サイキックフォース2012
【さいきっくふぉーす とぅうぇんてぃとぅうぇるぶ】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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アーケード(WOLFシステム、NESiCA×Live)
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販売・開発元
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タイトー
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稼働開始日
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1998年6月(WOLFシステム) 2012年12月(NESiCA×Live)
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ストーリー
超能力者・サイキッカー。国家レベルでその存在が隠蔽された彼らは、ある者は人知れず政府や軍に囚われて実験材料とされ、またある者は異能の力ゆえの迫害に苦しんでいた。
彼らにとってまさしく暗黒の時代の2010年。研究施設を脱走したサイキッカーのキース・エヴァンスはサイキッカーの理想郷を作り出すべく、組織「ノア」を結成する。だが、キースは次第に「サイキッカーによる世界征服」の野望に取り憑かれ、ノアの拡大と共にその活動は苛烈さを増していった。
そんなノアとキースに反感を抱いたサイキッカーのバーン・グリフィスは、キースを止めるべく彼の元へ向かう。かつて親友同士であった氷と炎の超能力者はノア本部で激突するが、戦いが決着を迎えようとしたその瞬間、2人は前触れなく起こった本部施設の爆発に巻き込まれてしまう。
全てはノアの副総帥だったリチャード・ウォンの計略だった。指導者を失ったノアは瓦解し、生き残りの構成員もそのほとんどが、ウォンが内通していた人類軍に捕えられていった。
再び寄る辺を無くしたサイキッカー。彼らは再び、時代の迷い子となったのである。
ノア崩壊から2年。最早公然の存在となったサイキッカー達は民間レベルでもその存在が密告されるようになり、彼らの居場所は以前にも増す速さで無くなっていった。
そんな中、かつてノアに所属していたサイキッカーのカルロ・ベルフロンドは姿をくらましていたキースを発見し、再び彼を宗主とする「新生ノア」の結成を宣言する。一方、私欲のためにノアから人類側に寝返り暗躍するウォンは、今や彼のアイデアで発足した「軍サイキッカー部隊」を私物化するほどの地位に就いていた。
新生ノアと軍サイキッカー部隊……。かつては共に戦ったであろうサイキッカー達は、今や互いに同胞を殺し合う血塗られた時代の中にいた。
時に、西暦2012年。物語は「サイキッカーを殺せ」という使命以外を忘れたサイキッカーの少年マイトと、行方の知れない母を探すサイキッカーの少女、パトリシア・マイアーズが出会ったところから動き始める。
概要
1996年に稼働開始し、そのキャラクター性で多くのファンを取り込み、また確かな品質のゲーム性でゲーマー達からも一定の支持を集めたタイトーの対戦格闘ゲーム『サイキックフォース(PF)』。本作はそれから2年後に、新たなキャラクターや改良されたシステムを引っ提げて稼働開始した直接の続編となる。
しかし、前作から問題となっていた「ゲームのストーリーやキャラのファンではあるが、実際のゲームはプレイしないファンの増加」が頂点に達している中で発表された本作はその完成度の高さに反して、格闘ゲームの第2作に求められる「シリーズの定着」という役割を果たすことが出来なかった。格闘ゲームとしての完成度を更に高めることになった調整は、同時に何よりも取り込んでおきたかった「非格ゲー層」の新規参入への壁を大きくすることにもつながっていたのだ。
結果、本作を最後として『PF』は永遠にも思える長い沈黙期を迎えることになる。
システムの改良・変更点
「360度の範囲を移動できる結界の中で体力ゲージを削り合う」基本システムに関しては一切変化がないため、前作の記事を参照していただきたい。本項では前作からの変更点についてのみ言及する。
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重さによるクラス分け
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キャラクターが「軽量」・「中量」・「重量」の3つのカテゴリに割り振られた。カテゴリごとに違ったコンボルートが用意されたほか、吹き飛び量や当たり判定にも細かい設定が行われている。
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バリアブレイク
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前作の最大の問題だった「強力すぎるバリアガード」を解決するべく、バリア自体を破壊してダメージを与える特殊強攻撃が導入された。これはノーマルガードには完全に止められてしまうため、「バリアガード→バリアブレイク→ノーマルガード→投げ技→バリアガード……」という四すくみの強弱関係が出来、近接戦の駆け引きがより深くなった。
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バリアブレイクはキャラごとに性能も異なり、この点でもキャラのバリエーションが区別されている。
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体力ゲージとサイコゲージの一本化
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ラウンド開始時はゲージバーの上半分が体力、下半分がサイコゲージでそれぞれ100%づつ。ダメージを受けて体力ゲージが減るとその分サイコゲージの上限が増える。つまり追い込まれれば追い込まれるほどサイコゲージ上限が増えていく=強力な超能力技を連発できる、ということになる。
