セットボーナス」の恩恵を受けることができる。セットボーナスは各ブランドごとに異なる。
兵装説明
-
ブラストには突撃・重火力・狙撃・支援の4つの兵装グループが設けられている。プレイヤーは出撃時やリスポーン時にこれらの兵装を選択して装備させる。
機体本体は使いまわし、武装は選択式と考えればよい。
+
|
各兵装の特徴。長いので格納
|
-
強襲兵装
-
全兵装の中でも特に癖がなく、このゲームの基本となる兵装。アサルトチャージャーの機動力を用いた縦横無尽の活躍が期待される。
-
主武器にはサブマシンガンやアサルトライフルなどが選択でき、副武器には手榴弾にグレネードランチャーと、どちらかと言うと中~近距離で真価を発揮する武装が多い。
-
剣・槍・刀・ロッド・光波ブレード・爪と格闘武器が充実しているのも特徴。相手を一刀のもとに切り伏せるハイリスク・ハイリターンの快感はこの兵装でしか味わえない。
-
特別装備は「アサルトチャージャー」。平たく言えば「追加ブースト」で、SPゲージを使用して高速移動が可能となる。
-
重火力兵装
-
火力に重点を置いた兵装で、強力な射撃武器が揃う。反面武装は総じて重量が重く、機動力が低下しやすいことから一般的には重量寄りの機体向けの装備とされる。
ECMや榴弾砲など、高い支援能力を生かした後方支援活動が期待される。
-
主武装には機関砲・ガトリングガンとデカ物が揃う。副武器はロケットランチャーやプラズマカノンという爆発武器や、MLRSといったロック誘導武器も使える。
-
補助武装には相手の視界を妨害するECMグレネードや、格闘戦用のパイク(パイルバンカー)が選択可能。
-
特別装備が充実しており、一にマップをタッチすることで攻撃圏内であれば好きな場所を爆撃できる「榴弾砲」と「エアバスター」、二に自機への攻撃をSPゲージで肩代わりできる「バリアユニット」、三に自立子機の「UAD」、四に砲弾を直接撃ち込む「重装砲」。これらを切り替えることで前衛から後衛、自分に合ったスタイルが実現できる。
-
狙撃兵装
-
文字通り狙撃に特化した兵装。ヘッドショット技能が要求される操作難易度の高い兵装だが、他にない長距離攻撃能力はこの兵装のみの特権。
真に「この兵装にしかできない」能力を持っており、熟達したスナイパーは圧倒的なプレッシャーを持って戦場に影響を与える。
-
主武装には多種多様なライフルが揃っているが、いずれも中~遠距離戦を前提としたテクニカルなモデルばかり。~副武器には近接防御用のハンドガンと、強力な爆発物である爆弾から選択可能。
-
近接武装として、本家強襲兵装には劣るものの高威力な超振動ブレードと、設置型の自立砲台である強力なセントリーガンを選択できる。
-
特別装備は設置盾「エネルギーシールド」、姿を一定時間消せる「光学迷彩」、設置型トラップの「マグネタイザー」などが選択可能。特に光学迷彩は面白く、これを活かすことで相手の裏をかいて立ち回れば闇討ちや奇襲もお手の物。ゴルゴ的なスナイパーに対し、狙撃を捨て設置武器と迷彩で直接戦線を荒らしまわるスタイルも可能。
-
支援兵装
-
衛生兵・工兵的な兵装。このゲームにおいてかなり重要な役割である「偵察」を唯一可能とするチームの要。
-
本作では、敵は最初はマップ画面に写っておらず、画面で敵機を確認することで初めてマップに反映される。しかしこの兵装の補助武器である「偵察機」や「索敵センサー」を使うことでも、相手をマップ画面に表示させることができるのだ。攻めにも守りにも、支援の存在は欠かせないと言ってもいい。
-
味方の体力を回復できる特別装備を持つのも支援だけ。その他にも、地雷や機雷、ショットガンやネイルガン(釘打機)など、一風変わった変則的な武装が揃う。
-
また、高威力の爆発物を効果的に扱い、敵の索敵やを行わずに対ブラスト戦闘に特化した機体もたまにいる。それらの機体は俗に死炎兵装と呼ばれる。
