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SILENT HILL 4: THE ROOM - (2012/07/23 (月) 20:30:39) の編集履歴(バックアップ)


SILENT HILL 4: THE ROOM

【さいれんとひるふぉー ざ・るーむ】

ジャンル ホラーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2004年6月17日
価格 7,329円(税込)
廉価版 コナミ ザ・ベスト:2005年6月9日/2,800円
コナミ殿堂セレクション:2010年1月28日/1,890円
サイレントヒルシリーズリンク


ストーリー

サウスアッシュフィールドハイツ302号室の住人、ヘンリー・タウンゼントに異変が起きる。
毎晩悪夢を見るようになり、そして部屋から出られなくなってしまった。
ドアが開かないのはもちろん、窓や壁さえも壊すことができず、電話も通じない。
部屋から出られなくなって5日目、浴室の壁に突如巨大な穴が開いた。
ヘンリーはこの穴を通じて、部屋からの脱出を試みるが……

概要

サイレントヒルシリーズ4作目で、前作との繋がりもいくつか見られる。
シリーズのマンネリ化を防ぐため、様々な面で大幅なモデルチェンジが図かれている。

他作品との相違点

システム

  • 移動操作が2Dのみで固定。過去作までは基本的に3Dの移動操作でありオプションで2Dに変更可能だったが、今作では2Dのみとなっている。
  • 携帯できるアイテムの個数に制限がある。それ以外は部屋にある箱の中に保管しなければいけない。
  • 回避のための動作が存在する。
  • 打撃武器は攻撃ボタンを長押しすることで溜め攻撃ができ、そのモーション中は無敵になる。これを利用して敵の猛攻撃をごり押しで強行突破することも可能。
  • ラジオの用途が違う。
    • 他のシリーズではノイズ音によって敵の察知を教えていたが、本作では部屋の異常の有無を表している。 世界観
  • ステージそのものが比較的明るく、真っ暗闇の中を探索することはあまりない。そのためライトも存在しない。
  • ゲーム中において重要なファクターである、サイレントヒルが直接登場しない。
  • 所謂ボスと言える敵があまり出てこない。
    • ボスと言えるのはラスボスと大型ウォールマン、ボスゴーストぐらい。
  • 絶対に倒せない敵「ゴースト」が出現する。
    • ゴーストは他のクリーチャーとは違い、HPをゼロにしても一時的に行動不能にはなるが、しばらくすると復活する。逃げても壁を突き抜けて追いかけてくる。
    • 近くにいるだけでもダメージを受けてしまう。あるアイテムを使えば動きを完全に封じることができるが、数は5本のみと限られている。
    • 数種類存在している他、さらに強力な4体のボスゴースト*1も出現する。

評価点

  • ストーリーがかなり奥深い。シリーズ中でも最も練られた奥深いストーリーで、演出も良好。
  • 恐怖演出がかなり多い。
    • 作中共に行動することになるアイリーンは、攻撃を受ける、敵のいる部屋に放置したりするとどんどん痛々しい姿になっていく。さらに浸食が進むに連れてヘンリーを叩いたり意味不明な言葉を言ったりするなど挙動がおかしくなっていき、終いには近くにいるだけでダメージを受けるようになってしまう。ただし浸食度を減らす方法はある。
    • 唯一の安息の場所である自室も、やがて浸食されていく。最初の内は自動で体力が回復するが、ゲームが進むに連れてそれもできなくなり、「壁からゴーストが現れる」「窓を見ると人の生首が落下する」「ソファーに血がつく」「時計の針が高速で回る」「蛇口から血が流れる」などの様々な怪奇現象が起きるようになっていく。
      • 発生している怪奇現象に近づくと少しずつダメージを受けるが、特定のアイテムを使うことで除霊することが可能。
    • モンスターのデザインもなかなかのもの。
      • 特に水牢で登場する「ヴィクティム07+08」は頭が二つ、足がない、やたら素早いと初見ではかなりの恐怖。これが十数体も出てくる場所もある。

不評点

  • 初見殺しの要素があまりにも多い。
    • ストーリー中で入手するあるアイテムは、持っていても何の効果も無いが、アイテムBOXに入れると怪奇現象発生時にアイテムを収納できなくなる。そのため常に持ち歩くことが必要とされる(必然的に持てるアイテム数が減る)。
    • アイリーンや自宅の浸食は一見何の意味があるのか分かりにくいが、実はエンディング分岐に関わっている。*2
    • ボスゴーストは「帰服の剣」を使って封印しておかないと後のステージで何度も出てくるようになるのだが、知らずにスルーして泣きを見たプレイヤーもいたとか。
  • 銃が役立たずになっている。
    • まず、本作は打撃武器が銃に比べて強い。*3
    • さらに、銃の弾丸が1マガジン分で一枠使うようになってしまっているため、銃を用いると持ち物を圧迫する。
      • 1マガジンで倒せる敵はせいぜい2~3匹であり、持ち物枠全てを弾丸で埋めてもあっという間に弾切れになってしまう。
      • また、登場する銃器は全て拳銃であり、銃に「遠くから攻撃できる」以外のメリットがないのも拍車をかけている。
    • ただ、「銀の銃弾」はボスゴーストすら一撃でダウンさせるほどの高威力を誇る。2発しか存在しないが。
  • 前半は栄養ドリンクやアンプルといった回復アイテムが少ないため、苦戦しがち。一方で後半はかなり多く配置されているため、バランスが悪い。
    • 前半では自室に戻れば体力が回復する為だが、その説明は無い。
  • UFOエンドが存在しない。
    • UFOエンドとはこれまでのシリーズではお約束となっていた、世界観無視のギャグエンド。これがないから本作に低評価をつけるプレイヤーも多い。
      • この反省からか、本作以降のシリーズ作品には(アーケード版も含めて)例外なくUFOエンドが収録されている。*4
      • なお、没データの中には過去シリーズでUFOエンドのフラグとなっていたアイテムデータの存在が確認されている。

総評

マンネリ打破のために様々な部分を改変した作品だが、結果シリーズファンの一部からは低評価をされてしまっている不遇な作品。 とはいえ、総合的な完成度は非常に高く、他のシリーズと比べても決して見劣りはしない。