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また、体力を消費することで攻撃力を底上げする「ハイパーチャージ」も実装された。効果はハイパーチャージを行ったラウンド中持続し、ラウンドが切り替わるとリセットされる。
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第3のダッシュ・スライドダッシュ
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「←→+クイックダッシュ」で、弧を描くように短距離ダッシュを行う。近距離で繰り出すと相手の後ろに回り込めるが、軌道の関係上投げには捕まってしまう。
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出がかりの数フレームが無敵で、これを利用して相手の攻撃をすり抜ける大道芸も可能。
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PSYインパルス
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気絶時の落下中に弱or強攻撃ボタンを連打すると、サイコゲージを消費して一定範囲にダメージを与える衝撃波を発生させる。ダウン復帰時からの駆け引き要素が増えた。キャラ差こそないが、弱と強では性能が微妙に違う。
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新キャラの追加・キャラの一部入れ替え
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新キャラを4人追加。更に時限解禁キャラのバーン、キース、ウォンを加え、最終的には前作から5人増えた13人となった。
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前作の主人公であるバーンだが、新キャラとして性能の方向性は違えど、同じ炎使いのレジーナがいたり、セレクト画面では一人だけ付け足されたような印象がある。調整不足気味な高性能や明らかに手抜きなストーリーからも考えると、当初は登場させる予定はなかったのかもしれない。
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玄真、ソニア、ブラドがリストラされ、灌頂玄信、マイト、ガデスが新たに登場。
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変更の理由は「ストーリー的に同じことの繰り返しになりそうだから」とのこと。それ以前に本作のストーリーモードでは「敗北=死」という扱いになっており、ストーリーを進める上でもリストラは必然だったと言える。
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その他細かい追加要素
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超能力技の発射方向の撃ち分けが可能となり、先読み撃ちやフェイントが狙いやすくなった。
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結界にぶつかった際の追加ダメージがなくなり、隙を晒すのみになった。
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サドンデス時、体力ゲージ0%サイコゲージ200%の状態で始まるようになった(前作までは両方とも0%で開始された)。
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特定の状況下で超能力技を当てて勝利すると、敗北した相手が結界を突き破ってすっ飛んで行く演出が追加された。
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なお、オフィシャルイラストは『機動戦士Vガンダム』や『天空のエスカフローネ』に関わった名アニメーター、故・逢坂浩司が担当している。
評価点
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対戦ツールとしての完成
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「叩きつけられると動きが止まる結界」「360度の全周移動」「ハイリスク・ハイリターンの超能力技」「バリアガードを中心とする四すくみ」 ……。サイキックフォースというゲームはこうした要素が絡み合うことで、他のどの格ゲーにもない独特の駆け引きが魅力となっているタイトルである。本作でもそれは健在で、なおかつ「バリアブレイク」や「スライドダッシュ」、「超能力技の方向打ち分け」といった要素が加わり、対戦ツールとしての完成度とゲームの奥深さはとても大きいものとなった。
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多くの格ゲーが様々なマイナーチェンジを繰り返して完成度を上げていく中、第1作から約2年、実質3作目でここまで整った内容を実現したことに関しても評価されていいだろう。
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キャラクター性能のバランスも、流石に研究の進んだ現在では大きな差がついてしまっている部分もあるものの、全体としては比較的良好なレベルを獲得している。前作同様に設置系キャラを活躍させやすいのも格ゲーとしては特徴的。
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美麗なポリゴンとド派手な演出
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基盤のバージョンアップによってグラフィックはさらに美麗に。「アニメタッチのポリゴン」としては当時の最高クラスのクオリティを誇っている。前作までは「魚の骨」と呼ばれたキースの「ブリザードトゥース」もしっかりと竜の形に見える。
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60fpsのスムーズな動きも実現し、前作よりも幾分スピーディーになった。