|
評価点
新規参入者への幅広い窓口
-
最初に配属されるDクラスでは少しのGPを払ってチュートリアルを行うことができる。これはオフラインのシングル戦で、他人から邪魔をされることはない。基礎的な移動方法からゲームの勝敗条件といった習得必須の事柄を、コンピュータ相手の模擬戦で分かりやすく学べる。強制ではないのでサブカード組はスルー出来るのもよい。
-
全国対戦ではクラス別で対戦を行うため、必然的に同ランク同士=同じくらい腕前の者同士で対戦することになるので、極端な初心者狩りが行われにくい。
-
もし撃破されたとしても、GPがある限り何度でも再出撃できるのもポイント。積極的に前に出て活躍することが求められるゲームシステムなのでこれはありがたい。
-
GPは被撃破では減少せず(10秒ほどの行動不能時間があるので実質減っているが)、時間経過のみで減少する。対戦ゲームでよくあった「100円が5秒で消えた」ということは無い。初心者でも一定時間は必ず遊べる仕様となっている(問題もあるが後述)。
-
Dクラス、Cクラスの間はどんなに悪い成績でもCPが減少することはない。何となくでやっていてもとりあえず昇格はできるわけである。
-
ゲームデザインの点から言っても、比較的親しみやすい雰囲気が作られている。
-
ストーリーや設定面は比較的ハードな部分が多いが、あくまでゲームの世界観としてガイドブック等で語られるにとどまり、ゲーム中にはほとんど登場しない。そんなハードな設定面に対して、各種カスタム要素やロボットによるアクションなど、見栄えのする多彩な要素を盛り込むことで新規層の獲得に成功している。この点はかつて『バーチャロン』を世に出したセガのノウハウと言ったところか。
対戦環境の充実
-
昇格試験やCP査定が厳しくなっていく関係上、上位クラスは本当に上手い歴戦のボーダーしか集まらないようになっている。そのため、プレイヤーは自分の力量に合わせてとことんガチな対戦を楽しむことが出来る。
-
この手のオンラインゲームでよくある「積極的に対戦せずただ馴れ合うだけ」、「味方ばかり攻撃する」などと言った行為も、上位に行くにしたがって殆ど存在しないようになると言っていい。マナー違反行為はしっかり勝敗やポイントに反映されるし、そもそもいつまでも昇格できないため対戦で一緒になることもないからである。
-
上記のとおり非常にシンプルなゲーム内容だが、高階級になると勝利のためには各種テクニックはもちろん、進行ルートをあらかじめ予習しておいたりすることも必要になってくる。
-
CP査定が厳しくなり簡単に降格するようになるため、プレイヤーは1試合ごとに全力を尽くすわけである。こういったシビアな点もこのゲームの「熱さ」を支えている。
-
タッチ式という利点を生かしたチャット機能は、常に変化する戦況に対応できるだけの会話文が用意されている。戦闘開始前の待ち時間でも送ることができるので、簡単な作戦を立てることもできる。
-
月額課金制の携帯サイト「BB.NET」に加入することで、紛失したカードの再発行や「クラン」というプレイヤーグループを作成できる各種の支援を受けられる。もちろん「加入するとCPが増加しやすくなる」といったメリットはないため、未加入でも不利になることはない。
高い戦略性
-
プレイヤーは自軍のベースから出撃し、敵ベース内のコアを目指す。途中には拠点となるポイントがいくつかあり、この「陣取りゲーム」の熱さこそ、本作が人気を集める所以となっている。
-
両軍のベース間には「プラント」と呼ばれる施設が点在している。ブラストがプラント内に留まることで自動的に占拠作業が開始されるのだが、自軍の制圧下となったプラントは撃破された時のリスポーン(復活)地点となり、前線を大きく押し上げることができる。敵に制圧されたプラントは同じ手順で中立化→奪取することになる。
