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スーパードンキーコングGB - (2012/06/23 (土) 22:04:23) の編集履歴(バックアップ)


※この記事ではGB(GBC)で発売された『スーパードンキーコングGB』『ドンキーコングランド』『ドンキーコングGB ディンキーコング&ディクシーコング』の3作をまとめて紹介しています。
初代『ドンキーコング』のリメイク版についてはこちら?を、『2』『3』のGBA移植版についてはこちらを参照して下さい。


概要

『スーパードンキーコング』シリーズのGB(GBC)版。後の『ドンキーコング2001』(GBC)やGBA移植版がほぼSFC版を再現しているのに対して、こちらは新作に近いフルリメイクになっている。

3作共通の特徴

  • 背景やキャラクターのグラフィックが描きこまれており、GBでありながらSFC版同様の立体感が出ている。細かなモーションも忠実に再現され完成度はきわめて高いのだが、時にはそれが仇になることも…(詳しくは後述)。
  • BGMは基本的にSFC版のものをアレンジしているが、いずれもGBの性能に合わせながら不自然さをまったく感じさせない。
  • 残機数はSFC版と違って画面の下に♥の数で示される。最高は20機で、それ以上は増えない。
  • GBの狭い画面に対してコングや敵の大きさがSFC版と変わらないため、相対的に敵に当たりやすくなっている(これはGBのアクションゲーム全般に言えることでもあるが)。


スーパードンキーコングGB

【すーぱーどんきーこんぐじーびー】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1995年7月27日
定価 3,900円(税別)

本作の特徴1

クランキー「前回の冒険はお前たちにしては上出来じゃった。まあ、あのキレイな絵と最新のサウンドがあれば黙っていても子どもたちにはウケるはずじゃが」
ドンキー「うるさいじいさんだなあ。それだけでウケてたわけじゃないぜ。やっぱりゲームが面白かったからみんな遊んでくれたんだよ。なあ、ディディー」
ディディー「そうだよ。オイラたちの冒険に色数や画面のキレイさなんて関係ない!」
クランキー「ほう、それではまたキングクルールに言ってバナナを隠させようかの。ホッホッホ…」

というメタな挑戦を受けてドンキーとディディーが旅立つ、『スーパードンキーコング』の後日談。「新たな冒険」ということでステージはすべて新規のものとなり、オリジナルの敵や仕掛けが多く登場する。

SFC版との違い1

  • 新規ステージとして海賊船・山道・水中遺跡・空・大都会が登場。自然の風景がメインだったSFC版とは異なる雰囲気になり、「トルネードで大ジャンプをする」「消える雲の足場や風船の上を渡っていく」「KONGパネルを取って足場を作る」など、SFC版にはない仕掛けも登場する。
    特に空のステージでは、さまざまな模様のブロックが浮かぶ背景の中を雲の足場に乗って進んで行くという、シリーズの世界観からかけ離れたシュールな光景を見ることができる。
  • 事実、説明書にも「ここでは常識が通用しません」という趣旨の内容が書いてある。
  • 敵キャラクターはSFC版に登場したものの一部と本作オリジナルのものが登場する。ボスはキングクルールを除いてすべて本作オリジナル。容量のせいか、キングクルールの大きさもなぜかコングと同じぐらいになっている。
  • アイテムの効果は同じだが、中間地点・ゴールがシンボルアイテムに変わっていたり、「コングトークン*1」「ダイナマイトバレル*2」などの本作オリジナルのアイテムが追加されていたりする。
    特に「KONGパネル」の効果が大きく変更されており、SFC版では4つ集めると1upするアイテムだったが、本作では4つ集めてゴールするとセーブができるアイテムになっている。
  • SFC版にあった以下の要素が変更されている。
    • ドンキーのハンドスラップができなくなっている。
    • アニマルフレンドのうち、エンガードとウインキーが登場しない。
    • コングファミリーは一切登場しない。