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広大な3D空間を生かした超能力技の演出はどれも派手で迫力満点。ここまで技が美しく、そして何をしているのか解りやすい格ゲーもそうはない。
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高速でプリズムを伝導し相手を叩きのめす「シーカーレイ」や、画面の半分を覆い尽くす特大技「アークエンゼル」。シリーズを象徴する、エミリオの美しい光線技。
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『ジョジョの奇妙な冒険』へのオマージュが強いウォンの技も独特の雰囲気を醸し出している。大剣で串刺しにした相手に12本の短剣を全周囲からぶっ刺す「戒めの洗礼」や、文字通りウォン以外の時間の流れを操作する(動きを止める)「完全なる世界」のインパクトは絶大。掴んだ後にコンマ数秒の時間停止を繰り返して瞬間移動を重ね、全方位から拳法を叩き込むという非常にカッコいい投げ技も、クールなキャラを印象付けている。
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出血表現こそないものの、妙に生々しくえぐい技も増えた。特に投げが顕著で、カルロは相手の首根っこを足で挟み込んでへし折り、刹那は人体貫通パンチを繰り出す。
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今作から新しく追加された「結界割り」の演出も、決まった時の喜びを大きくする。
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一味違うZUNTATAサウンド
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タイトーお抱えのサウンドチーム「ZUNTATA」の一員であるDr.Haggyこと高萩英樹が担当した音楽はいずれも秀逸。もともとボーカルアレンジを前提に作曲されたのか(それも実際に発売された)キャッチーな旋律が多く、強烈な印象を残している。
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マイトのテーマ「Tears & flow」、ゲイツのテーマ「Gravity slugger」、『ミュージックガンガン!! 2』でも選曲された第3のエミリオテーマ「Fallen angel 2012」が代表的。
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こちらも基盤が変更されたことで音質が上がり、前作よりも表現の幅が広がっている。
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魅力あふれるキャラクターと世界観
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キャラ造形が上手く、それぞれが何かしらの個性を持っていて雰囲気(と、技も)がかぶっているキャラがいない。
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同じ「炎」使いであるレジーナとバーンですら似ている技はほんの一部のみ。それらの技も性能は大きく異なり、差別化がしっかりと図られている。
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世界観も前作の「サイキッカー陣営vs反サイキッカー陣営」という単純な構図から、「サイキッカー同士が生きるための戦いを強いられている」という複雑な構図となったことで新たな局面を生み出し、続編として理想的な流れが作られている。
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ある意味タイトーの恒例として、ストーリーはやたらめったら鬱。多彩なキャラクターが辿るハードな物語もまた、本作の魅力の一つである。
難点
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ゲームシステムの理解と慣れに手間取るというシステムは相変わらずだが、調整の結果、前作が持っていた「いい意味でのアバウトさ」が薄れ、より玄人向けになった印象がある。対戦ツールとしての完成度が高まったことの裏返しでもあるのだが、実際にゲームをプレイしないファン層をなおさら遠ざけたという弊害もあった。
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公式攻略本は400ページの分厚さで「全キャラのモーションごとの当たり判定・1フレーム単位での技の軌道が克明に解説されている」とてつもないシロモノ。「この攻略本を読んで初めてサイキックフォースの駆け引きを理解した」と語るプレイヤーがいる一方、対戦に必要な知識レベルを上げすぎた感は否めない。
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キャラごとの技数は決して豊富とは言えないにも関わらず、使い道のないロマン技も多い。
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具体的にはエミリオの「アークエンゼル」、ウェンディーの「アースゲイル」、カルロの「サーペントプレス」など。サーペントプレスに至っては「破壊力(だけ)が魅力の大(味な)技だ!」と攻略本に書かれる始末。
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「同じ力を持つ相手には通用しない」という設定を重視して、本作の同キャラ戦は他の対戦型ゲームと比べても不毛になりやすい仕様になっている。当然ながら対戦メインのプレイヤーからは不満の声もあった。
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特定の対戦カードによっては全くの役立たずになる技が存在する。特に刹那とウォンの同キャラ戦では顕著で、慣れたプレイヤー同士の対戦ともなれば毎回サドンデスの一発勝負に賭けるゲームになってしまうことも。