-
コア攻撃を行い易くするためにより敵ベースに近いプラントを目指した駆け引きが面白い。数機で一斉になだれ込む強襲もよし、手薄になった他のプラントを奪う別働隊もよし。あるいは敵陣内を通り抜け、プラントを一切無視して敵コアへ向かう(コア突撃。通称「コア凸」)のもよしと、取りうる戦略は非常に多い。ドンパチも楽しいし、敵に見つからぬよう潜むステルスゲームをしても楽しい。そしてそれにどう対処するかを考えるのもまた楽しい。
-
このゲームでは敵機が常にマップに映らず、画面上の敵機をタッチ、もしくはロックオンしてマップに映し、味方に知らせる必要がある。この「索敵」でもポイントがもらえる(支援兵装が求められる所以)。
-
プラントの他にも戦場には様々な設備がある。戦域の高速移動が可能とする「カタパルト」、固定砲台の「ガンターレット」等がそれだ。こうした装備をうまく使うことでさらに戦略の幅が広がる。
-
また、ベース周辺・内部には感知範囲に入った敵機を迎撃する「自動砲台」や、敵機のベース侵入を警告する「レーダー」も設置されている。これらを潰しておくことで後続を通しやすくするのも重要な仕事。こうした設備を破壊する、もしくは修理することでもポイントがもらえる。
-
これらの要素が合わさり、戦場では非常に速い展開で戦闘が繰り広げられる。兵装の独自性を生かし、目まぐるしく変化する戦況を読み、あらゆる戦略を各個人の判断で実践することでチームの勝利へと結びつけていく必要がある、「RTS(リアルタイムストラテジー)」的要素が強いのも特徴なのだ。
-
前述したようにゲームの目的は敵コアの撃破である。敵を倒すのは二の次で、同じ相手を一定以上倒しても評価ポイントは打ち止めとなる。このため「粘着」行為は自己満足以外の何物でもなく、そんなことをやっている時間があったら敵コアを攻撃した方がチームのためにもなるしGPの節約にもなるということである。
-
ポイントの評価基準は細かく、プラントを占拠する、友軍の敵機撃破を支援する等と言った間接的な行動でも加算されるため、ボーダー各人のチームプレイへのモチベーションを高める重要な要素となっている。さらに特定の戦績を収めると勲章ももらえることが、更なる技術向上を促すスパイスとして機能している。
多彩なカスタマイズ性
-
強襲、重火力、支援、狙撃の4兵装には「その兵装でしかできないこと」がある(強襲であれば機動力に優れているため敵陣への特攻、支援は味方の回復や偵察機を利用しての偵察…など)。多彩な機体パーツと合わせて、プレイヤーは「自分の戦いたい機体」を自在に作り出すことが出来る。
-
……とはいえ、やはりポイントがないとそれもできない。「あの装備が欲しい! そのためには素材とポイントを集めなきゃ」という一種のRPG的な楽しみもあると言えよう。
-
この作品における「初期装備」というのは単に後発武器の劣化版などという立ち位置ではなく、これらにも一つの武器としてその武器特有の「強み」を与えられている。
-
中には後発版より初期装備の方が強い評価を与えられているものがあったり、上級者がつかってこそ真価を発揮する装備が初期装備だったりするのはこのゲームの妙である。
-
初心者向けに使いやすさやバランス面に優れたモデルが多いため、装備が揃っている上級クラスであっても使い慣れていない兵装の初期装備にお世話になる機会は意外と多い。そして、意外と活躍できたりする。
やりこみを裏切らない調整
-
稼動してから3年ほど経過した今作だが、これまで何度もゲームバランスの調整がおこなわれている。
-