評価点1

  • グラフィックが徹底的に描きこまれており(ザラザラした壁の質感が特に秀逸)、GB初期の作品でありながらSFC版同様の立体的な絵になっている。
  • 本作オリジナルのBGMも評価が高く、ボス戦のBGMは同社が手掛けた『ブラストドーザー』でアレンジされて使われている。
  • レベルは4つと少ないが、ステージ数は計30とやり応え充分。シリーズらしい難関ステージも豊富である。
    • 2-6「ノーチラスの追跡」では名前の通り、このステージだけに登場する「ノーチラス」という敵からひたすら逃げる。SFC版の「クロクトパスのうみ」と似たようなものだが、あちらが一定の軌道を通るだけだったのに対し、こちらは徹底的にドンキーたちを追尾し地形をすり抜けてくることもあるため、トラウマぶりが倍増している。
    • 3-5「空中迷路」は本作最難関のステージとして知られる。ジャンプしたり壁にぶつかったりすると方向が変わるリフトを使って迷路の中を移動しなければならないのだが、リフトが小さいうえに移動方向を自由に決められないため、とにかくよく落ちる。

問題点1

本作はシリーズの中でも難易度が高い。上記のとおり難関ステージが多いこともその理由だが、以下の仕様が加わることで難易度を大きく跳ね上げてしまっているのである。

  • 背景のグラフィックを細かく描きこみ過ぎたせいで、コングや敵のグラフィックと背景が混ざって見づらい(その見づらさは小学館の公式ガイドブックに「SGBで見やすい色配置を作ってみよう」というコラムがあったほどである)。ジャングル・山道ステージのグラフィックは特に厄介で、「敵に気づかないで衝突」「自分の位置を見失って落下」といったミスを連発しやすい。
  • ゲーム中に文字情報がほとんど登場しない(エリア名・ステージ名すらゲーム中では分からない)ため、自分の現在の状態を把握しにくい。
  • 何故かローリングアタックが終わった瞬間に不自然な硬直が残る。その瞬間でも敵は普通に動けるので、ギリギリ届かなかった時にもう一度アタックしても届かない事も。
  • そして、何といってもセーブが面倒なこと。KONGパネルのありかはSFC版以上にわかりづらくなっており、ボーナスステージに置かれていることも多い。上記の難関ステージで詰まってしまうとまったく先に進めなくなることもある。
    • 一応、前の簡単なステージに戻ってそこでKONGパネルを集めてセーブ、と言う手段は可能なのだが、ファンキーコング(エリア単位で移動出来るコングファミリー)もいないので戻るのが非常に面倒。
    • また、上記の仕様は「KONGパネルで1UPしない」と言う意味でもある。加えて本作では、バルーンが希少な上に取りにくい(画面に入れた瞬間すごい勢いで上空に飛んでいく)。その上高難易度なので、非常に残機不足に陥りやすい。ゲームオーバーになると当然セーブした所からやり直しなので余計にセーブが重要となるのだが……。

ドンキーコングランド

【どんきーこんぐらんど】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1996年11月23日
定価 3,000円(税別)

本作の特徴2

「さらわれたドンキーコングを助けに行く」というストーリーをはじめ基本的なシステムは『2』のものに準じており、3作の中では最もSFC版に忠実な内容になっている。

SFC版との違い2

  • ステージ名は基本的にSFC版と同じでステージ数もSFC版と同じく39あるが、ステージの構造は簡略化されており、「クラッシュエレベーター」などステージ自体が差し替えられているものもある。
    • レベルの構成も変更されており、レベル3「クレムクエイ」のうち、「かいてんタルさんばし」から「しずむナンパせん」までがレベル2「クロコドーム」に、「とげとげタルめいろ」がレベル4「クレムランド」に編入され、「クレムクエイ」のマップとボス・グラッパが削除されている。
    • ステージの仕掛けが変更されているところもある。例えば「しずむナンパせん」「こおりのみずうみ」はSFC版では下に落ちてもスナップジョーに襲われなければ助かったが、本作ではスナップジョーがおらず、水(マグマ?)に落ちるとダメージを受けるようになっている。
  • SFC版にあった以下の要素が変更されている。
    • チームアップができなくなっている。
    • アニマルフレンドはグリマーとコークス以外すべて登場するが、アニマルバレルで変身するだけで乗ることはできない*3
    • アニマルフレンドの操作は基本的にはSFC版と変わらないが、スクイッターのクモの巣に移動用と攻撃用の区別がなくなり、攻撃用のクモの巣を発射したあとセレクトボタンを押すと移動用のクモの巣になる。
    • コングファミリーはリンクリーとファンキーのみで、クランキーとスワンキーは登場しない。
    • ゴールターゲットでアイテムを入手できなくなっている。

評価点2

  • グラフィックは前作同様、丁寧に描きこまれている。前作で強敵として立ちはだかった背景の表現も控えめになっており、見やすさが向上している。
  • BGMも好評。シリーズ屈指の名曲「とげとげタルめいろ」もGB独特の音源で再現されている。

問題点2

  • 「クレムクエイ」のステージを「クロコドーム」に編入したことで、序盤の2面で10ステージもクリアしなければならなくなってしまった。もともと沼地のステージを溶岩地帯のステージに編入するのも不自然さが残る。
  • 47枚全てのクレムコインを集めなければロストワールドに入ることすらできない。SFC版のように各レベルから移動できるようにしても良かったのでは?