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刹那の場合「ザ・ダークネス」が全く効かなくなり、ただサイコゲージを無駄にするだけの技になる。
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ウォンの時を弄る超能力技「完全なる世界」と「悠久への誘い」は同キャラには通用せず、能力発動中も普通に動けてしまう(これも仕様として初代から受け継がれている)ため、お互いに奥の手が封じられる形になる。
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ガデスの同キャラ戦において「グラビティー∞」を出すと、自分が設置した「グラビティーブリット」、「アステロイドベルト」で纏った岩を残らず吸い込み相手を攻撃することができる。「アステロイドベルト」に至っては敵味方どちらが出したものでも適用されるため、相手が「グラビティー∞」を出せる状態なら事実上「アステロイドベルト」は使えなくなってしまう。
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マンネリを防ぐためとはいえ、シリーズ第2作で前作のキャラをリストラするだけならばまだしも、代替性能のキャラを用意しなかったことは流石に前作のファンから責められても仕方ないだろう。
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リストラとは違うが、人気の高かったエミリオのキャラがまるきり別物になったことも論議を呼んだ。
賛否両論点
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90年代丸出しで癖の強いキャラクターデザインは、流石に今見ると(今見ても)「ダサい」と感じる人が多いかもしれない。
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「履き忘れ」のレジーナ(股間部分が白いレオタードが某ストパンを彷彿とさせる)、「タマネギ部隊+食い倒れ人形」のカルロと、どうも斜め上のセンスのベルフロンド兄妹はよくネタにされる。他には某トレーズ閣下を彷彿とさせる玄信のまつ毛、「注連縄」とすら揶揄されるパティの髪の毛など。
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とはいえ、前作から「昭和のヒーローのような懐かしさ・ちょいダサ」なデザイン路線が敷かれており、それを「PFらしさ」として、絶妙なレトロ感と外連味の両立を好むファンもいることを忘れてはならない。
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主役たるマイトとパティの関係が2人だけで完結しており前作ほどキャラ間の人間関係に広がりがない、「勢い余って、または止む無く大切な人を殺してしまった」という展開が多い、といったストーリーの難点も目立っている。格ゲーのストーリーにそこまでの完成度を求めるのが正しいかはともかく。
対戦バランスについて
『2012』は全体としては良好なゲームバランスを持った作品である。しかし、真に「バランスの良い」格闘ゲームと言うものは存在しえない。
本作でも(長期にわたる研究の結果という形ではあるが)幾つか大きく差をつける要素が発見されている。
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最強とされるキャラは玄信、バーンの2強。人によっては玄信1強とも。
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玄信の設置機雷「連炎符」は非常に隙が少なく、出がかりを攻めるのが難しい。連炎符は漂っているだけで邪魔(接触でダメージが入るばかりか、超能力技が相殺される)なのだが、その上一番近い連炎符から短距離の奇襲攻撃を仕掛けられる超能力技「護法脚」まで持っており、相手からすればうっかり近寄ることすら危険。
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自然消滅までの滞空時間も10秒と長い上、フィールド内に5個まで設置できる。適当に撒くだけでも強く、熟練の玄信使いが的確に撒くと攻防共に非常にいやらしい技となる。これだけの性能を持ちながら、サイコゲージ消費量も30%と少なめ。
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連炎符を抜きにしても他の超能力技にも使えるものが揃っており、半確定バリアブレイクが非常にやりやすいため攻撃面でも優秀。防御面でも独自の回避超能力技「符護術」を持ち、さらに格闘の性能もよい。
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時限解禁のバーンはどこかしらバランス調整を放棄したような使いやすさを持っている。近接技の判定がとにかく強く、弱ショット技もほとんど隙が無いので打撃戦で当たり負けすることがまずない。その上「トライアングルヒート」「ゴッドフェニックス」を絡めたコンボのダメージ効率は非常に高く、回避バリアさえ出されなければトップクラスの火力を安定して叩き出せる。ダメージレースでバーンの右に出られるキャラはそうおらず、遠距離戦も相応にはこなせるため、隙が少ない。
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公式大会を二度も制しており、実戦値は抜群。未だにバーンを最強キャラとして推す声も高い。
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最弱とされるキャラはゲイツ、ガデス、刹那の3人。特に刹那が最下位と位置付けられることが多い。
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ゲイツは当たり判定が大きく、技の発生も全体的に遅め。キャラ別の体力差・防御力差というものが存在せず、位置取りが重要な本作ではこの点がもろに響いてくる。ノーマルガードを崩しにくいのも難点で、的確な位置取りと豊富な飛び道具を使い分けることが出来ないと厳しい。