しかしこれまであからさまに強すぎた、俗にいう「バランスブレイカー」級の武器や「テクニック」が大幅に弱体化した例は少ない。これは開発側が「今まで使ってきた武器が弱くなったて使えなくなったら悲しいから」「安直に修正はしたくないから」というコンセプトを持っているためである。そのためプレイヤーによるやりこみがゲームに確実に反映されていく。もちろん「バグ」はしっかり修正はしているが、「テクニック」と認められたバグは残している。
-
現在でも稼動初期から存在する「手榴弾によるベース外シュート」やブーストの回復ウェイトをキャンセルする「屈伸キャンセル」などはしっかりと残っている。
-
なお大幅に弱体化したといえるのは武装は「索敵センサー」、修正されたテクニックは「AC慣性」「コングシュート」「ゲスフレア」「スタナーサンシャイン」くらいである。これらはゲーム性を変質させるほどだったため仕方ないといえば仕方ない。
多彩なアバター
-
ゲーム開始時にブラストに登場するキャラクター(アバター)を選択することになるのだが、それ以降もアバターの外見をカスタマイズする事が出来る。
-
アバターの設定などは一応公式にある程度記載されてはいるが、「クールタイプの彼はは誰かを追っていると噂されている」「少年タイプと少女タイプの二人は同じ孤児院育ち」「冷静タイプの女性には恋人がいて、殺した仇を折っている」などと断片的なことしか記載されておらず、プレイヤーの想像力に任される部分が多い。そのため「プレイヤーの脳内設定」でどうにでもなるので、感情移入しやすい。
-
アバターのカスタムパーツは多種多様なものが揃っている。世界観に合ったミリタリーチックなものや一変してネタ色の強い個性的なものなど、もはや魔境。どの様なプレイヤーのニーズにも対応できる。
-
オフィシャルブック内インタビューでの本作のプロデューサーである下田紀之氏によると、ゲームの世界観に反してアバター辺りを賑やかにすることでよりユーザーが親しみ易い空気を作りたかった、といった話がある
-
これらのアバター周りの雰囲気は上記にあるロボットのアクションやカスタム要素などと共に本作に親しみやすい印象を与えている。
-
硬派すぎるほどでもない、ある意味でなんでもありなボーダーブレイクのカジュアルな雰囲気をより強く作り出している部分と言えるかも知れない。
問題点
GPの料金形態
-
アーケードゲームである以上仕方のないことではあるが、GPの料金形態は厳しい。
-
一般的には大体「600円で1810GP」となっている。オンライン対戦時では「1秒で1GP減少=約30分=約3試合」となり、初心者でも超上級者でも上下することは無い。一見多いように見えるが、実際は兵装選択などもあって結構カツカツ。高い階級になるには(プレイヤースキルにもよるが)それなりの資金が必要となる。
-
プレイヤー間では「俺の財布がボーダーブレイク」という冗談も流行、多くのボーダーの涙を誘った。
対戦時のラグ
-
「自分の武器の爆発がどう見ても当たってるのにダメージが入らない(自機近くの場合自機のみダメージ)」「近接武器の攻撃をどう見ても避けているのに直撃ダメージ」等はザラに起こる。
-
強襲兵装のソード系武器「SW-ティアダウナー」の特殊攻撃のラグの酷さはよくネタにされる。ただでさえ高威力・広判定に加えて「2機分以上離れているにも関わらず吹っ飛ばされる」こともある。おかげで「次元斬」「過去を斬る剣」「魔剣」という愛称で呼ばれることもある。やられたほうは本当にたまったものではないが。
-
一応補足すると、ティアダウナーは強襲兵装の武器でもトップクラスに重く、特殊攻撃のスキが非常に大きく、強力であると同時に癖も強すぎて誰でも簡単に扱える代物ではない。更にver1.5で追加された“受け身”によって「倒しきれなかった場合は反撃を受ける」というリスクも負っている。
狙撃兵装のシビアさ
-
「狙撃兵装」だけは初心者お断りとよく評される癖の強い性能になっている。
-