ドンキーコングGBディンキーコング&ディクシーコング

【どんきーこんぐじーびー でぃんきーこんぐ&でぃくしーこんぐ】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 2000年1月28日
定価 3,800円(税別)

本作の特徴3

ザコ・ボスキャラクターやステージのグラフィックはSFC版をもとにしており、ステージ名やエリア名にもSFC版と同じものがいくつかあるが、ストーリーは「伝説の国・ロストワールドを探しに行ったドンキーとディディーを追ってディクシーとディンキーが冒険に出る」というよく似てはいるが全くの別物になり、マップ・ステージの構成も新規のものになっている。

SFC版との違い3

  • 最大の違いはSFC版に登場した仕掛けの大半が登場しないことである。SFC版の仕掛けは高度なアニメーションを用いたものや処理が複雑になるもの*4が多く、再現できないものも多かったのだろう。
  • SFC版にあった以下の要素が変更されている。
    • チームアップができなくなっている。また、ディンキーの水切りジャンプもできなくなっている。
    • クマのイベントがことごとく削除され、「クマさんのお店」が各ワールドに1つずつあるだけになった。ここでは神経衰弱・テレポーテーション・情報収集を行うことができる。
    • アニマルフレンドはパリーとコークス以外すべて登場する。やはり変身することしかできず、エリーの水鉄砲がいつでも打てるようになっていること、スクイッターの操作が『ドンキーコングランド』と同じものになっていること以外はSFC版と同じである。
    • コングファミリーはリンクリーが登場するだけで、スワンキーやファンキーはイベントごと削除されている。
    • ワールドマップを自由に移動できなくなっており、移動するにはコインを払ってテレポートするかボスを倒すかしなければならない。
  • クマさんのお店で神経衰弱を制限時間以内にクリアすると「時計」をもらうことができる。これは収集要素になっており、各ワールドの時計とDKコインをすべて集めないとロストワールドに行くことができない。
  • ロストワールドを含む全ステージをクリアすると、おまけとしてタイムアタックが追加される。「はとば」「たき」「こうじょう」など各地形から1ステージずつ全12ステージが選ばれており、クルールのタイムを上回ると更新される。本作はタル大砲で大幅にショートカットできるステージがいくつかあるのだが、それはクリア後のタイムアタックを想定しているためである。
  • ザコ・ボスキャラクターに細かいところで変更が加えられており、「ノッカ」が「クルーシャ」、「アーリック」が「アリック」という名前に変更されている。このほか、SFC版では無敵だった敵が踏んだりタルをぶつけたりすることで倒せるようになっていたり、や行動パターンが変更されていたりするボスもいる。

評価点3

  • 色がついたことで見やすさが格段に向上した。色分けはそれほど細かくないが、そのぶん画面にメリハリがついており、描きこまれた背景も邪魔にならない。

問題点3

  • SFC版に登場したイベントや多彩なギミックの大半がなくなってしまったために、SFC版と比べるとどうしても物足りなく感じるし、ステージの構成も似通ってしまうことが多い。川辺のステージが特に顕著で、中には水中部分には何もないすっからかんなステージもある。
  • チームアップが使えなくなったことで完全にディクシーだけが有利なゲームと化しており、SFC版以上にディンキーの使いどころがなくなっている。
  • SFC版以上にストーリーがあってないようなものであり、追加要素の時計とタイムアタックも取ってつけたような存在になっている。特に時計は12個必要なのだが、ラスボスを倒すといきなり残りの6個をもらえてしまう。それなら「ラスボスクリアで○%」とすればよかったのでは…?

余談3

  • 本作はもともと『ドンキーコングランド2』というタイトルで、GBで発売される予定であった。そのためかGBCに対応しているのは日本版のみで、海外版はGB・SGB対応作品として発売されている。