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実は初期の公式大会優勝キャラはこのゲイツ。それ以降急激に研究と対策が進み、現在はこのような見解が一般的になってしまった。所謂典型的な「当たれば強いタイプ」だったので、対応を熟知されると当てることすら出来ずに落とされてしまう。
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ガデスは一撃が大きく、付ける事ができれば非常に強力な攻防一体のバリア技「アステロイドベルト」で果敢に攻め込んでいけるのだが、とにかく機動力に欠ける上、メインとなる超能力技のゲージ消費量が大きめ。はまれば圧倒できるが、逆に機動力重視のキャラに圧倒されることもしばしば。
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刹那は遠距離戦では屈指の強さを持つが、どうしてもゲームシステム自体が近距離戦寄りで、さらに自身の近距離戦対応力もかなり低いため、その強さがシステムとかみ合っていない状態にある。初~中級者ならばともかく、上級者が集まるトーナメントレベルの戦いで活かすのは至難。
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レシオに大きな差が付く組み合わせもいくつか見つかっている。
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代表例は9:1の玄信vsエミリオ。エミリオも玄人向け強キャラの部類に入るのだが、いかんせん連炎符への対処法=効率的に連炎符を掃除する手段が無いため、どうしてもジリ貧になってしまう。頼みの綱の「シーカーレイ」も連炎符の影に隠れた玄信には通用しないため、強みをほぼ封殺される。
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相手の隙を伺う行動として、かなりローリスクに立ち回れる方法が存在してしまっている。
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具体的には「通常移動で後退しながらノーマルガードを繰り返し、超能力技が来たときにだけバリアガードする」というもの。もちろんプレイヤーの反応速度に依存する部分が大きいのだが、この行動は「後退しながらなので投げをスカせる」「超能力技を出されてもバリアガード、最悪でもノーマルガードで半分の削りダメージで済む」「弱ショット・打撃コンボ・バリアブレイクをガードできる」となり、先述の四すくみを壊しかねない低リスクな行動なのである。当然、相手が隙を見せたら反撃してダメージを取れるためリターンも大きい。
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ゲイツや刹那はこれに対処する方法が非常に限られる、というのも弱キャラとなってしまっている一因。
総評 ~時代の迷い子として~
他の格ゲーではあまり重視されなかったストーリー・キャラクター性を前面に押し出し、今で言う「腐女(男)子」や普段ゲームセンターを訪れない人からの高い人気を集めた『サイキックフォース』。
しかし時が経つにつれ、そうした「キャラに興味はあるが、格ゲー自体には手を出さない」ファンの比率が増加し、その盛り上がりに反して実際のインカムはそこまで高くならない……という問題が生まれる。タイトーも公式でファンイベントを主催したが、それがかえって客層のミスマッチを煽ることになった。当時はまだ敬遠されがちだったアニメテイストを、それまでのゲーセンに馴染んでいたゲーマー達が敬遠したことも足を引っ張った。
そのような状況の中で本作『2012』がリリースされることになるのだが、ロケテストでインカム高がそこまで上がらずに導入を見送ったり、導入後も早々に撤去してしまう店舗が多く発生し、結果として商業的には完全に失敗してしまうことになった。
まさに「解る人だけに解る」作品となってしまった感が強い作品。リリースがもう少し遅ければ、本作、ひいてはシリーズを待ち受ける運命も少しは変わったものになったかもしれない。
しかしその出来は間違いなく本物で、対戦が盛んな一部の店舗では(続編が出ないこともあっただろうが)約3年の長きにわたって研究が続けられたタイトルでもある。
脆弱なWOLFシステム(基盤が非常に故障しやすい。そのためか、使用されたのは後にも先にも本作だけ。)を使用していたことが仇となり、ただでさえ少ない稼働店舗はさらに減りつつある。PS3での続編制作も考えられたそうだが、タイトーのスクウェア・エニックス合併の際に流れてしまったようだ。現実の西暦2012年という時が過ぎゆく中、いまだに沈黙を続けるシリーズの復活を求めるファンも多い。
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…そんなファンの思いが通じたのか、2012年12月にタイトーのアーケードゲーム配信プラットフォームである『NESiCAxLIVE』で配信されることが発表されている。なお基本的には下記の移植版を元にしたのではなくアーケード版のほぼベタ移植となるため、NESiCAへのデータ保存などは行われない。
参考:対戦動画
貴重な高レベルプレイヤーによる高画質対戦動画。駆け引きの内容について、コメントも参考になる。
移植版
DC版:サイキックフォース2012
対応機種
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ドリームキャスト
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メディア
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GD-ROM 1枚組
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発売日
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1999年3月4日