「遠距離狙撃」という性質がシステムと上手く噛み合っていない。前述の通り「プラントの占拠」が重要な要素なので、プラントを奪うべく近距離戦が否応無しに要求されるためだ。
-
初期武装の性能がいまひとつ。後から開発できる武装の方がよっぽど初心者向きな性能なのはどういうことか。
-
初期装備狙撃銃は威力が全狙撃銃でも1、2を争うほど低く、ヘッドショットができないとまともに敵を撃破できないため高い射撃能力が必要不可欠。
-
特別装備のシールド発生装置は「正面からの攻撃を防ぐシールドを設置する」というものなのだが、シールドはその独特な色からとにかく目立つため「隠れて狙撃する」戦闘スタイルと全くかみあっていない。「仲間のそばに置いて仲間を支援する」という使い方も考えられないこともないが、狙撃兵装は前線から一歩引いた位置で単独行動を行うことが多く、仲間との連携というシチュエーション自体がまず起こらない。強いて使用例をあげるならば「目立つ」事を利用して囮にする事は可能ではある。
-
装備を揃えても機体自体の貧弱さはいかんともしがたく、また高い技術が要求される点も変わらない。一般的なTPSやFPSでは「遠距離をスコープで見渡す」ことによる偵察役として貢献もできるが、本作ではそうした機会はない。「芋砂」が嫌われるのは毎度のことだが、本作で下手に狙撃兵装に手を出すと必然的にそうなってしまうので、新規参入者には「狙撃はある程度機体と装備を整えてからにしろ」と声をかけるのがお約束になっている。
-
エース級の狙撃プレイヤーは近距離の脆弱さをテクニックでカバーし、兵装独自性を最大限に活かす事で高クラスのチームにおいて上位をキープしている。実際、狙撃兵装メインでSSランクに到達したプレイヤーも数名確認されている。この辺りも妙バランスといわれているところ。
武装のバランス
-
パーツ数が多いため、他の武器に比べて利点が見いだせない「産廃」と呼ばれるようなパーツや、バランスブレイカーとまではいかないものの明らかに強すぎるパーツは確かに存在する。
-
稼働当初から凄まじいハイペースで次々と新武器・新パーツが支給されていき、現在では全部で600を超える程に増えた。パーツの多さがこのゲームの人気の一つでもあるのだが、その代償として産廃扱いになった旧型モデルも少なくない。
-
初期に手に入る意図的に低性能に設定された武器・パーツはまだしも、高額な素材・GPに見合った性能でない高位のパーツ・上位互換に近いものがあるという武器における産廃が特に問題視されている。幾度かのアップデートで減ってはいるものの、それでも改善されない武器は多い。酷いものでは武器カテゴリごと産廃扱いされているものも…。
-
一応本作では、装備作成の手間や、重量・性能バランス・攻撃効率といった明確な個性付けによる住み分けがなされていることから、純粋な意味での産廃ではないとも言えるか。
-
Ver2.7のアップデートからは、機体パーツに関しては「低性能に見られていたパーツには多いチップ容量を与える」という方向でバランス修正が行われている。
-
現在では軽量高速な機体でも低重量高火力の装備で重火も組める為、全体的にゲームスピードの上昇につながり、鈍重な重量型機体では対応しにくくなりつつある。
下位ランクの高難度化
-
上位プレイヤーがサブカード(サブカ。2枚目以降のICカード)を持ち、下位プレイヤーに混じってスコアを稼ぐことが常態化している。これ自体はある意味自然な流れであるが、稼働開始から3年が経過したこともあり、新規参入者の割合が減ったことでD・Cランクプレイヤーの平均スキルが上昇しており、本当の初心者にとって険しい環境になってしまっている。
-
上級プレイヤーは当然のことながらマップにおけるセオリー(コアへの侵攻ルート、狙撃ポイント、各種施設の位置や使い方)を知っているため、これを知らない初心者が彼らについていくのは並大抵のことではない。この状態が続いてしまうと「勝てない→素材がたまらない→機体を強化できない→勝てない~」という最悪のループに陥りかねない。
-
逆にそうした熟練プレイヤーがチームにいれば勝率が大幅にアップし、CPや良質な素材が沢山もらえるかもしれない、という何とも言えない現象も。こう見れば差引+-ゼロだが…。
-
これもこの手のアーケードゲームでは避けられない問題である。このような行為に対し、公式側は「成績上位者は極端にCPが増えるようにしてサブカの寿命を大幅に短縮させる」という措置をとり、改善を図っている。
最上位戦の問題点について
-
このゲームにおける最上位戦というのは、S5~ACEまでの高レベルボーダーだけを集めたマッチング幅のことであるが、ここでは最上位プレイヤーを悩ませる様々な問題点がある。
+
|
最上位戦のあれこれ
|
-
ver2.7までははA1も参加させられていたのだが、足手まといであるといわれることも多かった。理由としてA2から上がってきたばかりの「新人」が、いきなりハイレベルな戦闘に入れられてもただのお荷物にしかならない、と言う理由である。
-
最上位プレイヤーはおろか、Aクラスプレイヤーからの不満も大きかったためか、ver3.0ではAクラスがマッチング幅から除外された。もっとも、最上位とA上位との実力差がさらに広がったため、根本的な解決になっているかというと疑問が生じる。
-
そもそもS5昇格試験の内容が非常に楽である上、2.7のときよりも更にレベルの下がったA上位ならば少しうまいぐらいなら昇格は容易。このため時間がたてば同じような現象が起こるといわれているためである。
-
また、最上位戦では当然SSランクやEXランクなどのとびぬけた実力のボーダーも登場するため、それに伴うチーム間の実力格差を無くすために「マッチング操作」というシステムを導入しているのだが…。
-
このシステムがあっても完全に格差がなくなったわけではない。酷い時では片方にSSランクが4人固まる時もあるなど、このシステム自体を疑問視する声は多い。
|
総評
初心者から超上級者まで対応する充実した対戦環境、良好なバランスや豊富なやりこみ要素など、高いレベルでまとまった新機軸のアーケードゲームである。
稼働直後からセガ久々の大人気となり、現在はセガ・アーケード部門の主力タイトルにまで成長を遂げた。
その分、まだまだクリアするべき課題も残っている。これからも我々を楽しませてくれるであろう、開発チームの健闘に期待したい。
余談
ゲームの攻略wikiサイトが作られるのは現在ではおなじみになったが、その中でも『ボーダーブレイク』の攻略wikiは特に情報量が多く濃い。
プレイヤーにゆだねる部分が多い設定や、ロボットをカスタマイズすると言うゲームの性質上、又ゲームの設定と背景から「フロム脳」に似た思想を持ったファンも多いが、こうしたファンが攻略wikiに創意工夫あふれるネタ成分を投下しまくった結果、正規の攻略wikiの姉妹サイトとして「ネタうぃき」なる専門のサイトが出来てしまうという珍妙な事態が起こった。
「ネタうぃき」といってもその情報量は凄まじく、いろんな部分を面白おかしく解説しており、読むだけでも楽しむことが出来るだろう(特に狙撃兵装のページはネタ以外の部分がない)。なお、過去にBB.NETで掲載されている【牛マンの一言】というコーナーでネタうぃきに関しての書き込みもあり、ほぼメーカー公認となっている。
まじめなですっきりとして読みやすい本家wiki。「ぼくのかんがえたさいきょうあせん」から「ゲーセンに行く上でのマナー」まで網羅するネタうぃき。『ボダブレ』を始めてみたい、または知らないけど興味があるという人は、一度二つのwikiを覗いてみてはいかがだろうか。