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定価
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5,800円(税抜)
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周辺機器
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アーケードスティック ぶるぶるぱっく
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一部のバグ技が使用不可となった以外、ほぼ完全な移植を実現している。対戦派のプレイヤーならばこちらかWindows版で決まり。
ストーリーモードのテキストがフルボイス化。この点はPS版『2』にも引き継がれた。
ただし『2』と比べると、本作ならではのオリジナル要素が存在しない、CPUが強すぎるといった短所がある。
PS版:サイキックフォース2
対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 1枚組
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発売日
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1999年10月8日
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定価
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6,090円
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配信
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ゲームアーカイブス:2008年9月10日/600円
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アーケードからの移植と言うよりは、前作のPS版の続編と言ったほうがいい作品。PS作品としては高水準であるものの、DC版よりもグラフィックがやや劣化し、fpsも30に引き下げられた。しかし出力はまだしも、入力までもが30fpsになったため、アーケード版と同じ感覚でコマンドを入力するとなかなか受け付けないという大きな問題が出てしまった。
説明書にも各キャラのコマンドが記載されておらず(テストモードで見なければならない)、テストモードでも細かい調整が効かないなど、ユーザーに不親切な部分も目立つ。対戦・練習ツールとしてはお世辞にも褒められたものではない。
代わりに『2』独自のオリジナル追加要素が充実している。
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『2012』でリストラされていた玄真、ソニア、ブラドが使用可能となった。
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キャラに異なるキャラの持ち技を付与できる「PSY-EXPANDモード」が導入され、なかなかに面白いカスタマイズが出来るようになった。反面、飽きやすく、拘束系の技で固めると一方的な展開になる難点もある。
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影山ヒロノブが歌う主題歌「The legend ~a dying hero's story~」に合わせたハイクオリティなオープニングムービー & ANZAが歌うエンディングテーマ「愛を沈めてる」の追加。
対戦ツールとしての出来は悪いが、単体の品質はそこまで悪くない。現在ではゲームアーカイブスでも配信されているので、『サイキックフォース』という作品の雰囲気を味わうために購入するのもおすすめ。
Windows版:サイキックフォース2012
Glide対応版(国内PCゲームでは実質唯一の採用例でもある)とDirectX対応版のプログラムが同梱されていて、環境に合わせていずれかをインストールする方式が取られている。
業務用のベタ移植としてリリースされ、DC版と共に移植版の双璧として挙げられる。一方、コンフィグが貧弱でグラフィック関係の設定が全く出来ず、要求スペックも(当時としては)かなり高いと言う欠点もあった。
2001年にはXP以降のOSに対応し(設定にもよるがVista及び7 32ビット版でも動作が確認されている)価格を下げた「復刻版」が発売された。設定資料集が同梱され、グラフィック関係の設定が出来る様になったが、その代わりGlide非対応となった。
PS2版:サイキックフォース COMPLETE
合併直前のタイトーが送り出し、多くのPFファンを失望させた黒歴史。
前作と2012の移植に加え、PS版同様に玄真・ソニア・ブラドが使用可能な本作独自の調整版『2012EX』が収録されている…… だが。
前作の致命的バグのほか、2012でも不具合が多数見つかっている。主に激しい処理落ちや一部演出が再現されていないなどで、ゲーム性に関わる部分の不具合が少ないのはまだしも幸いであった。
余談
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「ゲーメスト」誌上での恒例企画「ゲーム大賞」だが、本作はこれで大賞を受賞することとなった。が、実際のプレイヤー人口・人気と不釣り合いな受賞は、本来のターゲットであるアーケードゲーマーではなく、同人ファン層の組織票によるものだという(確定に近い)疑念を生むこととなった。
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本作のストーリーは典型的な90年代タイトーゲーのそれであり、少年漫画的な見た目からは想像がつかないほど過酷。キャラクター13人のストーリーを見直すと、完全なハッピーエンドを迎えるのは僅かに2人。その他は一応のグッドエンド2人、グッドにもバッドにもどっちにも解釈できる1人、バッドエンドな4人、本人死亡4人(!?)……。ここまで過激な格ゲーもあまりないと思われる。
おまけにその「ハッピーエンド」が、当人達にとってはハッピーでも世間一般の良識では到底ハッピーとは言い切れないものであるのがまた何とも言えない。
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もう少し詳細な内容
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死亡した4人
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マイト:マイトは実はウォンに囚われ、遺伝子提供を強いられていたパティから生まれた対サイキッカー用生体兵器であった。未来のパティは自らの存在を抹消するためにマイトを過去に送り、事実を忘れたマイトは本能のままにパティと元凶のウォンを葬る。全てを思い出した彼は満ち足りた表情のまま、タイムパラドックスで消滅するのだった。
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レジーナ:ウォンを倒してノアに帰還したレジーナが見たのは、ガデスに殺害されたカルロの亡骸だった。レジーナはガデスを倒すが、絶命寸前のガデスから一撃を受け、相打ちとなる。妹は兄の亡骸の上に崩れ落ちるのだった。
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玄信:サイキッカー討伐の旅の果てにウォンの元にたどり着いた玄信は、ウォンにサンプルとして囚われていた影高野の神妃・栞を救出する。しかし人体実験の影響で死に瀕した栞を助けるべく、玄信は自らの命を捧げた。生還した栞は玄信の遺品である巻物を背に、影高野の復興を心に誓う。
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刹那:ウォンに反旗を翻した刹那は、ウォンを後一歩のところまで追いつめる。しかしとどめを刺そうとした瞬間、人工的に強化された刹那の肉体は限界を迎えた。直立不動のまま息絶えた刹那をしり目に、ウォンは高笑いを上げて歩き去った……。
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バッドエンド4人
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パティ:自分に刃を向けたマイトを止むなく殺害したパティ。母の敵であるウォンを倒した彼女は再び旅に出る。「いつかマイトと再び会える気がする」と感じながら歩き出す彼女だったが、その行動は生きていたウォンに監視されていたのだった……。
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カルロ:ガデスにレジーナを殺されたカルロは一向に表に出ようとしないキースを見限り、彼を排除してノアの実権を握ろうとする。しかしその役はカルロの手に余るものだった。壊滅するノア本部で、カルロはキースの亡骸を抱えて絶望にむせび泣く。
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キース:2年間、冷凍睡眠を続けるバーンの回復を待ち続けたキース。目覚めたバーンに自らの理想を説くキースだったがバーンはそれを受け入れず、2年前の戦いが繰り返される。結局分かり合えぬまま息絶えたバーンを背に、キースは自らの理想を貫くことを誓う。
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バーン:キースシナリオとほとんど同じ。最後の最後で親友に戻った2人。「また昔の様に…」と呟きながら息絶えたキースを抱きしめ、バーンは無念の叫びを上げる。
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曖昧な1人
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エミリオ:ウォンの洗脳から解き放たれたエミリオは心の奥の邪悪な人格と対面し、これを否定するべく自分自身との戦いに挑む。全てが終わった後に駆け付けたウェンディーの声に振り向くエミリオ。その口元に浮かぶ不穏な笑みは影との決別を果たした喜びによるものか、それとも……。
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一応のグッドエンド2人
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ゲイツ:ウォンとの戦いで自らの記憶を取り戻し、妻子の敵であるキースを倒したゲイツ。2年ぶりに軍に帰還した彼はそのまま除隊し、警察官となった。ある日交通整理中に娘と同じ名前の少女を助けたゲイツは、去りゆく少女とその母を見ながら1人孤独に娘の名を呟く。
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ウェンディー:襲いかかってきたエミリオを殺めながらもウォンを倒し、キースに幽閉されていたバーンと再会したウェンディー。2人はエミリオの墓前で、これ以上彼のような犠牲者を出させないために動くことを誓うのだった。
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ハッピーエンドな2人
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ウォン:新生ノアや不穏分子の刹那、マイト、影高野は殲滅した! もう邪魔者はいない、世界は私のものだ!!
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ガデス:刃向ってくる奴らは皆殺しにしてやった。報酬も貰ったし次はどうしてやろうかな。
……と、ほとんどのストーリーの黒幕であるウォンと、気に入らない奴は手当たり次第に血祭りに上げる極悪人のガデスが一番報われて終わるという、凄まじく釈然としない結末であった。
ヒロインであるパティの扱いの酷さや、何とも後味の悪いエミリオルート(いかんせん、ラストが悪人格のそれにしか見えない)、そして前作の主役であったキースとバーンの相変わらずの結末も侮れない。
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